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第17話 セート海域攻防戦
71 セート海域防衛戦 ⑶
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「よくもタケヤ様から拝領した神器『佐比布都刀』を! 許さぬ、許さぬぞ!」
どうも撤退してくれそうにはない。むしろ怒らせてしまったようだ。
なら怒らせついでに、指摘させてもらうとしよう。
「許さぬというけれど、他人の領地を勝手に切り崩したのはそちらでしょう。なら反撃を食らうのはむしろ当然。それを一方的に自分が被害者のように訴えるのは、すこし違うのではないでしょうか。それすらわからない自己中の愚か者だから、そういう認識しかできないのかもしれませんが」
「我はタケヤ様の一の寄騎にして征西を仰せつかった土地神モ・トーであるぞ」
「他神の名前を出さなければ名乗れない下っ端ということでしょうか、それは」
馬鹿は嫌いだが、お役所時代はそう面と向かって言う事は出来なかった。
お前の論理は破綻しているとか、何考えているんだこの馬鹿がとか、もう一度法律を読み直してこいとか。
言いたいけれど言えなかった。
しかし今なら、何を言っても問題ない。
ついでに言うと頭に血がのぼっている様で、埋め立て作業も止まっている。
なのでキンビーラが高波を出して、埋まった所を削り取っていたりする。
「この、よくもそのような事を、ぬけぬけと……」
「事実でしょう。そもそもどこぞの頭の悪い神が、一方的に侵略してこなければ、このような事にはなりませんでした。そんな単純なことすら理解できない愚か者が神だなんて片腹痛い。領地の住民の方がよっぽど賢いのではないですか。今すぐそういった者と地位を交換しておいた方が今後の為に良いと思いますが、いかがでしょうか」
我ながらよくもこんなに悪口を続けられるなと感心する。
きっと前世での鬱屈がこういった語彙と文章能力を作り上げてしまったのだろう。
まさかこんなところで役に立つとは思わなかった。
人生万事塞翁が馬、ちと違うか。
「ぬおおおっ、こいつは、絶対に潰す! モ・トーの名にかけても、ここで絶対に潰す!」
『モ・トーの神力が大幅に上昇しています。500,000から594,649になりました。他での顕現を全て消し、ここに神力を一本化したようです』
しまった、怒らせ過ぎてしまった。とりあえず身の危険を感じたので100mほど瞬間移動。
更に危険を感じたので、別の方向へと瞬間移動。
先程私がいた位置のすぐ脇にモ・トーが出現した。自分の領域である埋め立て部分から、私の領域である島部分へと踏み込んできたのだ。
先程とは違い、今度は槍を手に持って構えている。
「うぬ、ちょこまかと逃げおるか」
私はすぐに瞬間移動をかける。気が抜けない。少しでも移動を躊躇うと攻撃を受けてしまう。
しかし奴から見えない場所に隠れた結果、先へと侵攻されるともっと面倒となる。
今の神力の奴を止める手段が思いつかない。
故に今の最適解はここでちょこまかしまくり、奴に攻撃させまくって神力を少しでも減らすことだろう。
なのだが、余裕が全く無い。
現在モ・トーがいるのは私の領域だ。
だからモ・トーの視線の方向や身体の向きを全知で確認出来るし、モ・トーが視認できる範囲で意識していない方向に移動する事も可能。
これを超高速でやっているのだけれど、ぎりぎり状態。
『モ・トーの槍は、モ・トー自身の神器です。攻撃は二段構えで、攻撃が命中した場合に対象を爆発させるという能力を持っています。攻撃が命中しない場合、神力をほとんど消費しません』
それではほとんど神力が減らないじゃないか!
そう思っても、今はどうしようもない。
このままでは、いつかは大ダメージを食らってしまう。
何か反撃の手段は無いだろうか。そう思ったところでモ・トーが左側目の前に出現した。
まずい、そう思って瞬間移動した次の瞬間、左手が破裂した。左腕ごと切り離して更に移動。
先程の場所で左手が大爆発したのが見えた。
『左腕をモ・トーの槍が掠め、爆発しました。左腕を失った分と爆発による被害により、コトーミの神力は残り20,126まで減少しています』
八千以上持って行かれた計算だ。これは洒落にならない。
「コトーミ、下がってくれ。あとは私が受け持とう」
キンビーラが左側海上に出現した。同時に濃い霧が周囲に発生し、視界が一気に悪くなる。
『これはキンビーラの持つ沿海神としての能力のひとつ、海霧です。神を含め、視界を妨げる働きがあります』
500m位離れた、海霧がなければ辛うじて2人が見える程度の場所へ移動して考える。
この海霧は時間稼ぎか、それともこの状況を利用した沿海神ならではの攻撃があるのだろうか。
『時間稼ぎです。モ・トーの現在位置はコトーミの領域なので、目視出来ない限りは瞬間移動は出来ません。また通常の神は弓のような武器を使用する場合を除き、遠隔攻撃は出来ません』
私の石礫攻撃も弓攻撃と同じと見做される訳か。
『その通りです。例外として自分の領域内であれば、全在によって任意の場所に物質やエネルギーを発生させ、攻撃する事が出来ます。
以前キンビーラが高波でモ・トーの顕現を消したのは、波に飲まれたことでモ・トーの顕現がいる場所が自分の領地扱いとなり、神力を自在に出現させる事が可能となったからです』
ならこの後、キンビーラはどう攻撃するのだろう。
此処はキンビーラの領域ではないけれども。
『沿海神キンビーラは、刀、薙刀、弓の神器を所持しています。ただし現在のキンビーラの神力は351,208でモ・トーの神力は594,638です。なので海霧で視界をくらましつつ弓で攻撃し、モ・トーの撤退を狙うものと思われます』
私がこの島をキンビーラの領域に戻せば、戦いで有利になる事はないだろうか。
『領域の返還はしない方が正解です。既に埋め立てによって、ビシューと此処が接続されています。ですのでコトーミが此処をキンビーラの領域に戻した場合、直後に此処はキンビーラの領域からモ・トーの領域へとなってしまいます』
土地神優先の規則か。
そういえば以前に確認したなと思い出す。
どうも撤退してくれそうにはない。むしろ怒らせてしまったようだ。
なら怒らせついでに、指摘させてもらうとしよう。
「許さぬというけれど、他人の領地を勝手に切り崩したのはそちらでしょう。なら反撃を食らうのはむしろ当然。それを一方的に自分が被害者のように訴えるのは、すこし違うのではないでしょうか。それすらわからない自己中の愚か者だから、そういう認識しかできないのかもしれませんが」
「我はタケヤ様の一の寄騎にして征西を仰せつかった土地神モ・トーであるぞ」
「他神の名前を出さなければ名乗れない下っ端ということでしょうか、それは」
馬鹿は嫌いだが、お役所時代はそう面と向かって言う事は出来なかった。
お前の論理は破綻しているとか、何考えているんだこの馬鹿がとか、もう一度法律を読み直してこいとか。
言いたいけれど言えなかった。
しかし今なら、何を言っても問題ない。
ついでに言うと頭に血がのぼっている様で、埋め立て作業も止まっている。
なのでキンビーラが高波を出して、埋まった所を削り取っていたりする。
「この、よくもそのような事を、ぬけぬけと……」
「事実でしょう。そもそもどこぞの頭の悪い神が、一方的に侵略してこなければ、このような事にはなりませんでした。そんな単純なことすら理解できない愚か者が神だなんて片腹痛い。領地の住民の方がよっぽど賢いのではないですか。今すぐそういった者と地位を交換しておいた方が今後の為に良いと思いますが、いかがでしょうか」
我ながらよくもこんなに悪口を続けられるなと感心する。
きっと前世での鬱屈がこういった語彙と文章能力を作り上げてしまったのだろう。
まさかこんなところで役に立つとは思わなかった。
人生万事塞翁が馬、ちと違うか。
「ぬおおおっ、こいつは、絶対に潰す! モ・トーの名にかけても、ここで絶対に潰す!」
『モ・トーの神力が大幅に上昇しています。500,000から594,649になりました。他での顕現を全て消し、ここに神力を一本化したようです』
しまった、怒らせ過ぎてしまった。とりあえず身の危険を感じたので100mほど瞬間移動。
更に危険を感じたので、別の方向へと瞬間移動。
先程私がいた位置のすぐ脇にモ・トーが出現した。自分の領域である埋め立て部分から、私の領域である島部分へと踏み込んできたのだ。
先程とは違い、今度は槍を手に持って構えている。
「うぬ、ちょこまかと逃げおるか」
私はすぐに瞬間移動をかける。気が抜けない。少しでも移動を躊躇うと攻撃を受けてしまう。
しかし奴から見えない場所に隠れた結果、先へと侵攻されるともっと面倒となる。
今の神力の奴を止める手段が思いつかない。
故に今の最適解はここでちょこまかしまくり、奴に攻撃させまくって神力を少しでも減らすことだろう。
なのだが、余裕が全く無い。
現在モ・トーがいるのは私の領域だ。
だからモ・トーの視線の方向や身体の向きを全知で確認出来るし、モ・トーが視認できる範囲で意識していない方向に移動する事も可能。
これを超高速でやっているのだけれど、ぎりぎり状態。
『モ・トーの槍は、モ・トー自身の神器です。攻撃は二段構えで、攻撃が命中した場合に対象を爆発させるという能力を持っています。攻撃が命中しない場合、神力をほとんど消費しません』
それではほとんど神力が減らないじゃないか!
そう思っても、今はどうしようもない。
このままでは、いつかは大ダメージを食らってしまう。
何か反撃の手段は無いだろうか。そう思ったところでモ・トーが左側目の前に出現した。
まずい、そう思って瞬間移動した次の瞬間、左手が破裂した。左腕ごと切り離して更に移動。
先程の場所で左手が大爆発したのが見えた。
『左腕をモ・トーの槍が掠め、爆発しました。左腕を失った分と爆発による被害により、コトーミの神力は残り20,126まで減少しています』
八千以上持って行かれた計算だ。これは洒落にならない。
「コトーミ、下がってくれ。あとは私が受け持とう」
キンビーラが左側海上に出現した。同時に濃い霧が周囲に発生し、視界が一気に悪くなる。
『これはキンビーラの持つ沿海神としての能力のひとつ、海霧です。神を含め、視界を妨げる働きがあります』
500m位離れた、海霧がなければ辛うじて2人が見える程度の場所へ移動して考える。
この海霧は時間稼ぎか、それともこの状況を利用した沿海神ならではの攻撃があるのだろうか。
『時間稼ぎです。モ・トーの現在位置はコトーミの領域なので、目視出来ない限りは瞬間移動は出来ません。また通常の神は弓のような武器を使用する場合を除き、遠隔攻撃は出来ません』
私の石礫攻撃も弓攻撃と同じと見做される訳か。
『その通りです。例外として自分の領域内であれば、全在によって任意の場所に物質やエネルギーを発生させ、攻撃する事が出来ます。
以前キンビーラが高波でモ・トーの顕現を消したのは、波に飲まれたことでモ・トーの顕現がいる場所が自分の領地扱いとなり、神力を自在に出現させる事が可能となったからです』
ならこの後、キンビーラはどう攻撃するのだろう。
此処はキンビーラの領域ではないけれども。
『沿海神キンビーラは、刀、薙刀、弓の神器を所持しています。ただし現在のキンビーラの神力は351,208でモ・トーの神力は594,638です。なので海霧で視界をくらましつつ弓で攻撃し、モ・トーの撤退を狙うものと思われます』
私がこの島をキンビーラの領域に戻せば、戦いで有利になる事はないだろうか。
『領域の返還はしない方が正解です。既に埋め立てによって、ビシューと此処が接続されています。ですのでコトーミが此処をキンビーラの領域に戻した場合、直後に此処はキンビーラの領域からモ・トーの領域へとなってしまいます』
土地神優先の規則か。
そういえば以前に確認したなと思い出す。
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