転生特典〈無限スキルポイント〉で無制限にスキルを取得して異世界無双!?

スピカ・メロディアス

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一章 異世界への降り立ち。そして序章

やあ皆、スキャマーお姉さんだよ!今日も皆のために焼き立ての最新話を投げ飛ばしに来たんだよ

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「〈フラッシュライト〉」



 ゴブリンが潜んでいた洞窟に辿り着き初級の光属性魔法で明かりをつけて、奥へと進むと青色の鉱石が壁や天井から生えているのがわかる。



「見ろよユウトっち。この青色に光ってるのが〈ポーション鉱石〉だ。腕力にわかせて引っ張ってもいいが、楽に抜くなら根っこの方に水をかけると〈ポーション鉱石〉は抜けやすくなるぜ」



「わかった。やってみるよ」



 ということでこれも4人で別れて鉱石を採る。



「水をかけるんだったな。〈ウォーターホース〉っと」



 蛇口から出る程度の水を根元にかけてから引っ張るとスポッ!という音と共に簡単に取れてしまった。



「………本当に簡単に取れるな」



「でしょ?ライナーの言葉信じてなかったの?」



「そりゃ、鉱石が引っ張って取れるって聞いて、信じる人なんてそんなにいないと思うぞ?」



 基本的に採掘して取れると思うからな。



「まあ、〈ポーション鉱石〉も繁殖力が高いからね。ちなみにさっきもライナーが言ってたけど、他の鉱石は手で抜けないから気をつけてね」



「そうだな。今日みたいにツルハシの準備を忘れないようにしないとな」



 じゃないと、別のクエストに行った時に困ってしまう。



 その後も優斗は鉱石を引き抜き続け、ある程度集まると4人で洞窟の外に出た。



「これで、採取クエストも残り一つだな」



 ライナーはそう言いながら、最後の採取品を見る。



「最後は〈魔力花〉だったな。なら、優斗は護衛しなくちゃいけないな」



 最後の採取品を確認しながら、キースは盾の準備をする。



「〈魔力花〉っていうのは危険な場所にあるのか?」



「実は、そうなの。少し森の奥の方に咲いてる花でね。危険なモンスターも出てくるから………」



 流石にレベル10の優斗には危険だということだろうか。

 だったら何故この採取クエストも今回の優斗のクエスト対象に選んだのかと疑問が浮かんでくるが。



「ちなみに先に言っておくと、〈魔力花〉は紫色の花で、〈魔力花〉に向かって魔法を使うと淡く光るのが特徴の花だ。だから〈初級魔法〉を使って光らせて確認してから採取するのが一般的なやり方だな。ちなみに〈魔力花〉が咲いてる場所付近には毒を持つ植物も生えていることが多いから、ユウトっちは、くれぐれも〈魔力花〉以外に触れないようにするな、解毒の準備を忘れないようにな」



 成程。毒か。

 確かに毒は経験しようとして無闇矢鱈に突っ込んでもいいことは無い。危険でしか無いからだ。だが、こういう指導中に経験しておくことで危険性を再確認できるということか。



「じゃあ、行くか」



 ライナーがそう言って歩き出し、キースはライナーの少し前を歩く。エレンはライナーに一瞬だけ視線を向けると、先に走り去ってしまった。



(〈魔力花〉の採取クエストを選んだ理由は毒と、この3人の戦いを見せるため、か?)



 昨日のゴブリン討伐でも少しだけ見たが、あれは圧倒的格下に対してのものだった。つまり、この3人にとっては危険は無かったのだ。



 それが今回はゴブリンに比べると危険度はかなり上がる。無論、3人にとってはまだ危険度は少ないのだろうが、それでも優斗に本当の戦いというのを見せるのには丁度いいのだろう。



「エレン、どうだった?」



「〈魔力花〉は何本か咲いてたよ。今日の採取の最低目標は5本だから足りそうだよ」



「モンスターは?ユウトっちの訓練にもなるからな」



「ブラックタイガーが1匹と、地面の中にアースモモンガが10匹くらいいる気配がしたよ」



「アースモモンガはユウトでも倒せそうだな。だが、ブラックタイガーが厄介だ」



「初心者殺しか………ブラックタイガーは俺っちとキースで対処するか」



 アースモモンガ。モモンガは基本的に空を滑空する生き物だと認識しているが、この世界のモモンガは地面に潜るのだろうか。

 それに初心者殺しと呼ばれるモンスター、ブラックタイガーの存在。やはり森の奥は脅威だということだろう。



 その後も、エレンは無事な木の枝を飛びながら移動し、高い場所から周囲を俯瞰。そしてライナー達に状況を伝え続ける。



「もう少し先に〈魔力花〉が咲いてる場所もある。でもタイミング的にブラックタイガーと接触するのも同じ場所かも」



「走ってる様子は無いか?」



「無さそうだよ。でも様子見してる感じかな?気配はバレてると思うけど脅威度はバレてないと思う」



「じゃあユウトっちが見つかるのは面倒だよな。俺っちが傍にいるか」



 ライナーがブラックタイガーから優斗を守るためにすぐ側に来て護衛してくれる。

 優斗も一応剣の柄に触れておく。



「もうすぐで開けた場所に出るよ」



「了解だ」



 キースは了承すると短刀を取り出して左手で持つ。キースは右利きだったが、盾は利き手で持つのだろう。あくまでも防御を重視する形だ。



「!!〈デコイ〉!」



 瞬間、キースは囮スキルを使ったかと思えば、盾の向きを横に変える。



「ガァァァ!!」



 すると、黒色の獣がキースの盾に向かって突進して行った。



「チッ!やっぱりユウトを狙いに行ったか!」



 キースは舌打ちをしながらブラックタイガーを盾で押し返す。



「ガァッ!グギャァ!」



 だが、それで諦めないのがブラックタイガーだ。ブラックタイガーは素早い動きで木へと飛び移ると死角からキースを狙おうとする。



「〈狙撃〉!」



「ガァッ!?」



 だが、そんなことはエレンが許さなかった。ブラックタイガーの行動を予測していたエレンが木の上から弓で狙撃。狙ったのは右目だ。



「助かるエレン!〈反撃〉スキル、発動!」



 〈反撃〉。それは簡単に言うとカウンターのスキルだ。攻撃を受けた際にやり返すとダメージが増量するスキル。技術としてではなくスキルとして発動するこの技は



「グガァ!」



 短刀ではなくただのシールドバッシュ。だが、それでも十二分以上の威力が出る。

 この2人だけでも連携は完成しているように見える。だが、このパーティにはもう1人、仲間がいるのだ。



「ガガァァ!」



「油断大敵、余所見は禁物だぞ?ブラックタイガーさんよ。〈ウィンドブレード〉!」



 剣に風邪を纏わせると、ライナーはその風をブラックタイガーに向かって飛ばした。



「グガギャアグ!」



 生き残るため。その為に回避を選択しようとしたブラックタイガーだったが、避けきれないと判断し、右の後ろ足を犠牲にしながらも回避には成功していた。

 生き残りはした。だが、これではもう逃げきれまい。



「〈チャージ〉完了!〈狙撃〉!!」



 〈チャージ〉という力を溜めて威力を上げるスキルを使い、弓での攻撃でエレンがブラックタイガーの眉間を貫通させて絶命した。



「よし、これで一番の脅威は消えたな」



「そうだね。これでユウトくんが無事に〈魔力花〉を採取できるね」



「まあ、まだアースモモンガが残っているがな」



 だが、肝心のアースモモンガも直ぐに出会うような場所にはいなかった。



「キース、怪我は大丈夫か?」



「ああ。ブラックタイガーの攻撃なら大丈夫だ。あの程度でダメージは負わない」



 優斗が治癒魔法を使おうとするが、キースはそれを断る。優斗の魔力を心配してのことだろう。



「じゃあ、早速採取しますか。さっき俺っちが放った〈ウィンドブレード〉の魔力の残滓で3本くらい光っちまってるが、残り2本はユウトっちが自力で見つけてくれ」



 ということなので、淡く光っていた紫の花を3本回収し、残りの2本を探す。



「そうだなぁ………水魔法が1番わかりやすいか。〈アクアホース〉!」



 優斗は水を辺りに撒くと、1本の花が淡く光った。



「あれ?でもこれ紫じゃなくて青色だな………」



 ということでエレンを呼んで確認して貰うことにした。



「よく気がついたね。この花は〈猛毒草〉って言ってね、皮膚を貫通する事は無いんだけど、爪の間だったり傷口から侵入するの。しかも名前の通り毒が凄く強いから直ぐに解毒しないとあっという間に死んじゃうんだよね」



 危なかった。軽率に触れなかったことに安堵しながら、紫の花を探す。



「にしてもやっぱり採取って地味だな」



 まあそれが採取クエストの醍醐味なのかもしれないが。

 そんなこんなで2本を無事回収することに成功したのだが



「あ、ユウトくん。今近くにアースモモンガがいるよ。3歩ほど下がって」



 とエレンに言われたので3歩下がると、少し前の地面が盛り上がり、中から3匹程モモンガが出てきた。



「出てきたかアースモモンガ。地中と空中のどちらも移動することが出来る器用なモンスターだが、ステータス自体は高くない。ゴブリンよりも少し高い程度だし、武器を持たないから攻撃はゴブリンよりも弱いな」



 キースが説明しながらユウトの背中を押す。



「やっぱり、戦えって事だよな?」



「当たり前だろ?ユウトも立派な冒険者だ。ブラックタイガーは兎も角、アースモモンガ程度なら倒して貰わないとな」



 一先ずは雑魚処理要員ということなのだろう。

 優斗は剣を抜くと、空を飛んでいるアースモモンガを見る。



「ちなみに攻撃のタイミングは?」



「ユウトっちは盾役じゃないからなぁ………攻撃して来た時に回避しながらカウンターをするか、地面に潜ろうとする時に潜られる前に攻撃するかだな」



 タイミングが重要。ちなみに〈弱点看破〉は使用しているが、弱点を見せてくれない。

 剣を抜いて待っていると、1匹のアースモモンガが降りてきた。それと同時に〈弱点看破〉が発動したのかアースモモンガの身体が赤く光って見えてくる。



「タイミングを見ろよユウト。〈弱点看破〉で奴の身体が光りきった時がチャンスだ」



 キースのアドバイスを貰い、タイミングを見計らう。



「………今!」



 優斗は自分でそう叫びながら剣を振り抜く。



「キュッ」



 アースモモンガは可愛らしい鳴き声を上げるも、倒すまではいっておらず、優斗の剣では軌道を変えるので精一杯だった。だが、



「もう少し!」



 そのまま優斗はアースモモンガごと剣を地面に叩きつけ、アースモモンガを倒した。



「よし、1匹完了!」



 残り2匹と視線をアースモモンガに戻すと、2匹目も降りてきている途中だった。



 どうやら地面を目指していたようで、少し遠くに降りようとしている。

 それを逃さないように優斗はアースモモンガに向かって走り、



「今!」



「モキュッ!」



 次は一太刀でアースモモンガを倒した。



「モキュキュ!」



 最後のアースモモンガは、同胞の仇と思ったのだろう。優斗に向かって一直線に降りてきた。



「はぁっ!」



 斬るのは難しそうだが、突なら問題ない。優斗は剣を突き刺して最後のアースモモンガを仕留めた。
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