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ドワーフの国へ
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ドラーク子爵領の守備隊や騎士団の装備を揃える為に、ドワーフの国、ガウン王国へ武器や防具の調達に行く事にした。
ランカス達の装備は、俺が造っていたが、兵士の人数が増えて、俺だけでは対応出来なくなって来た。王都やバスターク辺境伯領からも、武器や防具の調達をしていたが、一度に大量の受注に応えられないという事で、それならドワーフの国で直接仕入れようという事になった。
「結局、カイトがガウン王国へ行きたいだけでしょう」
「うっ」
エルに本音を見透かされ、思わず言葉が詰まってしまう俺。バレバレである。
「まぁ、今回は私やルシエルは付いて行けないからね」
エルの話によると、エルやルシエルの様に、エルフやエルフの血が見て分かる程度に入った者が、ガウン王国へ行く事はしないそうだ。
ファンタジーのお約束なのか、エルフとドワーフはあまり仲が良くなく、ドワーフの国にエルフが入国することはトラブルの元らしい。
サーメイヤ国内では、エルフとドワーフの関係は悪くない。それは種族間差別を法律で禁じられた国ならではだと言う。
「じゃあ今回は、コレット、イリア、ルキナを連れて行くよ」
「ちょっと待って。ルキナの護衛にユーファンも連れて行って」
「了解!」
次の日、旅立つ俺たちの見送りに来た、エル達に領内の事を頼んで出発する。
その出発する前にフーガの報告があった。
「例のドラーク領に入り込んだ、ローラシアの裏組織の構成員ですが、全員排除致しました」
「あゝ、情報は取れた?」
「いえ、巧妙に迂回して仕事を依頼して来たようで、確かな事は分かりませんでしたが、それ自体が帝国の仕業だと言ってる様なものかと」
「まぁ、そっちは今は放置でいいよ」
「了解しました。それとカイト様、ガウン王国へ行くのでしたら、王都に我等の拠点が欲しいので、一度誰かを転移で運んで下さい」
「分かった。戻ったら誰かを転移で運ぶよ」
皆んなと別れを済ませて、車に乗り込んだ俺達は、北東部の山岳地帯にある。ガウン王国目指して走り出した。
野営はせず、屋敷に転移で帰るので、車に乗って走るのは俺だけでも良いのだけど、単純に一人だと寂しいからだ。
一緒に行くメンバーにも、ドライブだと言うことで、勘弁して貰う。
「基本的な事を聞くけど、ガウン王国とサーメイヤ王国の関係って、どんな感じなの?」
「私達は獣人族ですから、余り詳しくないのですが」
イリアがそう前置きをしてから話し始めた。
ガウン王国はドワーフの国で、武器や防具から生活用品に至るまで、金属製品の生産で国が成り立っているそうだ。
そのお国柄故に、ゴンドワナ帝国、ローラシア王国、サーメイヤ王国、三国全てと国交があり、全ての国と交易をしている。
唯一エルフの国、サーリット王国だけが国交がない。
ガウン王国には、種族間差別がほとんどない。
唯一、エルフとはソリが合わない様で、今回、俺達にエルやルシエルは同行出来なかった。
車で走ること三日で、ガウン王国の国境へたどり着いた。
そこから王都まで、さらに一日走った。
「なんと言うか……、凄い街だな」
ガウン王国の王都は、山に囲まれた場所にあり、山肌に幾つもの横穴が開いている。
街の建物にある煙突からは、もくもくと煙が立ち上っている。
「あれは、製鉄関係の工房や鍛治工房らしいです」
「どれだけ鍛治工房や製鉄所があるんだよ」
ひとまず宿を探す。泊まりはしないが、転移のポイントにするためだ。
王都でも高級な宿屋に部屋をとり、そこを拠点に武器や防具を探すことにする。
ルキナを抱き、イリアとコレットに挟まれて街を散策する。ユーファンがそんな俺達を警護する様につき従う。
「パパー、ルキナもナイフが欲しい!」
幼女が欲しがるモノじゃない様な気がするけど、そうなった責任の一端は俺にもあるかもしれない。
俺達は一軒の武器防具屋に入る。
大きな店舗の中には、様々な武器が所狭しと陳列されていた。一階は武器、二階が防具、三階が特殊な装備品が置かれているそうだ。
「どういった物をお探しですか?」
ドワーフにしては細身の壮年の男が聞いて来た。
「サーメイヤ王国ドラーク子爵領軍の装備を購入したくて来たんですが」
「領軍の装備ですか!」
店員の表情が、分かりやすい程笑顔になる。
「ええ、少し大量になるので、どうしたものかと思って」
「是非、ウチの店にお任せ下さい。王都中の鍛治職人とパイプがありますし、他の武具屋とも提携していますから、大量の受注にも応えられます」
「例えば、騎士団用の騎士鎧と剣、盾、馬具を二百人分、出来ればサイズ調整と重量軽減のエンチャント付きで、それと街の守備隊の鎧、槍、小盾を同じエンチャントで二百人分の見積もりが出せますか?」
「……そうですね、三日、いや、五日、頂けませんか。騎士鎧も守備隊の鎧にも、ドラーク子爵の紋章を入れる都合上、細工職人にも声をかけないといけませんから」
量が量だから仕方ないか、五日でも早い方か。
「分かりました。それでお願いします」
その後、ルキナとイリアがナイフをお揃いで買い。コレットが小盾を購入。ユーファンは投げナイフを10本程買っていた。
しかしナイフのお揃いってどうなんだろう。
そう思うのは俺だけか?
ランカス達の装備は、俺が造っていたが、兵士の人数が増えて、俺だけでは対応出来なくなって来た。王都やバスターク辺境伯領からも、武器や防具の調達をしていたが、一度に大量の受注に応えられないという事で、それならドワーフの国で直接仕入れようという事になった。
「結局、カイトがガウン王国へ行きたいだけでしょう」
「うっ」
エルに本音を見透かされ、思わず言葉が詰まってしまう俺。バレバレである。
「まぁ、今回は私やルシエルは付いて行けないからね」
エルの話によると、エルやルシエルの様に、エルフやエルフの血が見て分かる程度に入った者が、ガウン王国へ行く事はしないそうだ。
ファンタジーのお約束なのか、エルフとドワーフはあまり仲が良くなく、ドワーフの国にエルフが入国することはトラブルの元らしい。
サーメイヤ国内では、エルフとドワーフの関係は悪くない。それは種族間差別を法律で禁じられた国ならではだと言う。
「じゃあ今回は、コレット、イリア、ルキナを連れて行くよ」
「ちょっと待って。ルキナの護衛にユーファンも連れて行って」
「了解!」
次の日、旅立つ俺たちの見送りに来た、エル達に領内の事を頼んで出発する。
その出発する前にフーガの報告があった。
「例のドラーク領に入り込んだ、ローラシアの裏組織の構成員ですが、全員排除致しました」
「あゝ、情報は取れた?」
「いえ、巧妙に迂回して仕事を依頼して来たようで、確かな事は分かりませんでしたが、それ自体が帝国の仕業だと言ってる様なものかと」
「まぁ、そっちは今は放置でいいよ」
「了解しました。それとカイト様、ガウン王国へ行くのでしたら、王都に我等の拠点が欲しいので、一度誰かを転移で運んで下さい」
「分かった。戻ったら誰かを転移で運ぶよ」
皆んなと別れを済ませて、車に乗り込んだ俺達は、北東部の山岳地帯にある。ガウン王国目指して走り出した。
野営はせず、屋敷に転移で帰るので、車に乗って走るのは俺だけでも良いのだけど、単純に一人だと寂しいからだ。
一緒に行くメンバーにも、ドライブだと言うことで、勘弁して貰う。
「基本的な事を聞くけど、ガウン王国とサーメイヤ王国の関係って、どんな感じなの?」
「私達は獣人族ですから、余り詳しくないのですが」
イリアがそう前置きをしてから話し始めた。
ガウン王国はドワーフの国で、武器や防具から生活用品に至るまで、金属製品の生産で国が成り立っているそうだ。
そのお国柄故に、ゴンドワナ帝国、ローラシア王国、サーメイヤ王国、三国全てと国交があり、全ての国と交易をしている。
唯一エルフの国、サーリット王国だけが国交がない。
ガウン王国には、種族間差別がほとんどない。
唯一、エルフとはソリが合わない様で、今回、俺達にエルやルシエルは同行出来なかった。
車で走ること三日で、ガウン王国の国境へたどり着いた。
そこから王都まで、さらに一日走った。
「なんと言うか……、凄い街だな」
ガウン王国の王都は、山に囲まれた場所にあり、山肌に幾つもの横穴が開いている。
街の建物にある煙突からは、もくもくと煙が立ち上っている。
「あれは、製鉄関係の工房や鍛治工房らしいです」
「どれだけ鍛治工房や製鉄所があるんだよ」
ひとまず宿を探す。泊まりはしないが、転移のポイントにするためだ。
王都でも高級な宿屋に部屋をとり、そこを拠点に武器や防具を探すことにする。
ルキナを抱き、イリアとコレットに挟まれて街を散策する。ユーファンがそんな俺達を警護する様につき従う。
「パパー、ルキナもナイフが欲しい!」
幼女が欲しがるモノじゃない様な気がするけど、そうなった責任の一端は俺にもあるかもしれない。
俺達は一軒の武器防具屋に入る。
大きな店舗の中には、様々な武器が所狭しと陳列されていた。一階は武器、二階が防具、三階が特殊な装備品が置かれているそうだ。
「どういった物をお探しですか?」
ドワーフにしては細身の壮年の男が聞いて来た。
「サーメイヤ王国ドラーク子爵領軍の装備を購入したくて来たんですが」
「領軍の装備ですか!」
店員の表情が、分かりやすい程笑顔になる。
「ええ、少し大量になるので、どうしたものかと思って」
「是非、ウチの店にお任せ下さい。王都中の鍛治職人とパイプがありますし、他の武具屋とも提携していますから、大量の受注にも応えられます」
「例えば、騎士団用の騎士鎧と剣、盾、馬具を二百人分、出来ればサイズ調整と重量軽減のエンチャント付きで、それと街の守備隊の鎧、槍、小盾を同じエンチャントで二百人分の見積もりが出せますか?」
「……そうですね、三日、いや、五日、頂けませんか。騎士鎧も守備隊の鎧にも、ドラーク子爵の紋章を入れる都合上、細工職人にも声をかけないといけませんから」
量が量だから仕方ないか、五日でも早い方か。
「分かりました。それでお願いします」
その後、ルキナとイリアがナイフをお揃いで買い。コレットが小盾を購入。ユーファンは投げナイフを10本程買っていた。
しかしナイフのお揃いってどうなんだろう。
そう思うのは俺だけか?
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