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婚約の内容②
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「はあ……オレガノ伯爵夫妻、子息はどうやらこの婚約の意味を理解していないようですよ? 陛下、僭越ながら私の方で今一度説明させて頂いてよろしゅうございますか?」
「よい、許す」
呆れたお兄様が今一度この婚約の意味を説明してくれるようです。
「オレガノ伯爵子息、先ほど夫人が仰った通り我が妹のアリスティアは君と婚姻を結んだ後、公妾として王宮に入る予定だ。公妾は一度誰かの妻とならねば成し得ない身、それで選ばれたのが君なんだよ」
「な、なんで僕が……」
あら、ラウロ様ったら一人称が戻ってますよ? そんなに衝撃的な話でしたの?
「何でって、君が丁度良かったからだよ。我が国の法律上、どうしても公妾は世継ぎを作らぬ男と形上の夫婦となる必要がある。君は平民の女に夢中で貴族女性に見向きもしなかっただろう? だから丁度良かったんだよ」
「ば、馬鹿な……世継ぎを作らないなんて言ってない!」
「え? ないだろう。だって平民との間に作った子じゃ世継ぎにならないぞ? 普通の貴族子息は妻に貴族女性を選ぶし、その妻との間に世継ぎを作る。でも君にその気はなかったじゃないか? さっきだってその女と真実の愛で結ばれてるーと叫んでいたじゃないか」
「い、いや……それは……」
ラウロ様と平民の女性が人目もはばからずに逢瀬を繰り返していたのは社交界では有名でしたよ?
だから『世継ぎを作る気なし』とみなされ、公妾となる私と婚約が成立したんですよ。
「だっ……だが、それでは誰の子がオレガノ伯爵家を継ぐんだ? まさかアリスティアと陛下の子が……? だがそれではオレガノ伯爵家の血は一滴も入っていないことに……」
「そんなわけないだろう? それではお家の乗っ取りになってしまう。オレガノ伯爵家は公爵家に嫁いだ君の姉君の次男が継ぐと聞いているが?」
「えっ……? 姉上の……?」
唖然とするラウロ様にオレガノ伯爵が呆れた顔で説明をしました。
「はあー……この話もしたはずだぞ? お前は本当に何も聞いちゃいないんだな……。お前の妻は書類上だけとはいえアリスティア様だ。だが陛下の公妾になられるアリスティア様にお前が触れることは断じて認められん。なのでお前の甥を次期当主とする」
「そんな……。あ、なら、僕がアリスティア以外の令嬢と子を作れば……」
「アリスティア様が書類上妻となっているので、それ以外の女性との子は全て庶子になる。我が国では庶子に継承権はない。よってお前が誰と子を作ろうが、その子が当家の世継ぎとなることはない」
「そ、そんな……」
ラウロ様が絶望の眼差しで伯爵を見ております。
しかし伯爵はゴミを見るかのような目を向けていますね。
無理もないです。どうしてこんな貴族の初歩的なことすら知らないのでしょうか?
我が国の貴族なら誰でも知っていることですわよ?
「よい、許す」
呆れたお兄様が今一度この婚約の意味を説明してくれるようです。
「オレガノ伯爵子息、先ほど夫人が仰った通り我が妹のアリスティアは君と婚姻を結んだ後、公妾として王宮に入る予定だ。公妾は一度誰かの妻とならねば成し得ない身、それで選ばれたのが君なんだよ」
「な、なんで僕が……」
あら、ラウロ様ったら一人称が戻ってますよ? そんなに衝撃的な話でしたの?
「何でって、君が丁度良かったからだよ。我が国の法律上、どうしても公妾は世継ぎを作らぬ男と形上の夫婦となる必要がある。君は平民の女に夢中で貴族女性に見向きもしなかっただろう? だから丁度良かったんだよ」
「ば、馬鹿な……世継ぎを作らないなんて言ってない!」
「え? ないだろう。だって平民との間に作った子じゃ世継ぎにならないぞ? 普通の貴族子息は妻に貴族女性を選ぶし、その妻との間に世継ぎを作る。でも君にその気はなかったじゃないか? さっきだってその女と真実の愛で結ばれてるーと叫んでいたじゃないか」
「い、いや……それは……」
ラウロ様と平民の女性が人目もはばからずに逢瀬を繰り返していたのは社交界では有名でしたよ?
だから『世継ぎを作る気なし』とみなされ、公妾となる私と婚約が成立したんですよ。
「だっ……だが、それでは誰の子がオレガノ伯爵家を継ぐんだ? まさかアリスティアと陛下の子が……? だがそれではオレガノ伯爵家の血は一滴も入っていないことに……」
「そんなわけないだろう? それではお家の乗っ取りになってしまう。オレガノ伯爵家は公爵家に嫁いだ君の姉君の次男が継ぐと聞いているが?」
「えっ……? 姉上の……?」
唖然とするラウロ様にオレガノ伯爵が呆れた顔で説明をしました。
「はあー……この話もしたはずだぞ? お前は本当に何も聞いちゃいないんだな……。お前の妻は書類上だけとはいえアリスティア様だ。だが陛下の公妾になられるアリスティア様にお前が触れることは断じて認められん。なのでお前の甥を次期当主とする」
「そんな……。あ、なら、僕がアリスティア以外の令嬢と子を作れば……」
「アリスティア様が書類上妻となっているので、それ以外の女性との子は全て庶子になる。我が国では庶子に継承権はない。よってお前が誰と子を作ろうが、その子が当家の世継ぎとなることはない」
「そ、そんな……」
ラウロ様が絶望の眼差しで伯爵を見ております。
しかし伯爵はゴミを見るかのような目を向けていますね。
無理もないです。どうしてこんな貴族の初歩的なことすら知らないのでしょうか?
我が国の貴族なら誰でも知っていることですわよ?
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