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兎の騎士①
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『エドワードの魔力、エドワードの魔法だ……ははっ! あいつ、建国祭に来てやがったのか! 俺を、見てたのか!』
すぐ耳元で聞こえるヴィダルスの歓喜の声がウザ過ぎて、すぐさま盗聴魔法をオフにした。
さてさて、どうやってこの場から離れっかな。転移魔法が一番得策なのはわかってるけど……一回行ったことがある場所にしかいけないからなあ。
ちらりとヴィダルスがいる場所と、特設ステージがある方向を確認する。……正直ね、まだサーカスへの未練が捨てきれんのよ。転移するとしても、できればまた特設ステージへと向かえるくらいの距離の所にしておきたい。
……だとしたら、さっきの広場か? でもなあ。あまり人が多い場所には転移したくないんだよな。
前世見たネット小説なんかでは「石の中にいる」みたいに、転移魔法の先に物があったら融合してしまうみたいなホラー話があったけど、この世界では転移の際の座標に人や物が存在していたとしても、出現場所を上手くずらしてくれる自動回避システムが最初から搭載されてる。
しかし、ずらす方向は上。しかも転移後、下にあるものを回避する時間を作る為に、結構な高さから落とされることになる。
俺のような重力魔法&風魔法持ちなら問題はないが、持ってないものにはなかなか使用が躊躇われる魔法だ。
広場みたいに人がいっぱいいる場所に転移したら、「親方ぁ! 空から人間が!」と大騒ぎになることは間違いない。転移魔法を使用できることは特別隠してはいないけど、やはり祭りで無駄な騒ぎを起こして二国間によけいな凝りを残したくはない。
そうだ。広場からアストルディアが連れ出してくれた時に最初に通ったところが、いい感じに地元民しか行かなそうな裏路地だった。周囲は二階くらいの建物ばかりだったし、あそこなら下に人がいても、どこかの屋上か二階から飛び降りたくらいに認識してくれるだろう。
そうと決まれば早速転移魔法を……と、その前に一応ヴィダルスの様子も確認しとくか。盗聴魔法もオフってるし。
そう思って、ヴィダルスの方に視線を向けると……。
「……みぃーつけたァ」
たまたまこっちを向いていたヴィダルスと、バッチリ目があった。
……本当に無駄に勘がいいな!
「ーー死ね! クソ野郎」
あまりにもその笑みがキモかったので、思わず悪態&中指を立ててしまった俺は、多分悪くないと思う。
……大丈夫。すぐに転移魔法使ったから、俺が王族に対する不敬行為働いたことに気付いた獣人は、ほとんどいないはず。中指立てる=ファックなのは前世の常識であって、この世界では一般的でないし。バッチリ目線はあってたけど、俺の罵倒がヴィダルスに向けたものとは限らないと周りは思ってるかもだし。うん。
一人脳内で言い訳をしていた次の瞬間、俺は空中にいた。
どうやら座標の位置に、障害物があったらしい。
迫りくる地面を見下ろして、状況を確認する。
……獣面状態の兎獣人の子どもが一人に、それを取り囲む人化した大人? が、五、六人?
ええと、ハイエナと……ラーテル? と、後は何だろう。犬科の何か?
風魔法で落下位置をずらすにしても、既に距離が迫り過ぎてる。重力魔法と風魔法を駆使して負担を限界まてま軽くしたとしても……下にいる誰かをクッション代わりにして、着地しないわけにはいかないだろう。
「……ええい! ままよ!」
重力魔法と風魔法、あとは相手への身体強化バフを付与したうえで、一番近かったハイエナ獣人の頭をワンクッションにして地上に降りたった。
すぐ耳元で聞こえるヴィダルスの歓喜の声がウザ過ぎて、すぐさま盗聴魔法をオフにした。
さてさて、どうやってこの場から離れっかな。転移魔法が一番得策なのはわかってるけど……一回行ったことがある場所にしかいけないからなあ。
ちらりとヴィダルスがいる場所と、特設ステージがある方向を確認する。……正直ね、まだサーカスへの未練が捨てきれんのよ。転移するとしても、できればまた特設ステージへと向かえるくらいの距離の所にしておきたい。
……だとしたら、さっきの広場か? でもなあ。あまり人が多い場所には転移したくないんだよな。
前世見たネット小説なんかでは「石の中にいる」みたいに、転移魔法の先に物があったら融合してしまうみたいなホラー話があったけど、この世界では転移の際の座標に人や物が存在していたとしても、出現場所を上手くずらしてくれる自動回避システムが最初から搭載されてる。
しかし、ずらす方向は上。しかも転移後、下にあるものを回避する時間を作る為に、結構な高さから落とされることになる。
俺のような重力魔法&風魔法持ちなら問題はないが、持ってないものにはなかなか使用が躊躇われる魔法だ。
広場みたいに人がいっぱいいる場所に転移したら、「親方ぁ! 空から人間が!」と大騒ぎになることは間違いない。転移魔法を使用できることは特別隠してはいないけど、やはり祭りで無駄な騒ぎを起こして二国間によけいな凝りを残したくはない。
そうだ。広場からアストルディアが連れ出してくれた時に最初に通ったところが、いい感じに地元民しか行かなそうな裏路地だった。周囲は二階くらいの建物ばかりだったし、あそこなら下に人がいても、どこかの屋上か二階から飛び降りたくらいに認識してくれるだろう。
そうと決まれば早速転移魔法を……と、その前に一応ヴィダルスの様子も確認しとくか。盗聴魔法もオフってるし。
そう思って、ヴィダルスの方に視線を向けると……。
「……みぃーつけたァ」
たまたまこっちを向いていたヴィダルスと、バッチリ目があった。
……本当に無駄に勘がいいな!
「ーー死ね! クソ野郎」
あまりにもその笑みがキモかったので、思わず悪態&中指を立ててしまった俺は、多分悪くないと思う。
……大丈夫。すぐに転移魔法使ったから、俺が王族に対する不敬行為働いたことに気付いた獣人は、ほとんどいないはず。中指立てる=ファックなのは前世の常識であって、この世界では一般的でないし。バッチリ目線はあってたけど、俺の罵倒がヴィダルスに向けたものとは限らないと周りは思ってるかもだし。うん。
一人脳内で言い訳をしていた次の瞬間、俺は空中にいた。
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迫りくる地面を見下ろして、状況を確認する。
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風魔法で落下位置をずらすにしても、既に距離が迫り過ぎてる。重力魔法と風魔法を駆使して負担を限界まてま軽くしたとしても……下にいる誰かをクッション代わりにして、着地しないわけにはいかないだろう。
「……ええい! ままよ!」
重力魔法と風魔法、あとは相手への身体強化バフを付与したうえで、一番近かったハイエナ獣人の頭をワンクッションにして地上に降りたった。
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