617 / 627
第6章 知力100の美少女に転生したので、世界を救ってみた
第46話 神殺し作戦
しおりを挟む
あいつは神と言った。
人間には到達しえない、至上にして最高の力。
だがあいつは間違った。
神は確かに天地を支配し、神羅万象に通じるだろう。
しかし神だって完璧じゃない。
色恋沙汰の失敗もするし、権謀術数の限りを尽くすし、力こそパワーなことだってするし、感情にまかせて動くことなんてそれこそざらだ。
そして――不死ではない。
神だって死ぬ。
いや、神がゆえに殺されやすいと言うべきか。
神話を紐解けば、いったいどれだけの神と呼ばれる存在が死んだことか。
つまり、どんな神であろうと、死という終わりからは逃れられない。
だとすると。
あるいは彼の力が、その神に由来するものだとするなら……その根源は――
「クロエ、頼みがある」
瓦礫の合間を縫い、近くにいたクロエに呼びかける。
そして彼女に伝えた。
神の攻略法を。
するとクロエは驚いたような、どこか心配げな表情で、
「え、いや、しかしそうなると……ここが」
「なに? あたしだけじゃ心もとないって?」
「ニーア団長、でも傷が……」
「ふん、こんなのかすり傷よ」
ニーアとサールが口をはさんできた。
軽口を言うものの、ニーアの傷は深刻だ。
額から血が出て顔の半分を赤く染めているし、右手はだらんと垂れ下がり、もはや剣も握れなさそうだ。
これ以上は命に係わる。
だからこそクロエを送り出すのは悩みどころ。
ここの戦力が低下すると、俺の最後の策が間に合わない可能性が出てくる。
いや、迷うな。
もう決めた。
やると決めた。
だから賭ける。
クロエに、ニーアに、そして自分たちに。
だからここで問答をしていても仕方ない。
しょうがないと思いつつ、問答無用でクロエを動かす力技に出る。
あんまりやりたくなかったけど、背に腹は代えられない。
「クロエ」
「なんです」
振り向いた。
その頬に小さく唇を当てる。
触れるか触れないかなんてぎりぎりの調整できなかったから、結構がっつり行っちゃったけど仕方ない。
もはや性別だなんだ、好きだ嫌いだを言っている場合じゃない。
俺の恥1つで勝てるなら何でもしてやる。
「お前にすべてがかかってる。頼んだ」
「……え、え、え、ええええ!?」
クロエは何が起きたのか分からない様子だったが、次第に現実を受け入れ始めると、顔を真っ赤にしてうろたえる。
「た、隊長殿、今の……」
「まぁ報酬の前払いだよ」
それと、日ごろの感謝。
そういうことにしておこう。
ニーアがわなわなと震えているが無視。
するとクロエは夢うつつな表情を急に真剣なものに変え、
「っ……わかりました! このクロエ・ハミニス! やってみせますとも!」
クロエが力強くうなずく。
そして走りだした。
九神とは逆。この部屋を出る扉の方へ。
「おっと、逃がさないよ」
それに気づいた九神が手のひらをクロエの方へ向ける。
「こっちがな!」
同時、ニーアとサールが飛び出した。
さらに里奈も出た。右足が折れているはずだが、無理やり動かしているようだ。
「邪魔くさい!」
ハエを払うように、おそらくオムカ最強の彼女らを適当にあしらう九神。
だが、クロエは外に出た。
さらに俺にとって嬉しいことが起きた。
「隊長! ご無事ですか!」
入れ替わるように扉から100人ほどの増援が来た。
落雷を目にして、何かが起きたと知ったのだろう。
その彼らを含めれば、時間稼ぎは成る。
けどそれをさらに完璧に――そして、犠牲を最小限にする方法を俺は持っている。
それを実行した。
「全員、聞け!」
広々とした広間も、今では瓦礫と炎にまみれ、どこに誰がいるかは分からない。
だから叫ぶ。
「これから30分、いや、10分だけ生き延びろ! そうすれば勝つ! この『不敗のジャンヌ』が、偽物の神様をぶっ倒す!」
言ってしまった。
言い切ってしまった。
正直、勝算なんて1割あるかどうかの賭けだ。
綱渡りどころじゃない、十中八九がゲームオーバーの無理ゲーだ。
けどこんなところで躓いていられない。
次に本番が控えているのだから。
この俺、ジャンヌ・ダルク。
一世一代の神殺し作戦、開始だ。
人間には到達しえない、至上にして最高の力。
だがあいつは間違った。
神は確かに天地を支配し、神羅万象に通じるだろう。
しかし神だって完璧じゃない。
色恋沙汰の失敗もするし、権謀術数の限りを尽くすし、力こそパワーなことだってするし、感情にまかせて動くことなんてそれこそざらだ。
そして――不死ではない。
神だって死ぬ。
いや、神がゆえに殺されやすいと言うべきか。
神話を紐解けば、いったいどれだけの神と呼ばれる存在が死んだことか。
つまり、どんな神であろうと、死という終わりからは逃れられない。
だとすると。
あるいは彼の力が、その神に由来するものだとするなら……その根源は――
「クロエ、頼みがある」
瓦礫の合間を縫い、近くにいたクロエに呼びかける。
そして彼女に伝えた。
神の攻略法を。
するとクロエは驚いたような、どこか心配げな表情で、
「え、いや、しかしそうなると……ここが」
「なに? あたしだけじゃ心もとないって?」
「ニーア団長、でも傷が……」
「ふん、こんなのかすり傷よ」
ニーアとサールが口をはさんできた。
軽口を言うものの、ニーアの傷は深刻だ。
額から血が出て顔の半分を赤く染めているし、右手はだらんと垂れ下がり、もはや剣も握れなさそうだ。
これ以上は命に係わる。
だからこそクロエを送り出すのは悩みどころ。
ここの戦力が低下すると、俺の最後の策が間に合わない可能性が出てくる。
いや、迷うな。
もう決めた。
やると決めた。
だから賭ける。
クロエに、ニーアに、そして自分たちに。
だからここで問答をしていても仕方ない。
しょうがないと思いつつ、問答無用でクロエを動かす力技に出る。
あんまりやりたくなかったけど、背に腹は代えられない。
「クロエ」
「なんです」
振り向いた。
その頬に小さく唇を当てる。
触れるか触れないかなんてぎりぎりの調整できなかったから、結構がっつり行っちゃったけど仕方ない。
もはや性別だなんだ、好きだ嫌いだを言っている場合じゃない。
俺の恥1つで勝てるなら何でもしてやる。
「お前にすべてがかかってる。頼んだ」
「……え、え、え、ええええ!?」
クロエは何が起きたのか分からない様子だったが、次第に現実を受け入れ始めると、顔を真っ赤にしてうろたえる。
「た、隊長殿、今の……」
「まぁ報酬の前払いだよ」
それと、日ごろの感謝。
そういうことにしておこう。
ニーアがわなわなと震えているが無視。
するとクロエは夢うつつな表情を急に真剣なものに変え、
「っ……わかりました! このクロエ・ハミニス! やってみせますとも!」
クロエが力強くうなずく。
そして走りだした。
九神とは逆。この部屋を出る扉の方へ。
「おっと、逃がさないよ」
それに気づいた九神が手のひらをクロエの方へ向ける。
「こっちがな!」
同時、ニーアとサールが飛び出した。
さらに里奈も出た。右足が折れているはずだが、無理やり動かしているようだ。
「邪魔くさい!」
ハエを払うように、おそらくオムカ最強の彼女らを適当にあしらう九神。
だが、クロエは外に出た。
さらに俺にとって嬉しいことが起きた。
「隊長! ご無事ですか!」
入れ替わるように扉から100人ほどの増援が来た。
落雷を目にして、何かが起きたと知ったのだろう。
その彼らを含めれば、時間稼ぎは成る。
けどそれをさらに完璧に――そして、犠牲を最小限にする方法を俺は持っている。
それを実行した。
「全員、聞け!」
広々とした広間も、今では瓦礫と炎にまみれ、どこに誰がいるかは分からない。
だから叫ぶ。
「これから30分、いや、10分だけ生き延びろ! そうすれば勝つ! この『不敗のジャンヌ』が、偽物の神様をぶっ倒す!」
言ってしまった。
言い切ってしまった。
正直、勝算なんて1割あるかどうかの賭けだ。
綱渡りどころじゃない、十中八九がゲームオーバーの無理ゲーだ。
けどこんなところで躓いていられない。
次に本番が控えているのだから。
この俺、ジャンヌ・ダルク。
一世一代の神殺し作戦、開始だ。
0
あなたにおすすめの小説
聖女を追放した国の物語 ~聖女追放小説の『嫌われ役王子』に転生してしまった。~
猫野 にくきゅう
ファンタジー
国を追放された聖女が、隣国で幸せになる。
――おそらくは、そんな内容の小説に出てくる
『嫌われ役』の王子に、転生してしまったようだ。
俺と俺の暮らすこの国の未来には、
惨めな破滅が待ち構えているだろう。
これは、そんな運命を変えるために、
足掻き続ける俺たちの物語。
追放もの悪役勇者に転生したんだけど、パーティの荷物持ちが雑魚すぎるから追放したい。ざまぁフラグは勘違いした主人公補正で無自覚回避します
月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中
ファンタジー
ざまぁフラグなんて知りません!勘違いした勇者の無双冒険譚
ごく一般的なサラリーマンである主人公は、ある日、異世界に転生してしまう。
しかし、転生したのは「パーティー追放もの」の小説の世界。
なんと、追放して【ざまぁされる予定】の、【悪役勇者】に転生してしまったのだった!
このままだと、ざまぁされてしまうが――とはならず。
なんと主人公は、最近のWeb小説をあまり読んでおらず……。
自分のことを、「勇者なんだから、当然主人公だろ?」と、勝手に主人公だと勘違いしてしまったのだった!
本来の主人公である【荷物持ち】を追放してしまう勇者。
しかし、自分のことを主人公だと信じて疑わない彼は、無自覚に、主人公ムーブで【ざまぁフラグを回避】していくのであった。
本来の主人公が出会うはずだったヒロインと、先に出会ってしまい……。
本来は主人公が覚醒するはずだった【真の勇者の力】にも目覚めてしまい……。
思い込みの力で、主人公補正を自分のものにしていく勇者!
ざまぁフラグなんて知りません!
これは、自分のことを主人公だと信じて疑わない、勘違いした勇者の無双冒険譚。
・本来の主人公は荷物持ち
・主人公は追放する側の勇者に転生
・ざまぁフラグを無自覚回避して無双するお話です
・パーティー追放ものの逆側の話
※カクヨム、ハーメルンにて掲載
転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて
ゆうた
ファンタジー
森の国編 ヴェルトゥール王国戦記
大学2年生の誠一は、大学生活をまったりと過ごしていた。
それが何の因果か、異世界に突然、転生してしまった。
生まれも育ちも恵まれた環境の伯爵家の嫡男に転生したから、
まったりのんびりライフを楽しもうとしていた。
しかし、なぜか脳に直接、神様ぽいのから、四六時中、依頼がくる。
無視すると、身体中がキリキリと痛むし、うるさいしで、依頼をこなす。
これって異世界ブラック企業?神様の社畜的な感じ?
依頼をこなしてると、いつの間か英雄扱いで、
いろんな所から依頼がひっきりなし舞い込む。
誰かこの悪循環、何とかして!
まったりどころか、ヘロヘロな毎日!誰か助けて
薬漬けレーサーの異世界学園生活〜無能被験体として捨てられたが、神族に拾われたことで、ダークヒーローとしてナンバーワン走者に君臨します〜
仁徳
ファンタジー
少年はとある研究室で実験動物にされていた。毎日薬漬けの日々を送っていたある日、薬を投与し続けても、魔法もユニークスキルも発動できない落ちこぼれの烙印を押され、魔の森に捨てられる。
森の中で魔物が現れ、少年は死を覚悟したその時、1人の女性に助けられた。
その後、女性により隠された力を引き出された少年は、シャカールと名付けられ、魔走学園の唯一の人間魔競走者として生活をすることになる。
これは、薬漬けだった主人公が、走者として成り上がり、ざまぁやスローライフをしながら有名になって、世界最強になって行く物語
今ここに、新しい異世界レースものが開幕する!スピード感のあるレースに刮目せよ!
競馬やレース、ウマ娘などが好きな方は、絶対に楽しめる内容になっているかと思います。レース系に興味がない方でも、異世界なので、ファンタジー要素のあるレースになっていますので、楽しめる内容になっています。
まずは1話だけでも良いので試し読みをしていただけると幸いです。
究極妹属性のぼっち少女が神さまから授かった胸キュンアニマルズが最強だった
盛平
ファンタジー
パティは教会に捨てられた少女。パティは村では珍しい黒い髪と黒い瞳だったため、村人からは忌子といわれ、孤独な生活をおくっていた。この世界では十歳になると、神さまから一つだけ魔法を授かる事ができる。パティは神さまに願った。ずっと側にいてくれる友達をくださいと。
神さまが与えてくれた友達は、犬、猫、インコ、カメだった。友達は魔法でパティのお願いを何でも叶えてくれた。
パティは友達と一緒に冒険の旅に出た。パティの生活環境は激変した。パティは究極の妹属性だったのだ。冒険者協会の美人受付嬢と美女の女剣士が、どっちがパティの姉にふさわしいかケンカするし、永遠の美少女にも気に入られてしまう。
ぼっち少女の愛されまくりな旅が始まる。
勇者をしている者なんですけど、キモデブ装甲のモブAにチェンジ魔法を使われて、身体が入れ替わった!? ありがとうモブA!やっと解放された!
くらげさん
ファンタジー
雑草のように湧いてくる魔王の討伐を1000年のあいだ勇者としてこなしてきたら、キモデブ装甲のモブAに身体を取られてしまった。
モブAは「チェンジ魔法」のユニークスキル持ちだった。
勇者は勇者を辞めたかったから丁度良かったと、モブAに変わり、この姿でのんびり平和に暮らして行こうと思った。
さっそく家に帰り、妹に理由を話すと、あっさりと信じて、勇者は妹が見たかった景色を見せてやりたいと、1000年を取り戻すような旅に出掛けた。
勇者は勇者の名前を捨てて、モブオと名乗った。
最初の街で、一人のエルフに出会う。
そしてモブオはエルフが街の人たちを殺そうとしていると気付いた。
もう勇者じゃないモブオは気付いても、止めはしなかった。
モブオは自分たちに関係がないならどうでもいいと言って、エルフの魔王から二週間の猶予を貰った。
モブオは妹以外には興味なかったのである。
それから妹はエルフの魔王と仲良くなり、エルフと別れる夜には泣き止むのに一晩かかった。
魔王は勇者に殺される。それは確定している。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる