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74、2ヶ月前
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陛下のお誕生日がやってきた。公式に陛下のお誕生日のお祝い、生誕の儀などは行わないそうだけど、官吏や諸侯、妾妃方、他国の王族からなどたくさんのお祝いの品が届いていた。
ヴィンザンツ大陸のプトレド王国、ジャハランカ民族連合国、ビアニア王国、ボラオルーシ王国は特に婚姻の儀においで下さる国々だ。
この4国は特に重要な交易相手なので、失礼のない様にしないといけない。
プトレド王国からは自国の鉱山で採れた、最高級のサファイアを細工に使った帯刀ベルト、
ジャハランカ民族連合国からは、ジャハランカでしか加工出来ない水紋の様な模様の入った刀剣、
ビアニア王国からは鼈甲に細やかな細工を施した文房具、
ボラオルーシ王国からは鮮やかなで緻密な模様の描かれた反物が送られてきた。
私の贈り物はスターエメラルドのブレスレットになった。宝石彫刻師の皆さんが頑張って下さって、なんとか間に合った。
キチンと国庫に入れてもらって、管理してもらえてホッとした。
こういう希少な物は国の宝なので個人が持つよりいいと思う。
こういう贈り物が来たら、陛下の前で目録が読み上げられる。
今日は陛下は遅くまでこの奏上をお聞きにならなくてはいけないので、コッソリと城下にお出かけしようと思う。
事前にへリュ様にご一緒して頂けるようにお願いしていた。
軍師様にも許可を取った。へリュ様をお使いのお供にしてしまって怒られないか確認したら大丈夫だと笑って下さった。陛下には内緒でとお願いしたら、それも笑って許して下さった。
「では、参りましょう」
「はい。よろしくお願いします、へリュ様」
軍師様の居館から、平民の服に着替えて城下へ出る。
へリュ様は帯刀して歩き出す。
「行きたい所は決まっておられるのか?」
私はへリュ様の横についてちょこちょこと歩き出した。
足の長さが違うのでどうしても歩調が合わない。
「はい。六番街のヤード通りにある、『睦屋』という雑貨屋さんです」
侍女の皆んなから色々情報を貰って、このお店のものを選ぼうと思った。
「承知した」
歩きながらへリュ様に話しかける。
「へリュ様は軍師様のお誕生日に何か贈ったりするのですか?」
へリュ様は真っ直ぐ前を向いて答える。
「いや、私は贈った事がない。あいつからは色々貰うが」
「お返ししたりはしないのですか?」
「何を返していいのかわからない」
「きっと軍師様はどんな物でもお喜びになると思いますよ?」
「あいつは生まれた時から何もかも持っているから、何を渡せば良いのかわからない」
そう言われると確かにそうだ。
「そう考えると、アナバス様も全て持っていらっしゃるから、私の差し上げたものなんて喜んで頂けないかもしれませんね」
「……私達夫婦の事はどうでも良い。在り方が少し特殊なのでうちは参考にならない」
「アナバス様は軍師様がへリュ様を連れて来たと仰っておられました。軍師様とへリュ様はどの様に知り合ったのですか?」
「あいつがグリムヒルト国内を旅していた時に。行きがかり上あいつの手足になって働いたのが縁だった」
「どんな事があったのですか?」
「野盗同士の小競り合いに巻き込まれた。あいつの策で私1人を駒にして全て殲滅した」
「へリュ様は艦一隻を無力化出来ると聞きましたけど……」
「限度がある。大型船になると乗組員700人という事もあるから、さすがにそれは無理だ。初代のセイレーンの時代は一隻そのものが小さかった。故に一隻を無力化出来た」
「小さな船でも50人はいるのでしょう?それでも充分に凄いと思いますけれど」
「非戦闘員も含めてなので大した事はない」
複数の人間を相手に闘うのは実はとても難しいし1人と打ち合うのとは違う技術が必要になると、マグダラスの弟の指南役に聞いた事がある。
でも一方で1人とも打ち合う技術も研磨されてるのが陛下やへリュ様の口振りからなんとなく察せられる。
「私、へリュ様の剣を握っておられる所、見た事がありませんね。今度騎士団に指南されている時に拝見していいですか?」
「いつでもどうぞ」
「そういえば、陛下とも打ち合った事があるんですよね?どちらが勝ったのですか?」
「一応私という事になった」
「陛下も充分にお強いのに、へリュ様は凄いですね」
「……あれはあの男が私に勝ちを譲っただけだ」
ヴィンザンツ大陸のプトレド王国、ジャハランカ民族連合国、ビアニア王国、ボラオルーシ王国は特に婚姻の儀においで下さる国々だ。
この4国は特に重要な交易相手なので、失礼のない様にしないといけない。
プトレド王国からは自国の鉱山で採れた、最高級のサファイアを細工に使った帯刀ベルト、
ジャハランカ民族連合国からは、ジャハランカでしか加工出来ない水紋の様な模様の入った刀剣、
ビアニア王国からは鼈甲に細やかな細工を施した文房具、
ボラオルーシ王国からは鮮やかなで緻密な模様の描かれた反物が送られてきた。
私の贈り物はスターエメラルドのブレスレットになった。宝石彫刻師の皆さんが頑張って下さって、なんとか間に合った。
キチンと国庫に入れてもらって、管理してもらえてホッとした。
こういう希少な物は国の宝なので個人が持つよりいいと思う。
こういう贈り物が来たら、陛下の前で目録が読み上げられる。
今日は陛下は遅くまでこの奏上をお聞きにならなくてはいけないので、コッソリと城下にお出かけしようと思う。
事前にへリュ様にご一緒して頂けるようにお願いしていた。
軍師様にも許可を取った。へリュ様をお使いのお供にしてしまって怒られないか確認したら大丈夫だと笑って下さった。陛下には内緒でとお願いしたら、それも笑って許して下さった。
「では、参りましょう」
「はい。よろしくお願いします、へリュ様」
軍師様の居館から、平民の服に着替えて城下へ出る。
へリュ様は帯刀して歩き出す。
「行きたい所は決まっておられるのか?」
私はへリュ様の横についてちょこちょこと歩き出した。
足の長さが違うのでどうしても歩調が合わない。
「はい。六番街のヤード通りにある、『睦屋』という雑貨屋さんです」
侍女の皆んなから色々情報を貰って、このお店のものを選ぼうと思った。
「承知した」
歩きながらへリュ様に話しかける。
「へリュ様は軍師様のお誕生日に何か贈ったりするのですか?」
へリュ様は真っ直ぐ前を向いて答える。
「いや、私は贈った事がない。あいつからは色々貰うが」
「お返ししたりはしないのですか?」
「何を返していいのかわからない」
「きっと軍師様はどんな物でもお喜びになると思いますよ?」
「あいつは生まれた時から何もかも持っているから、何を渡せば良いのかわからない」
そう言われると確かにそうだ。
「そう考えると、アナバス様も全て持っていらっしゃるから、私の差し上げたものなんて喜んで頂けないかもしれませんね」
「……私達夫婦の事はどうでも良い。在り方が少し特殊なのでうちは参考にならない」
「アナバス様は軍師様がへリュ様を連れて来たと仰っておられました。軍師様とへリュ様はどの様に知り合ったのですか?」
「あいつがグリムヒルト国内を旅していた時に。行きがかり上あいつの手足になって働いたのが縁だった」
「どんな事があったのですか?」
「野盗同士の小競り合いに巻き込まれた。あいつの策で私1人を駒にして全て殲滅した」
「へリュ様は艦一隻を無力化出来ると聞きましたけど……」
「限度がある。大型船になると乗組員700人という事もあるから、さすがにそれは無理だ。初代のセイレーンの時代は一隻そのものが小さかった。故に一隻を無力化出来た」
「小さな船でも50人はいるのでしょう?それでも充分に凄いと思いますけれど」
「非戦闘員も含めてなので大した事はない」
複数の人間を相手に闘うのは実はとても難しいし1人と打ち合うのとは違う技術が必要になると、マグダラスの弟の指南役に聞いた事がある。
でも一方で1人とも打ち合う技術も研磨されてるのが陛下やへリュ様の口振りからなんとなく察せられる。
「私、へリュ様の剣を握っておられる所、見た事がありませんね。今度騎士団に指南されている時に拝見していいですか?」
「いつでもどうぞ」
「そういえば、陛下とも打ち合った事があるんですよね?どちらが勝ったのですか?」
「一応私という事になった」
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