時間を戻した後に~妹に全てを奪われたので諦めて無表情伯爵に嫁ぎました~

なりた

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3.やり直し、そして分岐(3)

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時間を戻されてから2か月、あっという間だった。
のために僕は全身全霊を尽くして生きてきた。
こんな風に自我を持って生きるのは…母が生きてた頃以来、いや、初めてだと思う。
勉強はたくさんしたし(モチベーションが前の人生とは断然違う)、人間関係だって真っ新にして余計な探りを入れられないように対策した。
もう、どうにでもなれ。
これ以上僕ができることはない。
結果が死刑であっても悔いはない。



あぁ、夜明けだ。
が始まる。



昨日無造作に投函されていた招待状の名前は『婚約パーティー』に名称が変更されていた。
前はたしか『断罪パーティー』だったはず。
変化が目に見えてわかると何だか嬉しい。
もしかするといじめの件についてはスルーで婚約を見せびらかすだけかもしれない。
…とかいう甘い考えは捨てたほうがいい。
リリアは嫌がらせの天才だ。
油断させておいてとんでもない刑罰を言い渡すかもしれないからな。
僕は部屋を片付け(特に自分の荷物は何もない)、の授業へ向かう。











さて時は経ち、会場にて予想は的中することとなる。
隅で周りの様子を伺っていると、カイオ(こいつは一番にリリアを憎んでいるといっても過言ではない)が取り巻きを連れてやってきた。
だがこの中にクリスがいないのは計画が一つ成功したといえる。
最悪を回避する仕掛けの一つ、それは皇太子の招待状より先にエリスとカイオが抜け駆けで婚約することを密告しておくこと。
正直者のクリスは自分たちに内緒で話を進めていたカイオに不信感を持つに違いなかった。
そう、皇太子は騎士団長の息子が味方であるというカードを容易に使うことはできない。
事件調査については騎士団が対応しているため、偽装工作するためには騎士団の協力が必要、つまり、クリスの力がなければ皇太子側は公に僕の証拠を偽装できないということだ。

「リリア嬢。」
「ごきげんよう。」

カイオは蔑んだ顔で僕を見る。

「こうやって話すのは久しぶりだな。」
「はい。」

すると彼はいきなり腕を掴み睨みを利かせる。
暴君エリスと似た者同士、いいカップルじゃないですか!

「決して逃げることのないよう、今日はお前の罪を暴くための会でもある。」
「証拠が見つかったのですか?」

いけない、口角が上がってしまった。
証拠?見つかるはずもない。
皇太子は僕の腕を振り払い踵を返す。

「そんなものいらない、お前の悪行を生徒らは見ている。それだけで充分だろう。」
「謹んでお受けいたします。」














「リリア・エルレルトは前に!」

あの時とは違う景色。

「お前は俺の大切なエリスに嫌がらせをし精神的に苦しめていた!その罪を償ってもらう!」

ええ償う覚悟はできています。死刑以外でね。
カイオは眉を顰め高らかに言う。

「何か言うことはないのか?仮にも妹だぞ?」


この際だ、同じことでも言って二回目の断罪を楽しもう。
未来はすでに書き換えられているのだから。

「実の妹を危険な目に合わせ、そこまでして皇太子妃の座が欲しかったか?外道な奴め。」

エリスは不安そうにカイオを見つめる。
証拠も何も手元にないのは怖いだろう?まぁ心配せずとも皇太子の権力で陥れるくらいはできるさ。

「リリア、お前は学園追放だ。」

その瞬間、僕は膝から崩れ落ちた。
もちろんこれはあの時のような絶望ではない。死を免れた安堵からだ。
エリスは僕を見て薄ら笑っていた。だが、今の僕には一切気に留めることではなかった。

「リリア姉様、私は貴方を愛していたわ…。それなのに。」

いくらでも決まり文句を言ってくれ。
僕は…んだ…。

「エリスは優しいな。クリス、その女を実家に引き渡せ。」

するとクリスが僕の手を取り立たせる。
あの時の横暴な扱いとは違う。
僕が出口に近づくころには、後方で前と同じことが繰り返されている。
どうやらシンデレラストーリーの悪役も自分次第で救われることがあるみたいだ。

「こんな時で悪いが…エリス、俺と結婚してくれ。」
「もちろんよ!」









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