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廃村 訪れる異変④
しおりを挟む隣に座る透も私を見つめ小さく首を振った。
「今日、来た時からずっとこんな感じなんだ……明らかに普通じゃない」
透の言葉を聞き私は小さく頷いた。
だがだからといって私には祐司君の身に今何が起こっていて、どうすればいいのかわからなかった。
だがそんな時、私が昨夜見た夢を思い出した。
あの夢の中で廃屋の前に女の子と共に祐司君も立っていた。
私が見た夢だから関係があるかはわからなかったが、私は昨夜の夢の話を透にしてみた。
透は険しい表情をしながらも私の話を真剣に聞いてくれていた。
そんな中、祐司君が突然顔を上げ私を見つめた。
そんな祐司君を見て、私は息を呑んだ。祐司君が今少しやつれているせいか目が見開いているように感じ、その瞳はあの女の子を彷彿とさせる。
「……真咲ちゃんの所にも来てたのか、あの子は」
祐司君の言葉を聞き私は思わず絶句した。
今の祐司君の発言を聞くと、あの夢に出てきた女の子は祐司君の夢にも出てきたという事なのか?それとも実際に現れたのか――?
「……祐司君それってどういう事?」
私は身を乗り出し問い掛けたが、祐司君は上の空で答える事はなく、空中に視線を泳がせたまま何かをぶつぶつと言っているだけだった。
「……どうしよう」
「お祓いとか頼るべきかも」
私と透がどうするべきか話し合ったが答えは出ず途方に暮れていた時だった。
「……廃村に行こう。あの子を帰さなきゃ」
そう言って祐司君が立ち上がったのだ。
私と透は一瞬、祐司君が何を言っているのかわからなかったが、すぐに透が祐司君に歩み寄る。
「いや待てって。あの廃村はやばいだろ」
透が祐司君を止めようと声を掛けるが、祐司君は目を合わせる事もなく再びぶつぶつと独り言を言いながらふらふらと歩き出して行った。
仕方なく私と透が祐司君に寄り添うように歩き出すと、突然祐司君が振り向き私達を見つめてきた。
「お前達も一緒に来てくれるよな?」
「……あ、あぁ、そうだな」
突然真剣な眼差しで問い掛けてきた祐司君に対して透も思わず頷いてしまった。
結局私達はそのまま大学を後にすると三人揃って祐司君のアパートを目指した。
「……本当にもう一回あの廃村に行くの?」
囁くように透に問い掛けたが、透は真剣な表情のまま小さく頷いた。
「仕方ないだろ。それに行くならまだ明るい今の方がいいだろうし、何より真咲の事だって心配だろ。ひとまずもう一回廃村に行って手でも合わせて帰って来よう」
そう言って苦笑いを浮かべる透を見つめて私も小さく頷いた。
ひょっとしたら私に起こっている奇妙な現象も収まるかもしれない――。
そんな淡い期待も抱きつつ、私達はひとまず祐司君のアパートに辿り着いた。
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