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第2章 南郡平定戦
第25話 10の質問
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「あ、できればコーヒーもらえます? ミルクと砂糖アリアリの多めで。え、ない? ほんならうちの在庫からおろしましょか? なぁに、特別にお安くしときまっせ。せやな、グラム1千でどうや?」
ミストを家に上げると、クロエが露骨に嫌な顔をしたものの、この受け答えで更に嫌な顔をすることになった。
「隊長殿、なんでこんな奴を……」
「すまないけどお茶だけ出してもらえないか。後は休んでくれて構わないよ。今日も疲れただろ」
「いえ、隊長殿に何かあったら大変です。監視の意味でここにいます」
クロエの身を案じる気持ちはありがたいが、本当は話の内容を聞かれたくないから追い出したかった。
おそらく話の内容はクロエのあずかり知らぬ、そしてできればまだ誰にも話したくない内容――プレイヤーの話になるからだ。
「んん、なかなか真面目ちゃんですな。しかも器量良しときた。どや? うちが世話したろか?」
「御託はいい。用件だけ言ってさっさと帰ってくれ」
「冷たいでんなぁ。用件もなにも、うちはたこ焼きの代金を――」
「ない」
「はぁ?」
「そんな金はうちにはない」
「それは……困りますなぁ。商売相手からは毛穴までむしり取る。それがうちのモットーですんで」
「だから御託はいいって言っただろ。お前、プレイヤーだろ」
「……ほぅ、まさかそっちからネタ晴らしするとは思いませなんだ」
「もともとそっちがそう確信したからこんな近づき方をしたんだろ。分かり切ってることに時間を使うほど俺も暇じゃない。だから単刀直入に行かせてもらう」
「ええ覚悟や」
男がにんまり笑う。
その顔は今まで見たどの笑顔より、底知れぬものがあった。
「そんならちょいとお耳を拝借。あの女の子に聞かれたら困る内容さかい」
どこか嫌悪感を掻き立てる言い方。
断りたかったが、そう言われれば聞かざるを得ない。
俺は身を乗り出して左耳を差し出す。
「実はな――」
男が近づく。
男の吐息と鼻息が耳にかかり、あんまり気分の良いものではない。早く終われと心から祈る。
そして――
「わやっ!?」
一瞬、何が起きたのか分からない。
いや、耳に息を吹きかけられた。
それだけじゃない。
男の手が俺の頭に伸び、うなじを撫でるように触ってくる。
「どや、ここが弱点やろ」
「あふっ……ちょ、そこは……」
体が震え、背筋がぞくぞくする。
頭が真っ白になって、必死に逃げようと思うが、体から力が抜けて動けない。
あ、ヤバい。
気持ち良――じゃない、こんなオヤジに……
ガチャン!
カップの叩きつけられる音で、ふと我に返った。
男の気配もサッと遠のく。
「なにを、しているのでしょうかお客様?」
振り向けばクロエが顔に笑みを浮かべながらも、殺意を宿した瞳を男に向ける。
「んおっと、こりゃ失礼。いやセクハラで訴えられたらたまりませんからなぁ」
男が照れ笑いして頭を掻く。
その様子ももう不快だ。
どちらにせよ、助かった……。
あのままだったらどうなったか分かったものじゃない。クロエには感謝してもしきれないな。
「で、何の用ですかお客様。双鞭の餌食になりたくなかったら、用件だけ言ってとっとと出てけ」
クロエが怒気も露わに、どっかりと椅子に腰を下ろした。
うん、助かったがこれもこれで困った。
クロエは男の監視のために居座る気だが、それだと話の内容的に困るのだ。
…………ま、それはそれで、もう仕方ないか。
別にこの男を仲間に引き込もうとかそういう思いはない。
だからそれを諦めてしまえば、後はこの男に対する嫌悪感しか残らない。
「ニーアに近づいてまで俺に接触してきた目的。それを話してもらおうか」
「お、なかなかするどいでんな。さすがオムカ国随一の切れ者軍師」
「からかうな。請求書に衣装代なんて書かれてるってことは、ニーアに売りつけたあの水着のことだろ。それでニーアから俺に話が伝わるようにした。少し考えればわかる」
「せやせや。うちが用あんのはあんさんや。うちと同じ立場のな」
「なんで隊長殿がお前なんかと――」
「クロエ、いいんだ」
「しかし……」
クロエの抗議を俺は止めた。
いちいち揚げ足を取っていたらいつまで経っても話は始まらない。
「で? お前らの依頼人はどこにいる?」
ニーアの時も、今のこの男も、誰かのメッセンジャーとなっている。
このめんどくさい手順を踏むということは、そのプレイヤーは表に出れないか、俺と一対一で話をしたいかどちらかと思った。
だが――
「いやいやいやいや。依頼人も何も。すべてうち独りでやったこと。他に誰もいませんて」
どういうことだ?
ニーアから聞いたのは恰幅の言い老紳士といった男だったはず。
ここにいるのは肩幅こそあるが、なかなか贅肉のついた壮年のオヤジといった感じだ。
同一人物であるはずがない。
変装にしては体格も背丈も変わることになる。
「何を言っているのか分からないな」
「またまた。ほんまはもう気づいとるんやろ? ニーアはんに会ったのもうち、ここにいるんもうち。それができる異能の力を」
異能の力――スキル!
「大正解。ほんなら特別出血大サービスっつーことで、うちのホントの顔。見せたりますわ。ほな、さいなら」
男は右手をひらひらと、顔の辺りで振る。
そしてそれが男の顔に触れ、そして離れると――
「初めまして、ジャンヌ・ダルク。うちが――いや、わたしがミストさ」
男が消えた。
否、別人になった。
小太りで短髪の男がいた場所に、ほっそりとした中世的な見た目の人物が座っていた。
年は20歳前後か。長い青髪をかき上げ、小さくため息。
瞬間移動とか催眠術とかそういう類のものではない。
男の顔が変わったと同時、その姿も、体格も、髪型も全てが変わったのだ。
何より変わったのがその人物自身の性質。
「――――女?」
「はい。女だけど何か問題あるさ?」
間違いない。ミストと名乗った男が、顔も声も女性のものになっている。
タンクトップのシャツにもふっくらとしたものが浮かんでいるし、完全に性別までもが入れ替わってしまっていた。
「た、隊長殿……これは一体?」
クロエがうろたえたように、俺とミストを交互に見やる。
スキルだなんて説明しようにも、俺自身がまだ完全に理解していないのだ。答えきれない。
「なぁに、ちょっと変装術が得意なのさ」
ミストがにやりと笑う。
俺の動揺を察したのだろう。
「ま、詳しい説明は省くけど、特別に触りだけ教るさ。私のスキル、『怪人百面相』は左手で触れた者をコピーして、右手で触った人間にペーストする。そうすると顔も声も体格も何もかもその人物になれるってわけさ。たとえばジャンヌ・ダルク、さっきあなたに触った左手がここに」
ミストは左手をこちらに掲げる。
何の変哲もない綺麗な指を持つ手のひら。
「それをペーストするさ」
今度はミストの右腕がクロエに伸びる。
クロエはとっさに飛びのこうとしたが、その寸前にミストの指先が頬に触れた。
「はい、ちちんぷいぷーい」
ミストがサッとクロエの顔を撫でるようにすると、そこには――
「な――――」
俺がいた。
いや、クロエが俺の顔になってる。
声も、髪も、身長も、何もかもが俺。
だが衣服は変わらないらしい。身長が低くなった分だぶだぶになってしまったが、ある部分が急に膨れ上がったことによりはちきれそうになっている。
「さ、憧れの隊長殿になった感想はどうさ? ジャンヌ隊の筆頭クロエ・ハミニスちゃん? ほら、鏡を貸してあげるさ」
ミストが手際よく取り出した手鏡をクロエに差し出す。
「これが……私」
クロエが鏡を見ながらペタペタと顔を触る。
そしてそれが下に行き、
「た、隊長殿のか、体……はふっ!」
「く、クロエ!?」
急に鼻血を出したと思ったら、そのままふらりとその場に倒れ込んでしまった。
俺にしては俊敏なもので、倒れる前になんとか空中でキャッチできた。
頭を打たずに良かったと思うものの、なんか幸せそうな顔をして意識を失っているのが複雑な気分だ。
「うふふ。憧れの隊長殿と一緒になれてよかったさね」
「おい、クロエをもとに戻せ」
「勝手に戻るさ。効果は1時間しか持たないから。それより意識を失ったからもう戻るはずさ。ほら」
ミストに言われて再びクロエに視線を戻すと、そこにはいつも通りのクロエがそこにいた。
幸せそうな顔で鼻血を出したまま眠りこけている。若干、服の胸元が伸びてしわになっているが……あまり気にしないでおこう。
「ほら、そんなところに寝かせたままというのも可哀そうさ。早く彼女を寝室に寝かせてあげるさ。これでも君とちゃんと話すために邪魔者を平和的にどかしてあげた。私のスキルを教えることで君の信頼も得られて一挙両得ってことさ」
確かにこれからの話にクロエがいなくなるなら、それはそれで俺にとっては万々歳だ。
聞くなと言っても素直に頷かなかっただろうし。だからこの処置はある意味ウィンウィンな解決策なのだが……なんだろう。若干気にくわない。
とはいえもう起こってしまったことをあれこれ言っても仕方ない。
俺は寝室のベッドにクロエを寝かせて布団をかけると、しっかりとドアを閉めて再びミストの前に座った。
「さて、何から話そうさ?」
「何からも何も。俺のところに来た理由。それを教えろと言ってるんだ」
「ふーん…………そうさね。答えてもいいけど、それじゃあ面白くないさ。よし、それじゃあこうするさ。20の質問を知ってるさ?」
20の質問。
出題者が決めた単語を、イエスかノーで答えられる質問で答えを絞って行き、20回以内の質問で答えを当てるというゲームだ。
「それで当たったら答えるさ。ふむ、噂に名高い天才的な智謀を持つジャンヌ・ダルク様なら20も要らないさね。10の質問で当ててみれば、しっかりはっきりくっきりぽっきり答えようじゃないさ」
「……分かった、受けよう」
おそらくこの女は簡単に口を割らないだろう。
なら誘いだとしても、このゲームに乗るしかない。
何より知力に関してと言われれば、逃げるわけにはいかないな。
「グッド! ならお題はさっき言ったとおり、わたしがここに来た理由。それじゃあ、スタートさ」
さて、どうするか。
こいつがここに来た目的。
通常の方法でも推理できなくはないが、こうしてこの質問形式を取ったということは若干意地の悪い回答になるんじゃないか、と考えられなくない。
とりあえず大枠を潰してみるか。
「それは元の世界に戻るためか?」
「おっと、いきなり核心さね。ノー」
「それは俺のスキルに関係あるか?」
「ノー」
「それはオムカに関係するか?」
「イエス」
「それは転生の女神に関係するか?」
「んー……それは……ノーさな」
「それは商売に関することか?」
「イエス」
これで半分。
今までのをまとめると、ただ単にオムカへ商売をしに来たということになる。
元に戻るつもりがないというのが少し驚きだが、あまり日本に未練がなく、利益を追求する商人からすればそういうものなのかもしれない。
意外に絞れなかったが、とりあえずはっきりしたことがある。
最初俺は、元の世界に戻るため、色々な国に恩を売っておくために来たと思った。統一間近になったころ、その国に恩を担保に自分も元の世界に戻ろうとする。オムカという弱小国にも一応保険として手を打ってきたくらいのことだと。
だが違う。
となると単に商売の方向に手を伸ばしにきたとしか考えられない。
「その目的はオムカの利益になることか?」
「変なこと聞くね。当然イエス」
これは質問1つを潰してでも聞いておきたかった。
利益を独占してドロン、なんてことも考えられなくはない。
更にこれでわかることは、オムカでなければならないということ。
そう考えるとあるのはこの立地。
大陸の中央部分。様々な方向へ進める連結部分の役割を果たす土地。
段々見えてきた。
「それはオムカ以外の国にも関係することか?」
「ん、それはイエスさね」
オムカ以外の国。すなわちエイン帝国、ビンゴ王国、シータ王国。
そのすべてに対する交易ルートの確保。それができればそこらの商人とは比較にならないほどの利益が上がるだろう。
元の世界に戻らず、巨万の富を稼げるこの状況を利用しようとする。
そんなことを言われれば、理解できなくもない。
「お前1人ではできないことか?」
「イエス」
「お前のスキルは関係するか?」
「ん、それはイエスだね!」
はっきりとしたイエスだ。
こいつのスキルは変装術。つまりどんな場所でも潜入できて、商売ができるという事。
あと1つ。
「俺を頼って来たのには、プレイヤーという以外の意味があるか?」
「ふふっ、その自信に満ちた顔いいね。イエスさ」
10個の質問が終わった。
ただ、これでほぼほぼ確定だと思う。
何度か繰り返してみるが、間違いないはず。
「さぁ、これで10の質問は終わったさね。では、張り切って答えをどうぞさ」
ミストがうきうきした表情で振ってくる。
だから俺の中でまとまった答え、それを言葉にした。
「分かった。お前の目的は『オムカを中心とした超巨大商売ルートを独占する』だ」
おそらくこれが答え。
ニーアの水着やたこ焼きといった回りくどいアプローチをしてきたのは、こいつなりの流通ルートの確かさを証明するためだ。
自分にはこんな力がある。だから手を組むメリットがあると暗に伝えてきたのだ。
「さっすがジャンヌ・ダルク! その智謀は伊達じゃないね」
ミスとはパンっと手を打った。
やっぱりそれなら――
「答えは、大っ『不』正解ー! 正解は『エイン帝国にあるお宝を奪うため、オムカの力を借りに来た』でしたさ」
「ふん、そうだろう――ん?」
今、こいつ大不正解って言わなかったか?
大正解じゃなくて。
「なんだって……?」
エイン帝国のお宝?
奪う?
そんな話どっから来た?
「正直期待外れさ。これくらいのことパパッと分かってほしかったさ」
「いや、そんなの分かるか!」
「なぜさ? 帝国のお宝を奪う。これは元の世界に戻ることに関係しない。君のスキルも関係ない。敵対国のオムカには関係あるし、成功すれば間接的にオムカの得になる。転生の女神は関係ないからノー。お宝ってことは商売に直結するからイエス。エイン帝国だから、オムカ以外の国に関係するはイエス。わたし独りではできないからイエス。わたしのスキルを使って忍び込むからイエス。君のプレイヤー以外の要素、オムカの軍事を統括する君なら帝国に対して陽動とか王都に攻め入るとか色々できるさ。だからイエス。ほら、どれも間違ってないさ」
くそ、言われりゃそうかもだけど!
てかそもそもこのレベルの答えに対し、やっぱり質問は10じゃ足りなすぎる。
どちらかと言うと『ウミガメのスープ』の問題に近い。
それをあんな安い挑発に乗ってこのザマだ。
「いやいや、そうむくれないで欲しいさ。しかし……まさかあんなどや顔で言われるとは……ぷっ、いやーイイもの見せてもらったさ」
「うっさい。馬鹿にするなら帰れ」
「はっは、すまないさね。そんな可愛らしい姿を見たらついからかいたくなってしまったさ。これでもわたしは君のファンなのさ。伝え聞く君の雄姿に感動し、闘技場での君の姿に恋慕し、野次馬の独りとして君の家まで見に行った。強引な手を使ったのも、ファンサとして受け入れて欲しいさ」
ミストが少しはにかむように笑う。
けどファンサって、なにさ。
「それに、さ。『オムカを中心とした超巨大商売ルートを独占する』。それもいいじゃないさ。オムカがデカくなって、わたしもお宝を奪うチャンスが出来て、それこそウィンウィンさ」
「………………」
もう何を言っていいのやら。
しかしなんだってまぁ、プレイヤーってやつらはどいつもこいつも一癖も二癖もある奴らばっかなんだ。
おかげで調子が狂わされっぱなしだ。
だがやられっぱなしというのも癪だ。
こうなったら少し脅かしてやろうという気にもなる。
幸い、その道筋はできていた。
「ミストって言ったよな」
「そうさ。神出鬼没、正体不明、千の顔を持つアルセーヌ。予告状を出し、現場に華麗に現れ、お宝を奪って華麗に逃げる。そこに一切の痕跡はなく、お宝を奪われたという事実のみが残る。その姿はまさに霧がごとくつかめない謎の人物。それがこのミストさ」
「お前が俺に近づいたのは、エイン帝国にあるものを奪うって言ったな。それってようは泥棒ってことか?」
「ノンノン。そんな美しくない言葉は無粋というものさ。怪盗と言ってくれさ」
「怪盗だろうが紳士だろうがどうでもいい。ただ、そのためにはオムカを中心とした経済圏の確立もあり、つまりオムカが強くないとそれは達成できない。そういうことだよな?」
「ああ、そうさ。君にちゃんと協力してもらいたいからね。帝国に対抗できずに潰されちゃ困るさ」
「よし、言質は取った。こればかりはもう今さら知らぬ存ぜぬでは通さないぞ」
「ちょ、なにさそれ。ちょっと怖いさ」
「うるさい。変な質問させやがって。恥かいたじゃないか。いいのか? お前の大好きなジャンヌ・ダルクが恥をかいたんだぞ? そんなこと許せるのか? あっていいことなのか?」
もはや恐喝に近い言葉が次々と出て来る。
半分は本心。半分は演技。
頭はクールに、だが心はホットに。
「それをお前はした。ならその償いはしてもらわなくちゃいけないよな。分かるよな。何かを損ねたのなら、それを弁償しないといけないのは商売の鉄則だろ? クーリングオフして、お前を国外退去させるくらいの力は俺にあるぞ。あるいは共謀罪でお前を拘束するくらいはする。それでいいのか? お前の目的ってのは、オムカから出禁食らって叶う代物なのか?」
「う、うーん。分かったさ。悪かったさ。だからそんなまくしたてないでほしさ」
ミストが顔を引きつらせて額に汗を浮かべている。
そして大きく唾を飲み込む。その音が聞こえてきそうだ。
その表情を見て、俺も少しは溜飲が下がる思いだ。
「なら俺からの要求は1つだ。この要求を呑めなければ、お前を逮捕してエイン帝国に売っぱらうぱらう。そっちの方が国益につながるだろうからな。それが嫌なら――」
だから俺は言う。
遠慮も外聞も恥もてらいもなく、一気に畳みかけるように、俺の要求を押し通す。
「金貸して」
ミストを家に上げると、クロエが露骨に嫌な顔をしたものの、この受け答えで更に嫌な顔をすることになった。
「隊長殿、なんでこんな奴を……」
「すまないけどお茶だけ出してもらえないか。後は休んでくれて構わないよ。今日も疲れただろ」
「いえ、隊長殿に何かあったら大変です。監視の意味でここにいます」
クロエの身を案じる気持ちはありがたいが、本当は話の内容を聞かれたくないから追い出したかった。
おそらく話の内容はクロエのあずかり知らぬ、そしてできればまだ誰にも話したくない内容――プレイヤーの話になるからだ。
「んん、なかなか真面目ちゃんですな。しかも器量良しときた。どや? うちが世話したろか?」
「御託はいい。用件だけ言ってさっさと帰ってくれ」
「冷たいでんなぁ。用件もなにも、うちはたこ焼きの代金を――」
「ない」
「はぁ?」
「そんな金はうちにはない」
「それは……困りますなぁ。商売相手からは毛穴までむしり取る。それがうちのモットーですんで」
「だから御託はいいって言っただろ。お前、プレイヤーだろ」
「……ほぅ、まさかそっちからネタ晴らしするとは思いませなんだ」
「もともとそっちがそう確信したからこんな近づき方をしたんだろ。分かり切ってることに時間を使うほど俺も暇じゃない。だから単刀直入に行かせてもらう」
「ええ覚悟や」
男がにんまり笑う。
その顔は今まで見たどの笑顔より、底知れぬものがあった。
「そんならちょいとお耳を拝借。あの女の子に聞かれたら困る内容さかい」
どこか嫌悪感を掻き立てる言い方。
断りたかったが、そう言われれば聞かざるを得ない。
俺は身を乗り出して左耳を差し出す。
「実はな――」
男が近づく。
男の吐息と鼻息が耳にかかり、あんまり気分の良いものではない。早く終われと心から祈る。
そして――
「わやっ!?」
一瞬、何が起きたのか分からない。
いや、耳に息を吹きかけられた。
それだけじゃない。
男の手が俺の頭に伸び、うなじを撫でるように触ってくる。
「どや、ここが弱点やろ」
「あふっ……ちょ、そこは……」
体が震え、背筋がぞくぞくする。
頭が真っ白になって、必死に逃げようと思うが、体から力が抜けて動けない。
あ、ヤバい。
気持ち良――じゃない、こんなオヤジに……
ガチャン!
カップの叩きつけられる音で、ふと我に返った。
男の気配もサッと遠のく。
「なにを、しているのでしょうかお客様?」
振り向けばクロエが顔に笑みを浮かべながらも、殺意を宿した瞳を男に向ける。
「んおっと、こりゃ失礼。いやセクハラで訴えられたらたまりませんからなぁ」
男が照れ笑いして頭を掻く。
その様子ももう不快だ。
どちらにせよ、助かった……。
あのままだったらどうなったか分かったものじゃない。クロエには感謝してもしきれないな。
「で、何の用ですかお客様。双鞭の餌食になりたくなかったら、用件だけ言ってとっとと出てけ」
クロエが怒気も露わに、どっかりと椅子に腰を下ろした。
うん、助かったがこれもこれで困った。
クロエは男の監視のために居座る気だが、それだと話の内容的に困るのだ。
…………ま、それはそれで、もう仕方ないか。
別にこの男を仲間に引き込もうとかそういう思いはない。
だからそれを諦めてしまえば、後はこの男に対する嫌悪感しか残らない。
「ニーアに近づいてまで俺に接触してきた目的。それを話してもらおうか」
「お、なかなかするどいでんな。さすがオムカ国随一の切れ者軍師」
「からかうな。請求書に衣装代なんて書かれてるってことは、ニーアに売りつけたあの水着のことだろ。それでニーアから俺に話が伝わるようにした。少し考えればわかる」
「せやせや。うちが用あんのはあんさんや。うちと同じ立場のな」
「なんで隊長殿がお前なんかと――」
「クロエ、いいんだ」
「しかし……」
クロエの抗議を俺は止めた。
いちいち揚げ足を取っていたらいつまで経っても話は始まらない。
「で? お前らの依頼人はどこにいる?」
ニーアの時も、今のこの男も、誰かのメッセンジャーとなっている。
このめんどくさい手順を踏むということは、そのプレイヤーは表に出れないか、俺と一対一で話をしたいかどちらかと思った。
だが――
「いやいやいやいや。依頼人も何も。すべてうち独りでやったこと。他に誰もいませんて」
どういうことだ?
ニーアから聞いたのは恰幅の言い老紳士といった男だったはず。
ここにいるのは肩幅こそあるが、なかなか贅肉のついた壮年のオヤジといった感じだ。
同一人物であるはずがない。
変装にしては体格も背丈も変わることになる。
「何を言っているのか分からないな」
「またまた。ほんまはもう気づいとるんやろ? ニーアはんに会ったのもうち、ここにいるんもうち。それができる異能の力を」
異能の力――スキル!
「大正解。ほんなら特別出血大サービスっつーことで、うちのホントの顔。見せたりますわ。ほな、さいなら」
男は右手をひらひらと、顔の辺りで振る。
そしてそれが男の顔に触れ、そして離れると――
「初めまして、ジャンヌ・ダルク。うちが――いや、わたしがミストさ」
男が消えた。
否、別人になった。
小太りで短髪の男がいた場所に、ほっそりとした中世的な見た目の人物が座っていた。
年は20歳前後か。長い青髪をかき上げ、小さくため息。
瞬間移動とか催眠術とかそういう類のものではない。
男の顔が変わったと同時、その姿も、体格も、髪型も全てが変わったのだ。
何より変わったのがその人物自身の性質。
「――――女?」
「はい。女だけど何か問題あるさ?」
間違いない。ミストと名乗った男が、顔も声も女性のものになっている。
タンクトップのシャツにもふっくらとしたものが浮かんでいるし、完全に性別までもが入れ替わってしまっていた。
「た、隊長殿……これは一体?」
クロエがうろたえたように、俺とミストを交互に見やる。
スキルだなんて説明しようにも、俺自身がまだ完全に理解していないのだ。答えきれない。
「なぁに、ちょっと変装術が得意なのさ」
ミストがにやりと笑う。
俺の動揺を察したのだろう。
「ま、詳しい説明は省くけど、特別に触りだけ教るさ。私のスキル、『怪人百面相』は左手で触れた者をコピーして、右手で触った人間にペーストする。そうすると顔も声も体格も何もかもその人物になれるってわけさ。たとえばジャンヌ・ダルク、さっきあなたに触った左手がここに」
ミストは左手をこちらに掲げる。
何の変哲もない綺麗な指を持つ手のひら。
「それをペーストするさ」
今度はミストの右腕がクロエに伸びる。
クロエはとっさに飛びのこうとしたが、その寸前にミストの指先が頬に触れた。
「はい、ちちんぷいぷーい」
ミストがサッとクロエの顔を撫でるようにすると、そこには――
「な――――」
俺がいた。
いや、クロエが俺の顔になってる。
声も、髪も、身長も、何もかもが俺。
だが衣服は変わらないらしい。身長が低くなった分だぶだぶになってしまったが、ある部分が急に膨れ上がったことによりはちきれそうになっている。
「さ、憧れの隊長殿になった感想はどうさ? ジャンヌ隊の筆頭クロエ・ハミニスちゃん? ほら、鏡を貸してあげるさ」
ミストが手際よく取り出した手鏡をクロエに差し出す。
「これが……私」
クロエが鏡を見ながらペタペタと顔を触る。
そしてそれが下に行き、
「た、隊長殿のか、体……はふっ!」
「く、クロエ!?」
急に鼻血を出したと思ったら、そのままふらりとその場に倒れ込んでしまった。
俺にしては俊敏なもので、倒れる前になんとか空中でキャッチできた。
頭を打たずに良かったと思うものの、なんか幸せそうな顔をして意識を失っているのが複雑な気分だ。
「うふふ。憧れの隊長殿と一緒になれてよかったさね」
「おい、クロエをもとに戻せ」
「勝手に戻るさ。効果は1時間しか持たないから。それより意識を失ったからもう戻るはずさ。ほら」
ミストに言われて再びクロエに視線を戻すと、そこにはいつも通りのクロエがそこにいた。
幸せそうな顔で鼻血を出したまま眠りこけている。若干、服の胸元が伸びてしわになっているが……あまり気にしないでおこう。
「ほら、そんなところに寝かせたままというのも可哀そうさ。早く彼女を寝室に寝かせてあげるさ。これでも君とちゃんと話すために邪魔者を平和的にどかしてあげた。私のスキルを教えることで君の信頼も得られて一挙両得ってことさ」
確かにこれからの話にクロエがいなくなるなら、それはそれで俺にとっては万々歳だ。
聞くなと言っても素直に頷かなかっただろうし。だからこの処置はある意味ウィンウィンな解決策なのだが……なんだろう。若干気にくわない。
とはいえもう起こってしまったことをあれこれ言っても仕方ない。
俺は寝室のベッドにクロエを寝かせて布団をかけると、しっかりとドアを閉めて再びミストの前に座った。
「さて、何から話そうさ?」
「何からも何も。俺のところに来た理由。それを教えろと言ってるんだ」
「ふーん…………そうさね。答えてもいいけど、それじゃあ面白くないさ。よし、それじゃあこうするさ。20の質問を知ってるさ?」
20の質問。
出題者が決めた単語を、イエスかノーで答えられる質問で答えを絞って行き、20回以内の質問で答えを当てるというゲームだ。
「それで当たったら答えるさ。ふむ、噂に名高い天才的な智謀を持つジャンヌ・ダルク様なら20も要らないさね。10の質問で当ててみれば、しっかりはっきりくっきりぽっきり答えようじゃないさ」
「……分かった、受けよう」
おそらくこの女は簡単に口を割らないだろう。
なら誘いだとしても、このゲームに乗るしかない。
何より知力に関してと言われれば、逃げるわけにはいかないな。
「グッド! ならお題はさっき言ったとおり、わたしがここに来た理由。それじゃあ、スタートさ」
さて、どうするか。
こいつがここに来た目的。
通常の方法でも推理できなくはないが、こうしてこの質問形式を取ったということは若干意地の悪い回答になるんじゃないか、と考えられなくない。
とりあえず大枠を潰してみるか。
「それは元の世界に戻るためか?」
「おっと、いきなり核心さね。ノー」
「それは俺のスキルに関係あるか?」
「ノー」
「それはオムカに関係するか?」
「イエス」
「それは転生の女神に関係するか?」
「んー……それは……ノーさな」
「それは商売に関することか?」
「イエス」
これで半分。
今までのをまとめると、ただ単にオムカへ商売をしに来たということになる。
元に戻るつもりがないというのが少し驚きだが、あまり日本に未練がなく、利益を追求する商人からすればそういうものなのかもしれない。
意外に絞れなかったが、とりあえずはっきりしたことがある。
最初俺は、元の世界に戻るため、色々な国に恩を売っておくために来たと思った。統一間近になったころ、その国に恩を担保に自分も元の世界に戻ろうとする。オムカという弱小国にも一応保険として手を打ってきたくらいのことだと。
だが違う。
となると単に商売の方向に手を伸ばしにきたとしか考えられない。
「その目的はオムカの利益になることか?」
「変なこと聞くね。当然イエス」
これは質問1つを潰してでも聞いておきたかった。
利益を独占してドロン、なんてことも考えられなくはない。
更にこれでわかることは、オムカでなければならないということ。
そう考えるとあるのはこの立地。
大陸の中央部分。様々な方向へ進める連結部分の役割を果たす土地。
段々見えてきた。
「それはオムカ以外の国にも関係することか?」
「ん、それはイエスさね」
オムカ以外の国。すなわちエイン帝国、ビンゴ王国、シータ王国。
そのすべてに対する交易ルートの確保。それができればそこらの商人とは比較にならないほどの利益が上がるだろう。
元の世界に戻らず、巨万の富を稼げるこの状況を利用しようとする。
そんなことを言われれば、理解できなくもない。
「お前1人ではできないことか?」
「イエス」
「お前のスキルは関係するか?」
「ん、それはイエスだね!」
はっきりとしたイエスだ。
こいつのスキルは変装術。つまりどんな場所でも潜入できて、商売ができるという事。
あと1つ。
「俺を頼って来たのには、プレイヤーという以外の意味があるか?」
「ふふっ、その自信に満ちた顔いいね。イエスさ」
10個の質問が終わった。
ただ、これでほぼほぼ確定だと思う。
何度か繰り返してみるが、間違いないはず。
「さぁ、これで10の質問は終わったさね。では、張り切って答えをどうぞさ」
ミストがうきうきした表情で振ってくる。
だから俺の中でまとまった答え、それを言葉にした。
「分かった。お前の目的は『オムカを中心とした超巨大商売ルートを独占する』だ」
おそらくこれが答え。
ニーアの水着やたこ焼きといった回りくどいアプローチをしてきたのは、こいつなりの流通ルートの確かさを証明するためだ。
自分にはこんな力がある。だから手を組むメリットがあると暗に伝えてきたのだ。
「さっすがジャンヌ・ダルク! その智謀は伊達じゃないね」
ミスとはパンっと手を打った。
やっぱりそれなら――
「答えは、大っ『不』正解ー! 正解は『エイン帝国にあるお宝を奪うため、オムカの力を借りに来た』でしたさ」
「ふん、そうだろう――ん?」
今、こいつ大不正解って言わなかったか?
大正解じゃなくて。
「なんだって……?」
エイン帝国のお宝?
奪う?
そんな話どっから来た?
「正直期待外れさ。これくらいのことパパッと分かってほしかったさ」
「いや、そんなの分かるか!」
「なぜさ? 帝国のお宝を奪う。これは元の世界に戻ることに関係しない。君のスキルも関係ない。敵対国のオムカには関係あるし、成功すれば間接的にオムカの得になる。転生の女神は関係ないからノー。お宝ってことは商売に直結するからイエス。エイン帝国だから、オムカ以外の国に関係するはイエス。わたし独りではできないからイエス。わたしのスキルを使って忍び込むからイエス。君のプレイヤー以外の要素、オムカの軍事を統括する君なら帝国に対して陽動とか王都に攻め入るとか色々できるさ。だからイエス。ほら、どれも間違ってないさ」
くそ、言われりゃそうかもだけど!
てかそもそもこのレベルの答えに対し、やっぱり質問は10じゃ足りなすぎる。
どちらかと言うと『ウミガメのスープ』の問題に近い。
それをあんな安い挑発に乗ってこのザマだ。
「いやいや、そうむくれないで欲しいさ。しかし……まさかあんなどや顔で言われるとは……ぷっ、いやーイイもの見せてもらったさ」
「うっさい。馬鹿にするなら帰れ」
「はっは、すまないさね。そんな可愛らしい姿を見たらついからかいたくなってしまったさ。これでもわたしは君のファンなのさ。伝え聞く君の雄姿に感動し、闘技場での君の姿に恋慕し、野次馬の独りとして君の家まで見に行った。強引な手を使ったのも、ファンサとして受け入れて欲しいさ」
ミストが少しはにかむように笑う。
けどファンサって、なにさ。
「それに、さ。『オムカを中心とした超巨大商売ルートを独占する』。それもいいじゃないさ。オムカがデカくなって、わたしもお宝を奪うチャンスが出来て、それこそウィンウィンさ」
「………………」
もう何を言っていいのやら。
しかしなんだってまぁ、プレイヤーってやつらはどいつもこいつも一癖も二癖もある奴らばっかなんだ。
おかげで調子が狂わされっぱなしだ。
だがやられっぱなしというのも癪だ。
こうなったら少し脅かしてやろうという気にもなる。
幸い、その道筋はできていた。
「ミストって言ったよな」
「そうさ。神出鬼没、正体不明、千の顔を持つアルセーヌ。予告状を出し、現場に華麗に現れ、お宝を奪って華麗に逃げる。そこに一切の痕跡はなく、お宝を奪われたという事実のみが残る。その姿はまさに霧がごとくつかめない謎の人物。それがこのミストさ」
「お前が俺に近づいたのは、エイン帝国にあるものを奪うって言ったな。それってようは泥棒ってことか?」
「ノンノン。そんな美しくない言葉は無粋というものさ。怪盗と言ってくれさ」
「怪盗だろうが紳士だろうがどうでもいい。ただ、そのためにはオムカを中心とした経済圏の確立もあり、つまりオムカが強くないとそれは達成できない。そういうことだよな?」
「ああ、そうさ。君にちゃんと協力してもらいたいからね。帝国に対抗できずに潰されちゃ困るさ」
「よし、言質は取った。こればかりはもう今さら知らぬ存ぜぬでは通さないぞ」
「ちょ、なにさそれ。ちょっと怖いさ」
「うるさい。変な質問させやがって。恥かいたじゃないか。いいのか? お前の大好きなジャンヌ・ダルクが恥をかいたんだぞ? そんなこと許せるのか? あっていいことなのか?」
もはや恐喝に近い言葉が次々と出て来る。
半分は本心。半分は演技。
頭はクールに、だが心はホットに。
「それをお前はした。ならその償いはしてもらわなくちゃいけないよな。分かるよな。何かを損ねたのなら、それを弁償しないといけないのは商売の鉄則だろ? クーリングオフして、お前を国外退去させるくらいの力は俺にあるぞ。あるいは共謀罪でお前を拘束するくらいはする。それでいいのか? お前の目的ってのは、オムカから出禁食らって叶う代物なのか?」
「う、うーん。分かったさ。悪かったさ。だからそんなまくしたてないでほしさ」
ミストが顔を引きつらせて額に汗を浮かべている。
そして大きく唾を飲み込む。その音が聞こえてきそうだ。
その表情を見て、俺も少しは溜飲が下がる思いだ。
「なら俺からの要求は1つだ。この要求を呑めなければ、お前を逮捕してエイン帝国に売っぱらうぱらう。そっちの方が国益につながるだろうからな。それが嫌なら――」
だから俺は言う。
遠慮も外聞も恥もてらいもなく、一気に畳みかけるように、俺の要求を押し通す。
「金貸して」
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