知力99の美少女に転生したので、孔明しながらジャンヌ・ダルクをしてみた

巫叶月良成

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第5章 帝国決戦

第54話 和平交渉5・女神裁判

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 講和会議の席は今、沈黙に包まれていた。

 いや、約1名。
 周囲の反応を無視してべらべらと舌を動かす人物が、いた。

「うわー、てか反応なさすぎ? もうちょっと驚いてくれてもいいんじゃないのかなー? はわわ、これが女神様! 神々しすぎて思わず平伏してしまう! もう好きにして! とかさー! ねー、アッキーとかコーヤくんとか知らない間がらじゃないわけだし。ちょっと寂しかったりー」

 この馴れ馴れしいしゃべり方。
 このうざったらしい感じ。

 間違いようがない。
 姿こそ違えど、あの女神だ。
 俺が夢の中で会っていた、あの女神。

 それがこの現実の世界で、さらに俺以外の人間の前に現れた。

「本当に、あの女神なのか?」

 嘘だと言ってほしくて、そして確かめるように、俺は聞いていた。

「それ以外の何に見えるのかなー、アッキーは? それじゃあこう……胸とか触ってみる?」

「ば、馬鹿言うな!」

「え? もしかして他の女ができたって言うの? だとしたら、浮気ってこと!? わたしとの関係は遊びだったってことね!」

「ジャンヌ・ダルク……何をふざけているのですか? 怒りますよ?」

 煌夜がめっちゃにらみつけてきた。
 だから違うっての!

「つかアッキーには気づいてほしかったなー。わたしがパルルカ神様だってこと」

「は? なんで俺だよ」

「え? 知らないの? ほら、ローマ神話に出てくるでしょ。パルカって運命の女神が。パルカ、パルーカ、パルルカ、ね? 簡単でしょ?」

「分かるか!」

 なんだ、その小学生のトンチみたいなの。
 大体俺は東洋史専門なんだよ。

「そもそもお前、転生の女神じゃないのかよ。何が運命の女神だ」

「いやいや、生命の誕生、そして死。それらは全て運命の輪に組み込まれた世界のことわりでしょう? その死んだ生命を再び転生という形で誕生させているわけだから、わたしは転生の女神であり、運命の女神でもあるってことじゃない?」

 どんだけ我田引水の強引理論だよ。
 つかこいつが運命だろうが転生の女神だろうがどうでもいい。

 問題はこいつがここにいるということ。

 正直、見た目は煌夜の連れ合いの蒼月麗明にしか見えないわけだが、声は、中身はまさにあの女神。

 まさか元からこんな性格だったわけではないことは、煌夜の本気の怒りが証明している。

「それより答えなさい。麗明をどこにやったんですか?」

「えー? どこもなにも、ここにいるじゃない? わたしよ、わ・た・し。わたしが蒼月麗明よ?」

「ふざけないでいただけますか? 麗明がそんな頭の悪い喋り方をするわけがない。何より彼女は声が出せないのですよ」

「いやーん、信じてーコーヤー。なんならあの話をしようか? 小学生の、4年生かな。煌夜が泣きついてきた夜のこと」

「っ! どうしてそのことを!」

「だーかーらー、言ってるじゃん。わたしが麗明よ。ま、正確には彼女の体をお借りしてこうやって喋ってるんだけど。喋れない? そんなもの、設定をちょちょいといじればなんてことないんだよねー。ほらほら、コーヤくんが望んでいた蒼月麗明ちゃんの素敵ボイスだよ? しっかり堪能しないと。ね? コーヤくん、大好き」

 つまり体を乗っ取ったってことか。
 なんでもありだな、こいつ。

「出て行け、悪魔」

 負の感情を表に現した表情で煌夜は、蒼月麗明――いや、女神に噛みつく。
 殺意をみなぎらせていた相手に、最愛の人を奪われ、あまつさえ望んでいた彼女の声もこうも簡単に修復されてしかも悪用されるというのだから。それも致し方ないだろう。

「ま、ひっどーい。自分の彼女を悪魔呼ばわりだなんて」

「麗明ではなく、お前に言ってるんですよ。クソ女神」

「うんうん、いいねいいね。ようやくコーヤくんの堅さがほぐれてきたところで、さてさて、それではそろそろ本番に移ろうかにゃー?」

 煌夜の殺意もなんのその。
 女神は立ち上がると、俺たちの周りをうろつくように、いつも通りのテンションで、いつも通りに自分の好き勝手に話を始める。

「さてさて、今まで好き勝手推論を口論していたわけだけど、そんな被告もいない欠席裁判で一方的に信じられてもなぁ、って感じ? 弁護側は被告の無罪を主張します!」

「ふざけないでいただきたい。こちらには証拠もあります」

「えー? 証拠って何のことー? 検察側はしっかりとした証拠の提出をしてください」

「証拠はパルルカ教ですよ。かの教典にある文章と各地にある遺跡の文献を照らし合わせて――」

「は? だからそれがなんで証拠になるの? 我田引水の確証バイアスかかりまくりの色眼鏡で見た文献かなんかが証拠? そんなものあんたが勝手に捏造なり改ざんなりできる代物でしょ。それを一方的に押し付けてこっちを悪者にしようなんて。裁判なめてんじゃないわよ」

 はっきりと言い切る女神のすごみに、俺を含め誰もが息をのむ。
 てゆうかいつの間にか裁判にされてしまった。

「改ざんなどしない。する必要がないんですからね。しかも別の角度から検証した張人の意見もある。それなのに、ふざけたことをぬかさないでいただきたい!」

 煌夜が立ち上がり、身を乗り出して抗弁する。
 だがそれも、女神には暖簾に腕押しだった。

「いやーん、コーヤくんこわーい。……で? それがどうしたって? さっきからコーヤくんは、正しいから信じろの一点張りだけど。それがなんの証明になるのかな? 裁判に必要なのは公平で客観的視点での考察だって習わなかった?」

 こいつが公平とか、へそで茶を沸かす話だが、確かに煌夜のやってることは女神が言った通り。
 証拠の真実味が薄れると、一気に立場は弱くなる。

「てかコーヤくんって、頭いい人キャラのわりには、結構詰めが甘いよねー」

「貴様っ!」

 まさに立ち上がり、蒼月麗明につかみかかろうとする煌夜の声がそこで止まる。
 達臣がキャソックの袖を引っ張ったのだ。

「煌夜、落ち着いてくれ」

 達臣の真摯な願いと視線にさらされ、煌夜の怒りが収まっていくのが分かる。

「……ああ、悪かった」

 つぶやき、再び椅子に腰をどかりと据える。

「あららー、そこでクールになれるだなんて。いいお友達を持ったわね、コーヤくん」

 友達、か。
 確かに今のは煌夜を案じての達臣の行動だ。
 そこに少しの嫉妬を覚えないでもないけど、いや、今はそんなことを考えてる場合じゃない。

「うーん、じゃあそうだね。検察側の証拠の正当性について、裁判官に判断してもらおうかな? ね、アッキーはどう思う?」

「お、俺!?」

 まさか俺に振られるとは思わず、不意を突かれた。
 てか裁判官って……。まぁ煌夜の意見を受け入れるのか、それとも反証を認めるのかという立場的にはその通りだけど。

 全員の視線が俺に集まる。

 うぅ、くそ。不意打ちに近い形でまともに思考が整わないぞ。

 少し整理しよう。
 煌夜は女神が復活し、この世界を破壊して俺たちをも殺そうとしているという。
 証拠はパルルカ教の教典と、各地の伝承。

 女神についてはそんな証拠は偽物だと反論。
 煌夜側はその反論に明確な答えはなく、議論は膠着。

 果たしてどちらが正しいか。

 ……いや、違うな。
 正しいとかはこの際どうでもいいのかもしれない。
 女神が俺に水を向けたのはある意味俺に決断させるつもりだからだ。

 どちらが正しいか、ではなく、どちらを信じたいか。

 それって実はそんなに悩む問題じゃなくない?

 今の俺にとってのゴールは誰が正しくて誰が間違っているかとかではない。
 講和だ。
 そのためにここまでお膳立てして、ここに来たというのに。
 そこを見失っては本末転倒だ。

 それに、今までの話の流れから煌夜にとっても講和は必要なのだ。

 彼が望んでいる女神への復讐。
 そして大陸を統一するプレイヤーの阻止。

 つまり(どうやって女神を殺すのかは知らないが)女神と俺たちに対する2面作戦を取るほど、帝国といえど余力はないだろう。

 だから俺たちと講和して、女神1人に当たりたいと考えているわけで。

 うん、大体整理できた。
 だからあとはもう、俺の好き嫌いだ。

 そうなったとき、まぁ当然というかなんというか。

「俺は煌夜の方につく。そして講和の意志は変わらない」

「……感謝する」

 煌夜はほっとしたように小さく頭を下げた。
 対する女神は明らかにぶーたれた様子で、

「ぶーぶー! アッキーは3年も付き合ったわたしより、敵であるコーヤくんを信じるのね!」

「信じる信じないじゃない。つか、お前。あれだけのことをしてよくそんな自信持てるな?」

 ま、女神に対する因縁返しの意味だけじゃない。
 煌夜の話を聞いて、どこか俺と似ているようなところを感じたからだ。
 この世界で、たった1人の女性を追いかけて、大切にしようと考える馬鹿がもう1人いたことに。

「むむー! 説得は無理かー!」

「というわけです。諦めてさっさと麗明の体から出て行けクソ女神」

 笑顔で怖いことを平気で言う煌夜。
 うーん、なんかうちにもこうやって相手を追い詰める時に生き生きするSの申し子がいたよなー。

「シータ王国の方々はいかがですか?」

 煌夜が水鏡たちに話を振る。
 すると、水鏡はどこか迷うような感じだが、

「……正直、どっちの言うことも良く分からないわ」

「姐さん……」

「けど、元の世界に戻る云々の話はちょっとしっかりじっくりはっきりくっきり聞かせてもらいたいわね。確か、拷問ってこの世界では合法よね?」

「肉体に危害を与えるのは困りますが……ありがとうございます」

 うわ、なんか水鏡がめっちゃ怒ってる。
 ま、そうか。元の世界に戻れるか、一番気にしていたのは彼女だ。
 だからそこのところははっきりさせたいに違いない。

「雫も、この女。信じない」

 その横で若干眠たそうな顔の雫が、ばっさりと切り捨てた。

「ガーン! 雫ちゃんにも嫌われたー。あんなに最初可愛かったのにー! 絶対わたしのこと好きって思ったのにー!」

 こいつのこの自信はどこから沸いてくるんだろうな?
 女神自信銀行にでも預けてるのか?

「というわけです。さて、それでは本当のところどうなのか、せっかくなのでじっくり聞かせてもらいましょうか? とりあえず麗明の中から出て行ってもらって」

 全員の敵意に満ちた視線を受けてたじろぐ女神。

 だがそんなことで負けを認める奴ではない。
 すぐに不敵な笑みを浮かべ、

「いいもーん! こうなったら説得は諦めて、懐柔買収脅迫恫喝狂言方法に切り替えるもんねー!」

「お前本当に最悪だな……」

「女神は犬ともいえ畜生ともいえ、勝ってなんぼじゃー!」

「まずい、煌夜。彼女は何かしようとしている!」

「ええ、達臣。ティファレトから基礎イェソドに至る。すなわち節制の道である。麗明の周囲の酸素濃度を奪います。これで――」

 煌夜がスキルを発動した。
 それで女神を無力化しようという腹だろう。

 だが、遅かった。

 その前に、女神が行動を起こしていた。

 それは――

「じゃあ、いっちゃうよー『限界幻怪世界リミテッド・ファンタズム・ワールドかい』」

 スキル!

 女神がそんなものを使えるのか、と思うが、もともとスキルは女神が造ったものだ。
 だからその行為自体は良い。

 問題は内容。

 なんのスキルを発動したのか。

 そして世界が変わる。
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