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第二章 マレビト
025-5
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魔女がいなくなった後、ノエルさんが大きく息を吐いた。クリフさんは眉間に皺を寄せていて、頭が痛い、と顔が物語っていた。
疲れているように見えるので、チャイを淹れて出したら、少し落ち着いてきた……かな。
何となく、だけど、魔女が──パフィが僕の思っていたのとちょっと違うんだろうな、って思う。
「大丈夫ですか?」
「アシュリーの言う魔女が、まさか古の魔女なんて……」
そう言えばさっきも古の魔女、って言ってた。
魔女のことをそう呼ぶのかとも思ったけど、どうもそれも違いそう。
「魔女って色々いるんですか?」
「アシュリーはパシュパフィッツェ様しか知らないから、仕方ないのかな」
魔女の名前を知ってるなんて、ノエルさんは本当に物知りだなぁ。
「本来はパシュパフィッツェ様のような古の魔女だけを言うんだけど、人数も少ないし、今では魔女とは別の人たちを指す事が多いんだよ」
ノエルさんが魔女について説明してくれた。
世襲でも、スキルでもなくその力を受け継ぎ続けるのが古の魔女で、世界に五人いるんだって。その内の一人がパシュパフィッツェ──パフィらしい。
膨大な魔力を持ち、人の理である寿命という概念を超越した存在、ってノエルさんは言う。
うん、確かにパフィはずっと年を取らない。
古の魔女は大変きまぐれで、気が向けば人を助けもするし、その逆に滅ぼしたりもする。
彼女達は人としての倫理、情はなく、とある国の王様がうっかり言ってしまったことに怒って、国ごと滅ぼしてしまったり、なんて事もあったらしい。
パフィはそんな人じゃないし、正直にぴんとこないんだけど……他の古の魔女にはいるのかも。
実際にパフィの魔力の凄さを間近で見てきていたから、そんな事も可能かも知れないな、とも思う。
そもそも、古の魔女は人と交わろうとしないから、まさか本物だとは思ってなかったみたい。
あと、ノエルさんが勘違いしたのは、魔女と呼ばれる存在が他にもいるから。
古の魔女に憧れて、魔法やら魔法薬学やらを駆使し、知識を蓄積して、いずれは古の魔女になろうとする人達を呆れ半分、尊敬半分に"魔女"と呼ぶんだって。
知識もあるし、スキルとして魔法も魔法薬学も持っているのもあって、尊敬されるべき面も持ち合わせているからみたい。
だから、僕の話を聞いていても、古の魔女には結びつかなかったよ、と力なくノエルさんは笑った。
僕としてはノエルさんが言う方の魔女を知らなかったから、びっくりした。
「パフィ──パシュパフィッツェだって分かったのはどうしてですか?」
「使い魔の存在だよ」
マグロのこと?
「古の魔女と契約した使い魔と、アシュリー達のテイムは根本的に原理が異なるんだけど……そもそもどういう事をすれば使い魔に出来るのかも、僕たちは知らないんだけどね……。
アシュリーはテイムした動物と意識や感覚の共有は出来ないでしょう?」
頷く。
テイムはテイムで、一つになることじゃない。
「自分以外の存在の肉体を、一時的にでも奪うと言うのはとてつもない事なんだよ……」
そこからノエルさんがしてくれた説明は、あまりに難しくて、全然頭に入って来なかった……もっと勉強頑張ろう、うん。
「それとね、古の魔女の使い魔はそれぞれ違っているんだ。
焦熱の魔女 ダリアの使い魔は真っ赤な羽根に、七色の尾を持つ鳥。
予言の魔女 ヴィヴィアンナアの使い魔は純白の身体に角を持つ馬。
氷花の魔女 キルヒシュタフの使い魔は白銀の狼。
秩序の魔女 アマーリアーナの使い魔は白と黒の大蛇。
混沌の魔女 パシュパフィッツェの使い魔は二股の黒猫。
だから、ひと目で分かったよ……」
「そうなんですね。それにしても、他の魔女の使い魔はなんだかみんな凄そうですね。パフィのだけ小さい」
ノエルさんの顔色が悪くなる。
「アシュリー……パシュパフィッツェ様にそんな事言ったりしないでね?」
「パフィは、大変愛くるしくて私にぴったりだ、ってよく言ってたから、大丈夫ですよ」
パフィを怒らせないで、って言う意味でノエルさんは言ってるんだろうけど、いくらパフィがきまぐれでも、そんなことで怒ったりはしないですよ、ノエルさん。
大蛇が使い魔って、どんな感じなんだろう?
マグロはよく、パフィの膝の上で寝てたけど、大蛇も同じように頭をヴィヴィアンナさんの膝にのせたりするのかな?
「最近ちょっと、日々の刺激が強いなって思うんだ」
「……そうだな」
ノエルさんとクリフさんが遠い目をして言った。
疲れているように見えるので、チャイを淹れて出したら、少し落ち着いてきた……かな。
何となく、だけど、魔女が──パフィが僕の思っていたのとちょっと違うんだろうな、って思う。
「大丈夫ですか?」
「アシュリーの言う魔女が、まさか古の魔女なんて……」
そう言えばさっきも古の魔女、って言ってた。
魔女のことをそう呼ぶのかとも思ったけど、どうもそれも違いそう。
「魔女って色々いるんですか?」
「アシュリーはパシュパフィッツェ様しか知らないから、仕方ないのかな」
魔女の名前を知ってるなんて、ノエルさんは本当に物知りだなぁ。
「本来はパシュパフィッツェ様のような古の魔女だけを言うんだけど、人数も少ないし、今では魔女とは別の人たちを指す事が多いんだよ」
ノエルさんが魔女について説明してくれた。
世襲でも、スキルでもなくその力を受け継ぎ続けるのが古の魔女で、世界に五人いるんだって。その内の一人がパシュパフィッツェ──パフィらしい。
膨大な魔力を持ち、人の理である寿命という概念を超越した存在、ってノエルさんは言う。
うん、確かにパフィはずっと年を取らない。
古の魔女は大変きまぐれで、気が向けば人を助けもするし、その逆に滅ぼしたりもする。
彼女達は人としての倫理、情はなく、とある国の王様がうっかり言ってしまったことに怒って、国ごと滅ぼしてしまったり、なんて事もあったらしい。
パフィはそんな人じゃないし、正直にぴんとこないんだけど……他の古の魔女にはいるのかも。
実際にパフィの魔力の凄さを間近で見てきていたから、そんな事も可能かも知れないな、とも思う。
そもそも、古の魔女は人と交わろうとしないから、まさか本物だとは思ってなかったみたい。
あと、ノエルさんが勘違いしたのは、魔女と呼ばれる存在が他にもいるから。
古の魔女に憧れて、魔法やら魔法薬学やらを駆使し、知識を蓄積して、いずれは古の魔女になろうとする人達を呆れ半分、尊敬半分に"魔女"と呼ぶんだって。
知識もあるし、スキルとして魔法も魔法薬学も持っているのもあって、尊敬されるべき面も持ち合わせているからみたい。
だから、僕の話を聞いていても、古の魔女には結びつかなかったよ、と力なくノエルさんは笑った。
僕としてはノエルさんが言う方の魔女を知らなかったから、びっくりした。
「パフィ──パシュパフィッツェだって分かったのはどうしてですか?」
「使い魔の存在だよ」
マグロのこと?
「古の魔女と契約した使い魔と、アシュリー達のテイムは根本的に原理が異なるんだけど……そもそもどういう事をすれば使い魔に出来るのかも、僕たちは知らないんだけどね……。
アシュリーはテイムした動物と意識や感覚の共有は出来ないでしょう?」
頷く。
テイムはテイムで、一つになることじゃない。
「自分以外の存在の肉体を、一時的にでも奪うと言うのはとてつもない事なんだよ……」
そこからノエルさんがしてくれた説明は、あまりに難しくて、全然頭に入って来なかった……もっと勉強頑張ろう、うん。
「それとね、古の魔女の使い魔はそれぞれ違っているんだ。
焦熱の魔女 ダリアの使い魔は真っ赤な羽根に、七色の尾を持つ鳥。
予言の魔女 ヴィヴィアンナアの使い魔は純白の身体に角を持つ馬。
氷花の魔女 キルヒシュタフの使い魔は白銀の狼。
秩序の魔女 アマーリアーナの使い魔は白と黒の大蛇。
混沌の魔女 パシュパフィッツェの使い魔は二股の黒猫。
だから、ひと目で分かったよ……」
「そうなんですね。それにしても、他の魔女の使い魔はなんだかみんな凄そうですね。パフィのだけ小さい」
ノエルさんの顔色が悪くなる。
「アシュリー……パシュパフィッツェ様にそんな事言ったりしないでね?」
「パフィは、大変愛くるしくて私にぴったりだ、ってよく言ってたから、大丈夫ですよ」
パフィを怒らせないで、って言う意味でノエルさんは言ってるんだろうけど、いくらパフィがきまぐれでも、そんなことで怒ったりはしないですよ、ノエルさん。
大蛇が使い魔って、どんな感じなんだろう?
マグロはよく、パフィの膝の上で寝てたけど、大蛇も同じように頭をヴィヴィアンナさんの膝にのせたりするのかな?
「最近ちょっと、日々の刺激が強いなって思うんだ」
「……そうだな」
ノエルさんとクリフさんが遠い目をして言った。
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