侯爵令嬢アリスティアの愛する人

わらびもち

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番外編

そうか、因果応報だな(国王視点)

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 アリスティアを夜会で襲ったという小僧……確かペッパー伯爵家の次男だったか。
 
 あの時はその話を聞いて腸が煮えくり返った。
 余が自ら処刑してやりたかったが、それをする前に既にオスカーがその小僧を処分していたと聞き断念した。
 仕事が早すぎるぞオスカー。

 だが結果的にオスカーが内々で処分してくれて助かった。
 余が騒げばアリスティアの名誉に傷がついてしまうところであった。

 アリスティアのこととなるとどうも冷静でいられない。
 小僧を処刑せよと騒ぎかけてソフィア王妃にも叱られた。
 もっと考えて動け、と。
 賢王と謳われようがアリスティアのこととなると恋に溺れた情けない男でしかない、と。

 かなり辛辣な言葉だがその通りだ。
 取り乱して感情的になった自分が情けない。

「そうか、か」

 オスカーは小僧を祖母くらい年上の女の後添えにしたと聞く。
 小僧はそこから一生出られないのでアリスティアに会うことは二度とないと。

 どこからそんな縁談を持ってこれるのか、オスカーの人脈には恐れ入る。
 オレガノ伯爵子息にあてがった異国の女もオスカーが見つけてくれたしな。

「ええ、その方は新しい夫と仲睦まじくしているようで、父に感謝しておりました。初めの頃はぎこちなかったようですが、父が贈ったを飲むうちに打ち解けたそうですよ」

 とは媚薬の隠語じゃないか。
 あの小僧、媚薬使われてるのか。
 しかも毎晩か……お盛んな女性だな。

 そうか、自分が女性を襲った罰として、今度は自分が女性に襲われているのか。
 因果応報だな正に。

「そうか、それは

「ええ、夫婦が仲睦まじいのは

 アリスティアはオレガノ伯爵子息のことは心配するのに、あの小僧のことは心底嫌悪しているのだな。

 オレガノ伯爵子息も其方に邪な想いを抱き口付けを迫ったのだが、どうやら気にしていないようだ。
 ならばあの子息にはこのままアリスティアの書類上の夫として役目を果たしてもらわないとな。

 あの異国の女に溺れ、アリスティアに邪念を抱かないのであればそれでよい。


 
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