知力99の美少女に転生したので、孔明しながらジャンヌ・ダルクをしてみた

巫叶月良成

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第6章 知力100の美少女に転生したので、世界を救ってみた

第46話 神殺し作戦

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 あいつは神と言った。

 人間には到達しえない、至上にして最高の力。

 だがあいつは間違った。
 神は確かに天地を支配し、神羅万象に通じるだろう。

 しかし神だって完璧じゃない。
 色恋沙汰の失敗もするし、権謀術数の限りを尽くすし、力こそパワーなことだってするし、感情にまかせて動くことなんてそれこそざらだ。

 そして――不死ではない。

 神だって死ぬ。
 いや、神がゆえに殺されやすいと言うべきか。
 神話を紐解けば、いったいどれだけの神と呼ばれる存在が死んだことか。

 つまり、どんな神であろうと、死という終わりからは逃れられない。

 だとすると。
 あるいは彼の力が、その神に由来するものだとするなら……その根源は――

「クロエ、頼みがある」

 瓦礫の合間を縫い、近くにいたクロエに呼びかける。
 そして彼女に伝えた。
 神の攻略法を。

 するとクロエは驚いたような、どこか心配げな表情で、

「え、いや、しかしそうなると……ここが」

「なに? あたしだけじゃ心もとないって?」

「ニーア団長、でも傷が……」

「ふん、こんなのかすり傷よ」

 ニーアとサールが口をはさんできた。
 軽口を言うものの、ニーアの傷は深刻だ。

 額から血が出て顔の半分を赤く染めているし、右手はだらんと垂れ下がり、もはや剣も握れなさそうだ。
 これ以上は命に係わる。

 だからこそクロエを送り出すのは悩みどころ。
 ここの戦力が低下すると、俺の最後の策が間に合わない可能性が出てくる。

 いや、迷うな。
 もう決めた。
 やると決めた。

 だから賭ける。
 クロエに、ニーアに、そして自分たちに。

 だからここで問答をしていても仕方ない。
 しょうがないと思いつつ、問答無用でクロエを動かす力技に出る。
 あんまりやりたくなかったけど、背に腹は代えられない。

「クロエ」

「なんです」

 振り向いた。
 その頬に小さく唇を当てる。

 触れるか触れないかなんてぎりぎりの調整できなかったから、結構がっつり行っちゃったけど仕方ない。

 もはや性別だなんだ、好きだ嫌いだを言っている場合じゃない。
 俺の恥1つで勝てるなら何でもしてやる。

「お前にすべてがかかってる。頼んだ」

「……え、え、え、ええええ!?」

 クロエは何が起きたのか分からない様子だったが、次第に現実を受け入れ始めると、顔を真っ赤にしてうろたえる。

「た、隊長殿、今の……」

「まぁ報酬の前払いだよ」

 それと、日ごろの感謝。
 そういうことにしておこう。

 ニーアがわなわなと震えているが無視。

 するとクロエは夢うつつな表情を急に真剣なものに変え、

「っ……わかりました! このクロエ・ハミニス! やってみせますとも!」

 クロエが力強くうなずく。
 そして走りだした。

 九神とは逆。この部屋を出る扉の方へ。

「おっと、逃がさないよ」

 それに気づいた九神が手のひらをクロエの方へ向ける。

「こっちがな!」

 同時、ニーアとサールが飛び出した。
 さらに里奈も出た。右足が折れているはずだが、無理やり動かしているようだ。

「邪魔くさい!」

 ハエを払うように、おそらくオムカ最強の彼女らを適当にあしらう九神。
 だが、クロエは外に出た。

 さらに俺にとって嬉しいことが起きた。

「隊長! ご無事ですか!」

 入れ替わるように扉から100人ほどの増援が来た。
 落雷を目にして、何かが起きたと知ったのだろう。

 その彼らを含めれば、時間稼ぎは成る。

 けどそれをさらに完璧に――そして、犠牲を最小限にする方法を俺は持っている。
 それを実行した。

「全員、聞け!」

 広々とした広間も、今では瓦礫と炎にまみれ、どこに誰がいるかは分からない。
 だから叫ぶ。

「これから30分、いや、10分だけ生き延びろ! そうすれば勝つ! この『不敗のジャンヌ』が、偽物の神様をぶっ倒す!」

 言ってしまった。
 言い切ってしまった。

 正直、勝算なんて1割あるかどうかの賭けだ。
 綱渡りどころじゃない、十中八九がゲームオーバーの無理ゲーだ。

 けどこんなところで躓いていられない。
 次に本番が控えているのだから。

 この俺、ジャンヌ・ダルク。
 一世一代の神殺し作戦ティタノマキア、開始だ。
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