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26(パトリシア)
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「いつまでも纏わりつくんじゃないよ、この恥知らず!」
「!?」
突然の罵声の後、私の額に何がかぶつかる。
「……」
どろりと頬に垂れ、胸元に落ちていく、これは……卵?
いったい何が起きているの?
「母子揃って下品ですわ!」
「ここは貴族の社交場ですのよ、あなたの来る場所じゃありません!」
「え……?」
いつの間にか怒り顔の貴婦人に囲まれていた。
「だいたい、本当に招待されてるのかしら」
「ワイズ夫人を散々苦しめたブルックの娼婦なんて誰が招待するものですか」
「そうよ、勝手に忍び込んだに違いないわ」
「きっと嫌がらせよ!」
「なんて浅ましいの!?」
「汚らわしい!」
「娼婦は出ておいき!」
「ブルックの娼婦は地獄に落ちろ!」
「……っ」
あらゆる世代の着飾った貴婦人たちが、悪魔のような顔で私を取り囲み罵倒している。
どうして?
なぜ私ばかり、こんな理不尽な目に遇うの?
「……!」
全部、全部、レーラのせい。
レーラがいなければ私の人生はもっといいものだったはずなのに!
「!」
「逃げたわ!」
「二度と来ないでくださいましね!」
「あなたは貴族を名乗る資格などありませんわよ!!」
誰も追っては来なかった。
私は屋敷を出て、待たせてあった馬車に走った。
「どうだった?うまくいったのかい?」
招待客の馬車に紛れ込ませていた一つに飛び込んですぐ、声を掛けられる。
「ロバート……」
酷く惨めな気持ち。
私たちはレーラのせいで、貴族としての地位を奪われた。
「うっ……」
「ああ、可哀相に」
ロバートが私を抱きしめてくれる。
「レーラは許してはくれなかったんだね」
「……ええ……っ、謝ったのだけれど、私はもう貴族の資格がないから、二度と現れるなと……っ」
「なんて傲慢な女だ!」
「私を娼婦だって……!!」
「くそっ!」
ロバートは私を疑いはしない。
だから……ロバートが本当に愛しているのは最初からレーラではなく、私。
私だけを見てくれるロバートを、私は、絶対に、絶対に見棄てたりしない。
「悔しいけれど、今日は逃げたほうがいいわ……」
「レーラの奴、僕たちを陥れて自分だけ幸せになるなんて許せない!」
「待って!」
荒い鼻息で馬車から飛び出して行こうとするロバートを必死で止める。
見つけた時の恐ろしく汚い格好ではないけれど、私の財力では彼に正装させるまではできなかった。
「レーラはたくさんの夫人を味方につけて、私を袋叩きにしようとまでしたのよ」
「なに!?許せない!」
「落ち着いて!レーラが支配しているように、夫人たちには夫がいるの。私たち二人きりじゃとても勝てないわ。今日は帰りましょう」
「くそぉ……っ」
ロバートが力なく座席に腰を落とす。
私は涙を拭いて、極めて現実的な事実を告げる。
「馬車も……返さなくちゃ。遅れるとお金が……」
「いったいどうなってるんだ!僕らは貴族だぞ!?それがこんな……!」
バンッ!
「!?」
馬車が揺れた。
「!?」
突然の罵声の後、私の額に何がかぶつかる。
「……」
どろりと頬に垂れ、胸元に落ちていく、これは……卵?
いったい何が起きているの?
「母子揃って下品ですわ!」
「ここは貴族の社交場ですのよ、あなたの来る場所じゃありません!」
「え……?」
いつの間にか怒り顔の貴婦人に囲まれていた。
「だいたい、本当に招待されてるのかしら」
「ワイズ夫人を散々苦しめたブルックの娼婦なんて誰が招待するものですか」
「そうよ、勝手に忍び込んだに違いないわ」
「きっと嫌がらせよ!」
「なんて浅ましいの!?」
「汚らわしい!」
「娼婦は出ておいき!」
「ブルックの娼婦は地獄に落ちろ!」
「……っ」
あらゆる世代の着飾った貴婦人たちが、悪魔のような顔で私を取り囲み罵倒している。
どうして?
なぜ私ばかり、こんな理不尽な目に遇うの?
「……!」
全部、全部、レーラのせい。
レーラがいなければ私の人生はもっといいものだったはずなのに!
「!」
「逃げたわ!」
「二度と来ないでくださいましね!」
「あなたは貴族を名乗る資格などありませんわよ!!」
誰も追っては来なかった。
私は屋敷を出て、待たせてあった馬車に走った。
「どうだった?うまくいったのかい?」
招待客の馬車に紛れ込ませていた一つに飛び込んですぐ、声を掛けられる。
「ロバート……」
酷く惨めな気持ち。
私たちはレーラのせいで、貴族としての地位を奪われた。
「うっ……」
「ああ、可哀相に」
ロバートが私を抱きしめてくれる。
「レーラは許してはくれなかったんだね」
「……ええ……っ、謝ったのだけれど、私はもう貴族の資格がないから、二度と現れるなと……っ」
「なんて傲慢な女だ!」
「私を娼婦だって……!!」
「くそっ!」
ロバートは私を疑いはしない。
だから……ロバートが本当に愛しているのは最初からレーラではなく、私。
私だけを見てくれるロバートを、私は、絶対に、絶対に見棄てたりしない。
「悔しいけれど、今日は逃げたほうがいいわ……」
「レーラの奴、僕たちを陥れて自分だけ幸せになるなんて許せない!」
「待って!」
荒い鼻息で馬車から飛び出して行こうとするロバートを必死で止める。
見つけた時の恐ろしく汚い格好ではないけれど、私の財力では彼に正装させるまではできなかった。
「レーラはたくさんの夫人を味方につけて、私を袋叩きにしようとまでしたのよ」
「なに!?許せない!」
「落ち着いて!レーラが支配しているように、夫人たちには夫がいるの。私たち二人きりじゃとても勝てないわ。今日は帰りましょう」
「くそぉ……っ」
ロバートが力なく座席に腰を落とす。
私は涙を拭いて、極めて現実的な事実を告げる。
「馬車も……返さなくちゃ。遅れるとお金が……」
「いったいどうなってるんだ!僕らは貴族だぞ!?それがこんな……!」
バンッ!
「!?」
馬車が揺れた。
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