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渦中の人物
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「シーザー!? 何故止める!」
「王女殿下の居場所を聞き出す前に殺してはなりません! どうぞ落ち着いてください!」
こんな屑を始末しようとも一向に構わないが、王女の居場所を知っているのはこいつしかいない。血走った目の子爵をシーザーは必死に宥めた。
「ダニエル様! 王女殿下は何処ですか!?」
子爵に殴られ血塗れのダニエルを揺する。
すると呻くような声でとんでもない発言を繰り出した。
「知らない……。あの女達が王女を始末してくれると言うから任せただけだ……」
「はあ!? ふざけている場合ですか! 殿下を攫った女達は何処の者ですか!?」
「だから……本当に知らないんだ! あの女達はたまたま街で会った異国の商人だ。何処の国の者かも知らない……!」
「なんですかそれ……。貴方はどこの誰とも知らない相手に王女殿下を始末させようとしたのですか……? 狂っている……」
初対面の他人に婚約者の始末を頼むなど頭がどうかしている。
馬鹿だとは思っていたがここまで頭がおかしいとは思っていなかった。
「……っ!! ギルバート様、急ぎ騎士団総出で領内の捜索を! まだ遠くには行っていないと思いますので近辺をくまなく探せばきっと見つかります!」
ここで馬鹿を責め続けても事態は好転しないと考えたシーザーは大規模な捜索を提案した。王女がいなくなってからそう時間は経っていない。近隣をしらみつぶしに探せば見つかる可能性は高い。
「……しかし、そんなことをすれば王女殿下が誘拐されたことが知られてしまい……殿下は”傷物”と見做されてしまう!」
子爵が躊躇したのは王女の名誉に配慮したからだ。
未婚の淑女が誘拐されたとなれば、もう純潔ではない“傷物”と見做される。
そうなればもうは何処にも嫁げない。傷物とされた淑女は修道院へ行く以外の道が閉ざされてしまう。
「ですが、このままですと殿下のお命が危険です!」
「う、む……」
最早一刻の猶予もない、と急かすシーザーに子爵は重々しく頷いた。
今は王女の命を救う事が最優先だと。
「……分かった。急いで騎士団を動かそう」
「いえ、その必要はないわ」
急に聞こえてきた鈴を鳴らすような可憐な声。
驚いたシーザーと子爵が周囲を見渡すと、そこに有り得ない人物が立っていた。
「お……王女殿下?」
視線の先にいたのは攫われたはずの王女、ジュリアーナであった。
攫われた時の服装のまま、堂々とした姿勢でそこに立っている。
「王女殿下の居場所を聞き出す前に殺してはなりません! どうぞ落ち着いてください!」
こんな屑を始末しようとも一向に構わないが、王女の居場所を知っているのはこいつしかいない。血走った目の子爵をシーザーは必死に宥めた。
「ダニエル様! 王女殿下は何処ですか!?」
子爵に殴られ血塗れのダニエルを揺する。
すると呻くような声でとんでもない発言を繰り出した。
「知らない……。あの女達が王女を始末してくれると言うから任せただけだ……」
「はあ!? ふざけている場合ですか! 殿下を攫った女達は何処の者ですか!?」
「だから……本当に知らないんだ! あの女達はたまたま街で会った異国の商人だ。何処の国の者かも知らない……!」
「なんですかそれ……。貴方はどこの誰とも知らない相手に王女殿下を始末させようとしたのですか……? 狂っている……」
初対面の他人に婚約者の始末を頼むなど頭がどうかしている。
馬鹿だとは思っていたがここまで頭がおかしいとは思っていなかった。
「……っ!! ギルバート様、急ぎ騎士団総出で領内の捜索を! まだ遠くには行っていないと思いますので近辺をくまなく探せばきっと見つかります!」
ここで馬鹿を責め続けても事態は好転しないと考えたシーザーは大規模な捜索を提案した。王女がいなくなってからそう時間は経っていない。近隣をしらみつぶしに探せば見つかる可能性は高い。
「……しかし、そんなことをすれば王女殿下が誘拐されたことが知られてしまい……殿下は”傷物”と見做されてしまう!」
子爵が躊躇したのは王女の名誉に配慮したからだ。
未婚の淑女が誘拐されたとなれば、もう純潔ではない“傷物”と見做される。
そうなればもうは何処にも嫁げない。傷物とされた淑女は修道院へ行く以外の道が閉ざされてしまう。
「ですが、このままですと殿下のお命が危険です!」
「う、む……」
最早一刻の猶予もない、と急かすシーザーに子爵は重々しく頷いた。
今は王女の命を救う事が最優先だと。
「……分かった。急いで騎士団を動かそう」
「いえ、その必要はないわ」
急に聞こえてきた鈴を鳴らすような可憐な声。
驚いたシーザーと子爵が周囲を見渡すと、そこに有り得ない人物が立っていた。
「お……王女殿下?」
視線の先にいたのは攫われたはずの王女、ジュリアーナであった。
攫われた時の服装のまま、堂々とした姿勢でそこに立っている。
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