新世機生のアポストル 〜Restart with Lost Relic〜

黒城白爵

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第十八話 激闘からの凶刃

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 ◆◇◆◇◆◇


「──食らえィッ!!」


 探索隊の1人が持つ魔導ガトリング銃が火を吹き、押し寄せる多脚型警備ロボットの群れを蹴散らしていく。
 探索隊最大の制圧力を有する彼の攻撃を筆頭に、各々の遠距離攻撃による弾幕が張られ、多脚型警備ロボットが近付くのを防ぐ。

 通路を埋め尽くすほどの数の多脚型警備ロボットが現れたのは、入り口の坂道の先にあった物資集積庫を後にして暫く経ってからだった。
 この未発見遺跡は旧文明時代に造られた何かの研究施設だったらしく、遺跡内には様々な研究機材や資料が放置されていた。
 電力が生きていたおかげで各種保存機能も動いており、殆どの研究機材や資料は利用できる状態で残っていた。

 素人考えではあるが、これだけ状態が良い施設ならば、例え既知の技術や知識であってもかなりの利益が見込めると思う。
 これは依頼者の大勝ちだな、と皆が思いながら先に進み、新たな区画に足を踏み入れた瞬間、施設内にけたたましい警報アラート音が鳴り響いた。
 その直後、至るところから蜘蛛に似た多脚型警備ロボットが大量に現れ、俺達へと襲い掛かってきた。


「チッ。骨董品なのにキリがないな」


 悪態を吐きながらハイドラの引き金を引いて多脚型警備ロボットを破壊していく。
 多脚型警備ロボットとの戦闘が始まってから30分の間に探索隊のメンバーが3人もやられている。
 多脚型警備ロボットに銃火器の類いは無く、武器はその脚先にある鉤爪しかない。
 質より量とでも言うかのような無謀な特攻を仕掛ける多脚型警備ロボットは、一定の距離まで近付くと飛び掛かり、身体に取り付いてくる。
 一度取り付かれると振り解くのは難しく、即座に振り解けなければ次々と後続にも取り付かれてしまい、その重量に押し潰されるか、鉤爪で八つ裂きにされるかの末路を迎えるだろう。

 先の3人のような死に方を避けるためには引き金を引き続ける必要があるが、実弾も魔力も有限だ。
 一向に収まる気配のない多脚型警備ロボットの特攻にゲンナリしつつ、探索隊のリーダーであるレイジに声を掛ける。


「リーダー! このままだとジリ貧だが、どうするんだッ?」

「クッ! 撤退するにも、来た道は奴らがいる通路を抜ける必要がある!」

「じゃあ強行突破か?」

「いや、それよりも警報装置を止めた方が早い。先程手に入れた施設内の地図が正しければ、警報装置を止められる中央管理室はここから近いところにあるはずだ!」

「じゃあ、そっちに向かうのか?」

「その方が良いが、そのためには目の前のロボット共を押し退けなければならない。この部屋を出て真っ直ぐ進んだ先にある2番目の角を右に曲がる必要があるんだ!」


 このロボットの濁流を押し退けて進めと?
 無茶な要求だが、どのみち今立て籠もっている部屋から脱出するには絶対にやらなければならないことだから仕方ないか。


「俺が一時的に敵を押し退けるから、近接戦に自身がある奴らはそこから更に道を切り拓けッ!!」


 亜空間ポーチから重魔導ライフルを取り出すと、両手で構える。
 リーヴMkⅢからリーヴスラシルへと【改造】した強化服ならば、メタトロンによる【強化】無しでも非常に重い重魔導ライフルを使用することができる。
 【強化】の時のように走りながら撃つことはできないが、今のような立ち止まっている状況ならば問題ない。


「カウント3で銃撃を止める。行くぞッ!」


 貫通力と破壊力に秀でた重魔導ライフルから絶え間なく銃弾が吐き出されていく。
 見ていて気持ちの良い勢いでロボット達の壁が削られ、部屋の外の先まで一気に道が拓かれた。


「3、2、1、今だッ!!」


 引き金から指を外し、銃撃が止まる。
 銃撃と入れ替わりで前に飛び出した者達がそれぞれの獲物を振るい、穿たれたロボットの壁を更に掘削する。
 重魔導ライフルを担ぐと、近接武器で多脚型警備ロボットを破壊しながら進むアザカ達の後を追う。
 彼女達の進軍速度が遅くなると再び俺が重魔導ライフルによる銃撃を行い、それからまた彼女達と交代する。
 幸いにも1つ目の曲がり角の方からやって来るロボットはおらず、前後で囲まれる事態にはならなかった。


「よし! 2つ目の曲がり角にも敵はいない! 全員こっちに進め!」


 レイジの指示に従って2つ目の角を右に曲がると、その通路を全員で駆けていく。
 探索隊の1人が後ろに投げた対機械兵器用の電磁グレネードが炸裂し、背後から追いかけてきていた多脚型警備ロボット達の足を止めさせた。
 一時的な効果しかないが、おかげで距離を稼ぐことができた。


「ナイス」

「うむ」


 高価な電磁グレネードを使ってくれた男に感謝し、中央管理室に向けて通路を駆け抜ける。
 中央管理室の前には別の人型の警備ロボットが複数機待ち構えていたが、全員で攻撃を仕掛けて一気に無力化した。
 中央管理室の扉を開けて中へと飛び込む。
 室内に警備ロボットがいないことを確認すると、反転して通路に向けて武器を構える。


「早く頼むぜ、リーダーさんよ」

「分かっている!」


 コンピュータの扱いに長けているレイジが中央管理室のメインコンピュータに取り付くのを横目に、通路へ向けて重魔導ライフルを構える。
 程なくし姿が見えた多脚型警備ロボットの群れに向けて銃撃を開始する。
 魔力の消耗を抑えるために他の者達と交互に銃撃を行う。
 やがて、施設内に鳴り響いていた警報アラート音が鳴り止んだ。
 それと同時に警備ロボット達の動きも止まったので、銃撃を止めた。


「ふぅ。なんとかなったな」

「そうだな。やったな」


 リーダー、っと声を掛けようと室内へと振り返る。
 振り返った先の視界に映ったのは、アザカがレイジの護衛2人の首を刎ね、その凶刃を彼へと突き刺そうとしている姿だった。


 
 
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