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商業都市は、俺たちの想像をはるかに超えていた。
地平線の果てまで、巨大な建物がどこまでも続いていた。
これまで見てきたどの町よりも、十倍は大きいかもしれない。
「おいおいなんだありゃあ、町っていうよりもはや国じゃねえか」
見張り台に立つバルガスが、あきれたような声を上げた。
俺も、その言葉に心から同意する。
川の両岸には、石造りの立派な建物がすき間なく並んでいた。
そのどれもが、三階建てや四階建ては当たり前という高さだ。
中には、天をつくような高い塔まで見える。
「ミナト見て、お城みたいなお家がいっぱいあるよ」
俺の隣に立つルナが、目をきらきらと輝かせながら言った。
彼女の言う通り、建物の一つ一つがまるで王族の住む城のようである。
屋根は色とりどりの瓦でふかれ、壁には美しい彫刻がほってあった。
窓にはガラスがはめこまれ、太陽の光を反射して輝いている。
川には、信じられないほど多くの船が行き交っていた。
俺たちのリバーサイド号よりも、ずっと大きな帆船が何そうもいた。
荷物を満載した輸送船が、ゆっくりと川を進んでいく。
その間を、小型の連絡船がすばやく走り抜けていった。
港からは、活気に満ちた人々の声がここまで聞こえてくるようだ。
鐘の音や、船の汽笛の音も混じり合っていた。
まさにこの世界の中心地と、呼ぶにふさわしい光景だった。
「さてと、どこに船を停めるかな」
俺は、気を引き締め直して舵輪をにぎった。
これだけ大きな港だから、停泊する場所を見つけるのも一苦労だろう。
港は、用途によっていくつかの区画に分かれているようだった。
一番大きな区画は、大型の商船が使うためのものらしい。
巨大なクレーンが、いくつも設置されているのが見える。
荷物の積み下ろしで、大勢の男たちが働いていた。
俺たちの船が入るには、少し場違いな雰囲気である。
「ミナトあっちの方、少し空いてる場所があるみたい」
ルナが、川岸の一角を指差した。
彼女の言う通り、そこは比較的小さな船が集まる船着き場のようだ。
俺たちのリバーサイド号には、ちょうどいい大きさかもしれない。
「よし、あそこを目指そう。ルナ、案内を頼む」
「うん、任せて!」
ルナは、得意そうに胸を張った。
彼女は船の先頭に立ち、川の中の様子を注意深く見つめている。
水面の流れや、他の船の動きをしっかりと見ていた。
「ミナト、もう少し左。他の船が、たくさん来るから」
「分かった」
俺は、ルナの指示通りに船をあやつる。
彼女の言う通り、右側から大きな船が追い抜いていった。
もしそのまま進んでいたら、あやうく衝突するところだったかもしれない。
「はっはっは、ルナ嬢ちゃんは最高の航海士だな。お前がいりゃあ、どんな海でも渡れるぜ」
見張り台から、バルガスの楽しそうな声が聞こえる。
ルナは、少し照れくさそうに笑っていた。
俺たちの船は、人々の注目を集めているようだった。
リバーサイド号の、なめらかで美しい船体。
他の船とは明らかに違う、その独特なデザイン。
すれ違う船の船員たちが、驚いたようにこちらを指差している。
中には、俺たちの船の名前を大声でたずねてくる者もいた。
俺は、少しだけ誇らしい気持ちになる。
この船は、俺の知識と技術の結晶なのだ。
やがて俺たちは、目的の船着き場に到着した。
そこは、個人の船や小型の定期船が使うための場所らしい。
幸い、一つだけ空いている停泊場所を見つけることができた。
俺は、慎重に船を岸に寄せていく。
周りの船にぶつけないように、細心の注意を払った。
バルガスが、甲板から太いロープを投げた。
船着き場で待っていた港の作業員が、それを受け取ってくれる。
そして、がんじょうな杭に手ぎわよく結びつけていった。
「よし、着いたな」
俺は、エンジンを止めて大きく息をついた。
長かった船旅が、ようやく一つの区切りを迎えたのだ。
俺たちは、三人で顔を見合わせて笑い合った。
「それじゃあ、さっそく町にくり出しますか」
俺の言葉に、バルガスとルナは力強くうなずいた。
俺たちは、わくわくした気持ちを胸に船を降りる。
そして、商業都市の地に第一歩をふみ出した。
船着き場から一歩外に出ると、そこはけんそうの渦だった。
石畳の道は、大勢の人々でうめつくされている。
見たこともないくらい大勢の人が、せわしなく歩いていた。
裕福そうな商人が、立派な馬車に乗って通り過ぎていく。
荷物を運ぶ労働者たちが、威勢のいいかけ声を上げていた。
美しいドレスを着た貴族の女性が、侍女を連れて歩いている。
そのにぎやかさは、これまで見てきたどの町とも比べ物にならない。
「すげえ、人がゴミのようだぜ」
バルガスが、あきれたようにつぶやいた。
失礼な言い方だが、俺も同じことを思った。
道の両脇には、たくさんの店がならんでいる。
武器屋や防具屋、それに道具屋や宿屋もあった。
レストランからは、食欲をそそる良い匂いがただよってくる。
「ミナト見て、あっちに甘い匂いがするよ」
ルナが、俺の服のそでを引っ張った。
彼女が指差す先には、焼き菓子を売る露店があった。
色とりどりの、かわいらしいお菓子が並べられている。
「よし、少し休憩にしようか。何か、買ってやろう」
「本当!? やったあ!」
ルナは、嬉しそうに飛び跳ねた。
俺たちは、人混みをかき分けて露店へと向かった。
店主は、人の良さそうなおばさんだった。
「いらっしゃい、うちのお菓子は美味しいよ」
「どれがいい、ルナ」
「うーんとね、これにする!」
ルナが選んだのは、はちみつをたっぷりぬった熱々のパンケーキだった。
俺は、銅貨を数枚払ってそれを受け取る。
ルナは、嬉しそうにパンケーキにかじりついた。
「んー、おいしい!」
その幸せそうな顔を見ていると、こちらまで嬉しくなってくる。
バルガスも、串に刺さった大きな焼き肉を買ってごうかいに食べていた。
「うめえ、この肉は最高だぜ。味付けも、絶妙だ」
俺は、果物を発酵させて作ったという微炭酸のジュースを飲む。
さわやかな甘酸っぱさが、旅の疲れをいやしてくれた。
俺たちは、しばらくその場で町の活気を楽しんだ。
見るもの聞くもの全てが、新鮮でしげき的だった。
この町なら、きっと何か面白いことが見つかるだろう。
俺は、そんな予感を胸に抱いていた。
「さてと、腹ごしらえも済んだことだしそろそろ行きますか」
俺は、二人にむかって言った。
「どこへ行くんだ、ミナト」
「まずは、ダリウス商会を探そう。彼らとの約束を、果たさないと」
俺の言葉に、バルガスとルナはうなずいた。
俺たちの、この町での最初の目的はそれだった。
ダリウスさんと再会し、本格的な商売を始めるのだ。
だがこの広大な都市で、どうやって彼の商会を見つければいいのだろうか。
地図も、持っていないのだ。
「とりあえず、人に聞いてみるしかないな」
俺は、近くを通りかかった若い男に声をかけた。
「すみません、少しおたずねしたいのですが」
「ん、なんだい?」
男は、少しだけ面倒くさそうにこちらを見た。
「このあたりで、ダリウス商会というのをご存じありませんか」
俺がそうたずねると、男の態度が少しだけ変わった。
「ダリウス商会だって、あんたたちあの大きな商会に何か用かい」
「ええ、少し。商売の話がありまして」
俺の言葉に、男は感心したように俺たちを見た。
「へえ、そりゃあすごいな。ダリウス商会は、この都市でも五本の指に入る大商会だぜ」
どうやらダリウスさんは、俺が思っていた以上にすごい人物のようだ。
「商会の建物は、ここから少し歩いた商業地区にある。一番立派な建物だから、行けばすぐに分かるはずだ」
男は、親切に道を教えてくれた。
「ありがとうございます、助かりました」
俺は、礼を言って男と別れた。
「よし、行くぞ。商業地区とやらへ」
俺たちは、男に教えられた方角へ向かって歩き始めた。
町の中心部に近づくにつれて、周りの景色はさらに豪華になっていく。
道は、きれいに磨かれた大理石で舗装されていた。
建物は、どれもこれも宮殿のように立派だった。
道を行き交う人々の服装も、明らかに高価なものに変わっていく。
ここが、この都市の中心地なのだろう。
俺たちは、少しだけ気後れしながらも歩みを進めた。
やがて視界の先に、ひときわ大きな建物が見えてくる。
五階建てはあろうかという、巨大な石造りの建物だ。
建物の正面には、ダリウス商会の紋章が大きくかかげられていた。
間違いない、ここが目的地だ。
「でけえな、まるで城じゃねえか」
バルガスが、感嘆の声を漏らした。
俺も、その規模には圧倒されてしまう。
まさか、これほど立派な商会だったとは。
俺は、少しだけ緊張しながら建物の入り口へと向かった。
入り口には、強そうな警備兵が二人立っている。
彼らは、鋭い目で俺たちを見下ろした。
その視線は、明らかに俺たちをあやしんでいる。
無理もないだろう。
俺たちの格好は、こんな高級な場所には全く似合わない。
ただの、田舎から出てきた旅人にしか見えないはずだ。
警備兵の一人が、俺たちの前に進み出てきた。
そして、無感情な声で告げる。
「ここは、ダリウス商会の本部だ。お前たちのような者が、軽々しく立ち入る場所ではない。さっさと立ち去れ」
その言葉は、冷たく俺たちの心を突き刺した。
地平線の果てまで、巨大な建物がどこまでも続いていた。
これまで見てきたどの町よりも、十倍は大きいかもしれない。
「おいおいなんだありゃあ、町っていうよりもはや国じゃねえか」
見張り台に立つバルガスが、あきれたような声を上げた。
俺も、その言葉に心から同意する。
川の両岸には、石造りの立派な建物がすき間なく並んでいた。
そのどれもが、三階建てや四階建ては当たり前という高さだ。
中には、天をつくような高い塔まで見える。
「ミナト見て、お城みたいなお家がいっぱいあるよ」
俺の隣に立つルナが、目をきらきらと輝かせながら言った。
彼女の言う通り、建物の一つ一つがまるで王族の住む城のようである。
屋根は色とりどりの瓦でふかれ、壁には美しい彫刻がほってあった。
窓にはガラスがはめこまれ、太陽の光を反射して輝いている。
川には、信じられないほど多くの船が行き交っていた。
俺たちのリバーサイド号よりも、ずっと大きな帆船が何そうもいた。
荷物を満載した輸送船が、ゆっくりと川を進んでいく。
その間を、小型の連絡船がすばやく走り抜けていった。
港からは、活気に満ちた人々の声がここまで聞こえてくるようだ。
鐘の音や、船の汽笛の音も混じり合っていた。
まさにこの世界の中心地と、呼ぶにふさわしい光景だった。
「さてと、どこに船を停めるかな」
俺は、気を引き締め直して舵輪をにぎった。
これだけ大きな港だから、停泊する場所を見つけるのも一苦労だろう。
港は、用途によっていくつかの区画に分かれているようだった。
一番大きな区画は、大型の商船が使うためのものらしい。
巨大なクレーンが、いくつも設置されているのが見える。
荷物の積み下ろしで、大勢の男たちが働いていた。
俺たちの船が入るには、少し場違いな雰囲気である。
「ミナトあっちの方、少し空いてる場所があるみたい」
ルナが、川岸の一角を指差した。
彼女の言う通り、そこは比較的小さな船が集まる船着き場のようだ。
俺たちのリバーサイド号には、ちょうどいい大きさかもしれない。
「よし、あそこを目指そう。ルナ、案内を頼む」
「うん、任せて!」
ルナは、得意そうに胸を張った。
彼女は船の先頭に立ち、川の中の様子を注意深く見つめている。
水面の流れや、他の船の動きをしっかりと見ていた。
「ミナト、もう少し左。他の船が、たくさん来るから」
「分かった」
俺は、ルナの指示通りに船をあやつる。
彼女の言う通り、右側から大きな船が追い抜いていった。
もしそのまま進んでいたら、あやうく衝突するところだったかもしれない。
「はっはっは、ルナ嬢ちゃんは最高の航海士だな。お前がいりゃあ、どんな海でも渡れるぜ」
見張り台から、バルガスの楽しそうな声が聞こえる。
ルナは、少し照れくさそうに笑っていた。
俺たちの船は、人々の注目を集めているようだった。
リバーサイド号の、なめらかで美しい船体。
他の船とは明らかに違う、その独特なデザイン。
すれ違う船の船員たちが、驚いたようにこちらを指差している。
中には、俺たちの船の名前を大声でたずねてくる者もいた。
俺は、少しだけ誇らしい気持ちになる。
この船は、俺の知識と技術の結晶なのだ。
やがて俺たちは、目的の船着き場に到着した。
そこは、個人の船や小型の定期船が使うための場所らしい。
幸い、一つだけ空いている停泊場所を見つけることができた。
俺は、慎重に船を岸に寄せていく。
周りの船にぶつけないように、細心の注意を払った。
バルガスが、甲板から太いロープを投げた。
船着き場で待っていた港の作業員が、それを受け取ってくれる。
そして、がんじょうな杭に手ぎわよく結びつけていった。
「よし、着いたな」
俺は、エンジンを止めて大きく息をついた。
長かった船旅が、ようやく一つの区切りを迎えたのだ。
俺たちは、三人で顔を見合わせて笑い合った。
「それじゃあ、さっそく町にくり出しますか」
俺の言葉に、バルガスとルナは力強くうなずいた。
俺たちは、わくわくした気持ちを胸に船を降りる。
そして、商業都市の地に第一歩をふみ出した。
船着き場から一歩外に出ると、そこはけんそうの渦だった。
石畳の道は、大勢の人々でうめつくされている。
見たこともないくらい大勢の人が、せわしなく歩いていた。
裕福そうな商人が、立派な馬車に乗って通り過ぎていく。
荷物を運ぶ労働者たちが、威勢のいいかけ声を上げていた。
美しいドレスを着た貴族の女性が、侍女を連れて歩いている。
そのにぎやかさは、これまで見てきたどの町とも比べ物にならない。
「すげえ、人がゴミのようだぜ」
バルガスが、あきれたようにつぶやいた。
失礼な言い方だが、俺も同じことを思った。
道の両脇には、たくさんの店がならんでいる。
武器屋や防具屋、それに道具屋や宿屋もあった。
レストランからは、食欲をそそる良い匂いがただよってくる。
「ミナト見て、あっちに甘い匂いがするよ」
ルナが、俺の服のそでを引っ張った。
彼女が指差す先には、焼き菓子を売る露店があった。
色とりどりの、かわいらしいお菓子が並べられている。
「よし、少し休憩にしようか。何か、買ってやろう」
「本当!? やったあ!」
ルナは、嬉しそうに飛び跳ねた。
俺たちは、人混みをかき分けて露店へと向かった。
店主は、人の良さそうなおばさんだった。
「いらっしゃい、うちのお菓子は美味しいよ」
「どれがいい、ルナ」
「うーんとね、これにする!」
ルナが選んだのは、はちみつをたっぷりぬった熱々のパンケーキだった。
俺は、銅貨を数枚払ってそれを受け取る。
ルナは、嬉しそうにパンケーキにかじりついた。
「んー、おいしい!」
その幸せそうな顔を見ていると、こちらまで嬉しくなってくる。
バルガスも、串に刺さった大きな焼き肉を買ってごうかいに食べていた。
「うめえ、この肉は最高だぜ。味付けも、絶妙だ」
俺は、果物を発酵させて作ったという微炭酸のジュースを飲む。
さわやかな甘酸っぱさが、旅の疲れをいやしてくれた。
俺たちは、しばらくその場で町の活気を楽しんだ。
見るもの聞くもの全てが、新鮮でしげき的だった。
この町なら、きっと何か面白いことが見つかるだろう。
俺は、そんな予感を胸に抱いていた。
「さてと、腹ごしらえも済んだことだしそろそろ行きますか」
俺は、二人にむかって言った。
「どこへ行くんだ、ミナト」
「まずは、ダリウス商会を探そう。彼らとの約束を、果たさないと」
俺の言葉に、バルガスとルナはうなずいた。
俺たちの、この町での最初の目的はそれだった。
ダリウスさんと再会し、本格的な商売を始めるのだ。
だがこの広大な都市で、どうやって彼の商会を見つければいいのだろうか。
地図も、持っていないのだ。
「とりあえず、人に聞いてみるしかないな」
俺は、近くを通りかかった若い男に声をかけた。
「すみません、少しおたずねしたいのですが」
「ん、なんだい?」
男は、少しだけ面倒くさそうにこちらを見た。
「このあたりで、ダリウス商会というのをご存じありませんか」
俺がそうたずねると、男の態度が少しだけ変わった。
「ダリウス商会だって、あんたたちあの大きな商会に何か用かい」
「ええ、少し。商売の話がありまして」
俺の言葉に、男は感心したように俺たちを見た。
「へえ、そりゃあすごいな。ダリウス商会は、この都市でも五本の指に入る大商会だぜ」
どうやらダリウスさんは、俺が思っていた以上にすごい人物のようだ。
「商会の建物は、ここから少し歩いた商業地区にある。一番立派な建物だから、行けばすぐに分かるはずだ」
男は、親切に道を教えてくれた。
「ありがとうございます、助かりました」
俺は、礼を言って男と別れた。
「よし、行くぞ。商業地区とやらへ」
俺たちは、男に教えられた方角へ向かって歩き始めた。
町の中心部に近づくにつれて、周りの景色はさらに豪華になっていく。
道は、きれいに磨かれた大理石で舗装されていた。
建物は、どれもこれも宮殿のように立派だった。
道を行き交う人々の服装も、明らかに高価なものに変わっていく。
ここが、この都市の中心地なのだろう。
俺たちは、少しだけ気後れしながらも歩みを進めた。
やがて視界の先に、ひときわ大きな建物が見えてくる。
五階建てはあろうかという、巨大な石造りの建物だ。
建物の正面には、ダリウス商会の紋章が大きくかかげられていた。
間違いない、ここが目的地だ。
「でけえな、まるで城じゃねえか」
バルガスが、感嘆の声を漏らした。
俺も、その規模には圧倒されてしまう。
まさか、これほど立派な商会だったとは。
俺は、少しだけ緊張しながら建物の入り口へと向かった。
入り口には、強そうな警備兵が二人立っている。
彼らは、鋭い目で俺たちを見下ろした。
その視線は、明らかに俺たちをあやしんでいる。
無理もないだろう。
俺たちの格好は、こんな高級な場所には全く似合わない。
ただの、田舎から出てきた旅人にしか見えないはずだ。
警備兵の一人が、俺たちの前に進み出てきた。
そして、無感情な声で告げる。
「ここは、ダリウス商会の本部だ。お前たちのような者が、軽々しく立ち入る場所ではない。さっさと立ち去れ」
その言葉は、冷たく俺たちの心を突き刺した。
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