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六章
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「ファロン……!」
私は咄嗟にファロンを物陰に引きずり込んだ。
チャムレー伯爵のお陰で、私たちは単なる賓客として迎え入れられ、かなり自由に城内を散策していた。
対応にあたった人物が当のバムフォード辺境伯ではなく、その叔父上であったことも幸運だった。チャムレー伯爵が、旅行がてら叛乱の噂が流れて以降の国内の状況を報告すると申し出ただけで歓迎されたのだ。チャムレー伯爵の人徳だろう。
それで御者をそのまま御供に引き連れ、私とファロンは城内をさも興味深そうに見て回り、衛兵や使用人たちにも笑顔で挨拶などされながらあの人を探していた。
そして、見つけた。
「……っ」
胸に込み上げるものがあり、私は壁に身を預け呼吸を整えなければならなかった。
そんな私を見て、ファロンが物陰から顔を出し、事態を確認する。
「カタリーナ。さあ、行って」
「私ひとりで……?」
「私が行ってどうするの。お邪魔はしない。頃合いを見て加わるから、ほら」
「わ、わかったわ……!」
ファロンの袖をぎゅっとにぎり、気合を入れて頷く。ファロンも励ますように強い眼差しで私を見つめて大きく頷いてくれた。
私は物陰から飛び出した。
ドグラスは、大きな図面を見ながら扉の数を数えるような仕草をしている。かなり集中していて、私には気づかない。
私は壁際に身を寄せて小走りで接近した。かなり近くまで距離を詰めると、物音を訝しんだドグラスが図面を胸に抱き込みながら振り向いた。そして、二度見した。
「キティ!?」
もう全力疾走だ。
何か言われる前に彼の胸に飛び込んだ。
「会いたかった……!」
先に言う。
あれこれ言われてしまう前に、まず私の気持ちを伝えてしまえば、この先、何も言えなくなるなんてことにはならないという根拠のない自信があった。
ドグラスは、抱きとめてくれた。
片手を腰に回し、大きな図面を持った方の腕を背中に当てて、抱きしめてくれた。
「来ちゃったか」
怒った様子はない。
それだけで、こんなにも嬉しいなんて……
「待っていられなかったのか?」
甘い声。
胸が切なくなって、言葉が出ない。
私は大きく頷いた。
「仕方ないなぁ、キティは。甘やかしすぎた俺の責任か」
これにも大きく頷いておく。
「一人で来たのか?」
私は首を振った。
「え?じゃあ、連れはどうした?」
「……」
頃合いを見てと言ったファロンは、まだ出てこない。
「……」
「まぁ、いいや。安全だか危険だかわからない状況だから、離れるな」
追い返されなかった。
怒られもしなかった。
いつもと同じように、私を甘やかす声で傍を離れないように言ってくれた。
私はドグラスにぎゅっとしがみついて甘えた。彼の体温が、愛しくてたまらない。
来てよかった……
「なるほど。考えたな」
「?」
口調が変わったので、彼の胸に埋めていた顔をあげてみる。
ドグラスは、真剣な表情で歩いてくるファロンを凝視している。
「私が我儘を言ったの。彼女を責めないで」
咄嗟に弁明を口にすると、ドグラスがやや困ったような笑みを私に向けた。
「責めないよ。長い旅路でキティを守ってくれたんだ。労うに決まってるだろ」
「……!」
いい人である。
そう。〝マルムフォーシュ伯爵〟という王家の密偵は、王国への忠誠心と民への愛を持つ、優しい男性だ。私はもう、それを知っていた。
「約束、破ってごめんなさい」
「違うだろ」
「?」
「『ありがとう、ドグラス』」
「……ありがとう、ドグラス」
「『大好き』」
「……だいす──」
「閣下」
ファロンが跪いた。
「申し訳ございません。カタリーナの護衛を独断で務めましたこと、如何なる処罰も覚悟しております。ですが、閣下を恋い慕うカタリーナの愛情だけは、どうかお責めになりませんよう、お願い申し上げます」
女騎士の惚れ惚れする姿がそこにあった。
ドグラスは暫し呆然とファロンを見下ろし、低い呟きを返す。
「処罰とか要らん……『閣下を恋い慕うカタリーナの愛情』っていうの、もっと詳しく」
「は!これは旅の途中でカタリーナ本人の口から語られた切実な閣下への恋心でありますが────」
「ファロン!やめて!!」
思ったより、大きな声が出たわ。
「……ファロン、いいの。大丈夫よ。自分で言うから」
「聞きたい聞きたい」
ドグラスが頬を染め、わかりやすく浮かれている。
「二人だけの時に。私にも、恥じらいというものがあるので」
「可愛い……っ」
ドグラスとファロンの声が見事に重なった。
先に切り替えたのはファロンだった。
迅速に起立し背筋を伸ばすと、完全に上官への報告という口調であの話題を切り出した。
「一つ、お耳に入れたい事が。ロヴネル伯爵が妙な動きを」
「何だと?」
ドグラスが一瞬でやや場違いな緊迫感を纏う。
私は少し、疲れを感じて溜息を洩らした。
「あの男、少しおかしいのではないですか?」
ファロンは辛辣だった。
只、ステファンを共通の敵としたことで二人の結束が瞬く間に強まり、まるで長年の主従関係にあるかのような言葉の応酬が始まった。
ステファンが私の父を騙った上で私を家出娘として保護を要請した件を聞くと、ドグラスは言った。
「一線超えたな」
「はい」
「この件、オースルンド伯爵は?」
「それにつきまして、実はチャムレー伯爵が────」
ファロンが全て説明してくれた。
「カタリーナの母君が?……妙だな」
「同意です。併し、まずはお二人が無事にお帰りになられるのが先決かと」
「ああ」
「そして、何かしらの形で発表を」
「だが、喪中だぞ」
「そこですね。あの、思い付きで恐縮ですが」
「言ってみろ」
「カタリーナに別荘を贈る、とか。公式な発表を自粛しようと、二人の愛の巣を確保されたとなれば、もう誰の目から見ても夫婦同然かと」
「ファロン!天才か!!」
恥ずかしくなってきたので、私はドグラスの腕から強引に抜け出し、彼の手にあった大きな図面を奪い取って広げて尋ねた。
「これはなんですか?伯爵」
私は王家の密偵の助手カタリーナ。
遊びに来たわけでも、惚気に来たわけでもない。
「叛乱の件と関係が?」
「閣下。カタリーナが拗ねました」
「違う。照れたんだ」
「そうでしたか」
「ああ」
二人を野放しにしておいてはいけないと、私は気付いた。
「この、星印は?」
私が断固として調査にあたる助手の姿勢を貫くと、ファロンが図面を覗き込み、それから裏面をまじまじと観察し始める。
私も裏返してみた。
「……」
美しくない曲線が不均等に重なり合い、乱れている……図。
「海図ですね」
ファロンは物知りだ。私も知っていたふりで頷いた。
「それはどうでもいいんだ。見ろ。これはこの城の見取り図だが、星印が丁度そこの────」
この後、ドグラスから事の成り行きを聞いた私とファロンは絶句して佇み、予備の鍵が窃盗されゆく一部始終を見守ることとなる。
叛乱は、既に起きていた。
只それは、噂された通りの形ではなかった。
バムフォード城の監獄に、叛乱軍が捕らえられている。
しかもその中に、王家とヴァンパイアの関係を呪いと捉え対抗する為の聖職者が潜んでいる。
「……え、そんな……」
ユーリアにはぎりぎりまで頼らないつもりだった。
併し、状況は遥かに厳しい。ユーリアたちを巻き込むわけにはいかない。そんな状況なのだ。
「オーレリアス卿は優秀な武人だ。能力の上では、本人の言葉通り内々に処理できるだろう。問題は、その鍵が今現在、事態を真逆に捕らえ塔の上で怒り狂っていることだ」
ドグラスがまとめる。
安全か危険かわからない状況。なるほど、その通りだ。
解決の鍵を握る人物。
愛故に幽閉されたカニングハム公爵夫人。
マーガレットを説得しなければならない。
私は咄嗟にファロンを物陰に引きずり込んだ。
チャムレー伯爵のお陰で、私たちは単なる賓客として迎え入れられ、かなり自由に城内を散策していた。
対応にあたった人物が当のバムフォード辺境伯ではなく、その叔父上であったことも幸運だった。チャムレー伯爵が、旅行がてら叛乱の噂が流れて以降の国内の状況を報告すると申し出ただけで歓迎されたのだ。チャムレー伯爵の人徳だろう。
それで御者をそのまま御供に引き連れ、私とファロンは城内をさも興味深そうに見て回り、衛兵や使用人たちにも笑顔で挨拶などされながらあの人を探していた。
そして、見つけた。
「……っ」
胸に込み上げるものがあり、私は壁に身を預け呼吸を整えなければならなかった。
そんな私を見て、ファロンが物陰から顔を出し、事態を確認する。
「カタリーナ。さあ、行って」
「私ひとりで……?」
「私が行ってどうするの。お邪魔はしない。頃合いを見て加わるから、ほら」
「わ、わかったわ……!」
ファロンの袖をぎゅっとにぎり、気合を入れて頷く。ファロンも励ますように強い眼差しで私を見つめて大きく頷いてくれた。
私は物陰から飛び出した。
ドグラスは、大きな図面を見ながら扉の数を数えるような仕草をしている。かなり集中していて、私には気づかない。
私は壁際に身を寄せて小走りで接近した。かなり近くまで距離を詰めると、物音を訝しんだドグラスが図面を胸に抱き込みながら振り向いた。そして、二度見した。
「キティ!?」
もう全力疾走だ。
何か言われる前に彼の胸に飛び込んだ。
「会いたかった……!」
先に言う。
あれこれ言われてしまう前に、まず私の気持ちを伝えてしまえば、この先、何も言えなくなるなんてことにはならないという根拠のない自信があった。
ドグラスは、抱きとめてくれた。
片手を腰に回し、大きな図面を持った方の腕を背中に当てて、抱きしめてくれた。
「来ちゃったか」
怒った様子はない。
それだけで、こんなにも嬉しいなんて……
「待っていられなかったのか?」
甘い声。
胸が切なくなって、言葉が出ない。
私は大きく頷いた。
「仕方ないなぁ、キティは。甘やかしすぎた俺の責任か」
これにも大きく頷いておく。
「一人で来たのか?」
私は首を振った。
「え?じゃあ、連れはどうした?」
「……」
頃合いを見てと言ったファロンは、まだ出てこない。
「……」
「まぁ、いいや。安全だか危険だかわからない状況だから、離れるな」
追い返されなかった。
怒られもしなかった。
いつもと同じように、私を甘やかす声で傍を離れないように言ってくれた。
私はドグラスにぎゅっとしがみついて甘えた。彼の体温が、愛しくてたまらない。
来てよかった……
「なるほど。考えたな」
「?」
口調が変わったので、彼の胸に埋めていた顔をあげてみる。
ドグラスは、真剣な表情で歩いてくるファロンを凝視している。
「私が我儘を言ったの。彼女を責めないで」
咄嗟に弁明を口にすると、ドグラスがやや困ったような笑みを私に向けた。
「責めないよ。長い旅路でキティを守ってくれたんだ。労うに決まってるだろ」
「……!」
いい人である。
そう。〝マルムフォーシュ伯爵〟という王家の密偵は、王国への忠誠心と民への愛を持つ、優しい男性だ。私はもう、それを知っていた。
「約束、破ってごめんなさい」
「違うだろ」
「?」
「『ありがとう、ドグラス』」
「……ありがとう、ドグラス」
「『大好き』」
「……だいす──」
「閣下」
ファロンが跪いた。
「申し訳ございません。カタリーナの護衛を独断で務めましたこと、如何なる処罰も覚悟しております。ですが、閣下を恋い慕うカタリーナの愛情だけは、どうかお責めになりませんよう、お願い申し上げます」
女騎士の惚れ惚れする姿がそこにあった。
ドグラスは暫し呆然とファロンを見下ろし、低い呟きを返す。
「処罰とか要らん……『閣下を恋い慕うカタリーナの愛情』っていうの、もっと詳しく」
「は!これは旅の途中でカタリーナ本人の口から語られた切実な閣下への恋心でありますが────」
「ファロン!やめて!!」
思ったより、大きな声が出たわ。
「……ファロン、いいの。大丈夫よ。自分で言うから」
「聞きたい聞きたい」
ドグラスが頬を染め、わかりやすく浮かれている。
「二人だけの時に。私にも、恥じらいというものがあるので」
「可愛い……っ」
ドグラスとファロンの声が見事に重なった。
先に切り替えたのはファロンだった。
迅速に起立し背筋を伸ばすと、完全に上官への報告という口調であの話題を切り出した。
「一つ、お耳に入れたい事が。ロヴネル伯爵が妙な動きを」
「何だと?」
ドグラスが一瞬でやや場違いな緊迫感を纏う。
私は少し、疲れを感じて溜息を洩らした。
「あの男、少しおかしいのではないですか?」
ファロンは辛辣だった。
只、ステファンを共通の敵としたことで二人の結束が瞬く間に強まり、まるで長年の主従関係にあるかのような言葉の応酬が始まった。
ステファンが私の父を騙った上で私を家出娘として保護を要請した件を聞くと、ドグラスは言った。
「一線超えたな」
「はい」
「この件、オースルンド伯爵は?」
「それにつきまして、実はチャムレー伯爵が────」
ファロンが全て説明してくれた。
「カタリーナの母君が?……妙だな」
「同意です。併し、まずはお二人が無事にお帰りになられるのが先決かと」
「ああ」
「そして、何かしらの形で発表を」
「だが、喪中だぞ」
「そこですね。あの、思い付きで恐縮ですが」
「言ってみろ」
「カタリーナに別荘を贈る、とか。公式な発表を自粛しようと、二人の愛の巣を確保されたとなれば、もう誰の目から見ても夫婦同然かと」
「ファロン!天才か!!」
恥ずかしくなってきたので、私はドグラスの腕から強引に抜け出し、彼の手にあった大きな図面を奪い取って広げて尋ねた。
「これはなんですか?伯爵」
私は王家の密偵の助手カタリーナ。
遊びに来たわけでも、惚気に来たわけでもない。
「叛乱の件と関係が?」
「閣下。カタリーナが拗ねました」
「違う。照れたんだ」
「そうでしたか」
「ああ」
二人を野放しにしておいてはいけないと、私は気付いた。
「この、星印は?」
私が断固として調査にあたる助手の姿勢を貫くと、ファロンが図面を覗き込み、それから裏面をまじまじと観察し始める。
私も裏返してみた。
「……」
美しくない曲線が不均等に重なり合い、乱れている……図。
「海図ですね」
ファロンは物知りだ。私も知っていたふりで頷いた。
「それはどうでもいいんだ。見ろ。これはこの城の見取り図だが、星印が丁度そこの────」
この後、ドグラスから事の成り行きを聞いた私とファロンは絶句して佇み、予備の鍵が窃盗されゆく一部始終を見守ることとなる。
叛乱は、既に起きていた。
只それは、噂された通りの形ではなかった。
バムフォード城の監獄に、叛乱軍が捕らえられている。
しかもその中に、王家とヴァンパイアの関係を呪いと捉え対抗する為の聖職者が潜んでいる。
「……え、そんな……」
ユーリアにはぎりぎりまで頼らないつもりだった。
併し、状況は遥かに厳しい。ユーリアたちを巻き込むわけにはいかない。そんな状況なのだ。
「オーレリアス卿は優秀な武人だ。能力の上では、本人の言葉通り内々に処理できるだろう。問題は、その鍵が今現在、事態を真逆に捕らえ塔の上で怒り狂っていることだ」
ドグラスがまとめる。
安全か危険かわからない状況。なるほど、その通りだ。
解決の鍵を握る人物。
愛故に幽閉されたカニングハム公爵夫人。
マーガレットを説得しなければならない。
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