51 / 202
第11章 冬休み
51 銀色の髪
しおりを挟む
ただセクハラ大魔王、料理の腕は確かだ。
イソマグロも
○ 刺身
○ カルパッチョっぽいサラダ仕立て
○ ネギトロ風
○ 洋風漬け
○ フライ(ソース3種類付)
と5品食卓に並んでいる。
他にご飯と味噌汁。
例によって時間は、炊飯器がご飯を炊く時間しかかかっていない。
「水っぽくて味が薄いから揚げたり漬けたりするのがお勧めなんだけどさ。一応刺し身も作ったけど味薄いから、醤油よりそこの皿のドレッシングで食べるのがお勧めだな」
という訳で食事開始。
まずはマグロと言う割に色が薄い刺し身から。
うん、確かにマグロと違って味が薄いし水っぽいかも。
でもドレッシングのおかげか結構美味しい。
次は漬け。
これは文句なく美味しい。
そしてフライ。
これは絶品かも。
ふわっとした白身のフライでいくらでも食べられそう。
ソースというかドレッシングもどれも美味しい、
「悔しいけど料理の腕は勝てないですね。美味しいです、どれも」
「そうだろうそうだろう。もっと褒めて崇め奉って」
「その言動さえ改善すればいくらでも貰い手はいるのではないでしょうか」
とか言いながら食べる。
確かに奈津希さん、料理は美味いし成績優秀らしいし顔もスタイルも悪くない。
セクハラ言動さえ無ければ彼女として理想のタイプに近いんじゃないかな。
まあ小柄な方が好きとか自分より強い彼女は勘弁してとか。
好みとしては色々あるかもしれないけれど。
料理の方は結局、全員できれいに食べきった。
「まだまだ材料は残っているからね。何せあの巨体だし」
「洗い物は私がやりますね」
「あ、俺も手伝います。というかさっと流して食洗機に入れておけばいいですから」
「生ゴミは大丈夫」
「ディスポーザーで完全に粉砕するから大丈夫です」
なので片付けは結構簡単に終わる。
風呂場の方は既に奈津希さんが片付け済みだし。
◇◇◇
夕食が終わって20分後。
外はいつしか雨になっていた。
南の離島は天気が変わりやすいし雨も多い。
年中夕立の可能性がある場所なのだ。
でも雨の中俺は、いつもの露天風呂のぬる湯に浸かっていた。
そして俺の横には風遊美さんが伸びている。
「やっぱりこれくらい涼しい方が露天風呂はいいですね。お湯もこれくらいの温度が丁度いいです」
思い切り伸ばしているので水に揺れて白い身体が見えているのだが、俺は努めてそっちを見ないようにする。
ちなみに奈津希さんはさっきまでメインの浴槽に潜っていたが、今は寝湯で腕立て伏せをしている。
屈伸する毎に胸が揺れているのは、取り敢えず見ない方針で。
「何ならいっしょにトレーニング! するかい」
「遠慮します」
あれはアニメであって実在女性でやるものではない。
「ところで風遊美さんは実家とかは帰られないんですか」
「うちは帰らない方針なんです」
ならこれ以上深く聞かない方がいいのだろう。
「そう言えば髪はそのままでいいんですか。雨で濡れますよ」
雨はそこそこ強めに降っている。
顔を時々拭いたくなる位だから、当然髪はびしょ濡れだ。
俺や奈津希さんは短いからどうにでもなるが、風遊美さんは肩より少し長い髪。
「雨に濡れるのは割と好きなんです。全部流れ落ちてくれるような気がして」
「でも髪が傷まないですか。何なら香緒里ちゃんお勧めのトリートメントもありますけど」
「いいんです。私この髪嫌いですから」
「もったいないですよ。綺麗なのに」
不意に風遊美さんは俺の方を睨む。
「本気でそう思っていますか?」
ちょっと今までと雰囲気が違う気がする。
でも。
「今は雨でちょっと潰れちゃっていますけどね。でも風遊美さんは色が白いし、綺麗だし似合っていると思いますよ」
「本当に?」
「ええ」
俺は努めて何でもない普通の様子で、でも言いきる。
何故かそうしなければいけないような気がして。
綺麗だと思うのは本当だ。
風遊美さんの銀髪は不思議と自然に見える。
脱色してグレーに染めている連中とは全く違って。
それは脱色して傷んだ髪の不自然さがないからかもしれないし、普通より白い肌の色のせいかもしれない。
あるいは小さめの顔やくっきりした大きいけどやや細めの目、形はいいけどそれほど高くない鼻とか顔立ちのせいかもしれない。
でも、よく見ると、強いて言えば。
「眼鏡と、目の色かな」
「えっ」
「いやいや、何でもないです」
眼鏡と濃い栗色の瞳がちょと顔全体の印象とあっていない気がしたのだ。
それがつい口に出てしまった。
「もう一度聞きます。今、何を言おうとしたのでしょうか?」
「眼鏡と目の色が不自然だ。そう言おうとしたんだろ」
俺の背後から声がする。
振り返らないが、いつの間にか奈津希さんがそこに来ていたようだ。
「奈津希、修に何か言ったの」
「僕は何も風遊美から聞いていないし、当然修にも話していない。何なら修に聞いてみな」
風遊美さんは俺の方を見る。
さっきほどの変な雰囲気というか威圧感はない。
「本当」
「本当ですよ。やっぱり髪が綺麗だよなと確認して。顔にもあっているし似合っているよなと思ったんですが、ちょっと眼鏡と目の色が浮いて見えたんです」
風遊美さんはちょっと考える素振りを見せて、そして改めて俺に聞く。
「ひょっとして、この前のお風呂の時に気づいていました?」
俺は思い出す。
「そう言えば、眼鏡は度が入っていないなとか、瞳の輪郭が変だなと思ったような気がします」
「じゃあ関係ないのですか?」
「単純に今見て思っただけです」
実際にそうだからしょうがない。
「わかりました」
そう言って風遊美さんは何かを考えるような感じで黙り込んだ。
イソマグロも
○ 刺身
○ カルパッチョっぽいサラダ仕立て
○ ネギトロ風
○ 洋風漬け
○ フライ(ソース3種類付)
と5品食卓に並んでいる。
他にご飯と味噌汁。
例によって時間は、炊飯器がご飯を炊く時間しかかかっていない。
「水っぽくて味が薄いから揚げたり漬けたりするのがお勧めなんだけどさ。一応刺し身も作ったけど味薄いから、醤油よりそこの皿のドレッシングで食べるのがお勧めだな」
という訳で食事開始。
まずはマグロと言う割に色が薄い刺し身から。
うん、確かにマグロと違って味が薄いし水っぽいかも。
でもドレッシングのおかげか結構美味しい。
次は漬け。
これは文句なく美味しい。
そしてフライ。
これは絶品かも。
ふわっとした白身のフライでいくらでも食べられそう。
ソースというかドレッシングもどれも美味しい、
「悔しいけど料理の腕は勝てないですね。美味しいです、どれも」
「そうだろうそうだろう。もっと褒めて崇め奉って」
「その言動さえ改善すればいくらでも貰い手はいるのではないでしょうか」
とか言いながら食べる。
確かに奈津希さん、料理は美味いし成績優秀らしいし顔もスタイルも悪くない。
セクハラ言動さえ無ければ彼女として理想のタイプに近いんじゃないかな。
まあ小柄な方が好きとか自分より強い彼女は勘弁してとか。
好みとしては色々あるかもしれないけれど。
料理の方は結局、全員できれいに食べきった。
「まだまだ材料は残っているからね。何せあの巨体だし」
「洗い物は私がやりますね」
「あ、俺も手伝います。というかさっと流して食洗機に入れておけばいいですから」
「生ゴミは大丈夫」
「ディスポーザーで完全に粉砕するから大丈夫です」
なので片付けは結構簡単に終わる。
風呂場の方は既に奈津希さんが片付け済みだし。
◇◇◇
夕食が終わって20分後。
外はいつしか雨になっていた。
南の離島は天気が変わりやすいし雨も多い。
年中夕立の可能性がある場所なのだ。
でも雨の中俺は、いつもの露天風呂のぬる湯に浸かっていた。
そして俺の横には風遊美さんが伸びている。
「やっぱりこれくらい涼しい方が露天風呂はいいですね。お湯もこれくらいの温度が丁度いいです」
思い切り伸ばしているので水に揺れて白い身体が見えているのだが、俺は努めてそっちを見ないようにする。
ちなみに奈津希さんはさっきまでメインの浴槽に潜っていたが、今は寝湯で腕立て伏せをしている。
屈伸する毎に胸が揺れているのは、取り敢えず見ない方針で。
「何ならいっしょにトレーニング! するかい」
「遠慮します」
あれはアニメであって実在女性でやるものではない。
「ところで風遊美さんは実家とかは帰られないんですか」
「うちは帰らない方針なんです」
ならこれ以上深く聞かない方がいいのだろう。
「そう言えば髪はそのままでいいんですか。雨で濡れますよ」
雨はそこそこ強めに降っている。
顔を時々拭いたくなる位だから、当然髪はびしょ濡れだ。
俺や奈津希さんは短いからどうにでもなるが、風遊美さんは肩より少し長い髪。
「雨に濡れるのは割と好きなんです。全部流れ落ちてくれるような気がして」
「でも髪が傷まないですか。何なら香緒里ちゃんお勧めのトリートメントもありますけど」
「いいんです。私この髪嫌いですから」
「もったいないですよ。綺麗なのに」
不意に風遊美さんは俺の方を睨む。
「本気でそう思っていますか?」
ちょっと今までと雰囲気が違う気がする。
でも。
「今は雨でちょっと潰れちゃっていますけどね。でも風遊美さんは色が白いし、綺麗だし似合っていると思いますよ」
「本当に?」
「ええ」
俺は努めて何でもない普通の様子で、でも言いきる。
何故かそうしなければいけないような気がして。
綺麗だと思うのは本当だ。
風遊美さんの銀髪は不思議と自然に見える。
脱色してグレーに染めている連中とは全く違って。
それは脱色して傷んだ髪の不自然さがないからかもしれないし、普通より白い肌の色のせいかもしれない。
あるいは小さめの顔やくっきりした大きいけどやや細めの目、形はいいけどそれほど高くない鼻とか顔立ちのせいかもしれない。
でも、よく見ると、強いて言えば。
「眼鏡と、目の色かな」
「えっ」
「いやいや、何でもないです」
眼鏡と濃い栗色の瞳がちょと顔全体の印象とあっていない気がしたのだ。
それがつい口に出てしまった。
「もう一度聞きます。今、何を言おうとしたのでしょうか?」
「眼鏡と目の色が不自然だ。そう言おうとしたんだろ」
俺の背後から声がする。
振り返らないが、いつの間にか奈津希さんがそこに来ていたようだ。
「奈津希、修に何か言ったの」
「僕は何も風遊美から聞いていないし、当然修にも話していない。何なら修に聞いてみな」
風遊美さんは俺の方を見る。
さっきほどの変な雰囲気というか威圧感はない。
「本当」
「本当ですよ。やっぱり髪が綺麗だよなと確認して。顔にもあっているし似合っているよなと思ったんですが、ちょっと眼鏡と目の色が浮いて見えたんです」
風遊美さんはちょっと考える素振りを見せて、そして改めて俺に聞く。
「ひょっとして、この前のお風呂の時に気づいていました?」
俺は思い出す。
「そう言えば、眼鏡は度が入っていないなとか、瞳の輪郭が変だなと思ったような気がします」
「じゃあ関係ないのですか?」
「単純に今見て思っただけです」
実際にそうだからしょうがない。
「わかりました」
そう言って風遊美さんは何かを考えるような感じで黙り込んだ。
49
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
宿敵の家の当主を妻に貰いました~妻は可憐で儚くて優しくて賢くて可愛くて最高です~
紗沙
恋愛
剣の名家にして、国の南側を支配する大貴族フォルス家。
そこの三男として生まれたノヴァは一族のみが扱える秘技が全く使えない、出来損ないというレッテルを貼られ、辛い子供時代を過ごした。
大人になったノヴァは小さな領地を与えられるものの、仕事も家族からの期待も、周りからの期待も0に等しい。
しかし、そんなノヴァに舞い込んだ一件の縁談話。相手は国の北側を支配する大貴族。
フォルス家とは長年の確執があり、今は栄華を極めているアークゲート家だった。
しかも縁談の相手は、まさかのアークゲート家当主・シアで・・・。
「あのときからずっと……お慕いしています」
かくして、何も持たないフォルス家の三男坊は性格良し、容姿良し、というか全てが良しの妻を迎え入れることになる。
ノヴァの運命を変える、全てを与えてこようとする妻を。
「人はアークゲート家の当主を恐ろしいとか、血も涙もないとか、冷酷とか散々に言うけど、
シアは可愛いし、優しいし、賢いし、完璧だよ」
あまり深く考えないノヴァと、彼にしか自分の素を見せないシア、二人の結婚生活が始まる。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
異世界へ行って帰って来た
バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。
そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。
才能は流星魔法
神無月 紅
ファンタジー
東北の田舎に住んでいる遠藤井尾は、事故によって気が付けばどこまでも広がる空間の中にいた。
そこには巨大な水晶があり、その水晶に触れると井尾の持つ流星魔法の才能が目覚めることになる。
流星魔法の才能が目覚めると、井尾は即座に異世界に転移させられてしまう。
ただし、そこは街中ではなく誰も人のいない山の中。
井尾はそこで生き延びるべく奮闘する。
山から降りるため、まずはゴブリンから逃げ回りながら人の住む街や道を探すべく頂上付近まで到達したとき、そこで見たのは地上を移動するゴブリンの軍勢。
井尾はそんなゴブリンの軍勢に向かって流星魔法を使うのだった。
二日に一度、18時に更新します。
カクヨムにも同時投稿しています。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~
みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった!
無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。
追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる