異世界立志伝

小狐丸

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特殊な装備は自作します

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 ガウン王国で、見積もりを頼んでから、街の観光を兼ねて皆んなでブラブラとショッピングをした。

 宿を拠点に、フーガの部下を何人か転移でガウン王国へ運び、拠点を確保してもらう。

 次の日、転移でドラーク領へ戻ると、フーガから諜報部隊用の装備を考えて欲しいと言われる。

「諜報部隊用か、確かにそれは外注出来ないな」

「ええ、特殊ですから。それに機密でもありますから、出来ればカイト様にお願いしたいのですが」

「分かった。出来上がった装備のテストは、フーガよろしく頼む」

「了解しました」

 フーガが出て行ったので工房へ行く。



 工房ではスーラが、魔導具の研究なのか、魔石や魔物素材を前に何やら作っている。

「あっ、カイト様。何か作るでありますか?」

「あゝ、スーラ。フーガから諜報部隊用の装備を頼まれてね」

 俺がそう言った瞬間、スーラの目がキラーンと光った気がした。

「諜報部隊、面白そうなのです!」

「あ、あゝ、そうかもね」

 身を乗り出して迫るスーラに、ちょっとビビる。

「騎士団や守備隊ではなく、諜報部隊の装備なら、魔導具を色々使えそうなのです!」

「まぁ、かもしれないね」

「これよりスーラは、全面的にカイト様のサポートをするであります!」

「いや、スーラは自分の好きな物を研究して良いからね」

「いえ!スーラはカイト様のお手伝いをするのです!!」

 ドンッとテーブルを叩いて立ち上がるスーラに腰が引けてしまう。

「分かった。分かったから、落ち着こうな」

 スーラに何とか落ち着いて貰い、二人で色々なアイデアを出し合って行く。

「認識阻害は必須なのです」

「ワイヤーを打ち出して、高い場所に登ったり、飛び移ったり出来たら面白そうだな」

 スパイダーの男の人のイメージでスーラに提案する。

「おお!それは面白そうなのです」

 その後も、スーラとアイデアを出し合い、実現可能かどうか検討しあう。

「魔物素材については問題ないのです。ここの所、訓練で大量に狩っているので、使えそうな良い素材はストックが増える一方なのです」

 屋敷と工房に隣接する位置に建てられた倉庫は、空間拡張のエンチャントが掛けられた倉庫なので、そうそう容量が一杯になる事はない。

「諜報部隊だから金属鎧はあり得ないよな。そうなると魔物素材で軽くて丈夫に作るか」

「部分的に金属を使うのはアリだと思うのです」

「確かにそうだな。籠手は龍の鱗が使えないなら、金属製の方が良いな」

 やがて話は諜報部隊の武器にも及ぶ。

「諜報部隊はやっぱり暗器だと思うのです」

「暗器は必要だけど、ちゃんとしたメイン武器は必要だと思うぞ」

「むぅー、暗器はロマンじゃないですか」

 なんだよロマンって、武器にロマンを求めたら、とんでもない物を造る自信はあるぞ。
 いや、いっその事、色々造ってみるか。

「スーラ、防具は命に関わるから、真面目に作らないとダメだけど、武器はお互いに、一度好きに造ってみようか」

 俺がそう言うとスーラの目が光る。

「それは面白いですね。要するにカイト様と勝負ですね」

「ほう、俺と勝負すると。面白い、では一週間後にフーガ達にジャッジして貰おう」

「分かったのです。では、スーラは第二工房へ行くです。覗いたらダメなのです」

 そう言うとスーラは走って出て行った。



 気合いを入れた俺は、諜報部隊の武器の開発に入る。
 考えているプランは、

 ・鋼糸(ワイヤーアンカーとしても使え、アンカー部分を自在に操れるように魔導具化する。ワイヤーにミスリルを編み込み、アンカー状の魔導具を操る際の魔力伝道路とする)

 ・パイルバンカー内蔵籠手(これぞロマン武器のパイルバンカーを籠手に仕込み、近接攻撃は勿論、杭を出して壁に突き刺しながら登る事も出来る)

 ・射出機構付きナイフ(これはソ連特殊部隊の装備で有名な、スペツナズナイフ。これは説明の必要もない。ナイフを射出するだけだ)

 武器のアイデアはこの位で良いとして、防具の方も考えて置く。

 籠手は、鋼糸(ワイヤーアンカー付)とパイルバンカーを仕込む積もりなので、実は後はブーツと革鎧位なので、余り考える余地はない。

 それでもブーツのつま先から、杭が出る様に仕込んでおく。これはパイルバンカー用の杭と合わせて壁を登る時に使う。当然、攻撃にも使用できる。



 俺は早速、鋼糸(ワイヤーアンカー付)とパイルバンカー内蔵の籠手の製作に入る。

 手の甲側にパイルバンカーを、手のひら側に鋼糸(ワイヤーアンカー付)を仕込む。

 構造が複雑になるので、多少防御力は落ちるが、そこはエンチャントでカバーする。
 諜報部隊は、前線で戦う訳ではないので構わないだろう。

 鋼糸は、繊維状に細くしたミスリル合金を撚りあわせ、硬度と柔軟性を確保した。
 アンカー部分は、風魔法で自在に動く。操作は、ミスリル合金のワイヤーを通じて、魔力を通して自在に操れる。

 スペツナズナイフは簡単だ。
 これも風魔法で飛ばすだけなので、術式も単純で直ぐに出来た。

 スーラがどんな物を造っているのか楽しみだ。


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