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奥様
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「梨衣子ちゃん、ちょっといいかな?」
「あっ、はい」
自室に入ろうとしたら、類さんから声がかかった。
「申し訳ないんだが、今度会社のパーティーがあってね。それで夫婦で出席をお願いされて」
「えっ!?パーティー?」
そんなの、出たことないよ!
「あの、なんとかお断りとかって…」
「実は数回既に断ってたんだけだ、流石にもう…、一度出ればまぁしばらくは出ないで大丈夫そうだし、悪いけど1日付き合って欲しいんだけど」
戸籍上は妻なのは確かだから、やっぱり行かないとなのかな?
凄い嫌だけど
「類さんもお困りだと思うので、出席します」
と言うと
「ほんとに助かる。ありがとう」
と、笑顔で返された
イケメンの笑顔は眩しいな…
にしても、パーティーなんか出たことないから…
「パーティーで何か知っとかないといけないことありますか?」
「特にない…といいたいけど、大事なのは俺から離れないこと。あとは何か聞かれてもそうですか、とか俺に聞かないとみたいな流しでやってほしい」
「わかりました」
「あと、これ」
と、渡されたのは結婚指輪だった。
式も指輪交換すらしてないので、結婚指輪がなかった。
「当日はこれつけといて」
「はい。」
あ、あれ?ぴったりだ…
サイズ言ったけ?
パーティー当日
私は着たこともないドレスを着て、パーティーに参加した。
こんな背中あいたドレスなんか着たことないよ。
まぁ、脚が全部隠れてるのはいいとしてしかもワインレッドの色って…、こんな色普段の服でも着たことない。
「私にあってるんでしょうか?」
着替え終わってみせると
「梨衣子ちゃん、かわいいよ」
ほんとかな?
「とらあえず、夫婦らしくいくからよろしくね」
と言われ、腰に手をおかれる
ひっ!?まじか?
「奥様ですか?」
知らんおじさんがきて、類さんに挨拶して、私を見て言う
「はじめまして。妻の梨衣子です」
「可愛らしい奥様ですね」
はぁ、適当に褒めるにはちょうどいい台詞だな。
適当に相槌をして、また知らないおじさんに挨拶。
もうそれな繰り返し。
もう少し料理と飲み物とか手に取れると思ったのに全くだな。
ただの挨拶するだけで、全く楽しくない。
疲れるな…
「梨衣子ちゃん、大丈夫?」
「…あっ」
一瞬ぼーとしてしまった。
「えっと、次は?」
「ああ、とりあえずここで休んでて、あの人だけ挨拶してくるから」
フッー
ほんと、疲れるな。
「奥様、お疲れですか?」
「あっ」
えっと、さっき挨拶した1人だったな。
「あ、はい。」
類さんと同じくらいの男性で、少し日本人離れした顔の人だった。
「こういう場は、何度経験しても疲れますよね」
「…いえ、私が馴染めないだけなんで」
「確か、徳田様とはお父様同士が取引先のとしてのお付き合いで紹介されたと伺いましたが」
遠回しに政略結婚と言ってるわけね
「あっ、すいません。喉が乾いてしまって、飲み物取ってきます」
会釈してその場を離れた。
はい、そうです!と言えるわけないでしょ!解ってて聞くのか?
あっ、しまった。
飲み物探して歩いたら、完璧に類さん見失った。
どうしよう…
これだけ人いるし、参ったな…
迷ったら、ここで待ち合わせるとか決めとけばよかった。
スマホあるから、掛ければ…
…番号知ってたっけ?
参ったな…
あまりにも興味がなさすぎて、スマホの番号すら知らない。
とりあえず、ウロウロしてもよくないのにいるか
…
やばい30分たってる。
パーティーもそろそろ終わる雰囲気。
完璧な迷子になってしまった。
もしかして、意外に探してないかも…
家には帰れるわけだし、最悪帰ればいっか!でもいいのかも…
だったら、もう帰っちゃおう。
出入り口を探して、向かったとき
「えっ?」
腕を掴まれた
「どこいってたの?」
「あっ」
そこには類さんが居て
もしかして、探してくれた?
「あっ飲み物欲しくって行ったら、類さん見えなくなっちゃって」
「ビックリしたよ。振り向いたらいないんだもん」
「ご、ごめんなさい」
「いや、見つかったんならよかった」
と、笑顔。
こういうときは、本来怒られるんだろうか?
類さんはニコニコして
「まぁ、もう終わるし、あと5分くらいしたら帰りましょう」
「はい」
「梨衣子ちゃん、今日はありがと」
「いえ、はぐれちゃてすいません」
家に着いて、自室に入る前に1言言ってくれた。
今日初めて類さんの車に乗ったけど、こんな車に乗ってたんだと思ってしまって、あまりにも知らなすぎてることに驚いてる。
「あ、あの類さん」
「ん?」
「よかったらいいんですが、スマホの連絡先だけ教えてもらってもいいですか?今日みたいにはぐれたとき連絡したいけど、出来なかった」
「あー、なるほど。」
と言ってお互い連絡先を交換した。
「じゃ、おやすみ。本当に今日はありがとう」
お互い自室に入った。
「あっ、はい」
自室に入ろうとしたら、類さんから声がかかった。
「申し訳ないんだが、今度会社のパーティーがあってね。それで夫婦で出席をお願いされて」
「えっ!?パーティー?」
そんなの、出たことないよ!
「あの、なんとかお断りとかって…」
「実は数回既に断ってたんだけだ、流石にもう…、一度出ればまぁしばらくは出ないで大丈夫そうだし、悪いけど1日付き合って欲しいんだけど」
戸籍上は妻なのは確かだから、やっぱり行かないとなのかな?
凄い嫌だけど
「類さんもお困りだと思うので、出席します」
と言うと
「ほんとに助かる。ありがとう」
と、笑顔で返された
イケメンの笑顔は眩しいな…
にしても、パーティーなんか出たことないから…
「パーティーで何か知っとかないといけないことありますか?」
「特にない…といいたいけど、大事なのは俺から離れないこと。あとは何か聞かれてもそうですか、とか俺に聞かないとみたいな流しでやってほしい」
「わかりました」
「あと、これ」
と、渡されたのは結婚指輪だった。
式も指輪交換すらしてないので、結婚指輪がなかった。
「当日はこれつけといて」
「はい。」
あ、あれ?ぴったりだ…
サイズ言ったけ?
パーティー当日
私は着たこともないドレスを着て、パーティーに参加した。
こんな背中あいたドレスなんか着たことないよ。
まぁ、脚が全部隠れてるのはいいとしてしかもワインレッドの色って…、こんな色普段の服でも着たことない。
「私にあってるんでしょうか?」
着替え終わってみせると
「梨衣子ちゃん、かわいいよ」
ほんとかな?
「とらあえず、夫婦らしくいくからよろしくね」
と言われ、腰に手をおかれる
ひっ!?まじか?
「奥様ですか?」
知らんおじさんがきて、類さんに挨拶して、私を見て言う
「はじめまして。妻の梨衣子です」
「可愛らしい奥様ですね」
はぁ、適当に褒めるにはちょうどいい台詞だな。
適当に相槌をして、また知らないおじさんに挨拶。
もうそれな繰り返し。
もう少し料理と飲み物とか手に取れると思ったのに全くだな。
ただの挨拶するだけで、全く楽しくない。
疲れるな…
「梨衣子ちゃん、大丈夫?」
「…あっ」
一瞬ぼーとしてしまった。
「えっと、次は?」
「ああ、とりあえずここで休んでて、あの人だけ挨拶してくるから」
フッー
ほんと、疲れるな。
「奥様、お疲れですか?」
「あっ」
えっと、さっき挨拶した1人だったな。
「あ、はい。」
類さんと同じくらいの男性で、少し日本人離れした顔の人だった。
「こういう場は、何度経験しても疲れますよね」
「…いえ、私が馴染めないだけなんで」
「確か、徳田様とはお父様同士が取引先のとしてのお付き合いで紹介されたと伺いましたが」
遠回しに政略結婚と言ってるわけね
「あっ、すいません。喉が乾いてしまって、飲み物取ってきます」
会釈してその場を離れた。
はい、そうです!と言えるわけないでしょ!解ってて聞くのか?
あっ、しまった。
飲み物探して歩いたら、完璧に類さん見失った。
どうしよう…
これだけ人いるし、参ったな…
迷ったら、ここで待ち合わせるとか決めとけばよかった。
スマホあるから、掛ければ…
…番号知ってたっけ?
参ったな…
あまりにも興味がなさすぎて、スマホの番号すら知らない。
とりあえず、ウロウロしてもよくないのにいるか
…
やばい30分たってる。
パーティーもそろそろ終わる雰囲気。
完璧な迷子になってしまった。
もしかして、意外に探してないかも…
家には帰れるわけだし、最悪帰ればいっか!でもいいのかも…
だったら、もう帰っちゃおう。
出入り口を探して、向かったとき
「えっ?」
腕を掴まれた
「どこいってたの?」
「あっ」
そこには類さんが居て
もしかして、探してくれた?
「あっ飲み物欲しくって行ったら、類さん見えなくなっちゃって」
「ビックリしたよ。振り向いたらいないんだもん」
「ご、ごめんなさい」
「いや、見つかったんならよかった」
と、笑顔。
こういうときは、本来怒られるんだろうか?
類さんはニコニコして
「まぁ、もう終わるし、あと5分くらいしたら帰りましょう」
「はい」
「梨衣子ちゃん、今日はありがと」
「いえ、はぐれちゃてすいません」
家に着いて、自室に入る前に1言言ってくれた。
今日初めて類さんの車に乗ったけど、こんな車に乗ってたんだと思ってしまって、あまりにも知らなすぎてることに驚いてる。
「あ、あの類さん」
「ん?」
「よかったらいいんですが、スマホの連絡先だけ教えてもらってもいいですか?今日みたいにはぐれたとき連絡したいけど、出来なかった」
「あー、なるほど。」
と言ってお互い連絡先を交換した。
「じゃ、おやすみ。本当に今日はありがとう」
お互い自室に入った。
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