俺の悪役チートは獣人殿下には通じない

空飛ぶひよこ

文字の大きさ
147 / 311

クリスへの本音

しおりを挟む
「クリス。お前もこれだけは忘れないでくれ。いつか袂を分かつ時が来ても、俺がお前を友だと思う気持ちは変わらない。だから便宜を図れとか、そう言うわけじゃなく……ただ、それだけは覚えていてくれ。覚えてて、欲しいんだ」
 
 素直な気持ちを伝えたくて、敢えて敬語は使わなかった。
 かつて原作エドワードが、親友であったアストルディアと袂を分かったように、クリスと俺も袂を分かたなければならない時が来るかもしれない。
 けれどその時が来たとしても、俺はけしてクリスのことを恨むつもりはない。だって最初からクリスは、その時が来れば俺を切り捨てると言ってくれていたから。それを知っていて、単に利害が一致した協力者と割り切るのではなく、クリスを「友」にカテゴライズしたのは俺自身だ。
 そして俺は、未来に何があったとしても、そのことを後悔はしないつもりでいる。

「お前に会えて、友人なれて、良かったよ。これは俺の本心だ」

 一瞬クリスの目が見開かれたと思ったら、すぐに繋いでいた手を無理やり引き剥がされて、その姿を背中に隠された。

「ーーさすがにこれは、許容範囲を超えてるかなあ。うちの主、誑かすのやめてくれない? エディがその気はないのは知ってるけど、もしエディがクリスに友人以上の感情を抱いてたら、俺、今の言葉だけでエディのこと殺してたよ」

 初めて聞いたジェフの声は、想像以上にイケボだった。

「……声、出てますよ」

「牽制の為に、わざと出してんのー。どうせ闇魔法発動しても、エディなら何とかできるでしょ」

 できるけど、めちゃくちゃメンヘラになるので、とてもやめて欲しい。エッチ以外で、もうアストルディアに情けなく泣きつきたくはない。……エッチはいいのかって? アストルディアが喜ぶからいいんだよ! あの、隠れサドめ。

「……ちなみに私は一応ジェフのことも、友人だと思ってますけどね」

「ああ、そう。俺は何とも思ってないー……わけじゃないけど、クリスに必要以上に踏み込むなら、あっさり殺せるくらいの薄っぺらい友情しか抱いてないよ。クリス以外の人間はゴミクズ同然だと思っている俺としては、破格の好意だから感謝してよね」

 ……この、クソヤンデレ野郎め。 



「……って、ことが昼間にあったんだ」

 後ろから抱き締められている体勢で、ベッドに寝転びながら、俺とクリス(ジェフも入れていいもんか)の友情劇の一幕を、アストルディアに報告する。
 ちなみに当然のように尻の穴にはアストルディアのちんこがズッポリ根元まではまったままだし、今も胎内には精液が出され続けている。……そろそろお腹パンパンなんだが、まだ終わらんかな。ポリネシアンセックス的なジワジワした気持ち良さがあって、散々出したちんこがまた反応しそうになるんだが。

「…………」

「アスティ?」

 何も、言わずに後ろから強く抱き締めてきたアストルディアの体は、何故か少し震えていた。

「どうした。アスティ。俺、何か変なことを言ったか?」

「いや……お前の話を聞いていたら、以前見た悪夢を、思い出しただけだ」

「悪夢?」

 俺とクリスのやり取りを聞いて思い出すような悪夢って、どんな悪夢だよ……ヤンデレ暴走したジェフが、俺や学校の生徒を殺しまくるとか、そう言うの?
 それにしても、アストルディア、何ヶ月と前に見た悪夢とかよく覚えているな。

「良かったら、どんな悪夢か話してみろよ。少し楽になるかもよ?」

「……嫌だ。話すことで、本当になったら怖い」

 あまりに子どもっぽい言い分に、思わず噴き出してしまった。
 ただの悪夢を何ヶ月も覚えていて、人に言えないくらい怯えてるアストルディアが、かわいい。

「大丈夫だよ。アスティ。夢はただの夢だ。本当になったりなんかしないよ」

「……本当にただの夢なら、良かったんだけどな」

「え?」
 
しおりを挟む
感想 161

あなたにおすすめの小説

牛獣人の僕のお乳で育った子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!

ほじにほじほじ
BL
牛獣人のモノアの一族は代々牛乳売りの仕事を生業としてきた。 牛乳には2種類ある、家畜の牛から出る牛乳と牛獣人から出る牛乳だ。 牛獣人の女性は一定の年齢になると自らの意思てお乳を出すことが出来る。 そして、僕たち家族普段は家畜の牛の牛乳を売っているが母と姉達の牛乳は濃厚で喉越しや舌触りが良いお貴族様に高値で売っていた。 ある日僕たち一家を呼んだお貴族様のご子息様がお乳を呑まないと相談を受けたのが全ての始まりー 母や姉達の牛乳を詰めた哺乳瓶を与えてみても、母や姉達のお乳を直接与えてみても飲んでくれない赤子。 そんな時ふと赤子と目が合うと僕を見て何かを訴えてくるー 「え?僕のお乳が飲みたいの?」 「僕はまだ子供でしかも男だからでないよ。」 「え?何言ってるの姉さん達!僕のお乳に牛乳を垂らして飲ませてみろだなんて!そんなの上手くいくわけ…え、飲んでるよ?え?」 そんなこんなで、お乳を呑まない赤子が飲んだ噂は広がり他のお貴族様達にもうちの子がお乳を飲んでくれないの!と言う相談を受けて、他のほとんどの子は母や姉達のお乳で飲んでくれる子だったけど何故か数人には僕のお乳がお気に召したようでー 昔お乳をあたえた子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!! 「僕はお乳を貸しただけで牛乳は母さんと姉さん達のなのに!どうしてこうなった!?」 * 総受けで、固定カプを決めるかはまだまだ不明です。 いいね♡やお気に入り登録☆をしてくださいますと励みになります(><) 誤字脱字、言葉使いが変な所がありましたら脳内変換して頂けますと幸いです。

臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話

八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。 古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

お兄ちゃんができた!!

くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。 お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。 「悠くんはえらい子だね。」 「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」 「ふふ、かわいいね。」 律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡ 「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」 ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。

殿下に婚約終了と言われたので城を出ようとしたら、何かおかしいんですが!?

krm
BL
「俺達の婚約は今日で終わりにする」 突然の婚約終了宣言。心がぐしゃぐしゃになった僕は、荷物を抱えて城を出る決意をした。 なのに、何故か殿下が追いかけてきて――いやいやいや、どういうこと!? 全力すれ違いラブコメファンタジーBL! 支部の企画投稿用に書いたショートショートです。前後編二話完結です。

昔「結婚しよう」と言ってくれた幼馴染は今日、僕以外の人と結婚する

子犬一 はぁて
BL
幼馴染の君は、7歳のとき 「大人になったら結婚してね」と僕に言って笑った。 そして──今日、君は僕じゃない別の人と結婚する。 背の低い、寝る時は親指しゃぶりが癖だった君は、いつの間にか皆に好かれて、彼女もできた。 結婚式で花束を渡す時に胸が痛いんだ。 「こいつ、幼馴染なんだ。センスいいだろ?」 誇らしげに笑う君と、その隣で微笑む綺麗な奥さん。 叶わない恋だってわかってる。 それでも、氷砂糖みたいに君との甘い思い出を、僕だけの宝箱にしまって生きていく。 君の幸せを願うことだけが、僕にできる最後の恋だから。

運悪く放課後に屯してる不良たちと一緒に転移に巻き込まれた俺、到底馴染めそうにないのでソロで無双する事に決めました。~なのに何故かついて来る…

こまの ととと
BL
『申し訳ございませんが、皆様には今からこちらへと来て頂きます。強制となってしまった事、改めて非礼申し上げます』  ある日、教室中に響いた声だ。  ……この言い方には語弊があった。  正確には、頭の中に響いた声だ。何故なら、耳から聞こえて来た感覚は無く、直接頭を揺らされたという感覚に襲われたからだ。  テレパシーというものが実際にあったなら、確かにこういうものなのかも知れない。  問題はいくつかあるが、最大の問題は……俺はただその教室近くの廊下を歩いていただけという事だ。 *当作品はカクヨム様でも掲載しております。

【8話完結】いじめられっ子だった俺が、覚醒したら騎士団長に求愛されました

キノア9g
BL
いじめられ続けた僕は、ある日突然、異世界に転移した。 けれど、勇者として歓迎されたのは、僕を苦しめてきた“あいつ”の方。僕は無能と決めつけられ、誰からも相手にされなかった。 そんな僕に手を差し伸べてくれたのは、冷酷と恐れられる騎士団長・ジグルドだった。 なのに、あいつの命令で、僕は彼に嘘の告白をしてしまう――「ジグルドさんのことが、好きなんです」 それが、すべての始まりだった。 あの日から彼は、僕だけをまっすぐ見つめてくる。 僕を守る手は、やさしく、強くて、どこまでも真剣だった。 だけど僕には、まだ知られていない“力”がある。 過去の傷も、偽りの言葉も超えて、彼の隣にいてもいいのだろうか。 これは、いじめられっ子の僕が“愛されること”を知っていく、嘘と覚醒の物語。 全8話。

処理中です...