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emitte lucem et veritatem
quattuordecim
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腕の中の消えていこうとするものに、必死に何度も呼びかけた。
いきなり、目の前の景色が変わり、状況を把握できずに呆然とする。ゆっくりと視線を動かし、辺りを確認するとそれが自分の部屋なのだということを認識する。
まだ混乱が残る頭で、自分が置かれている状況を考える。そして、部屋のベッドへ横たわっていることを理解すると、少しだけ安堵した。
嫌な夢を見ていた。それは、斎が怪我をして病院へと運ばれるというものだった。そんな馬鹿なことがある訳が無いと思いながら、上半身を起こした。そして、手のひらを見る。ほら、夢だ。そう自分に言い聞かせ、なんて馬鹿な夢を見たのかと思う。だが、身体に残る妙に生々しい感触が、嫌でも不安に駆り立てる。
そんな事があるわけがない。自分の中にある不安をかき消そうと、何度もそう呟いた。
ああ、そうだ。学校へ行けば、斎が居るはずだ。そう考え、ベッドから抜け出し机へと向かう。準備をしようと思い、机の前に立つと、携帯が光を点滅させていた。
そういえば、昨夜は斎に就寝のメールを送った記憶が無い。もしかして不審に思いメールを送ってくれたのだろうか。そう考えながら、携帯を手に取った。
送信者は予想に反して、斎ではなく神楽からであった為、天弥は軽く肩を落として落胆の表情を浮かべた。そして、神楽からのメールを開く。
目に飛び込んできた文章に、手が震えだし、携帯が床へと落ちる音が室内に響いた。続いて全身が震えだし、身体を支える事が出来ずにその場に力なく座り込む。メールには、斎の容態について書かれていた。
背中に二ヶ所、左腕に一ヶ所、酷い傷があり縫合をしたこと、昨夜から少し発熱が続いていることが書かれていた。
手を伸ばし、携帯を拾い上げる。もう一度、画面へと視線を向け、先ほどのは見間違いであることを確認しようとする。
だが、何度読み返してみても、文章が変わる事はなく、心拍数が激しく上がる。最後に、心配は無い旨が記されていたが、今の天弥にとってそれは、不安を和らげるものではなかった。
徐々に記憶が明らかになっていく。何が起こったのかはまったく分からなかった。斎の背後で、その背中を見ながら会話を聞いていただけだった。会話の様子から、斎とその相手との関係は嫌でも理解できた。だが、斎はあの時、ハッキリと自分を選んでくれた。ダメだとは思っても、嬉しくて仕方がなかったのだ。そして、そんな事を考えたから、罰があたったのだろうかと、激しい罪過にさいなまれる。
突然、強く抱きしめられ、動きも視界も塞がれた。斎の鼓動と体温を感じているだけで、自分がその腕や身体に守られているなど、気がつきもしなかった。
「せん……せ……」
唇が僅かに動き、斎を呼ぶ。自分など放り出して、逃げれば良かったのだ。そうすれば斎は無事だったはずだ。そして、異変に気がつきもしなかった自分の鈍さに、苛立ちを覚える。
手を伸ばし、机を支えにしながら立ち上がった。斎の傍に居たい。それが駄目だとしても、一目だけでもその姿を見たい。その想いだけが、今の天弥を動かしていた。
いきなり、目の前の景色が変わり、状況を把握できずに呆然とする。ゆっくりと視線を動かし、辺りを確認するとそれが自分の部屋なのだということを認識する。
まだ混乱が残る頭で、自分が置かれている状況を考える。そして、部屋のベッドへ横たわっていることを理解すると、少しだけ安堵した。
嫌な夢を見ていた。それは、斎が怪我をして病院へと運ばれるというものだった。そんな馬鹿なことがある訳が無いと思いながら、上半身を起こした。そして、手のひらを見る。ほら、夢だ。そう自分に言い聞かせ、なんて馬鹿な夢を見たのかと思う。だが、身体に残る妙に生々しい感触が、嫌でも不安に駆り立てる。
そんな事があるわけがない。自分の中にある不安をかき消そうと、何度もそう呟いた。
ああ、そうだ。学校へ行けば、斎が居るはずだ。そう考え、ベッドから抜け出し机へと向かう。準備をしようと思い、机の前に立つと、携帯が光を点滅させていた。
そういえば、昨夜は斎に就寝のメールを送った記憶が無い。もしかして不審に思いメールを送ってくれたのだろうか。そう考えながら、携帯を手に取った。
送信者は予想に反して、斎ではなく神楽からであった為、天弥は軽く肩を落として落胆の表情を浮かべた。そして、神楽からのメールを開く。
目に飛び込んできた文章に、手が震えだし、携帯が床へと落ちる音が室内に響いた。続いて全身が震えだし、身体を支える事が出来ずにその場に力なく座り込む。メールには、斎の容態について書かれていた。
背中に二ヶ所、左腕に一ヶ所、酷い傷があり縫合をしたこと、昨夜から少し発熱が続いていることが書かれていた。
手を伸ばし、携帯を拾い上げる。もう一度、画面へと視線を向け、先ほどのは見間違いであることを確認しようとする。
だが、何度読み返してみても、文章が変わる事はなく、心拍数が激しく上がる。最後に、心配は無い旨が記されていたが、今の天弥にとってそれは、不安を和らげるものではなかった。
徐々に記憶が明らかになっていく。何が起こったのかはまったく分からなかった。斎の背後で、その背中を見ながら会話を聞いていただけだった。会話の様子から、斎とその相手との関係は嫌でも理解できた。だが、斎はあの時、ハッキリと自分を選んでくれた。ダメだとは思っても、嬉しくて仕方がなかったのだ。そして、そんな事を考えたから、罰があたったのだろうかと、激しい罪過にさいなまれる。
突然、強く抱きしめられ、動きも視界も塞がれた。斎の鼓動と体温を感じているだけで、自分がその腕や身体に守られているなど、気がつきもしなかった。
「せん……せ……」
唇が僅かに動き、斎を呼ぶ。自分など放り出して、逃げれば良かったのだ。そうすれば斎は無事だったはずだ。そして、異変に気がつきもしなかった自分の鈍さに、苛立ちを覚える。
手を伸ばし、机を支えにしながら立ち上がった。斎の傍に居たい。それが駄目だとしても、一目だけでもその姿を見たい。その想いだけが、今の天弥を動かしていた。
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