万物争覇のコンバート 〜回帰後の人生をシステムでやり直す〜

黒城白爵

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第三章

第百十三話 門番

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 ◆◇◆◇◆◇



 墓地フィールドで一気にレベル上げパワーレベリングしたおかげで、エリスのレベルは中級覚醒者の限界値を突破した。
 上級覚醒者へとランクアップしてからもなおレベルは上がり続け、現在のレベルは7。
 ランクは勿論、レベル的にもリリアとマリヤの2人とは殆ど変わらない領域にまで至った。
 ランクアップによってエリスが得たクラスは〈聖女〉。
 上級覚醒者が取得可能な神官系クラスの最高峰であり、回復技能と支援魔法のスペシャリストだ。

 〈聖女〉の希少性がリリアの〈魔女〉やマリヤの〈戦乙女〉よりも上なだけあって、獲得したクラススキルも強力なものばかりだった。
 1日に1度だけ、自らと味方の全能力値と全属性耐性、全状態異常耐性を強化できる【聖戦の加護セイクリッド・ウォー】。
 強力な聖属性の光線を放つ【神聖光撃セイクリッド・スマイト】。
 強靭な聖属性の障壁を展開する【神聖光壁セイクリッド・ウォール】。

 エリスは元より支援系回復役ヒーラーだったが、新たに獲得したクラススキルによって手が空いている時は強力な攻撃を行えるようになった。
 おかげで進行速度が上がり、墓地フィールドに足を踏み入れてから1時間ほどで、魔王城の城門を守るボスモンスターの元へと辿り着いた。


「新しいクラススキルで全員を強化した方がいい?」

「いや、まだ先があるから温存しておこう。この程度なら4人で挑めば楽勝さ」


 城門前に佇む黒い靄を纏った巨大な骸骨竜の名は〈闇躯竜骸ネクロス・ボーンドラゴン〉。
 闇と死属性のドラゴンがアンデッド化したモンスターであり、単純にドラゴンとしてみるならば中位ぐらいの存在になる。
 生前の〈闇骸魔竜ネクロス・ドラゴン〉は高位のドラゴンであるためアンデッド化により弱体化しているが、基本的な種族能力は行使できるはずだ。


「エリー、リリア、はじめてくれ」

「『対不浄防護アンチ・アンデッド・プロテクション』『闇属性耐性強化ダーク・トレランス・ブースト』『光武器化ライト・ウェポン』」

「『風精霊の祝福ブレッシング・オブ・シルフ』『中級身体能力強化ミドル・フィジカル・ブースト』」


 2人に道中で指示しておいた支援魔法が次々と発動され、全員の各種能力を強化していく。
 ネクロス・ボーンドラゴン、もといボーンドラゴンもただ見ていたわけではなく、自らの召喚能力を行使して地中から配下のアンデッド達を召喚していた。
 こちらの僅かな準備時間の間に100体ものアンデッド系モンスターが召喚されたが、この程度ならば何の問題はない。
 

「マリヤ」

「はい。【楯の乙女シールド・メイデン】ッ!」


 術者であるマリヤを起点に周囲に魔力の波動が放たれる。
 その波動を受けた味方は全能力値が強化され、波動を受けた全てのアンデッドの敵意ヘイトがマリヤ1人へと向いていた。


「ハァッ!」


 振り抜かれたマリヤの剣から斬撃波が放たれ、アンデッドの軍勢の一角を消し飛ばしていった。
 それをきっかけにアンデッド達が一斉に動き出した。
 ボスモンスターであるボーンドラゴン含めて、モンスターの注意がマリヤ1人に向いている隙に後衛から大火力攻撃が放たれた。


「『下降嵐撃ダウンバースト』」


 リリアの風属性上級攻撃魔法が発動され、上空から急速に落ちてきた下降気流がボーンドラゴンへと直撃する。
 落下地点であるボーンドラゴンを中心にして四散した無数の風塊が周りのアンデッド達を打ち砕いていく。
 荒れ狂う風は俺達にも襲い掛かってきたが、単純に距離があるのに加えて、俺達にはリリアがかけた『風精霊の祝福ブレッシング・オブ・シルフ』の効果に含まれている『風を味方にする守り』があるおかげで何の被害もなかった。

 魔力を含んだ風の強撃によってボーンドラゴンが纏っていた闇の衣が剥げ落ち、その骨の巨体にも亀裂が入っていた。
 あれほどダメージを受けたならば、リリアのクラススキル【魔女の厄災ウィッチ・カラミティ】で魔法を強化してから放っていたら、今の一撃で倒せていたかもしれない。

 
「まぁ、あとの祭りか。【雷皇天身】」


 堕天剣バラキエルの能力【雷皇天身】を発動させて全身に紫電を纏う。
 雷によって強化された身体能力を確かめるべく、火花が弾ける音を立ててからボーンドラゴンへと駆け出す。
 マリヤによる誘引とリリアの魔法攻撃によって、ボーンドラゴンまでの道は拓かれている。
 何体かのアンデッドは俺に気付いたが、それらのアンデッドによる妨害行為を置き去りにするように駆け抜けていった。

 あっという間にボーンドラゴンへと肉迫すると、ちょうど体勢を立て直したボーンドラゴンと目が合った。
 眼球の無い眼孔に浮かぶ青白い炎の眼から、相手を〈恐怖〉状態にする魔力が放たれてきたが、エリスの『対不浄防護アンチ・アンデッド・プロテクション』によって無効化された。


「残念だったな」


 バラキエルの漆黒の剣身に破壊的な雷属性と聖なる光属性を宿したオーラを発現させる。
 アンデッド系のボスモンスターには効果抜群のオーラを纏った剣を横薙ぎに振り抜く。
 閃光が瞬いた直後、ボーンドラゴンの頭部が宙を舞った。
 だが、アンデッドであり元ドラゴンであるボーンドラゴンはこの程度では終わらない。

 青白い炎を纏わせたボーンドラゴンの手が、空中にいる俺を掴み取ろうとしてくる。
 その攻撃を無視し、胴体の中心で輝く青白い炎へ向けてバラキエルを振り下ろした。
 すると、ボーンドラゴンの手に宿った炎が消え去り、骨の巨体もその動きを止めた。


「ボスを倒しても他のアンデッドはそのままか」


 召喚主であるボーンドラゴンを倒しても召喚されたアンデッドは消えていなかった。
 おそらくは増援扱いなのだろう。
 面倒だが、経験値稼ぎには使えるので良しとするか。
 

── スキル【魔喰ノ精霊王バアル】が発動します。
──筋力値が15ポイント増大します。
──耐久値が20ポイント増大します。
──精神値が12ポイント増大します。
──体力値が10ポイント増大します。
──スキル【不浄炎武アンデッド・フレイム】を獲得しました。
──スキル【闇の鎧皮ダークネス・スキン】を獲得しました。



 
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