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第3部 笑顔の裏に隠された真実
5-3ジェットコースターと同じで走り出す前が一番緊張するんだよね
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私はマラソンの待機エリアで、軽く足踏みをしていた。集中力と気持ちを高めるためだ。ストレッチも終え、先ほどウォーミング・アップ用のコースで、軽くランニングもしてきた。なので、体は充分に温まっている。
受付でもらったゼッケンを、ランニングシャツの前後に張り付け、準備も万端。あとは、スタート開始を待つだけだ。
ちなみに、受付の際、参加者は全員『魔力登録』をしている。これは、参加者の『位置情報』を把握するためだ。走行タイムも細かく記録されており、区間タイムなどの、細かいデータを見ることも可能だった。
また、十秒以上、停止すると、運営のほうに『救難信号』が送られ、ただちに係員が駆けつける。また、医者や救急隊員も常駐しているので、万一、怪我や事故に遭っても安心だ。
これは『LLS』(ライフ・リンク・サポート)というシステム。元々は、軍で使われていた技術を、民間転用したものらしい。参加者、一人一人を把握するとか、物凄いハイテクだよね。
今年の『ノア・マラソン』の参加者は、三万六千人以上。天気は今一つながら、とても大盛況だった。観客の数も、物凄く多い。
なお、参加者は『A』から『J』までの、十グループに分けられていた。『ウェーブ・スタート』という、時間差で順番にスタートして行く。
プロや実績のある人ほど、前のグループ。初参加や実績のない人ほど、後ろのグループ。渋滞防止で、速い順に振り分けられるからだ。
私は『Jグループ』で、最後方からのスタートだった。陸上経験者だし、向こうの世界では、そこそこ実績あったんだけど。こっちでの陸上競技は、初参加なので。ただ、かなり早くから並んでいたので、グループの最前列だ。
最初は、道のずっと先まで見えていた。でも、今は前のグループの参加者で埋まっていて、先が全く見えなかった。
それぞれのグループは、少し距離を置いて集まっており、1グループが三千から四千人ぐらい。まずは、Aグループが発走し、その二分後にBグループがスタートする。
前のグループが出たら、すぐに後ろのグループが、スタートラインに移動。こんな感じで、二分ごとにスタートするので、Jグループは、Aグループの『十八分後』に発走だ。
かなり、小分けにスタートするので、安全対策は、しっかり行われていた。しかし、これだけの人数がいれば、必ず接触事故は発生する。
左半分は女性、右半分は男性と、一応、男女のグループ分けもされていた。でも、周りは大人だらけだった。万一、接触すると、体格差で負けている私が、弾き飛ばされたり、転倒する可能性が高い。
なので、グループの先頭を維持し続け、集団に飲まれない作戦で行く予定だ。元々は、短距離走もやっていたから、スタート・ダッシュは、かなり得意なので。
私は先ほどから、足踏みしたり、屈伸をしたり、なかなか落ち着かなかった。元々、じっとしてるのとか、待つのって、超苦手なんだよね。
今すぐにでも、走り出したい気持ちで一杯だ。特に、今日は早く来ていたので、待ち時間が余計に長く感じる。
落ちつけ、私。ちょっと、クールダウンしないと……。
待てば待つほど、体がウズウズして気持ちが高ぶって来たので、私は両手で顔を覆い、呼吸を整える。落ち着きがないのが、昔からの一番の欠点だ。しばし、目を閉じていると、ちょっとだけ、気持ちが落ち着いてきた気がする。
「お嬢ちゃん、大丈夫? 気分が悪いの?」
私は手をどけ目を開くと、隣の中年の女性が、心配そうにのぞき込んでいた。
「あ――いえ、大丈夫です。ご心配をお掛けして、すいません。ちょっと、気持ちを落ち着けようと思いまして」
「もしかして、初参加?」
「はい、今回が初めなので、今一つ落ち着かなくて……」
「分かるわぁ。最近は、すっかり慣れちゃったけど。初参加の時は、私も結構、緊張したものよ。最後まで走れるかなぁ、とか不安になっちゃって」
彼女は笑顔で、親し気に話し掛けてくる。ずいぶん落ち着いているので、何度か出場しているのかもしれない。
「そうなんです。完走できるか、物凄く心配で。トレーニングはして来たものの、距離が距離ですから――」
「そうよねぇ。距離が長過ぎるものね。私なんか、五回目の出場で、ようやく完走できたもの。五十キロを走り切るのに、五年も掛かっちゃったのよ」
彼女は、ウフフッと笑う。
「えぇ?! 五回目って、そんなに参加されているんですか?」
なるほど、どうりで落ち着いてるわけだ。
「今回で、十回目よ。毎年『もう二度と出ない』とか思うんだけど。つい、また来ちゃうのよねー」
「凄い、十回も?! 超大ベテランですね!」
彼女は、特別、凄そうに見える訳じゃない。中肉中背で、特に鍛えているような体じゃないし。けど、余裕の笑みを浮かべていられるのは、多くの経験に裏付けられているからだ。余裕のない私とは違い、自然体に見える。
「どうかしらねぇ。中には、二十回とか三十回、参加している人もいるから。私はまだまだ、ひよっこね」
「そんなに、凄い人ばかりなんですか? 一回で完走しようなんて、考えが甘過ぎました……」
最後方グループだから、大した人はいないと思ってたのに。みんな、私よりも、はるかに凄い人たちだったんだ。そう考えると、急に自分が小さく思えてきた。
「そんなことは無いと思うわよ。私は元々、体力も運動神経もなかったから。そのせいで、物凄く時間が掛かっちゃったけど。あなたは若いし、しっかり鍛えていそうだから、行けるんじゃない?」
「でも、トレーニングを始めたのが、一ヶ月ほど前ですし。仕事の合間にやっていたので、練習量も、充分とは言えないんです」
やれることは全てやったし、詰め込めるだけ、詰め込んで来た。けど、自分では、まだ納得がいっていない状態だ。
「あら、学生さんかと思ってたら、もう社会人だったのね。お仕事は何を?」
「シルフィードをやっています。といっても、まだ見習いですが」
「まぁ、素敵! 私、十年走ってて、シルフィードさんと一緒になるのって、初めてよ。今日は、物凄くラッキーだわ。きっと、いいことが有るわね」
「いやー、私なんかで、ご利益があればいいんですが――」
シルフィードは『幸運の象徴』なので、どこに行っても、同じようなことを言われる。
「それにしても、最近のシルフィードは、こんなハードな練習までやるの?」
「いえ、あくまで、個人的な趣味での参加です。他のシルフィードの友達を誘ったら、あっさり断られました」
五キロぐらいの短い距離ならまだしも、五十キロじゃ、普通は参加しないよね。鍛えている人だって、かなり厳しいんだから。
「そうよねぇ。最近の若い子たちは、こんなキツイことを、好んでやったりはしないもの。一日中、スピとかやっているんでしょ? だから、あなたぐらいの子が参加するなんて、珍しいわ」
「確かに、大人の方ばかりで、同年代の子がいませんね」
これだけ沢山の人がいながら、同年代の子は、一人も見当たらなかった。
「若い出場者は、プロや実績のある人たちばかりだから。みんな、前のほうのグループにいるわよ。ここにいるのは、趣味や健康で走っている人たち。だから、おじさんや、おばさんばかりでしょ」
「そう言われて見れば、年配の方が多いですね」
こちらの世界では、健康のために、スポーツをやる中高年の人が多い。シニア層の、習い事ランキング一位が『フィットネス・クラブ』だからね。元気な人が多いのは、そのせいかもしれない。
「だから、記録はもちろん、完走にもこだわってないの。自分のできる範囲内で、無理なく走る。私も健康が目的だから、走るのが凄くゆっくりで。それで、毎回、最後尾なのよね」
タイム順のグループ分けだから、何度、完走しても、タイムの遅い人は、後ろのグループになってしまう。
「でも、しっかり完走されるのは凄いです。それに、何度もチャンレンジされるのって、本当に素敵だと思います」
「そんなに、大したものじゃ無いんだけどね。単に暇人なのと、何だかんだで、走るのが好きなのよね。ここにいる人たちは、みんな同じだと思うわよ」
彼女は、とても楽しそうに話す。好きという気持ちが、物凄く伝わって来た。
なるほど、ここにいる人たちは、みんな私の同志なんだ。『シルフィード史上初の、快挙を成し遂げたい』という、ささやかな野望もある。でも、結局は、私も走るのが好きで、参加しているんだよね。
そう考えると、急に安心感が湧いてきた。先ほどまでは、大勢の敵の中に、ぽつんと一人でいる気分だった。でも、周りの人たちが、仲間に見えてきたからだ。ようやく、気持ちが落ち着いてきて、これなら、いつも通りに走れそう。
ちょうどその時、
『間もなく、最前列のグループがスタートします。後ろのグループの方は、すぐに移動できるよう、準備をしてください』
運営からのアナウンスが入った。
「さて、私たちも、気張らずに頑張りましょ」
ポンッと、軽く背中を叩かれた。
「はい、ありがとうございます!」
拳を握りしめると、元気一杯に答える。
私は大きく息を吸い込み、穏やかな気持ちで、スタート順を待つのだった……。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
次回――
『MVカフェって初めて来たけど結構人気があるのね』
あらゆる新しいものに対する最良の教養の場所は常にカフェであった
受付でもらったゼッケンを、ランニングシャツの前後に張り付け、準備も万端。あとは、スタート開始を待つだけだ。
ちなみに、受付の際、参加者は全員『魔力登録』をしている。これは、参加者の『位置情報』を把握するためだ。走行タイムも細かく記録されており、区間タイムなどの、細かいデータを見ることも可能だった。
また、十秒以上、停止すると、運営のほうに『救難信号』が送られ、ただちに係員が駆けつける。また、医者や救急隊員も常駐しているので、万一、怪我や事故に遭っても安心だ。
これは『LLS』(ライフ・リンク・サポート)というシステム。元々は、軍で使われていた技術を、民間転用したものらしい。参加者、一人一人を把握するとか、物凄いハイテクだよね。
今年の『ノア・マラソン』の参加者は、三万六千人以上。天気は今一つながら、とても大盛況だった。観客の数も、物凄く多い。
なお、参加者は『A』から『J』までの、十グループに分けられていた。『ウェーブ・スタート』という、時間差で順番にスタートして行く。
プロや実績のある人ほど、前のグループ。初参加や実績のない人ほど、後ろのグループ。渋滞防止で、速い順に振り分けられるからだ。
私は『Jグループ』で、最後方からのスタートだった。陸上経験者だし、向こうの世界では、そこそこ実績あったんだけど。こっちでの陸上競技は、初参加なので。ただ、かなり早くから並んでいたので、グループの最前列だ。
最初は、道のずっと先まで見えていた。でも、今は前のグループの参加者で埋まっていて、先が全く見えなかった。
それぞれのグループは、少し距離を置いて集まっており、1グループが三千から四千人ぐらい。まずは、Aグループが発走し、その二分後にBグループがスタートする。
前のグループが出たら、すぐに後ろのグループが、スタートラインに移動。こんな感じで、二分ごとにスタートするので、Jグループは、Aグループの『十八分後』に発走だ。
かなり、小分けにスタートするので、安全対策は、しっかり行われていた。しかし、これだけの人数がいれば、必ず接触事故は発生する。
左半分は女性、右半分は男性と、一応、男女のグループ分けもされていた。でも、周りは大人だらけだった。万一、接触すると、体格差で負けている私が、弾き飛ばされたり、転倒する可能性が高い。
なので、グループの先頭を維持し続け、集団に飲まれない作戦で行く予定だ。元々は、短距離走もやっていたから、スタート・ダッシュは、かなり得意なので。
私は先ほどから、足踏みしたり、屈伸をしたり、なかなか落ち着かなかった。元々、じっとしてるのとか、待つのって、超苦手なんだよね。
今すぐにでも、走り出したい気持ちで一杯だ。特に、今日は早く来ていたので、待ち時間が余計に長く感じる。
落ちつけ、私。ちょっと、クールダウンしないと……。
待てば待つほど、体がウズウズして気持ちが高ぶって来たので、私は両手で顔を覆い、呼吸を整える。落ち着きがないのが、昔からの一番の欠点だ。しばし、目を閉じていると、ちょっとだけ、気持ちが落ち着いてきた気がする。
「お嬢ちゃん、大丈夫? 気分が悪いの?」
私は手をどけ目を開くと、隣の中年の女性が、心配そうにのぞき込んでいた。
「あ――いえ、大丈夫です。ご心配をお掛けして、すいません。ちょっと、気持ちを落ち着けようと思いまして」
「もしかして、初参加?」
「はい、今回が初めなので、今一つ落ち着かなくて……」
「分かるわぁ。最近は、すっかり慣れちゃったけど。初参加の時は、私も結構、緊張したものよ。最後まで走れるかなぁ、とか不安になっちゃって」
彼女は笑顔で、親し気に話し掛けてくる。ずいぶん落ち着いているので、何度か出場しているのかもしれない。
「そうなんです。完走できるか、物凄く心配で。トレーニングはして来たものの、距離が距離ですから――」
「そうよねぇ。距離が長過ぎるものね。私なんか、五回目の出場で、ようやく完走できたもの。五十キロを走り切るのに、五年も掛かっちゃったのよ」
彼女は、ウフフッと笑う。
「えぇ?! 五回目って、そんなに参加されているんですか?」
なるほど、どうりで落ち着いてるわけだ。
「今回で、十回目よ。毎年『もう二度と出ない』とか思うんだけど。つい、また来ちゃうのよねー」
「凄い、十回も?! 超大ベテランですね!」
彼女は、特別、凄そうに見える訳じゃない。中肉中背で、特に鍛えているような体じゃないし。けど、余裕の笑みを浮かべていられるのは、多くの経験に裏付けられているからだ。余裕のない私とは違い、自然体に見える。
「どうかしらねぇ。中には、二十回とか三十回、参加している人もいるから。私はまだまだ、ひよっこね」
「そんなに、凄い人ばかりなんですか? 一回で完走しようなんて、考えが甘過ぎました……」
最後方グループだから、大した人はいないと思ってたのに。みんな、私よりも、はるかに凄い人たちだったんだ。そう考えると、急に自分が小さく思えてきた。
「そんなことは無いと思うわよ。私は元々、体力も運動神経もなかったから。そのせいで、物凄く時間が掛かっちゃったけど。あなたは若いし、しっかり鍛えていそうだから、行けるんじゃない?」
「でも、トレーニングを始めたのが、一ヶ月ほど前ですし。仕事の合間にやっていたので、練習量も、充分とは言えないんです」
やれることは全てやったし、詰め込めるだけ、詰め込んで来た。けど、自分では、まだ納得がいっていない状態だ。
「あら、学生さんかと思ってたら、もう社会人だったのね。お仕事は何を?」
「シルフィードをやっています。といっても、まだ見習いですが」
「まぁ、素敵! 私、十年走ってて、シルフィードさんと一緒になるのって、初めてよ。今日は、物凄くラッキーだわ。きっと、いいことが有るわね」
「いやー、私なんかで、ご利益があればいいんですが――」
シルフィードは『幸運の象徴』なので、どこに行っても、同じようなことを言われる。
「それにしても、最近のシルフィードは、こんなハードな練習までやるの?」
「いえ、あくまで、個人的な趣味での参加です。他のシルフィードの友達を誘ったら、あっさり断られました」
五キロぐらいの短い距離ならまだしも、五十キロじゃ、普通は参加しないよね。鍛えている人だって、かなり厳しいんだから。
「そうよねぇ。最近の若い子たちは、こんなキツイことを、好んでやったりはしないもの。一日中、スピとかやっているんでしょ? だから、あなたぐらいの子が参加するなんて、珍しいわ」
「確かに、大人の方ばかりで、同年代の子がいませんね」
これだけ沢山の人がいながら、同年代の子は、一人も見当たらなかった。
「若い出場者は、プロや実績のある人たちばかりだから。みんな、前のほうのグループにいるわよ。ここにいるのは、趣味や健康で走っている人たち。だから、おじさんや、おばさんばかりでしょ」
「そう言われて見れば、年配の方が多いですね」
こちらの世界では、健康のために、スポーツをやる中高年の人が多い。シニア層の、習い事ランキング一位が『フィットネス・クラブ』だからね。元気な人が多いのは、そのせいかもしれない。
「だから、記録はもちろん、完走にもこだわってないの。自分のできる範囲内で、無理なく走る。私も健康が目的だから、走るのが凄くゆっくりで。それで、毎回、最後尾なのよね」
タイム順のグループ分けだから、何度、完走しても、タイムの遅い人は、後ろのグループになってしまう。
「でも、しっかり完走されるのは凄いです。それに、何度もチャンレンジされるのって、本当に素敵だと思います」
「そんなに、大したものじゃ無いんだけどね。単に暇人なのと、何だかんだで、走るのが好きなのよね。ここにいる人たちは、みんな同じだと思うわよ」
彼女は、とても楽しそうに話す。好きという気持ちが、物凄く伝わって来た。
なるほど、ここにいる人たちは、みんな私の同志なんだ。『シルフィード史上初の、快挙を成し遂げたい』という、ささやかな野望もある。でも、結局は、私も走るのが好きで、参加しているんだよね。
そう考えると、急に安心感が湧いてきた。先ほどまでは、大勢の敵の中に、ぽつんと一人でいる気分だった。でも、周りの人たちが、仲間に見えてきたからだ。ようやく、気持ちが落ち着いてきて、これなら、いつも通りに走れそう。
ちょうどその時、
『間もなく、最前列のグループがスタートします。後ろのグループの方は、すぐに移動できるよう、準備をしてください』
運営からのアナウンスが入った。
「さて、私たちも、気張らずに頑張りましょ」
ポンッと、軽く背中を叩かれた。
「はい、ありがとうございます!」
拳を握りしめると、元気一杯に答える。
私は大きく息を吸い込み、穏やかな気持ちで、スタート順を待つのだった……。
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『MVカフェって初めて来たけど結構人気があるのね』
あらゆる新しいものに対する最良の教養の場所は常にカフェであった
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