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連載2
新たなる旅立ち3
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「…………は?」
あ。兄様が、こんな顔するなんて珍しい。
よっぽどシャルル王子の言葉が、意外だったんだな。
「言ったでしょう? 私はお兄様のことも好きだって。これでさよならなんて嫌なので、多少なりとも弱味を握ったからには、利用させてもらいます」
「……一体何が目的だ」
「もー、素直に私の好意を信じてくださいよー。目的なんか何もない……と言いたいところですが、全くの打算がない訳でもありません」
シャルル王子は苦笑いを浮かべながら、ため息を吐いた。
「……ルイス王の逝去とユーリアの無力化を知ったアニリドが、セーヌヴェット併合に向けて動きはじめたのはお兄様もご存知でしょう? そう遠くない将来、我が国の隣国はアニリドになります」
予想通りではあったけど、アニリドの動きは想像以上に早かった。
おそらくセーヌヴェットの王宮の中には、アニリドの手の人間が何人も紛れこんでいたんだろう。
かつて父様がたくさんの部下を犠牲にして防いだアニリド軍が、今度こそセーヌヴェットを飲み込む。
今のセーヌヴェット王家には、ルイス王の後を継げるものがいない。ルイス王が、おそらくは立場を追われる疑心から、全て殺し尽くしたから。
王なきセーヌヴェットは属国になることもできず、このままアニリドに併合されて滅びるのだろう。
このままルイス王やユーリアに支配されていた未来よりはましだろうけど、それを考えるとどうしても胸は痛む。
「念願だったセーヌヴェットを併合できたとしても、アニリドがそれだけで満足するとは思えません。おそらくセーヌヴェットの立て直しが済みしだい、セーヌヴェットを足がかりにして我が国にまでその支配の手を伸ばそうとしてくるはず。そうなった時に重要となってくるのが、国境であるマーナアルハの森です」
「…………」
「マーナアルハの森は大変危険で、やすやすと兵が行き来できない場所ではありますが、その守りは絶対ではありません。私や、お兄様達がそうであったように、優れた護符の使い手の助力さえあれば、突破は可能なのです。また、予言者のような転移術を使える人間が、アニリドに存在しないとも限りません。護符の生産量は限界があるので森を突破できる人数はそこまで多くならないでしょうが、突破した人間が転移術を使って兵を呼び寄せることもあり得ます」
「……アニリドには、そこまで優れた術者がいるのか? 予言者は確かに転移術を使えたが、一応あれは神だぞ」
「今の所そんな話は聞いたことがありませんが、絶対いないとは言いきれません。神という存在は、どの国にもいるものですし」
あ。兄様が、こんな顔するなんて珍しい。
よっぽどシャルル王子の言葉が、意外だったんだな。
「言ったでしょう? 私はお兄様のことも好きだって。これでさよならなんて嫌なので、多少なりとも弱味を握ったからには、利用させてもらいます」
「……一体何が目的だ」
「もー、素直に私の好意を信じてくださいよー。目的なんか何もない……と言いたいところですが、全くの打算がない訳でもありません」
シャルル王子は苦笑いを浮かべながら、ため息を吐いた。
「……ルイス王の逝去とユーリアの無力化を知ったアニリドが、セーヌヴェット併合に向けて動きはじめたのはお兄様もご存知でしょう? そう遠くない将来、我が国の隣国はアニリドになります」
予想通りではあったけど、アニリドの動きは想像以上に早かった。
おそらくセーヌヴェットの王宮の中には、アニリドの手の人間が何人も紛れこんでいたんだろう。
かつて父様がたくさんの部下を犠牲にして防いだアニリド軍が、今度こそセーヌヴェットを飲み込む。
今のセーヌヴェット王家には、ルイス王の後を継げるものがいない。ルイス王が、おそらくは立場を追われる疑心から、全て殺し尽くしたから。
王なきセーヌヴェットは属国になることもできず、このままアニリドに併合されて滅びるのだろう。
このままルイス王やユーリアに支配されていた未来よりはましだろうけど、それを考えるとどうしても胸は痛む。
「念願だったセーヌヴェットを併合できたとしても、アニリドがそれだけで満足するとは思えません。おそらくセーヌヴェットの立て直しが済みしだい、セーヌヴェットを足がかりにして我が国にまでその支配の手を伸ばそうとしてくるはず。そうなった時に重要となってくるのが、国境であるマーナアルハの森です」
「…………」
「マーナアルハの森は大変危険で、やすやすと兵が行き来できない場所ではありますが、その守りは絶対ではありません。私や、お兄様達がそうであったように、優れた護符の使い手の助力さえあれば、突破は可能なのです。また、予言者のような転移術を使える人間が、アニリドに存在しないとも限りません。護符の生産量は限界があるので森を突破できる人数はそこまで多くならないでしょうが、突破した人間が転移術を使って兵を呼び寄せることもあり得ます」
「……アニリドには、そこまで優れた術者がいるのか? 予言者は確かに転移術を使えたが、一応あれは神だぞ」
「今の所そんな話は聞いたことがありませんが、絶対いないとは言いきれません。神という存在は、どの国にもいるものですし」
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