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第3章 帝都潜入作戦
第1話 12月某日
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戴冠式の慌ただしさも、ようやく落ち着いて普段通りの日々が戻った12月の下旬。
俺の執務室にノックの音と共に声が聞こえた。
「アッキー、いるさ?」
入ってきたのはミストだった。肩に何か布袋を背負っていて、それを重そうにどさりと床に下ろす。
「はい、これが注文の品さ」
「注文の品? 何か頼んだ覚えはないぞ?」
というか今、こいつには鉄砲と火薬を調達するようシータ王国に行かせていたはずなんだけど。
「何言ってるさ。今日が何の日か知ってるさ?」
「何の……って、そうか今日は24日か」
クリスマスイブだ。
けどそれは元の世界の話。存在しないこの世界には何の意味もない。
「アッキー、あまりモテなかったさ?」
「な、な何をいきなり!? も、モテたさ! そりゃもう全国の女子たちから注目の的だったさ!」
「じゃあこの日にこんな暢気に仕事してるはずないんだけどさ?」
うっ……まぁバレるよな。そりゃ。
「というわけでそんな朴念仁なジャンヌは、大人しくジャンヌサンタになってプレゼントを配るさ!」
「お前、何言ってるの!?」
「うわー、アッキーって自分だけよければいいってタイプさ? 自分は充実してるから子供にプレゼントなんて配る必要ないなんて。あぁ、これが民に好かれるあの英雄ジャンヌ・ダルクの本当の顔ってわけさ。最低さね?」
「えぇ……なんで俺が悪い流れになるの? てか年齢的には俺もらう側じゃない?」
「ええい、つべこべ言わずこれを着るさ!」
ミストが背負った袋を机にたたきつけるようにすると、中から品物が飛び出した。
赤い服? あぁ、サンタのコスチュームか。
それにしてはなんだか薄いような……。
「は!? なんだこれ……面積狭すぎだろ! てかミニスカ!? 断固断る!」
上もノースリーブだし、ケープがあるとはいえ寒そうだ。さらに下はもう人が着るものなのかと疑うほどの小さなスカート。
そんなものを俺が着るなんて想像して鳥肌立った。
これまでは制服だ正装だということで我慢できたが、こればっかりは絶対無理! ただのコスプレだもん!
「ぬぬ……グダグダと言ってないで早く着るさ! そしてシータ王国から仕入れた新型カメラでアッキーのブロマイドを売りさばくさ!」
「お前最低だな! 誰がなんと言おうと絶対断る!」
「ええい、こうなったら、先生! お願いしますさ!」
ミストが手を鳴らす。
するとドアが開き、ぞろぞろと部屋に入ってきた人物を見て仰天した。
マリア、ニーア、クロエ……そして水鏡に九神!?
「お前らなんでいんの!?」
「いやー、やっぱりこの時期はこれでしょ? うちでもクリスマス導入したら儲かっちゃって。それで考えたのさ。せっかくだからアッキーにも着させようって」
「ぜんっぜん理由になってないんだが!? 九神、お前国王だろ! フットワーク軽すぎ!」
「まったく、私たちだって暇じゃないんだから。さっさとしてよ」
「だからなんで俺が悪い流れ!? てか水鏡、なんでカメラっぽいものスタンバってるの?」
「あたしはジャンヌを無理やり着替えさせる係ね!」
「ニーア、お前も最低だな!」
「大丈夫です、隊長殿! 隊長殿だけに恥ずかしい思いはさせません! わ、私も着てやりますとも! そうすれば隊長殿と一緒に……うへへ」
「いや、クロエ。お前が一番危ない」
「オムカ国王として命ずるのじゃ! ジャンヌはその“さんたくろーす”というのになれ、なのじゃ!」
「即位して早々に、わけのわからん命令を出すな!」
はぁ……ツッコミしすぎて息切れが。
というか精神的な疲れが酷い。
なんで大陸の約3分の1を支配する2国家の上層部がこんなくだらないことしてんの。
「んんんん? いいのかにゃー、ジャンヌ? クリスマスっていうのは、子供たちにプレゼントをあげるってことなんでしょ? それを拒否するってことはだよ? ジャンヌはそういう子供たちはどうでもいいってことかにゃー?」
ニーアが何やらいやらしい笑みを浮かべてそう言ってきた。
なんか嫌な予感。
「うっ……いや、だから年齢的には俺も……」
「富める者と貧しい者の格差を気にしてたんじゃなかったっけ? だからスラムを解体したんだよね?」
「そ、それは……そうだけど」
「というかリンちゃんを放っておいていいのかにゃー?」
「うっ……ううううううう」
その名前を出されると弱い。
「あぁ、可哀そうなリンちゃん。あんなに良い子なのに、プレゼントももらえないなんて。これもそれもジャンヌサンタがケチで意地が悪くて他人に無関心なせいだよねー」
こいつ、本当に嫌なところ突いてくるな。
マツナガに教えてもらったのか?
てかそう言われたら、断れるわけないだろ。
あーもう!
逃げ道も何もないじゃないか!
「わかった。やるよ、やりますよ、やりますとも、やればいいんだろ、やりゃあ!」
半ばやけっぱちになって承諾すると、喚声が湧いた。
「では早速“くりすます”お祭りプロジェクト、王都炊き出し大会の開始なのじゃ!」
はぁ、仕方ない。
とりあえず着替えさせられるのはもう勘弁なので、全員を追い出した。
というわけで赤い布地とにらめっこ。
結構よくできてる。
一応防寒も考慮されているのか、手触りはふかふかだ。ノースリーブだがサンタ帽にケープと手袋もあるので、上はそこまで寒くなさそうだ。
問題は下。
スカート部分は膝上までしかない。
赤のブーツがあるとはいえ、肌が出る領域は広い。てかへそが出るんじゃない? これ絶対寒いヤツ。そして絶対恥ずかしいヤツ。
とはいえここにタイツや肌着というのもなんか違う。
なんだかんだ言って俺も男だ。ここはそう……なんというかロマンがあるんじゃないか?
だからもうこれは、あれだ。
「おしゃれは我慢!」
……いや、俺がそれを気にする必要は本来ないんだけどさ。
とはいえ抵抗はやはりある。
そんな迷っている時に、だ。
衝撃が来た。
胸元にだ。
背後から伸びた両手が、何故か俺の胸元にある。
そしてそれがさわさわと動く。
「ふふふ、だーれじゃ?」
こんなことをする奴はもう決まっている。
てゆうか何度目だよ。
「マリア!」
「ぶっぶー大不正解なのじゃー。余はオムカ国第37代女王マリアンヌ・オムルカなるぞ!」
「そういうのいいから、よ!」
マリアの小さな頭にチョップを見舞った。
「ぶったのじゃー!」
「うるさい、どこから入った!」
「どこから、というか……余は外に出とらんからの。ニーアがうまい具合に隠してくれたのじゃ」
えっ、てことはずっとここにいた?
「もちろんなのじゃ。だからジャンヌがあーだこーだ迷っているのをずっと見てたのじゃ。可愛かったのじゃ!」
く、屈辱……。
何が嫌って、のぞき見されるのほど嫌なことはない。
「ほれほれ、ジャンヌ。早く着るのじゃ。皆はもう働いているからの。お祭りプロジェクトは国の大事! 遅れるわけにはいかんのじゃぞ!」
はぁ……もうしょうがないか。
正直、このお祭りプロジェクトなるもの、前回の鬼ごっこがあるからあまり良い思い出はないが、上も下も一緒になってお祭りで騒ぐのは悪い事ではない。
炊き出しという個人ではなく集団を考えたやり方は、かなり好印象で受け止められるはずだ。何より女王となったといって、マリアの想いが変わったわけではないのは嬉しいことだった。
「分かったから。じゃあちょっと手伝ってくれ。俺、こういう服よく分からないから」
「任せるのじゃ! まずはジャンヌのお洋服を脱がせて……」
「ひゃぅ! て、手か!? つ、冷たくないか!?」
「おおう、ジャンヌの悲鳴はいいのぅ」
「変なこと言ってんな! 脱ぐのは自分でやる!」
「あぁ、もう。ま、いいのじゃ……うむ……やはりジャンヌの裸体はいいのぅ。芸術的なのじゃ」
「女王が裸体とか言うな。えっと、これってどう着るんだ? ファスナーとかないけど」
「いや、これはあれじゃろ。こうずぼっと!」
「ずぼって……えっと、こうか? ん……苦し……いや、いける。ん……とでこれは……こうか? うわっ、予想以上に短い……あ、でも思ったより寒くない、か?」
「おおー、これが“さんたくろーす”というものか」
「実際は違うけどな」
「実際? ジャンヌは“さんたくろーす”を見たことがあるのじゃ?」
「いや、あるというかないというか……」
「むむむ。こうなったら次のお祭りプロジェクトは“さんたくろーす”の捕獲を行うしかなさそうじゃな」
「いややめて。絶対無理だからやめて」
などとくだらない冗談を交わしているうちに着替えが完了した。
姿見がないから自分ではどんな風になっているか分からないけど、マリアの反応を見る限り悪くはなさそうだ。
「ジャンヌ、綺麗じゃぞ」
男の俺が言われる台詞じゃないけど、まぁ嬉しくないといえば嘘になる。
「んじゃ……行くか」
「うむ!」
マリアを先に出して部屋から出る。
そして鍵を閉めて振り返ると、
「あ――」
ニーア、クロエ、水鏡、九神の間の抜けた声と、きょとんとした8の瞳を見つけた。
マリアもその列に加わって、満足そうにこちらを見て来る。
その瞳たちが俺を捉え、上から下へと動き、そしてもう一度下から上に戻ってくる。
すっげぇ不愉快だった。
「お前ら何やってんだぁ!!」
「うむ……やはりどう見ても完璧なのじゃ。どうじゃ、ニーア?」
「ええ、これはもう素晴らしい。全神経を集中してジャンヌの恥ずかしい格好を見ております。記憶しております」
「お前ら、後でお仕置きな。絶対だからな」
パシャ!
「写真撮るな、水鏡!」
「あ、ちょっとダメだって! これ連射に対応してないから。もうちょっと、はい、チーズ」
「チーズじゃねぇ!」
「まぁまぁ。アッキーはもっと女としての自覚を持った方がいいんじゃないかな? ほら、見られることが快感って言うだろ?」
「言わねぇよ! この腐れ国王!」
もう何この状況。
あれ、そういえば一番うるさそうなあいつが静かだ。
「…………」
「おい、クロエ。どうした? 大丈夫か?」
うずくまって動かないクロエ。
不審に思って手を肩を揺さぶると、
「…………うへへへへへ」
気味悪い笑顔で白目をむいているクロエがいた。
もうこいつに何かを期待するのはやめよう。
「てかお前ら働けよ! 炊き出しの準備! はい、ダッシュダッシュ!」
いつまでもぐだぐだしてる連中を追い散らすと、ようやく静かになった。
うぅ、てゆうか余計に恥ずかしくなってきた。
てか何で俺だけ着替えるの?
炊き出しならこんな格好する必要なくない?
うん、そうだ。その通りだ。
別に俺のこんな姿見せたところで皆には関係ない。だから着替えても何ら問題はなし!
ナイス理論。
ということで回れ右して執務室に戻ろうとしたところで、
「あ、そこの君。ジャンヌ様は中にいますか?」
ジル!
体が硬直した。
「お、てかなんかすっげぇ格好。やべ、後ろ姿美人じゃね?」
「まぁそれは認めるっすけど……なんか変な格好っすね」
「まだまだ青いのぅ。あれはこちらを誘っておるのよ。わしには分かる」
サカキにブリーダ、ハワードまで!?
「いや、あれは……サンタ、ですか? まさか――」
更に最低の男かつこの格好の意味を知るマツナガまで!
ヤバい!
逃げようとする。だが遅かった。
「おやおや、変な格好をした人物が軍師殿の執務室の前に。これは危ないのではないのですか、ジーン師団長殿?」
「む、確かに。ちょっとそこの君。こちらを向くのです」
マツナガぁぁぁぁぁぁ! お前! お前!!
「わ、わたしはジャンヌ、様に仕えるもので……その……ジャンヌ様が忘れ物をしたので取ってきて欲しいと」
「それはおかしいですね? 炊き出しに何の忘れ物があると? そんな嘘で我々を欺こうとでも言うのですかな? これはますます怪しい。うん、怪しいですな」
マツナガ、あいつ絶対後で殴る。
だが今はこのピンチを乗り切ることが大事だ。
「そ、その……失礼します!」
「待ちなさ――待て!」
急いで部屋に入ろうとする。
開かない。鍵。2つの意味でしまった。馬鹿か、俺が閉めたんだ。
鍵を取り出す。そして穴に刺した。
そこで肩を掴まれた。
そのままものすごい力で振り向かされて――
「あ……」
「ジャ……ジャンヌ、様?」
ジルがいた。
呆気にとられた表情で、俺の顔を見て来る。
それがなんだかすごい恥ずかしくて、顔が紅潮するのが良く分かる。
そしてその奥に、同様の表情をしたサカキとブリーダ、ハワード、そして必死に笑いをこらえているマツナガの姿が見える。
「え、えっと……これは、だな……その……」
いや、てゆうか近いって。
がっしりとしたジルの体格に包まれるうような構図。
何よりジルの見下ろす視線が、また恥ずかしい。
「あ……ちょっと、痛い」
「こ、これは失礼しました」
ジルが慌てて肩から手を放して、3歩後退する。
顔を真っ赤にしたジルは、言葉が続かないようで、視線がいたるところに飛んでいた。
「え、マジでジャンヌちゃん? いつもと全然雰囲気が違う……てか女の子してる?」
「お、女の子してるってなんだよサカキ……」
「軍師殿……その格好は……これはまた」
「そ、そのあまり見るなよ……ブリーダ」
「ほぅ……ジャンヌ。お主もその気であったか。どうだ、今夜は?」
「この勘違い老人、一人寂しい聖夜を送ってろ!」
「……………………くっ……くくく」
「マツナガ、後で絶対殴るから。泣いてもやめないからな!」
「その、ジャンヌ様。とてもお美しく思います。ええ、かの伝説に聞く女神のような」
「ジル、あまりそういうの言うなよ……困るから」
というわけで、いつまでも呆然としている男連中を張り倒して炊き出しの準備を指揮した。
結局着替える暇はなかった。もうどうにでもなれだ。
炊き出し大会が始まった。
寒空の中、方々でたき火を燃やしながらパンと暖かいスープを配る。
それぞれの地区に別れたから他のところは分からないが、それなりに盛況だったらしい。
祭りみたいなものだから、酒も解禁されて陽気な声が絶えなかった。格闘大会やダンス大会、音楽大会みたいなものも各地で開かれていたようだ。
誰の顔にも笑顔がある。
誰の上にも幸福がある。
この1年。
あるいは見られなかったかもしれない幸せ。
みんなが頑張ってきたからこそある今という時。
それに少しでもそれに貢献できただろうか。
いや、それ以上の悲しみを生み出したのだろうか。
「お姉ちゃん、キレイ! すごいねー」
その迷いは、リンが吹き飛ばしてくれた。
俺が彼女がいる地区への炊き出し担当になったのは、誰かさんのおせっかいのおかげだろう。
「あ、お姉ちゃんも食べる? とっても暖かくて、おいしいよ!」
リンがそう言ってスープを差し出してくる。
この子は本当に……。
その笑顔を見ているだけで安心できる。
俺のやってきたことは、間違っていないんだと肯定してくれる。
たとえそれが偽善でも、勘違いだとしても。
背中を押してくれるのであれば、それはとても嬉しいことで。
まぁ、たまにはこういうのもいいか。
そう思うんだ。
//////////////////////////////////////
読んでいただきありがとうございます。
序盤はこのようなお遊び回を交えつつ、対帝国の話が進んでいきますので、今しばしお付き合いください。
また、いいねやお気に入りをいただけると励みになります。軽い気持ちでもいただけると嬉しく思いますので、どうぞよろしくお願いします。
俺の執務室にノックの音と共に声が聞こえた。
「アッキー、いるさ?」
入ってきたのはミストだった。肩に何か布袋を背負っていて、それを重そうにどさりと床に下ろす。
「はい、これが注文の品さ」
「注文の品? 何か頼んだ覚えはないぞ?」
というか今、こいつには鉄砲と火薬を調達するようシータ王国に行かせていたはずなんだけど。
「何言ってるさ。今日が何の日か知ってるさ?」
「何の……って、そうか今日は24日か」
クリスマスイブだ。
けどそれは元の世界の話。存在しないこの世界には何の意味もない。
「アッキー、あまりモテなかったさ?」
「な、な何をいきなり!? も、モテたさ! そりゃもう全国の女子たちから注目の的だったさ!」
「じゃあこの日にこんな暢気に仕事してるはずないんだけどさ?」
うっ……まぁバレるよな。そりゃ。
「というわけでそんな朴念仁なジャンヌは、大人しくジャンヌサンタになってプレゼントを配るさ!」
「お前、何言ってるの!?」
「うわー、アッキーって自分だけよければいいってタイプさ? 自分は充実してるから子供にプレゼントなんて配る必要ないなんて。あぁ、これが民に好かれるあの英雄ジャンヌ・ダルクの本当の顔ってわけさ。最低さね?」
「えぇ……なんで俺が悪い流れになるの? てか年齢的には俺もらう側じゃない?」
「ええい、つべこべ言わずこれを着るさ!」
ミストが背負った袋を机にたたきつけるようにすると、中から品物が飛び出した。
赤い服? あぁ、サンタのコスチュームか。
それにしてはなんだか薄いような……。
「は!? なんだこれ……面積狭すぎだろ! てかミニスカ!? 断固断る!」
上もノースリーブだし、ケープがあるとはいえ寒そうだ。さらに下はもう人が着るものなのかと疑うほどの小さなスカート。
そんなものを俺が着るなんて想像して鳥肌立った。
これまでは制服だ正装だということで我慢できたが、こればっかりは絶対無理! ただのコスプレだもん!
「ぬぬ……グダグダと言ってないで早く着るさ! そしてシータ王国から仕入れた新型カメラでアッキーのブロマイドを売りさばくさ!」
「お前最低だな! 誰がなんと言おうと絶対断る!」
「ええい、こうなったら、先生! お願いしますさ!」
ミストが手を鳴らす。
するとドアが開き、ぞろぞろと部屋に入ってきた人物を見て仰天した。
マリア、ニーア、クロエ……そして水鏡に九神!?
「お前らなんでいんの!?」
「いやー、やっぱりこの時期はこれでしょ? うちでもクリスマス導入したら儲かっちゃって。それで考えたのさ。せっかくだからアッキーにも着させようって」
「ぜんっぜん理由になってないんだが!? 九神、お前国王だろ! フットワーク軽すぎ!」
「まったく、私たちだって暇じゃないんだから。さっさとしてよ」
「だからなんで俺が悪い流れ!? てか水鏡、なんでカメラっぽいものスタンバってるの?」
「あたしはジャンヌを無理やり着替えさせる係ね!」
「ニーア、お前も最低だな!」
「大丈夫です、隊長殿! 隊長殿だけに恥ずかしい思いはさせません! わ、私も着てやりますとも! そうすれば隊長殿と一緒に……うへへ」
「いや、クロエ。お前が一番危ない」
「オムカ国王として命ずるのじゃ! ジャンヌはその“さんたくろーす”というのになれ、なのじゃ!」
「即位して早々に、わけのわからん命令を出すな!」
はぁ……ツッコミしすぎて息切れが。
というか精神的な疲れが酷い。
なんで大陸の約3分の1を支配する2国家の上層部がこんなくだらないことしてんの。
「んんんん? いいのかにゃー、ジャンヌ? クリスマスっていうのは、子供たちにプレゼントをあげるってことなんでしょ? それを拒否するってことはだよ? ジャンヌはそういう子供たちはどうでもいいってことかにゃー?」
ニーアが何やらいやらしい笑みを浮かべてそう言ってきた。
なんか嫌な予感。
「うっ……いや、だから年齢的には俺も……」
「富める者と貧しい者の格差を気にしてたんじゃなかったっけ? だからスラムを解体したんだよね?」
「そ、それは……そうだけど」
「というかリンちゃんを放っておいていいのかにゃー?」
「うっ……ううううううう」
その名前を出されると弱い。
「あぁ、可哀そうなリンちゃん。あんなに良い子なのに、プレゼントももらえないなんて。これもそれもジャンヌサンタがケチで意地が悪くて他人に無関心なせいだよねー」
こいつ、本当に嫌なところ突いてくるな。
マツナガに教えてもらったのか?
てかそう言われたら、断れるわけないだろ。
あーもう!
逃げ道も何もないじゃないか!
「わかった。やるよ、やりますよ、やりますとも、やればいいんだろ、やりゃあ!」
半ばやけっぱちになって承諾すると、喚声が湧いた。
「では早速“くりすます”お祭りプロジェクト、王都炊き出し大会の開始なのじゃ!」
はぁ、仕方ない。
とりあえず着替えさせられるのはもう勘弁なので、全員を追い出した。
というわけで赤い布地とにらめっこ。
結構よくできてる。
一応防寒も考慮されているのか、手触りはふかふかだ。ノースリーブだがサンタ帽にケープと手袋もあるので、上はそこまで寒くなさそうだ。
問題は下。
スカート部分は膝上までしかない。
赤のブーツがあるとはいえ、肌が出る領域は広い。てかへそが出るんじゃない? これ絶対寒いヤツ。そして絶対恥ずかしいヤツ。
とはいえここにタイツや肌着というのもなんか違う。
なんだかんだ言って俺も男だ。ここはそう……なんというかロマンがあるんじゃないか?
だからもうこれは、あれだ。
「おしゃれは我慢!」
……いや、俺がそれを気にする必要は本来ないんだけどさ。
とはいえ抵抗はやはりある。
そんな迷っている時に、だ。
衝撃が来た。
胸元にだ。
背後から伸びた両手が、何故か俺の胸元にある。
そしてそれがさわさわと動く。
「ふふふ、だーれじゃ?」
こんなことをする奴はもう決まっている。
てゆうか何度目だよ。
「マリア!」
「ぶっぶー大不正解なのじゃー。余はオムカ国第37代女王マリアンヌ・オムルカなるぞ!」
「そういうのいいから、よ!」
マリアの小さな頭にチョップを見舞った。
「ぶったのじゃー!」
「うるさい、どこから入った!」
「どこから、というか……余は外に出とらんからの。ニーアがうまい具合に隠してくれたのじゃ」
えっ、てことはずっとここにいた?
「もちろんなのじゃ。だからジャンヌがあーだこーだ迷っているのをずっと見てたのじゃ。可愛かったのじゃ!」
く、屈辱……。
何が嫌って、のぞき見されるのほど嫌なことはない。
「ほれほれ、ジャンヌ。早く着るのじゃ。皆はもう働いているからの。お祭りプロジェクトは国の大事! 遅れるわけにはいかんのじゃぞ!」
はぁ……もうしょうがないか。
正直、このお祭りプロジェクトなるもの、前回の鬼ごっこがあるからあまり良い思い出はないが、上も下も一緒になってお祭りで騒ぐのは悪い事ではない。
炊き出しという個人ではなく集団を考えたやり方は、かなり好印象で受け止められるはずだ。何より女王となったといって、マリアの想いが変わったわけではないのは嬉しいことだった。
「分かったから。じゃあちょっと手伝ってくれ。俺、こういう服よく分からないから」
「任せるのじゃ! まずはジャンヌのお洋服を脱がせて……」
「ひゃぅ! て、手か!? つ、冷たくないか!?」
「おおう、ジャンヌの悲鳴はいいのぅ」
「変なこと言ってんな! 脱ぐのは自分でやる!」
「あぁ、もう。ま、いいのじゃ……うむ……やはりジャンヌの裸体はいいのぅ。芸術的なのじゃ」
「女王が裸体とか言うな。えっと、これってどう着るんだ? ファスナーとかないけど」
「いや、これはあれじゃろ。こうずぼっと!」
「ずぼって……えっと、こうか? ん……苦し……いや、いける。ん……とでこれは……こうか? うわっ、予想以上に短い……あ、でも思ったより寒くない、か?」
「おおー、これが“さんたくろーす”というものか」
「実際は違うけどな」
「実際? ジャンヌは“さんたくろーす”を見たことがあるのじゃ?」
「いや、あるというかないというか……」
「むむむ。こうなったら次のお祭りプロジェクトは“さんたくろーす”の捕獲を行うしかなさそうじゃな」
「いややめて。絶対無理だからやめて」
などとくだらない冗談を交わしているうちに着替えが完了した。
姿見がないから自分ではどんな風になっているか分からないけど、マリアの反応を見る限り悪くはなさそうだ。
「ジャンヌ、綺麗じゃぞ」
男の俺が言われる台詞じゃないけど、まぁ嬉しくないといえば嘘になる。
「んじゃ……行くか」
「うむ!」
マリアを先に出して部屋から出る。
そして鍵を閉めて振り返ると、
「あ――」
ニーア、クロエ、水鏡、九神の間の抜けた声と、きょとんとした8の瞳を見つけた。
マリアもその列に加わって、満足そうにこちらを見て来る。
その瞳たちが俺を捉え、上から下へと動き、そしてもう一度下から上に戻ってくる。
すっげぇ不愉快だった。
「お前ら何やってんだぁ!!」
「うむ……やはりどう見ても完璧なのじゃ。どうじゃ、ニーア?」
「ええ、これはもう素晴らしい。全神経を集中してジャンヌの恥ずかしい格好を見ております。記憶しております」
「お前ら、後でお仕置きな。絶対だからな」
パシャ!
「写真撮るな、水鏡!」
「あ、ちょっとダメだって! これ連射に対応してないから。もうちょっと、はい、チーズ」
「チーズじゃねぇ!」
「まぁまぁ。アッキーはもっと女としての自覚を持った方がいいんじゃないかな? ほら、見られることが快感って言うだろ?」
「言わねぇよ! この腐れ国王!」
もう何この状況。
あれ、そういえば一番うるさそうなあいつが静かだ。
「…………」
「おい、クロエ。どうした? 大丈夫か?」
うずくまって動かないクロエ。
不審に思って手を肩を揺さぶると、
「…………うへへへへへ」
気味悪い笑顔で白目をむいているクロエがいた。
もうこいつに何かを期待するのはやめよう。
「てかお前ら働けよ! 炊き出しの準備! はい、ダッシュダッシュ!」
いつまでもぐだぐだしてる連中を追い散らすと、ようやく静かになった。
うぅ、てゆうか余計に恥ずかしくなってきた。
てか何で俺だけ着替えるの?
炊き出しならこんな格好する必要なくない?
うん、そうだ。その通りだ。
別に俺のこんな姿見せたところで皆には関係ない。だから着替えても何ら問題はなし!
ナイス理論。
ということで回れ右して執務室に戻ろうとしたところで、
「あ、そこの君。ジャンヌ様は中にいますか?」
ジル!
体が硬直した。
「お、てかなんかすっげぇ格好。やべ、後ろ姿美人じゃね?」
「まぁそれは認めるっすけど……なんか変な格好っすね」
「まだまだ青いのぅ。あれはこちらを誘っておるのよ。わしには分かる」
サカキにブリーダ、ハワードまで!?
「いや、あれは……サンタ、ですか? まさか――」
更に最低の男かつこの格好の意味を知るマツナガまで!
ヤバい!
逃げようとする。だが遅かった。
「おやおや、変な格好をした人物が軍師殿の執務室の前に。これは危ないのではないのですか、ジーン師団長殿?」
「む、確かに。ちょっとそこの君。こちらを向くのです」
マツナガぁぁぁぁぁぁ! お前! お前!!
「わ、わたしはジャンヌ、様に仕えるもので……その……ジャンヌ様が忘れ物をしたので取ってきて欲しいと」
「それはおかしいですね? 炊き出しに何の忘れ物があると? そんな嘘で我々を欺こうとでも言うのですかな? これはますます怪しい。うん、怪しいですな」
マツナガ、あいつ絶対後で殴る。
だが今はこのピンチを乗り切ることが大事だ。
「そ、その……失礼します!」
「待ちなさ――待て!」
急いで部屋に入ろうとする。
開かない。鍵。2つの意味でしまった。馬鹿か、俺が閉めたんだ。
鍵を取り出す。そして穴に刺した。
そこで肩を掴まれた。
そのままものすごい力で振り向かされて――
「あ……」
「ジャ……ジャンヌ、様?」
ジルがいた。
呆気にとられた表情で、俺の顔を見て来る。
それがなんだかすごい恥ずかしくて、顔が紅潮するのが良く分かる。
そしてその奥に、同様の表情をしたサカキとブリーダ、ハワード、そして必死に笑いをこらえているマツナガの姿が見える。
「え、えっと……これは、だな……その……」
いや、てゆうか近いって。
がっしりとしたジルの体格に包まれるうような構図。
何よりジルの見下ろす視線が、また恥ずかしい。
「あ……ちょっと、痛い」
「こ、これは失礼しました」
ジルが慌てて肩から手を放して、3歩後退する。
顔を真っ赤にしたジルは、言葉が続かないようで、視線がいたるところに飛んでいた。
「え、マジでジャンヌちゃん? いつもと全然雰囲気が違う……てか女の子してる?」
「お、女の子してるってなんだよサカキ……」
「軍師殿……その格好は……これはまた」
「そ、そのあまり見るなよ……ブリーダ」
「ほぅ……ジャンヌ。お主もその気であったか。どうだ、今夜は?」
「この勘違い老人、一人寂しい聖夜を送ってろ!」
「……………………くっ……くくく」
「マツナガ、後で絶対殴るから。泣いてもやめないからな!」
「その、ジャンヌ様。とてもお美しく思います。ええ、かの伝説に聞く女神のような」
「ジル、あまりそういうの言うなよ……困るから」
というわけで、いつまでも呆然としている男連中を張り倒して炊き出しの準備を指揮した。
結局着替える暇はなかった。もうどうにでもなれだ。
炊き出し大会が始まった。
寒空の中、方々でたき火を燃やしながらパンと暖かいスープを配る。
それぞれの地区に別れたから他のところは分からないが、それなりに盛況だったらしい。
祭りみたいなものだから、酒も解禁されて陽気な声が絶えなかった。格闘大会やダンス大会、音楽大会みたいなものも各地で開かれていたようだ。
誰の顔にも笑顔がある。
誰の上にも幸福がある。
この1年。
あるいは見られなかったかもしれない幸せ。
みんなが頑張ってきたからこそある今という時。
それに少しでもそれに貢献できただろうか。
いや、それ以上の悲しみを生み出したのだろうか。
「お姉ちゃん、キレイ! すごいねー」
その迷いは、リンが吹き飛ばしてくれた。
俺が彼女がいる地区への炊き出し担当になったのは、誰かさんのおせっかいのおかげだろう。
「あ、お姉ちゃんも食べる? とっても暖かくて、おいしいよ!」
リンがそう言ってスープを差し出してくる。
この子は本当に……。
その笑顔を見ているだけで安心できる。
俺のやってきたことは、間違っていないんだと肯定してくれる。
たとえそれが偽善でも、勘違いだとしても。
背中を押してくれるのであれば、それはとても嬉しいことで。
まぁ、たまにはこういうのもいいか。
そう思うんだ。
//////////////////////////////////////
読んでいただきありがとうございます。
序盤はこのようなお遊び回を交えつつ、対帝国の話が進んでいきますので、今しばしお付き合いください。
また、いいねやお気に入りをいただけると励みになります。軽い気持ちでもいただけると嬉しく思いますので、どうぞよろしくお願いします。
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