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第一章 ― 優 ―
綺麗な寝顔②
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途中で、菜摘ちゃんに会う。
「おはよー」
「おっはよー!」
菜摘ちゃんは朝から元気だった。
「なんかご機嫌じゃない? 週末になにかいいことあった?」
「ふふっ、聞いてくれる?」
「うん、聞く聞く!」
「あ、やっぱ言わなーい。もう少し進展したら言うわ」
「えー、なに恋バナなの? 誰と誰と? 教えてよー」
「ふふーん、まだナイショ」
鼻歌でも歌いそうな菜摘ちゃんとじゃれ合って教室に入る。
「おはよー、なんか楽しそうじゃない?」
「おはよ、さやちゃん。菜摘ちゃんが意地悪なんだよ」
「意地悪じゃないよ。まだ内緒なだけで」
「言いかけて止めるなんて意地悪じゃん!」
本気で追求するつもりはなかったから、あとで教えてねと笑って、おとなしく自分の席につく。
あの様子だと私が知っている子かも。ってことは中学の?
菜摘ちゃんと仲がよかった男子を思い浮かべて、ひとりでニヤニヤする。そのうち教えてくれるかな。
放課後、荷物を持って、部室に行った。
「お疲れ様でーす」
ドアを開けると、めずらしく遥斗先輩がいない。
どこかに出かけてるのかなと思ったら、先輩が隅っこの布が積み重ねてあるところにもたれ掛かるようにして座って目を閉じていた。
「遥斗先輩?」
寝ているだけよね?
そっとそばに寄る。
苦しそうな顔はしてないし、穏やかな寝息を立てているから、大丈夫よね?
そう思ったけど、今朝も気怠そうだったから心配になって、そうっとおでこに手を当てた。
うん、熱もないみたい。よかった。
安心して座り込む。
本当はプリンターを使いたかったんたけど、音で先輩が起きたらかわいそうなので、今日は止めておこう。
でも、風邪引かないかな?
春とはいえ、まだ肌寒い。
私は積み重ねてあった布をかけてあげた。
それにしても、綺麗な寝顔。
熟睡しているようで、いつもより険が取れて、ちょっと幼い表情。
写真撮っちゃ……ダメだよね。さすがに。
いつまでも見ていられるような見目麗しい光景にそっとため息をつく。
麗しいとはちょっと違うかな?
目に心地いい? ずっと見ていたいような?
なんて考えて、赤くなる。
いやいやいや、なに考えてるんだ。
う、美しい風景を目に焼きつけたいのと同じ気持ちよね。
私はお弁当箱を回収すると、遥斗先輩を起こさないように静かに部屋を出た。
新作のハンバーグの感想を聞けなかったなぁ。自信作だったんだけど。
昨日の夕食は、その試作品がみんなのおかずになっていた。
お母さんはこの頃おかずが増えて楽だわって笑っていた。
「おはよー」
「おっはよー!」
菜摘ちゃんは朝から元気だった。
「なんかご機嫌じゃない? 週末になにかいいことあった?」
「ふふっ、聞いてくれる?」
「うん、聞く聞く!」
「あ、やっぱ言わなーい。もう少し進展したら言うわ」
「えー、なに恋バナなの? 誰と誰と? 教えてよー」
「ふふーん、まだナイショ」
鼻歌でも歌いそうな菜摘ちゃんとじゃれ合って教室に入る。
「おはよー、なんか楽しそうじゃない?」
「おはよ、さやちゃん。菜摘ちゃんが意地悪なんだよ」
「意地悪じゃないよ。まだ内緒なだけで」
「言いかけて止めるなんて意地悪じゃん!」
本気で追求するつもりはなかったから、あとで教えてねと笑って、おとなしく自分の席につく。
あの様子だと私が知っている子かも。ってことは中学の?
菜摘ちゃんと仲がよかった男子を思い浮かべて、ひとりでニヤニヤする。そのうち教えてくれるかな。
放課後、荷物を持って、部室に行った。
「お疲れ様でーす」
ドアを開けると、めずらしく遥斗先輩がいない。
どこかに出かけてるのかなと思ったら、先輩が隅っこの布が積み重ねてあるところにもたれ掛かるようにして座って目を閉じていた。
「遥斗先輩?」
寝ているだけよね?
そっとそばに寄る。
苦しそうな顔はしてないし、穏やかな寝息を立てているから、大丈夫よね?
そう思ったけど、今朝も気怠そうだったから心配になって、そうっとおでこに手を当てた。
うん、熱もないみたい。よかった。
安心して座り込む。
本当はプリンターを使いたかったんたけど、音で先輩が起きたらかわいそうなので、今日は止めておこう。
でも、風邪引かないかな?
春とはいえ、まだ肌寒い。
私は積み重ねてあった布をかけてあげた。
それにしても、綺麗な寝顔。
熟睡しているようで、いつもより険が取れて、ちょっと幼い表情。
写真撮っちゃ……ダメだよね。さすがに。
いつまでも見ていられるような見目麗しい光景にそっとため息をつく。
麗しいとはちょっと違うかな?
目に心地いい? ずっと見ていたいような?
なんて考えて、赤くなる。
いやいやいや、なに考えてるんだ。
う、美しい風景を目に焼きつけたいのと同じ気持ちよね。
私はお弁当箱を回収すると、遥斗先輩を起こさないように静かに部屋を出た。
新作のハンバーグの感想を聞けなかったなぁ。自信作だったんだけど。
昨日の夕食は、その試作品がみんなのおかずになっていた。
お母さんはこの頃おかずが増えて楽だわって笑っていた。
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