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第十二章
第二十話 シャカール、ペットを飼う
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~ルーナ視点~
弟の魂を解放するために、ワタシはマネットライムを倒そうとした。しかし、シャカールのやつに止められ、時間をくれないかと言われた。
最初は迷ったが、彼なりの考えがあるのだろうと思い、シャカールのことを尊重してあの場から一旦さった。
「そろそろ10分くらいになるだろうか。さて、これくらい時間があれば、もう充分だろう」
それなりに離れた場所まで移動したので、シャカールの声はまったく聞こえてはいない。あの男はワタシの目を盗んで何をしようとしていたのだろうか?
そんなことを思いつつも、シャカールが居るところへと歩みを進める。
戻って見ると、シャカールの姿はあった。しかし、マネットライムの姿は見えない。
「ワタシの弟の魂が融合したマネットライムはどうした?」
「ルーナか。あいつは俺の説得に応じてくれたよ。無事に成仏してくれると良いがな」
「そうか。辛い役目を押し付けてしまったな」
彼はきっと、ワタシの手でとどめを刺させる訳にはいかないと思い、汚れ役を引き受けてくれたのだろう。
「別に構わないさ。多分、俺じゃないとできないことだったと思う」
シャカールが振り返る。すると、彼の腕にはなぜか子犬が抱き抱えられていた。
「うん? その子犬はどうした?」
「ああ、ルーナが来るちょっと前に、突然現れたんだ。どっからか迷い込んだみたいでさ、首輪もされていないから野良犬みたいなんだ。こいつ、賢いんだぞ」
そう言うと、シャカールは抱き抱えている子犬を地面に下ろす。そして彼自身も屈むと、手を前に出した。
「お手!」
どうやら芸をさせようとしているようで、定番の言葉をシャカールは口に出す。
すると、ぎこちない動きで右の前足をシャカールの手に乗せた。
なぜだろうか? ワタシには、嫌々指示に従っているように見える。尻尾を振ってもいないし、子犬の表情も嫌そうに見受けられる。
試しにワタシもしてみるか。
「子犬、こっちを見ろ」
ワタシの方を見るように、子犬に向かって指示を出す。すると、やつはこちらに顔を向け、体の方もワタシに向ける。
自分が子犬だと言うことを自覚しているだと! 確かにある意味賢いのかもしれない!
予想以上に賢いことに衝撃を受けるも、ワタシは冷静に振る舞うことを心掛ける。
そしてワタシも屈むと右手を前に出す。
「よし、ではお手だ」
シャカールの時のように芸をするように指示を出す。その瞬間、子犬は右の前足を手に乗せ、尻尾を素早く左右に振った。さらに、何も指示を出していないのにも関わらず、今度は右の前足を一度引っ込ませ、今度は左前足をワタシの手に置いた。
こいつ、何も指示を出していないのに、まるでワタシの心を読んだかのように、次の行動に出ていやがる!
衝撃を受けていると、子犬は更に次の行動に出た。
何も指示を出していないのにも関わらず、伏せを始めたのだ。
子どもの頃に犬を飼っていた経験があり、ワタシは必ずお手、お代わり、伏せの順番で芸を仕込んでいた。
この子犬は、ワタシの指示を出すパターンがまるで分かっているかのようだ。
正直、賢いを通り越して少し不気味に感じてしまう。
「この子犬、賢いかもしれないが、可愛げがあまりないな」
『クーン、クーン、クーン』
可愛げがない。そう呟いた途端に、子犬は甘える時のような鳴き声を出し始める。
この子犬、ワタシが可愛げがないと言った途端に可愛い鳴き声を出し始めたな。
人間の言葉を理解して即座に行動するとは、どれだけ賢いんだ。
「この子犬、幼いにしては賢すぎるな。まさか、研究所で改造された特殊な犬なのでは?」
あまりにも賢すぎる子犬に訝しむ。すると、子犬はバカな行動に出始めた。
自分の尻尾を追いかけるように、その場で何度も回転を始める。
ワタシの言葉に反応してそれに応えようと必死になっているようであり、ますます怪しい。
「なぁ、ルーナのところでこの子犬を飼ってくれないか? シェアハウスでは、流石に飼えないだろう?」
「断る!」
ワタシに子犬を育ってくれないかとシャカールが言ってきたので、即答で拒否した。
誰が、こんな賢すぎるあまりに不気味な犬を側に置くか。
拒絶した瞬間、子犬はショックを受けたかのように、突然横に倒れ出す。
「ちょっと待ってくれ! どうして飼ってくれないんだ! 可哀想だとは思わないのか!」
「この子犬を可哀想だと思うのであれば、シャカール、お前が飼ってやれ」
「いや、シェアハウスで飼えないだろう?」
「シェアハウスでペットを飼えないなんて誰が言った? ワタシが許可を出す。お前が拾ったんだ。責任を持ってお前が育てろ」
「でも、他の奴らは犬が嫌いかもしれないだろう?」
「いや、ワタシの知っている限りは、別にアレルギー持ちや犬が嫌いなやつはいなかった。良かったな。シェアハウスのマスコットキャラができて」
こうして、シェアハウスに新たな仲間が加わった。ワタシは極力近付きたくないが、きっとシャカールたちがしっかりと躾けてくれるだろう。
後でペット用品を取り寄せないといけないな。流石にそれくらいのサポートはするべきだろう。
弟の魂を解放するために、ワタシはマネットライムを倒そうとした。しかし、シャカールのやつに止められ、時間をくれないかと言われた。
最初は迷ったが、彼なりの考えがあるのだろうと思い、シャカールのことを尊重してあの場から一旦さった。
「そろそろ10分くらいになるだろうか。さて、これくらい時間があれば、もう充分だろう」
それなりに離れた場所まで移動したので、シャカールの声はまったく聞こえてはいない。あの男はワタシの目を盗んで何をしようとしていたのだろうか?
そんなことを思いつつも、シャカールが居るところへと歩みを進める。
戻って見ると、シャカールの姿はあった。しかし、マネットライムの姿は見えない。
「ワタシの弟の魂が融合したマネットライムはどうした?」
「ルーナか。あいつは俺の説得に応じてくれたよ。無事に成仏してくれると良いがな」
「そうか。辛い役目を押し付けてしまったな」
彼はきっと、ワタシの手でとどめを刺させる訳にはいかないと思い、汚れ役を引き受けてくれたのだろう。
「別に構わないさ。多分、俺じゃないとできないことだったと思う」
シャカールが振り返る。すると、彼の腕にはなぜか子犬が抱き抱えられていた。
「うん? その子犬はどうした?」
「ああ、ルーナが来るちょっと前に、突然現れたんだ。どっからか迷い込んだみたいでさ、首輪もされていないから野良犬みたいなんだ。こいつ、賢いんだぞ」
そう言うと、シャカールは抱き抱えている子犬を地面に下ろす。そして彼自身も屈むと、手を前に出した。
「お手!」
どうやら芸をさせようとしているようで、定番の言葉をシャカールは口に出す。
すると、ぎこちない動きで右の前足をシャカールの手に乗せた。
なぜだろうか? ワタシには、嫌々指示に従っているように見える。尻尾を振ってもいないし、子犬の表情も嫌そうに見受けられる。
試しにワタシもしてみるか。
「子犬、こっちを見ろ」
ワタシの方を見るように、子犬に向かって指示を出す。すると、やつはこちらに顔を向け、体の方もワタシに向ける。
自分が子犬だと言うことを自覚しているだと! 確かにある意味賢いのかもしれない!
予想以上に賢いことに衝撃を受けるも、ワタシは冷静に振る舞うことを心掛ける。
そしてワタシも屈むと右手を前に出す。
「よし、ではお手だ」
シャカールの時のように芸をするように指示を出す。その瞬間、子犬は右の前足を手に乗せ、尻尾を素早く左右に振った。さらに、何も指示を出していないのにも関わらず、今度は右の前足を一度引っ込ませ、今度は左前足をワタシの手に置いた。
こいつ、何も指示を出していないのに、まるでワタシの心を読んだかのように、次の行動に出ていやがる!
衝撃を受けていると、子犬は更に次の行動に出た。
何も指示を出していないのにも関わらず、伏せを始めたのだ。
子どもの頃に犬を飼っていた経験があり、ワタシは必ずお手、お代わり、伏せの順番で芸を仕込んでいた。
この子犬は、ワタシの指示を出すパターンがまるで分かっているかのようだ。
正直、賢いを通り越して少し不気味に感じてしまう。
「この子犬、賢いかもしれないが、可愛げがあまりないな」
『クーン、クーン、クーン』
可愛げがない。そう呟いた途端に、子犬は甘える時のような鳴き声を出し始める。
この子犬、ワタシが可愛げがないと言った途端に可愛い鳴き声を出し始めたな。
人間の言葉を理解して即座に行動するとは、どれだけ賢いんだ。
「この子犬、幼いにしては賢すぎるな。まさか、研究所で改造された特殊な犬なのでは?」
あまりにも賢すぎる子犬に訝しむ。すると、子犬はバカな行動に出始めた。
自分の尻尾を追いかけるように、その場で何度も回転を始める。
ワタシの言葉に反応してそれに応えようと必死になっているようであり、ますます怪しい。
「なぁ、ルーナのところでこの子犬を飼ってくれないか? シェアハウスでは、流石に飼えないだろう?」
「断る!」
ワタシに子犬を育ってくれないかとシャカールが言ってきたので、即答で拒否した。
誰が、こんな賢すぎるあまりに不気味な犬を側に置くか。
拒絶した瞬間、子犬はショックを受けたかのように、突然横に倒れ出す。
「ちょっと待ってくれ! どうして飼ってくれないんだ! 可哀想だとは思わないのか!」
「この子犬を可哀想だと思うのであれば、シャカール、お前が飼ってやれ」
「いや、シェアハウスで飼えないだろう?」
「シェアハウスでペットを飼えないなんて誰が言った? ワタシが許可を出す。お前が拾ったんだ。責任を持ってお前が育てろ」
「でも、他の奴らは犬が嫌いかもしれないだろう?」
「いや、ワタシの知っている限りは、別にアレルギー持ちや犬が嫌いなやつはいなかった。良かったな。シェアハウスのマスコットキャラができて」
こうして、シェアハウスに新たな仲間が加わった。ワタシは極力近付きたくないが、きっとシャカールたちがしっかりと躾けてくれるだろう。
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