5 / 31
条件2:社内では接近禁止!
2
しおりを挟む
秋葉さんが降りた後、その場では自分の携帯の番号を相良さんに渡してもらうとか思いつかずに自分自身にガッカリした。
せっかくのチャンスを無駄にした感じだった。
あーぁ、我ながら機転の効かない女だな、私は…。
「おかえりなさい、先輩。頼まれていたデータ入力が終わったので、届けて来ますね」
「うん、お願いします」
会議室の掃除当番から戻ると、すぐに奈子ちゃんは席を外した。
奈子ちゃんが席を外してから来客は一件、その後はまたデータ入力作業。
「お疲れ様です。相良さんから頼まれました。では、また!」
データ入力作業に夢中になっていたら、目の前には秋葉さん。
小さいメモ紙を2つ、私の前にカサッと差し出して、お礼を言う間もなく、バイバイと可愛らしく手を振って行ってしまった。
奈子ちゃんも居ないので、来客が居ない内にメモ紙を広げる。
1つは携帯の番号に相良と記載されていた。
もう1つは手紙で、"くるみさわさんへ。相良さんの番号です。会えない時はかけてみてね。ついでに私の番号とアドレスです。良かったら仲良くして下さい(^^)"と書いてあった。
う…、嬉し過ぎるっ!
秋葉さんが副社長繋がりで私達の関係を知ったのかも知れないが、気遣いの根回しが早すぎる。
仕事の出来る女性は気遣いも出来るのね…!
さっき初めて会って話したのに、こんなにも優しく出来ちゃうなんて秋葉さんって内面も素敵な女性なんだな、と改めて実感。
メモ紙2つは奈子ちゃんが帰って来る前に、そっとポケットにしまう。
退勤時間になるまで、私はそわそわを抑えきらずに奈子ちゃんに怪しまれながらも仕事をこなして、時間になるとすぐに会社の外に出た。
エアコンの効いた社内とは正反対の暑さにぐらつきながら、足早に会社付近の公園に向かう。
汗ばむ身体を隠すように木陰に座り、メモ紙2つを取り出してスマホに登録する。
……これで、よしっと。
登録するとすぐにメッセージアプリから、"新しいお友達が登録されました"と更新があり、秋葉さんが登録された事に気付く。
すかさず秋葉さんにお礼のメッセージを送り、スマホを握りしめる。
そう言えば相良さんは?
メッセージアプリから、相良さんが登録されたお知らせがないので相良さんは利用してはいないかIDを設定しているのかもしれない。
もっと仲良くなりたいけれど、今、ここで電話しても良いものかどうか?
まだ勤務中だろうか?
私が相良さんに会える唯一の方法は、電話をする事しかない。
勤務中だと怒られても良いので電話してしまおうか?
私は思いを抑えきらずに、相良さんの連絡先をタップして電話をかける。
会いたい、声が聞きたい、話をしたい。
「……相良です」
出て欲しいと願いを込め、スマホを握りしめて耳に充てる。
何回目かのコールで心地良い低音ボイスが、耳に流れた。
「…あ、あの、わ、私…くるみ、…」
「…まだ勤務中です。勤務中は接近禁止と言ったはずです。勿論、電話も一緒の扱いです」
怒られる事は分かっていた。
……それでも相良さんと会いたくて、話したくて、けれども面と向かって言われるよりも電話で言われた方が言い方がよりキツく聞こえるなぁ…。
「ご、めんなさ、い…失礼しま、す…」
とだけ言い、電話を一方的に切った。
額に汗がうっすらと滲んで、目からは涙がボロボロとこぼれ落ちる。
私が告白して、私だけが相良さんを好きで、相良さんは仕方なくお付き合いしてくれると言ってくれたのかもしれない。
そんな事も分かってはいたけれど、現実がリアルで、なんて惨めなんだろう。
一人で浮かれて、はしゃいで、滑稽以外の何物でもない。
暑い中、公園に居ても無意味だ。
会社近くの公園に居たのは、電話をしたら相良さんと会えると思っていたからだ。
会えないのなら待つ必要もないし、公園から立ち去ろう。
こんなにも苦しくなるなら、片思いをしていた毎日の方が楽しかったよ。
「……ここに居たんですねっ、胡桃沢、さん」
「………!?」
「探しました、先ほどはすみませんっ…」
とぼとぼとゆっくり公園を歩いていた私の目の前には、一番会いたかった人物が居た。
息を切らして、眼鏡も少しズレ落ちていて、いつもからは想像出来ない姿をしている。
「…相良さん!?」
「あまり走るのは得意ではなくて、カッコ悪いのですが…。勤務中でしたし、副社長も隣におりまして、…あんな言い方しか出来なくてはすみませんでした」
息切れを少し残しつつ、相良さんは話しながら深々とお辞儀をする。
唖然としてしまった私の涙は自然に乾き、目の前の相良さんが愛おしくて抱き着く。
先程の電話の冷たさは何だったのか?
何故、息を切らしてまで探しに来てくれたのだろうか?
推定180センチはあるだろう相良さんに、155センチの私はすっぽりと収まる。
「…今日、秋葉さんから番号を教えて貰いました。相良さんに会いたくて仕方なくて、つい電話をかけてしまいました。勤務中かな?とは思ったんですけど…」
「最近忙しくて、帰りも遅いです。…なので、平日はしばらく会えません。先に言うべきでしたね」
上を見上げると相良さんの顔が近くに見えたので、これはこのままキスされちゃうのかな?とか抱き締め返してくれるのかな?と妄想したのも束の間、
「…なので、金曜日の夜まで大人しくしていて下さいね」
と言われて、抱きついていた身体を引き離された。
あれ?
「では、また」
先程までの焦った様子の姿はなくクールな相良さんに戻り、過ぎ去ろうとしたので腕を掴み引き止めた。
「あ、あのぉ…電話じゃなくて、メールならしても良いですか?」
「はい、返信は遅くなると思いますが…」
上目遣いで見て訴えるが、相良さんは動じない様で無表情のまま。
「それでもかまいません!メールならいつ送ってもいいですか?」
「…仕方ないですね、アドレス交換しましょう」
少しだけ、口角を上げて私に向けて微笑んだ気がした。
ドキン、と胸が跳ね上がる。
会社付近でも接近禁止と言われ、落ち込みを隠せなかったがメールは仕事中でも大丈夫だと言われたので少し回復中。
去り際、
「胡桃沢さんて、本当に小さいですね」
と頭をポンポンと軽く叩かれた。
不意打ちに驚き、顔に火照りを感じる。
何を考えて、頭をポンポンして来たのだろう?
本人には聞けないけれど、私には特別に感じられて嬉しかった。
帰りは別々に離れて歩いたのだが、頭を触られた感触が残っていて相良さんの後ろ姿にキュンとしっぱなし。
相良さんの手は大きくて、指が長く、骨張っていた。
帰りの電車に揺られながら、自分の手を眺めては思い出す。
手を繋ぎたい、触れられたい。
相良さんに近付けば近付く程、欲が出る。
メールを送りたいけれど、気の利いた言葉も出ずにありきたりな文章、"今日はありがとうございました。金曜日の夜、楽しみにしています"とドキドキしながら文字を入力した。
返事は直ぐに来ないだろうと油断していると、割かし早くきて、"みっともない姿をお見せしてしまい申し訳ありませんでした。金曜日、なるべく早く上がれるように調整します"と返ってきた。
相良さんの事だから、勤務中は返信しないと思うので退勤押した後なのかもしれない。
彼氏彼女になった様で舞い上がり、電車内でニヤついてしまい、他人からヒソヒソ話をされて恥ずかしい思いをしたのは誰にも内緒────……
せっかくのチャンスを無駄にした感じだった。
あーぁ、我ながら機転の効かない女だな、私は…。
「おかえりなさい、先輩。頼まれていたデータ入力が終わったので、届けて来ますね」
「うん、お願いします」
会議室の掃除当番から戻ると、すぐに奈子ちゃんは席を外した。
奈子ちゃんが席を外してから来客は一件、その後はまたデータ入力作業。
「お疲れ様です。相良さんから頼まれました。では、また!」
データ入力作業に夢中になっていたら、目の前には秋葉さん。
小さいメモ紙を2つ、私の前にカサッと差し出して、お礼を言う間もなく、バイバイと可愛らしく手を振って行ってしまった。
奈子ちゃんも居ないので、来客が居ない内にメモ紙を広げる。
1つは携帯の番号に相良と記載されていた。
もう1つは手紙で、"くるみさわさんへ。相良さんの番号です。会えない時はかけてみてね。ついでに私の番号とアドレスです。良かったら仲良くして下さい(^^)"と書いてあった。
う…、嬉し過ぎるっ!
秋葉さんが副社長繋がりで私達の関係を知ったのかも知れないが、気遣いの根回しが早すぎる。
仕事の出来る女性は気遣いも出来るのね…!
さっき初めて会って話したのに、こんなにも優しく出来ちゃうなんて秋葉さんって内面も素敵な女性なんだな、と改めて実感。
メモ紙2つは奈子ちゃんが帰って来る前に、そっとポケットにしまう。
退勤時間になるまで、私はそわそわを抑えきらずに奈子ちゃんに怪しまれながらも仕事をこなして、時間になるとすぐに会社の外に出た。
エアコンの効いた社内とは正反対の暑さにぐらつきながら、足早に会社付近の公園に向かう。
汗ばむ身体を隠すように木陰に座り、メモ紙2つを取り出してスマホに登録する。
……これで、よしっと。
登録するとすぐにメッセージアプリから、"新しいお友達が登録されました"と更新があり、秋葉さんが登録された事に気付く。
すかさず秋葉さんにお礼のメッセージを送り、スマホを握りしめる。
そう言えば相良さんは?
メッセージアプリから、相良さんが登録されたお知らせがないので相良さんは利用してはいないかIDを設定しているのかもしれない。
もっと仲良くなりたいけれど、今、ここで電話しても良いものかどうか?
まだ勤務中だろうか?
私が相良さんに会える唯一の方法は、電話をする事しかない。
勤務中だと怒られても良いので電話してしまおうか?
私は思いを抑えきらずに、相良さんの連絡先をタップして電話をかける。
会いたい、声が聞きたい、話をしたい。
「……相良です」
出て欲しいと願いを込め、スマホを握りしめて耳に充てる。
何回目かのコールで心地良い低音ボイスが、耳に流れた。
「…あ、あの、わ、私…くるみ、…」
「…まだ勤務中です。勤務中は接近禁止と言ったはずです。勿論、電話も一緒の扱いです」
怒られる事は分かっていた。
……それでも相良さんと会いたくて、話したくて、けれども面と向かって言われるよりも電話で言われた方が言い方がよりキツく聞こえるなぁ…。
「ご、めんなさ、い…失礼しま、す…」
とだけ言い、電話を一方的に切った。
額に汗がうっすらと滲んで、目からは涙がボロボロとこぼれ落ちる。
私が告白して、私だけが相良さんを好きで、相良さんは仕方なくお付き合いしてくれると言ってくれたのかもしれない。
そんな事も分かってはいたけれど、現実がリアルで、なんて惨めなんだろう。
一人で浮かれて、はしゃいで、滑稽以外の何物でもない。
暑い中、公園に居ても無意味だ。
会社近くの公園に居たのは、電話をしたら相良さんと会えると思っていたからだ。
会えないのなら待つ必要もないし、公園から立ち去ろう。
こんなにも苦しくなるなら、片思いをしていた毎日の方が楽しかったよ。
「……ここに居たんですねっ、胡桃沢、さん」
「………!?」
「探しました、先ほどはすみませんっ…」
とぼとぼとゆっくり公園を歩いていた私の目の前には、一番会いたかった人物が居た。
息を切らして、眼鏡も少しズレ落ちていて、いつもからは想像出来ない姿をしている。
「…相良さん!?」
「あまり走るのは得意ではなくて、カッコ悪いのですが…。勤務中でしたし、副社長も隣におりまして、…あんな言い方しか出来なくてはすみませんでした」
息切れを少し残しつつ、相良さんは話しながら深々とお辞儀をする。
唖然としてしまった私の涙は自然に乾き、目の前の相良さんが愛おしくて抱き着く。
先程の電話の冷たさは何だったのか?
何故、息を切らしてまで探しに来てくれたのだろうか?
推定180センチはあるだろう相良さんに、155センチの私はすっぽりと収まる。
「…今日、秋葉さんから番号を教えて貰いました。相良さんに会いたくて仕方なくて、つい電話をかけてしまいました。勤務中かな?とは思ったんですけど…」
「最近忙しくて、帰りも遅いです。…なので、平日はしばらく会えません。先に言うべきでしたね」
上を見上げると相良さんの顔が近くに見えたので、これはこのままキスされちゃうのかな?とか抱き締め返してくれるのかな?と妄想したのも束の間、
「…なので、金曜日の夜まで大人しくしていて下さいね」
と言われて、抱きついていた身体を引き離された。
あれ?
「では、また」
先程までの焦った様子の姿はなくクールな相良さんに戻り、過ぎ去ろうとしたので腕を掴み引き止めた。
「あ、あのぉ…電話じゃなくて、メールならしても良いですか?」
「はい、返信は遅くなると思いますが…」
上目遣いで見て訴えるが、相良さんは動じない様で無表情のまま。
「それでもかまいません!メールならいつ送ってもいいですか?」
「…仕方ないですね、アドレス交換しましょう」
少しだけ、口角を上げて私に向けて微笑んだ気がした。
ドキン、と胸が跳ね上がる。
会社付近でも接近禁止と言われ、落ち込みを隠せなかったがメールは仕事中でも大丈夫だと言われたので少し回復中。
去り際、
「胡桃沢さんて、本当に小さいですね」
と頭をポンポンと軽く叩かれた。
不意打ちに驚き、顔に火照りを感じる。
何を考えて、頭をポンポンして来たのだろう?
本人には聞けないけれど、私には特別に感じられて嬉しかった。
帰りは別々に離れて歩いたのだが、頭を触られた感触が残っていて相良さんの後ろ姿にキュンとしっぱなし。
相良さんの手は大きくて、指が長く、骨張っていた。
帰りの電車に揺られながら、自分の手を眺めては思い出す。
手を繋ぎたい、触れられたい。
相良さんに近付けば近付く程、欲が出る。
メールを送りたいけれど、気の利いた言葉も出ずにありきたりな文章、"今日はありがとうございました。金曜日の夜、楽しみにしています"とドキドキしながら文字を入力した。
返事は直ぐに来ないだろうと油断していると、割かし早くきて、"みっともない姿をお見せしてしまい申し訳ありませんでした。金曜日、なるべく早く上がれるように調整します"と返ってきた。
相良さんの事だから、勤務中は返信しないと思うので退勤押した後なのかもしれない。
彼氏彼女になった様で舞い上がり、電車内でニヤついてしまい、他人からヒソヒソ話をされて恥ずかしい思いをしたのは誰にも内緒────……
23
あなたにおすすめの小説
溺婚
明日葉
恋愛
香月絢佳、37歳、独身。晩婚化が進んでいるとはいえ、さすがにもう、無理かなぁ、と残念には思うが焦る気にもならず。まあ、恋愛体質じゃないし、と。
以前階段落ちから助けてくれたイケメンに、馴染みの店で再会するものの、この状況では向こうの印象がよろしいはずもないしと期待もしなかったのだが。
イケメン、天羽疾矢はどうやら絢佳に惹かれてしまったようで。
「歳も歳だし、とりあえず試してみたら?こわいの?」と、挑発されればつい、売り言葉に買い言葉。
何がどうしてこうなった?
平凡に生きたい、でもま、老後に1人は嫌だなぁ、くらいに構えた恋愛偏差値最底辺の絢佳と、こう見えて仕事人間のイケメン疾矢。振り回しているのは果たしてどっちで、振り回されてるのは、果たしてどっち?
あなたがいなくなった後 〜シングルマザーになった途端、義弟から愛され始めました〜
瀬崎由美
恋愛
石橋優香は夫大輝との子供を出産したばかりの二十七歳の専業主婦。三歳歳上の大輝とは大学時代のサークルの先輩後輩で、卒業後に再会したのがキッカケで付き合い始めて結婚した。
まだ生後一か月の息子を手探りで育てて、寝不足の日々。朝、いつもと同じように仕事へと送り出した夫は職場での事故で帰らぬ人となる。乳児を抱えシングルマザーとなってしまった優香のことを支えてくれたのは、夫の弟である宏樹だった。二歳年上で公認会計士である宏樹は優香に変わって葬儀やその他を取り仕切ってくれ、事あるごとに家の様子を見にきて、二人のことを気に掛けてくれていた。
息子の為にと自立を考えた優香は、働きに出ることを考える。それを知った宏樹は自分の経営する会計事務所に勤めることを勧めてくれる。陽太が保育園に入れることができる月齢になって義弟のオフィスで働き始めてしばらく、宏樹の不在時に彼の元カノだと名乗る女性が訪れて来、宏樹へと復縁を迫ってくる。宏樹から断られて逆切れした元カノによって、彼が優香のことをずっと想い続けていたことを暴露されてしまう。
あっさりと認めた宏樹は、「今は兄貴の代役でもいい」そういって、優香の傍にいたいと願った。
夫とは真逆のタイプの宏樹だったが、優しく支えてくれるところは同じで……
夫のことを想い続けるも、義弟のことも完全には拒絶することができない優香。
思わせぶりには騙されない。
ぽぽ
恋愛
「もう好きなのやめる」
恋愛経験ゼロの地味な女、小森陸。
そんな陸と仲良くなったのは、社内でも圧倒的人気を誇る“思わせぶりな男”加藤隼人。
加藤に片思いをするが、自分には脈が一切ないことを知った陸は、恋心を手放す決意をする。
自分磨きを始め、新しい恋を探し始めたそのとき、自分に興味ないと思っていた後輩から距離を縮められ…
毎週金曜日の夜に更新します。その他の曜日は不定期です。
Catch hold of your Love
天野斜己
恋愛
入社してからずっと片思いしていた男性(ひと)には、彼にお似合いの婚約者がいらっしゃる。あたしもそろそろ不毛な片思いから卒業して、親戚のオバサマの勧めるお見合いなんぞしてみようかな、うん、そうしよう。
決心して、お見合いに臨もうとしていた矢先。
当の上司から、よりにもよって職場で押し倒された。
なぜだ!?
あの美しいオジョーサマは、どーするの!?
※2016年01月08日 完結済。
結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「結婚したらこっちのもんだ。
絶対に離婚届に判なんて押さないからな」
既婚マウントにキレて勢いで同期の紘希と結婚した純華。
まあ、悪い人ではないし、などと脳天気にかまえていたが。
紘希が我が社の御曹司だと知って、事態は一転!
純華の誰にも言えない事情で、紘希は絶対に結婚してはいけない相手だった。
離婚を申し出るが、紘希は取り合ってくれない。
それどころか紘希に溺愛され、惹かれていく。
このままでは紘希の弱点になる。
わかっているけれど……。
瑞木純華
みずきすみか
28
イベントデザイン部係長
姉御肌で面倒見がいいのが、長所であり弱点
おかげで、いつも多数の仕事を抱えがち
後輩女子からは慕われるが、男性とは縁がない
恋に関しては夢見がち
×
矢崎紘希
やざきひろき
28
営業部課長
一般社員に擬態してるが、会長は母方の祖父で次期社長
サバサバした爽やかくん
実体は押しが強くて粘着質
秘密を抱えたまま、あなたを好きになっていいですか……?
腹黒上司が実は激甘だった件について。
あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。
彼はヤバいです。
サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。
まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。
本当に厳しいんだから。
ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。
マジで?
意味不明なんだけど。
めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。
素直に甘えたいとさえ思った。
だけど、私はその想いに応えられないよ。
どうしたらいいかわからない…。
**********
この作品は、他のサイトにも掲載しています。
ヒロインになれませんが。
橘しづき
恋愛
安西朱里、二十七歳。
顔もスタイルもいいのに、なぜか本命には選ばれず変な男ばかり寄ってきてしまう。初対面の女性には嫌われることも多く、いつも気がつけば当て馬女役。損な役回りだと友人からも言われる始末。 そんな朱里は、異動で営業部に所属することに。そこで、タイプの違うイケメン二人を発見。さらには、真面目で控えめ、そして可愛らしいヒロイン像にぴったりの女の子も。
イケメンのうち一人の片思いを察した朱里は、その二人の恋を応援しようと必死に走り回るが……。
全然上手くいかなくて、何かがおかしい??
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる