おっさん商人、仲間を気ままに最強SSランクパーティーへ育てる

シンギョウ ガク

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最終章 そして、伝説へ

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 コーリアンを拠点にした、枝街道の魔物討伐も一週間が瞬く間に過ぎ去っていた。

 枝街道を占拠していた魔物たちは、俺たちによって一掃され、絶望都市へ繋がるハーベイ村を解放に成功していた。

「グレイズさん、これでこの村を拠点にして枝街道に向かう魔物たちを迎撃できるわね」

「グレイズさん、コーリアンに王国軍の先発隊が到着したようだし、ここの防衛にも冒険者を振り分けられると思うっす。これで、ブラックミルズにも救援に行けれるっすね」

「まぁ、絶望都市から湧き出る魔物の大半がこのハーベイ村を経由していくからな。ここさえ抑えられれば魔物流出もかなり限定できるようになる」

 村人たちは魔物たちが大量に来る前に、コーリアンの方へ避難しており、村は無人化していた。

 人的被害が出なかっただけでも幸いか。

 村の中は魔物たちが暴れていておかげで、グチャグチャになっていたが、屋根や塀も残っているし野営しても寒さに震えることはないだろう。

「グレイズさーん、応援の冒険者の人たち来たよー!」

 村の入り口を見張っていてくれたファーマから声がかかった。

 十数人のフル装備の冒険者たちが、ゾロゾロと村の入り口から入ってきた。

「ちぃーす、グレイズさん。アルマさんたちからこっちのお手伝いしてくれって言われました」

「おう、ご苦労さん。しばらくの間、ここに籠って魔物が這い出してくるのを防いでくれ。くいもんはたっぷりと持ち込んであるから自由に飲み食いしていいぞ

「おぉ、さすがグレイズさんっすわ。ありがてぇ、腹ごしらえさせてもらいますわ」

 冒険者たちが食料を受け取ると、近くの焚火で食事の準備を始めていた。

「周りの魔物は一掃してあるから、これから続々来る予定の冒険者たちと一緒にここの村を防衛してくれ! 頼んだぞ」

「了解っす。ここで魔物が溢れだすのを食い止めたら、がっぽり稼げますからね。たっぷりと稼がせてもらいますよ」

 アルマがこのハーベイ村の防衛依頼に多額の依頼料を提示しているようだ。

 ここさえ抑えられれば、絶望都市から溢れ出す魔物の八割近くは封じ込めれるし、枝街道、本街道の防衛も負担軽減できる急所だしな。

 さすが、アルマだ。

 金と人の使い道を知っている。

「アルマも大胆な手を使えるようになったわね。グレイズさんの次の代の本部ギルドマスターは、初の女性本部ギルドマスターの誕生かしらねー。今からせっせとアルマとのパイプを太くしておかないと」

 商魂たくましいメリーが、アルマの将来性を見出して手をわきわきさせていた。

 メリーの言う通り、俺が本部ギルドマスターとして椅子に座る期間はそう長くないつもりだ。

 なので、今回の魔物流出の対応を全てアルマに丸投げしてギルドマスターたちや冒険者たちに、彼女の能力の高さを見せつけておいた。

 今回の実績をもってすれば、本部ギルドマスター代行業務スムーズに移行できるし、代行が取れても能力の信認してもらえるはずだ。

「ちゃんと公私の分別はつけておいてくれよ。ただでさえ、色んな役職が付いてて癒着とか言われてかねないからな」

「分かってます。私はお金を稼ぐのは好きだけど、貯め込むのは別に好きじゃないからねー。グレイズさんが私の稼いだお金をちゃんとみんなに還元してもらえるだろうし」

 また、メリーが莫大に稼ぎ出す金の使い道を考えないといかんなぁ……。

 商売するのが好きと公言するメリーだが、商行為で利益を出すのが好きなので、それによって出た利益を自分のために使うことにはあまり興味がなかった。

 出た利益は商売の元手にしていくから、どんどんとメリーの会社が巨大化している。

 王都でもちゃっかりと取引先を増やして、商取引を拡大していた。

「俺の口座に勝手に入ってくる金はみんな還元するつもりだしな。絶望都市騒動で避難している村の人たちの復興資金として供出するのもいいな」

「さすが、グレイズ。持っている男はやることのスケールが違う」

「グレイズさん、それいいよー。みんな、畑も家も壊されちゃってるしね。冬を越せない人も出てくるかも」

「復興資金、素晴らしいと思います。さすが、グレイズさんです」

「ブラックミルズ公爵家も被災された方への全力支援を表明いたしますわ」

 メリーが稼ぎ出す金の使い道が決まった。

 今回の騒動で多数の避難者も出ているし、怪我や死人、家や畑にも被害が出ている。

 それらの人々に稼いだ金を還元することに決めた。

「分かった。分かった。使い道も決まったしな。その前にブラックミルズにも一旦帰りたいし、絶望都市の魔物流出も止めないといけないしな」

 俺たちの話が終わるのを待っていた冒険者の代表がペコリと頭を下げて会話に入ってきた。

「グレイズさん、ここは俺らが面倒見るんで、お疲れ様っした。ここにいる皆さんと同じようにアルマさんが早く戻ってきて欲しいそうにしてましたよー。モテる男はつらいっすねー」

「うるせー」

「そうやって照れているから、みんなもグレイズさんを弄り倒すんすよ。そろそろ、『そうだろ、お前らも俺みたいになれるよう頑張れよ』って威張ってもいいレベルっすよ」

 冒険者の代表の男がニコニコ笑いながら話していた。

 これでも色々と大変なんだぞ。

 主にみんなが有能過ぎて、俺の仕事が無くなりつつあるって危機感が半端ない。

 頑張らないとヒモになりかねないのだよ。

 ヒモ男がそんなセリフ吐いてたら、かっこ悪いどころの騒ぎじゃなく、男としての価値も無くなってしまう。

「俺はそんなセリフを吐けるほど、仕事してないしな。もっと、もっと彼女たちの役に立てる男にならないといかんのだ」

「さすがっすね。グレイズさんのそういうとこが痺れるっすっ!! いやー、オレもそんなセリフ言ってみてぇー」

 ジェネシスが何か一人で感動しているようだ。

 別にかっこいいセリフを言ったわけでもないし、俺の思いをみんなに聞かせたかっただけだなのだが。

「さぁ、俺のことはどうでもいいから、ここは任せてコーリアンに戻るぞ」

 俺は冒険者たちにハーベイ村を任せると、コーリアンに一旦戻り、ブラックミルズへの帰還の準備を進めることにした。
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