モブ高校生と愉快なカード達〜主人公は無自覚脱モブ&チート持ちだった!カードから美少女を召喚します!強いカード程1癖2癖もあり一筋縄ではない〜

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第3章

第165話 真澄ちゃん(後輩)登場

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 今日から新学期!
 いや、新学年。
 スタンピードから半年近く経ち、今日から新学年だけど、金曜日。

 父が家の周りの工事は何だ!とプンスカだったけど、明日いよいよ引き渡しだ。
 長かった。

 黒服さん達の住居もあるんだよ!
 元々それを含め、なんとかしないとだったんだ。

 ようやくだ。
 父は家の周りの工事が何なのか知らない。
 ただ、高額なお金で立ち退きを了承したと聞き、その交渉相手がギルドだと分かり、ラビリンス絡みで何かあったんだなと勝手に理解していた。

 まだ囲いがあり、明日の引き渡し時に取り払われる。
 一応図面は見ているけど、工事現場は見ていない。
 工事している人達も発注者がギルドだったから、僕のとは思っていないんだ。

 売買契約的には今日までギルドの物で、明日引き渡しと同時に僕の口座から引き落としがされ、僕の家?屋敷?になるんだ。

 校門から校舎へと歩いていると、背後に気配を感じた。
 ただ、悪意は感じなかったけど、右肩に触れようとしたその手を背を向けたまま掴んだ!

「せーんぱーい!ってひえー!なんでぇ分かったの!!エスパー?」

 聞き覚えのある声だ。
 間違いなく近所に住んでいた子だ。
 僕は手を放して振り向いたけど、そこには真新しい制服に身を包み、ちょっとロリっ娘が入った小柄な真澄ちゃんがいた。
 お約束的なツインテールだ!

「真澄ちゃん、久し振りだね。うちの高校に入ったんだ!」  

「先輩を追い掛けて、同じ学校に入るって言っていたじゃないですか!」

 彼女は僕が中学の時に入っていた軟式テニス部の後輩だ。
 公式はガチ勢で、軟式はエンジョイ勢の学校だった。
 大会に出ないけど、和気あいあいと楽しむクラブ活動だったな。

 意外かい?
 で、このチンチクリンな後輩は近所に住んでいて、少し離れた所に移ったんだ。
 僕の所為で立ち退き・・・ゴメンナサイ。

 結構と言うか一部の男子に人気で、顔はこのままで行くと合法ロリとなりそうな幼い顔立ち、幼児体型で更にまな板なんだけど、その明るい性格と、顔だけはアイドル並みに可愛くて人気者だったりする。
 それと身体能力が物凄く良かったと記憶している。

「入学おめでとう!」

「えへへ!また先輩と一緒だよ!」

「もうクラスは分かっているのかい?」

「これから決めるんだよね!?って、私2世だからラビリンス専攻科なんですよ」

 彼女は母子家庭だった。
 父親が探索者だったが、物心ついた頃には亡くなっていたと聞いている。

「そっか。これから測定か。まだ時間もあるし、一緒に行こうか?」

「やったぁ!先輩がいるなら安心です!それと、今度一緒にラビリンスに入ってくれませんか?」

「確かお前のパシリじゃなくて、取り巻きがいたろ?探索者になるって言ったら一緒に来るやつは多かっただろ?」

「先輩、少し変わりました?」

「ようトーマス!早速ナンパか?モテる奴は違うねぇ!君可愛いから気を付けな!っておめぇ真澄っか!トーマスは手が早いから気を付けろよ!じゃぁな」

 仲本君が茶化してきた。

「あの人って確か不良グループの人ですよね?」

「仲本君はあれであれだけどが中々良い奴だよ。まあ、真澄ちゃんが可愛いからちょっかいを出してきたんだと思うよ」

 クネクネしていたけど、取り敢えず計測場所に行く。

「斗升様おはよう御座います。新入生の案内ご苦労さまです」

 黒服の1人が案内を引き継いでくれた。
 順番をスキップしていて真澄ちゃんは戸惑っていたけど、測定者から感嘆の声が上がった。

 テテテと小動物のように駆けてきた。

「1組ですって!」

「まあ、2世ならそうなるよね。教室まで案内するよ。南さんこの子は中学の後輩なんで、僕が案内しますよ」

「畏まりました。それではお願いします」

「あの人は?」

「うん。ギルドの人だよ。通称黒服さんね。学校の4階に普段はいるんだ。多分先生から話があるよ」

 教室まで案内していると、友里愛に声を掛けられた。

「斗升、おはよう!その子は?」

「中学の時の後輩なんだ。折角だから教室まで案内しているところだよ」

「そう。入学おめでとう!私明日香さんに用があるから後で」

「あのう、あの人は?」

「僕の彼女の友里愛で、パーティーメンバーでもあるんだ。ラビリンスの件は彼女と話さないとなんで、後で話すよ」  

「えっ?彼女いるんですか・・・」

「意外かい?」

「綺麗な人・・・って思ったの。へー、先輩に彼女がいるんだ。残念だなあ!いなかったら立候補しようと思ったのに・・・」

「何か言った?ほら、着いたよ。何かあったら連絡するように、連絡先は変わっていないから」

「先輩!その、ありがとうございます!」

 僕はこうして久し振りに顔を見た後輩を教室まで送り、その段階で自らのクラスが何組か確認していなかった事に気が付き、体育館前に掲示された名簿を見に戻ることになった。


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