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第2章 ケカハの土地神 第5話 受け入れの準備
23 これくらいは必要です
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村という容れ物は、ひととおり出来た。
家は3LDK+土間+風呂+トイレという平屋が500棟。
1,000人が移住してきて、1世帯平均2人という計算だ。
2人には広すぎるとは思うけれど、将来子供が出来て……と考えると、これくらいの広さは持ち家として欲しいだろう。
私自身の家族計画については放っておいてくれ!
この広さの家をこの数というのは、正直ちょっと多過ぎかとは感じた。
でも足りないよりはいいだろう。そう思っている。
他に建物は集会場5、共同の倉庫も5、私を祀る神社が1。
建物の材料は基本的に土で、魔法で盛った後に岩盤化してある。
つまり現在の私が住んでいる山頂の家と、材料や作り方は同じだ。
山頂の家と違うのは、木で扉や窓枠等を作ったこと。
薪炭材兼用の細葉樫の林を、神の恩恵により30年程度まで成長させて伐採し、加工して作った。
なお村人が来た時点で、村の神社に引っ越す予定にしている。
なお木材は、そこそこストックしておいた。
新たに建物や道具類を作ったり、熱操作魔法で薪を消費するなんて事もするから、結構多めに丸太の形で積んである。
これ以上建物が必要になった場合は、要望を確認して、私が造るなり、住民が造るなりするつもりだ。
土関係の魔法を使えるようにする予定だから、住民だけでも5~6人がかりなら、家一軒くらい建てられるだろう。
窓ガラスも砂浜で集めた硅砂や海藻の灰、貝殻等で作った。
ただし材料を集めるのが大変なので、私が作ってガラスに加工した形で、ある程度ストックしてある。
薪炭林の他にオリーブ林も果樹林も恩恵を使って、それぞれ今年から収穫可能な状態まで成長させた。
畑も作ってあるけれど、こちらは移住者任せという事で。
食料は、来てすぐ集めた小麦や豆をメインに、1,000人なら2年くらいは過ごせるだけの備蓄がある。
果樹も結構生やしたし、キンビーラからいただいた魚も結構ストックしているから、問題はないだろう。
他の素材類についても、頑張って集めた。
鉄は鍋、包丁、農具、工作道具等としてある程度製作した他、インゴットの形で4t程ストックした。
なおこの鉄は、1日中砂浜を歩き回って、砂鉄をひたすら回収した後、木炭にした木材を使って、『全在』で還元して製鉄したもの。
通貨やその他の金属製品に使うアルミも、2tストック。
こちらはまだ、使用していない。用途は移住民と相談する予定だ。
さて、魔法だ。
衛生的かつ健全な生活をする為には、生活のかなりの部分を魔法に頼るべきだろう。
此処の土地神である私は、そう判断した。
だから5歳以上の住民全員に魔法を与える予定だ。
ただ、神力が足りなくなってしまうようではまずい。
極力神力を消費せず、効果的な魔法という事で、与えることにした魔法は、次のもの。
〇 物や自分に力を働かせて、
・ 動かす魔法
・ 変形させる魔法
〇 土に関して、
・ 掘ったり埋めたり成形したり、耕したりする魔法
・ 粘土にしたり砂にしたり岩にしたり、変化させる魔法
〇 水に関して、
・ 近くの水を消費し、浄水して出す魔法
・ 脱水・乾燥させる魔法
〇 熱を操作する魔法
・温度上昇、下降等
〇 簡単な身体治療・疲労回復の魔法
魔法というか神力の制限は、合計で1日当たり1,500kcal。
ただし魔法に必要なエネルギーとして、薪等の可燃物質を使用する事が出来る。
薪は、使い終わると灰になる。
発生する熱量は全て魔法に使われるので、持っていても熱くはならない。
この辺は、以前考えた『風呂に毎日入る為の熱魔法』の応用だ。
他の魔法でも『必要なエネルギーを薪等で補う事が出来るか』と考えて、全知に問い合わせてもらった結果である。
つまり適度に乾燥させた薪さえあれば、上記の魔法は使い放題だ。
世界のルールの抜け道というか、チートという気がしないでもない。
しかしこの乾いた大地を、21世紀日本の感覚が残っている私でも住みやすい場所にするのだ。
この程度のチートは、大目に見て貰おう。
更に移住に先立って、この世界にない道具を作らせて貰った。
力の魔法で動く荷車だ。
車輪4つと簡単なサスペンションがついているだけの、非常に原始的な代物である。
これを作った理由は、こんな全知のアドバイスがあったからだ。
『全在による収納は、収納される人間にとってはかなりの負担となる事があります。あまり使わない方がいいでしょう』
秋とは言え日中の草原を歩いて移動するのは、暑い。
それにセキテツとの境界から村まで、40km以上ある。
すんなり魔法を使えれば移動できるだろうけれど、そうでない人や体力がない人もいるだろう。
だから当初は人員輸送用に、後は資材運搬等に使えるように作った。
ハンドルや操舵装置はない。
職場でお馴染み手押し台車と同じく、前2輪がキャスターで力をかけた方向に曲がるだけ。
これを力の魔法で動かすという代物だ。
大きさはマイクロバスをイメージしたので、幅2m長さ7m。
4人掛けくらいの長椅子が8列、扉はなくオープントップ。
将来的には座席を外して、荷車として運用する事も考えている。
車輪は木材に鉄輪をはめ込んだ物で、乗り心地はあまり宜しくない。
それでも長時間歩くよりは、大分ましだろう。
セキテツとの境までの道路は、このために路面を平らな岩盤にしたし。
ちなみにこの辺の対策については、キンビーラやアルツァーヤに、こう言われてしまった。
「流石にここまでやるのは、充分過ぎるというか、過保護に近くないか?」
「あと、魔法を全ての人間が使えるようにするというのも、他にはない方針です。セキテツも含めて通常は、神職か、特に選ばれた数人程度に授けるだけですから」
確かに、何でもかんでも用意してしまったなとは感じる。
何せ実際に自分が生活する上で必要と思ったものは、実現不可能なものをのぞき、ほぼ全て準備したから。
でも私としては問題ないし、必要な措置だ。
「私という神がいる領域において、私自身が不快さを感じない為に、必要と思われることをやりました。それに何もしなければ気候上、人が住めない土地なのです。これくらいの準備は、必要だと判断しました」
それでも、実現不可能なものはある。
電気とかインターネットとかは技術的に不可能だし、放牧だの畜産だのは、動物がいないから不可能。
あと水田なんてのは、水の絶対量が足りないから無理。
そのかわり神力だので実現可能なものは、割と揃えるだけ揃えた状態だ。
甘味だって、柑橘類の他に、チョコレートっぽい味がするイナゴマメとか、一年草だけれど茎から砂糖を採れる小型のサトウキビなんてものがあったりする。
紙とインクだって作った。
紙は麦藁の繊維を叩いて叩いて細くして、貝殻を焼いて作った強アルカリな液で溶かして、出来たちょっと黄色い繊維を平たく集めて乾燥させて製造。
インクは木を不完全燃焼させて作った煤を、魚の皮や骨を煮て作った成分で練って、松っぽいブラクパイネという樹木の樹液から採った油に溶かして作った。
どちらも問題無く使用出来るけれど、人が作るならもう少し作りやすい製造方法を考えたい。
記録を残すとか、識字率を上げるなんて挑戦もするなら、紙とインク、そしてペンは絶対必要だから。
私の目標は『21世紀日本の基準からみても、住み心地がいい異世界』だ。
その為に挑戦したい事は、まだまだある。
それでも現時点では、そこそこいい線にはなっただろう。
そう私自身は思っているのだけれど。
家は3LDK+土間+風呂+トイレという平屋が500棟。
1,000人が移住してきて、1世帯平均2人という計算だ。
2人には広すぎるとは思うけれど、将来子供が出来て……と考えると、これくらいの広さは持ち家として欲しいだろう。
私自身の家族計画については放っておいてくれ!
この広さの家をこの数というのは、正直ちょっと多過ぎかとは感じた。
でも足りないよりはいいだろう。そう思っている。
他に建物は集会場5、共同の倉庫も5、私を祀る神社が1。
建物の材料は基本的に土で、魔法で盛った後に岩盤化してある。
つまり現在の私が住んでいる山頂の家と、材料や作り方は同じだ。
山頂の家と違うのは、木で扉や窓枠等を作ったこと。
薪炭材兼用の細葉樫の林を、神の恩恵により30年程度まで成長させて伐採し、加工して作った。
なお村人が来た時点で、村の神社に引っ越す予定にしている。
なお木材は、そこそこストックしておいた。
新たに建物や道具類を作ったり、熱操作魔法で薪を消費するなんて事もするから、結構多めに丸太の形で積んである。
これ以上建物が必要になった場合は、要望を確認して、私が造るなり、住民が造るなりするつもりだ。
土関係の魔法を使えるようにする予定だから、住民だけでも5~6人がかりなら、家一軒くらい建てられるだろう。
窓ガラスも砂浜で集めた硅砂や海藻の灰、貝殻等で作った。
ただし材料を集めるのが大変なので、私が作ってガラスに加工した形で、ある程度ストックしてある。
薪炭林の他にオリーブ林も果樹林も恩恵を使って、それぞれ今年から収穫可能な状態まで成長させた。
畑も作ってあるけれど、こちらは移住者任せという事で。
食料は、来てすぐ集めた小麦や豆をメインに、1,000人なら2年くらいは過ごせるだけの備蓄がある。
果樹も結構生やしたし、キンビーラからいただいた魚も結構ストックしているから、問題はないだろう。
他の素材類についても、頑張って集めた。
鉄は鍋、包丁、農具、工作道具等としてある程度製作した他、インゴットの形で4t程ストックした。
なおこの鉄は、1日中砂浜を歩き回って、砂鉄をひたすら回収した後、木炭にした木材を使って、『全在』で還元して製鉄したもの。
通貨やその他の金属製品に使うアルミも、2tストック。
こちらはまだ、使用していない。用途は移住民と相談する予定だ。
さて、魔法だ。
衛生的かつ健全な生活をする為には、生活のかなりの部分を魔法に頼るべきだろう。
此処の土地神である私は、そう判断した。
だから5歳以上の住民全員に魔法を与える予定だ。
ただ、神力が足りなくなってしまうようではまずい。
極力神力を消費せず、効果的な魔法という事で、与えることにした魔法は、次のもの。
〇 物や自分に力を働かせて、
・ 動かす魔法
・ 変形させる魔法
〇 土に関して、
・ 掘ったり埋めたり成形したり、耕したりする魔法
・ 粘土にしたり砂にしたり岩にしたり、変化させる魔法
〇 水に関して、
・ 近くの水を消費し、浄水して出す魔法
・ 脱水・乾燥させる魔法
〇 熱を操作する魔法
・温度上昇、下降等
〇 簡単な身体治療・疲労回復の魔法
魔法というか神力の制限は、合計で1日当たり1,500kcal。
ただし魔法に必要なエネルギーとして、薪等の可燃物質を使用する事が出来る。
薪は、使い終わると灰になる。
発生する熱量は全て魔法に使われるので、持っていても熱くはならない。
この辺は、以前考えた『風呂に毎日入る為の熱魔法』の応用だ。
他の魔法でも『必要なエネルギーを薪等で補う事が出来るか』と考えて、全知に問い合わせてもらった結果である。
つまり適度に乾燥させた薪さえあれば、上記の魔法は使い放題だ。
世界のルールの抜け道というか、チートという気がしないでもない。
しかしこの乾いた大地を、21世紀日本の感覚が残っている私でも住みやすい場所にするのだ。
この程度のチートは、大目に見て貰おう。
更に移住に先立って、この世界にない道具を作らせて貰った。
力の魔法で動く荷車だ。
車輪4つと簡単なサスペンションがついているだけの、非常に原始的な代物である。
これを作った理由は、こんな全知のアドバイスがあったからだ。
『全在による収納は、収納される人間にとってはかなりの負担となる事があります。あまり使わない方がいいでしょう』
秋とは言え日中の草原を歩いて移動するのは、暑い。
それにセキテツとの境界から村まで、40km以上ある。
すんなり魔法を使えれば移動できるだろうけれど、そうでない人や体力がない人もいるだろう。
だから当初は人員輸送用に、後は資材運搬等に使えるように作った。
ハンドルや操舵装置はない。
職場でお馴染み手押し台車と同じく、前2輪がキャスターで力をかけた方向に曲がるだけ。
これを力の魔法で動かすという代物だ。
大きさはマイクロバスをイメージしたので、幅2m長さ7m。
4人掛けくらいの長椅子が8列、扉はなくオープントップ。
将来的には座席を外して、荷車として運用する事も考えている。
車輪は木材に鉄輪をはめ込んだ物で、乗り心地はあまり宜しくない。
それでも長時間歩くよりは、大分ましだろう。
セキテツとの境までの道路は、このために路面を平らな岩盤にしたし。
ちなみにこの辺の対策については、キンビーラやアルツァーヤに、こう言われてしまった。
「流石にここまでやるのは、充分過ぎるというか、過保護に近くないか?」
「あと、魔法を全ての人間が使えるようにするというのも、他にはない方針です。セキテツも含めて通常は、神職か、特に選ばれた数人程度に授けるだけですから」
確かに、何でもかんでも用意してしまったなとは感じる。
何せ実際に自分が生活する上で必要と思ったものは、実現不可能なものをのぞき、ほぼ全て準備したから。
でも私としては問題ないし、必要な措置だ。
「私という神がいる領域において、私自身が不快さを感じない為に、必要と思われることをやりました。それに何もしなければ気候上、人が住めない土地なのです。これくらいの準備は、必要だと判断しました」
それでも、実現不可能なものはある。
電気とかインターネットとかは技術的に不可能だし、放牧だの畜産だのは、動物がいないから不可能。
あと水田なんてのは、水の絶対量が足りないから無理。
そのかわり神力だので実現可能なものは、割と揃えるだけ揃えた状態だ。
甘味だって、柑橘類の他に、チョコレートっぽい味がするイナゴマメとか、一年草だけれど茎から砂糖を採れる小型のサトウキビなんてものがあったりする。
紙とインクだって作った。
紙は麦藁の繊維を叩いて叩いて細くして、貝殻を焼いて作った強アルカリな液で溶かして、出来たちょっと黄色い繊維を平たく集めて乾燥させて製造。
インクは木を不完全燃焼させて作った煤を、魚の皮や骨を煮て作った成分で練って、松っぽいブラクパイネという樹木の樹液から採った油に溶かして作った。
どちらも問題無く使用出来るけれど、人が作るならもう少し作りやすい製造方法を考えたい。
記録を残すとか、識字率を上げるなんて挑戦もするなら、紙とインク、そしてペンは絶対必要だから。
私の目標は『21世紀日本の基準からみても、住み心地がいい異世界』だ。
その為に挑戦したい事は、まだまだある。
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