32 / 49
第5章 母と息子
燕氏
しおりを挟む
七歳の時にはすでに、蔡華には味方というものがいなかった。
一族を危険に晒した咎を受け、燕氏当主の父蔡倫は自害を迫られ、母は卑劣な暴力の末に亡くなっていた。
幼い蔡華は生き残った。都落ちした一族のやるせなさの吐口として、使い勝手のいい奴隷として。
「蔡、薪を集めておいで。広場がいっぱいになるぐらいにね。そうでないと各家に薪が行き渡らないから」
両親から与えられた名は蔡秀。だが、奴隷には過ぎた名だと言われ、「秀」の字は取り上げられた。
「さっさとおし!」
かつての友だちの母親は、虫でも見るような目をして蔡を罵倒した。
擦り切れて異臭を放つ粗末な衣服に、傷だらけの手、七歳になろうというのに、背格好は四歳の子どもと変わらない。そんな状態の子どもに、大人たちは容赦無く冷たく当たる。
「労働力は惜しいからな。殺すよりも有効活用したほうがいい。親の業を償わせながら、民のために働いてもらう」
新たな燕氏の長はそう言って、蔡に雑用を命じる。朝から晩まで休みなく働き通し。
腹が減っても、誰も蔡に飯など用意してくれない。民家のゴミ箱を漁り、カビの生えた麵麭を食べる。泥水をすすり、腹を下しながらも生きながらえた。
「おなか、すいたな」
林に向かう道中、転んで擦りむいた膝をさすりながら、蔡は呟く。
異国と通じ、大麻の販路を拡大させ、私腹を肥やした罪で燕一族は皆処刑される運命にあった。
父は燕族の繁栄のため、皆を指揮してきた。だが眞国と禹国の国境に位置する燕氏の土地は、度々侵略の脅威に脅かされた。国に出仕する官としての立場と、一族の土地を守ることを天秤にかけた結果。父は眞国の手をとり、大麻事業に手を出した。
国に摘発され一族滅亡の危機に瀕したものの、御史台の動きをいち早く察知し、逃げる手筈を整えた。
それ故に、今一族は生き延びることができているのだが。
高慢ちきな燕族は、命が助かっただけでよしとせず、一度栄華を極めた燕氏を凋落させた父を許せなかった。
悴む手を擦り合わせて温めながら、蔡は薪を拾う。
働けども働けども仕事は終わらない。
また一つ枝を手にしたとき、蹄の音が迫ってくるのが聞こえた。
何頭いるのだろう。蔡は音のする方をじっと見つめた。
「軍……?」
現れたのは、立派な蒼い旗を掲げた軍勢だった。
黒い塊となった騎兵たちが、こちらに迫ってくる。
その中に、一躍輝く人間がいた。髭を蓄え、鷹のような鋭い瞳を持った若い男。自信に満ち溢れ、堂々と軍を率いる姿はまるで絵画のようだった。
まだ十代と思われる青年将軍の、猛禽のような瞳が蔡華を捉える。
天敵に狙われた栗鼠のように、蔡は動けなくなった。
「少年、ここで何をしている」
「……薪を拾っています」
「一人でか」
「はい」
蔡は馬に乗った殿上人を前に、ほとんど働かなくなった頭を巡らせた。
きっとこの人は、ぼくらをつかまえにきたんだ。
だってぼくたちは、わるいことをしたんだもの。
青年将軍は目を細めて蔡を凝視すると、片方の口元を吊り上げた。
「お前、蔡倫の息子だな?」
鷹は馬から降り、蔡の前に立つ。
ああ、ぼくはこのひととあったことがある。
都で父が出仕していたとき、蔡は父と共に園遊会に出席したことがあった。その時に拝謁したことがある。この人物は、禹国の東宮、蒼徳だ。禁軍の一部隊を率いていると聞いた。そしてそんな彼がここにいると言えば、国を騒がせた「例の件」の後始末に違いない。
「燕一族の隠れ里を探している。命が惜しくば案内しろ」
喉元には横刀が押し当てられていた。
「ぼくたちをころしにきたんですね」
「おとなしく案内すれば、お前の命は助けてやろう」
「ごあんないします」
蔡の言葉に、蒼徳は片眉をあげた。
「当主の息子のくせに、自分の命可愛さに、ずいぶん簡単に仲間を売るのだな」
侮蔑を込めた蒼徳の言葉にも動じず、蔡は口を開く。
「いえ、ぼくはいのちごいはしません」
「なんだと」
蔡はニコリと笑う。自然に溢れた笑みだった。
「かくれざとにあんないしたら、ぼくをいちばんにころしてください」
心からの安堵と共に、蔡は言う。
「だって、わるいことだとわかっていて、ちちうえがはじめたことだもの。ぼくはとうしゅの子だから。せきにんはぼくがとらないといけないでしょう? そのかわり、ほかの人たちのつみをかるくしてください」
父は幼い蔡に、いつも言っていた。自分の尻は自分で拭えと。当主たるもの、その覚悟がなければ一族を率いることなどできないと。
卑怯者になるな、自分が始めたことを、人に押し付けて逃げる奴にはなるな、と。
初めは何のことだかわからなかった。でも父が死んで、ようやく意味がわかった。
「なぜ、笑う」
「やっとおわりにできるからかなぁ」
殴られても、唾を吐かれても、苦しくても、寂しくても。
責任を取らなきゃいけないから、生きてきた。
来るべき日、父の代わりに命を差し出すために。
気づけば涙が溢れていた。やっと役目を果たせるのに。これでようやく、家族の元に行けるのに。
「なんで、ぼく、泣いて」
蒼徳は蔡の頭に手を置いた。
「蒼の君、そのような汚い子供に触れてはなりません。どんな病気を持っているか」
「黙れ」
部下に向かって、唸るようにそう言った蒼徳は蔡の頭を撫ででくれる。久しぶりの人のぬくもり、優しい手のひらに蔡は驚く。
「燕蔡倫の息子。名を何と言ったか」
「蔡です」
「そうか。お前は今日から、蔡華と名乗れ」
そう言うと蒼徳は、ニヤリと笑う。
「皆の者! 余が先導する。ついて参れ」
蔡華は馬上に引っ張り上げられ、蒼徳の前に乗せられた。
「なかなか見どころのあるやつだ。気に入ったぞ」
その後の光景を、蔡華は忘れることができない。
蒼徳率いる禁軍は、とてつもなく強かった。隠れ里にいた燕の男たちの中には、元々は兵部にいたものもいる。だが誰もが一刀の元に沈み、次々と血の海が作り上げられていった。
蔡華にとって真っ黒だった世界は、粉々に打ち砕かれ、無に期した。
そして真っ白になった世界に残ったのは、ただ一人。
猛禽の瞳をもつ男だった。
「燕の血を残すことはできない。お前は宦官になれ。さすれば余の小間使いとして使ってやる」
一も二もなく蔡華は頷いた。
命を賭して行う宮刑など、怖くない。この男のそばにいるためならば。
もう蔡華の世界の全ては、蒼の色に染まっていたから。
一族を危険に晒した咎を受け、燕氏当主の父蔡倫は自害を迫られ、母は卑劣な暴力の末に亡くなっていた。
幼い蔡華は生き残った。都落ちした一族のやるせなさの吐口として、使い勝手のいい奴隷として。
「蔡、薪を集めておいで。広場がいっぱいになるぐらいにね。そうでないと各家に薪が行き渡らないから」
両親から与えられた名は蔡秀。だが、奴隷には過ぎた名だと言われ、「秀」の字は取り上げられた。
「さっさとおし!」
かつての友だちの母親は、虫でも見るような目をして蔡を罵倒した。
擦り切れて異臭を放つ粗末な衣服に、傷だらけの手、七歳になろうというのに、背格好は四歳の子どもと変わらない。そんな状態の子どもに、大人たちは容赦無く冷たく当たる。
「労働力は惜しいからな。殺すよりも有効活用したほうがいい。親の業を償わせながら、民のために働いてもらう」
新たな燕氏の長はそう言って、蔡に雑用を命じる。朝から晩まで休みなく働き通し。
腹が減っても、誰も蔡に飯など用意してくれない。民家のゴミ箱を漁り、カビの生えた麵麭を食べる。泥水をすすり、腹を下しながらも生きながらえた。
「おなか、すいたな」
林に向かう道中、転んで擦りむいた膝をさすりながら、蔡は呟く。
異国と通じ、大麻の販路を拡大させ、私腹を肥やした罪で燕一族は皆処刑される運命にあった。
父は燕族の繁栄のため、皆を指揮してきた。だが眞国と禹国の国境に位置する燕氏の土地は、度々侵略の脅威に脅かされた。国に出仕する官としての立場と、一族の土地を守ることを天秤にかけた結果。父は眞国の手をとり、大麻事業に手を出した。
国に摘発され一族滅亡の危機に瀕したものの、御史台の動きをいち早く察知し、逃げる手筈を整えた。
それ故に、今一族は生き延びることができているのだが。
高慢ちきな燕族は、命が助かっただけでよしとせず、一度栄華を極めた燕氏を凋落させた父を許せなかった。
悴む手を擦り合わせて温めながら、蔡は薪を拾う。
働けども働けども仕事は終わらない。
また一つ枝を手にしたとき、蹄の音が迫ってくるのが聞こえた。
何頭いるのだろう。蔡は音のする方をじっと見つめた。
「軍……?」
現れたのは、立派な蒼い旗を掲げた軍勢だった。
黒い塊となった騎兵たちが、こちらに迫ってくる。
その中に、一躍輝く人間がいた。髭を蓄え、鷹のような鋭い瞳を持った若い男。自信に満ち溢れ、堂々と軍を率いる姿はまるで絵画のようだった。
まだ十代と思われる青年将軍の、猛禽のような瞳が蔡華を捉える。
天敵に狙われた栗鼠のように、蔡は動けなくなった。
「少年、ここで何をしている」
「……薪を拾っています」
「一人でか」
「はい」
蔡は馬に乗った殿上人を前に、ほとんど働かなくなった頭を巡らせた。
きっとこの人は、ぼくらをつかまえにきたんだ。
だってぼくたちは、わるいことをしたんだもの。
青年将軍は目を細めて蔡を凝視すると、片方の口元を吊り上げた。
「お前、蔡倫の息子だな?」
鷹は馬から降り、蔡の前に立つ。
ああ、ぼくはこのひととあったことがある。
都で父が出仕していたとき、蔡は父と共に園遊会に出席したことがあった。その時に拝謁したことがある。この人物は、禹国の東宮、蒼徳だ。禁軍の一部隊を率いていると聞いた。そしてそんな彼がここにいると言えば、国を騒がせた「例の件」の後始末に違いない。
「燕一族の隠れ里を探している。命が惜しくば案内しろ」
喉元には横刀が押し当てられていた。
「ぼくたちをころしにきたんですね」
「おとなしく案内すれば、お前の命は助けてやろう」
「ごあんないします」
蔡の言葉に、蒼徳は片眉をあげた。
「当主の息子のくせに、自分の命可愛さに、ずいぶん簡単に仲間を売るのだな」
侮蔑を込めた蒼徳の言葉にも動じず、蔡は口を開く。
「いえ、ぼくはいのちごいはしません」
「なんだと」
蔡はニコリと笑う。自然に溢れた笑みだった。
「かくれざとにあんないしたら、ぼくをいちばんにころしてください」
心からの安堵と共に、蔡は言う。
「だって、わるいことだとわかっていて、ちちうえがはじめたことだもの。ぼくはとうしゅの子だから。せきにんはぼくがとらないといけないでしょう? そのかわり、ほかの人たちのつみをかるくしてください」
父は幼い蔡に、いつも言っていた。自分の尻は自分で拭えと。当主たるもの、その覚悟がなければ一族を率いることなどできないと。
卑怯者になるな、自分が始めたことを、人に押し付けて逃げる奴にはなるな、と。
初めは何のことだかわからなかった。でも父が死んで、ようやく意味がわかった。
「なぜ、笑う」
「やっとおわりにできるからかなぁ」
殴られても、唾を吐かれても、苦しくても、寂しくても。
責任を取らなきゃいけないから、生きてきた。
来るべき日、父の代わりに命を差し出すために。
気づけば涙が溢れていた。やっと役目を果たせるのに。これでようやく、家族の元に行けるのに。
「なんで、ぼく、泣いて」
蒼徳は蔡の頭に手を置いた。
「蒼の君、そのような汚い子供に触れてはなりません。どんな病気を持っているか」
「黙れ」
部下に向かって、唸るようにそう言った蒼徳は蔡の頭を撫ででくれる。久しぶりの人のぬくもり、優しい手のひらに蔡は驚く。
「燕蔡倫の息子。名を何と言ったか」
「蔡です」
「そうか。お前は今日から、蔡華と名乗れ」
そう言うと蒼徳は、ニヤリと笑う。
「皆の者! 余が先導する。ついて参れ」
蔡華は馬上に引っ張り上げられ、蒼徳の前に乗せられた。
「なかなか見どころのあるやつだ。気に入ったぞ」
その後の光景を、蔡華は忘れることができない。
蒼徳率いる禁軍は、とてつもなく強かった。隠れ里にいた燕の男たちの中には、元々は兵部にいたものもいる。だが誰もが一刀の元に沈み、次々と血の海が作り上げられていった。
蔡華にとって真っ黒だった世界は、粉々に打ち砕かれ、無に期した。
そして真っ白になった世界に残ったのは、ただ一人。
猛禽の瞳をもつ男だった。
「燕の血を残すことはできない。お前は宦官になれ。さすれば余の小間使いとして使ってやる」
一も二もなく蔡華は頷いた。
命を賭して行う宮刑など、怖くない。この男のそばにいるためならば。
もう蔡華の世界の全ては、蒼の色に染まっていたから。
2
あなたにおすすめの小説
後宮の偽花妃 国を追われた巫女見習いは宦官になる
gari@七柚カリン
キャラ文芸
旧題:国を追われた巫女見習いは、隣国の後宮で二重に花開く
☆4月上旬に書籍発売です。たくさんの応援をありがとうございました!☆ 植物を慈しむ巫女見習いの凛月には、二つの秘密がある。それは、『植物の心がわかること』『見目が変化すること』。
そんな凛月は、次期巫女を侮辱した罪を着せられ国外追放されてしまう。
心機一転、紹介状を手に向かったのは隣国の都。そこで偶然知り合ったのは、高官の峰風だった。
峰風の取次ぎで紹介先の人物との対面を果たすが、提案されたのは後宮内での二つの仕事。ある時は引きこもり後宮妃(欣怡)として巫女の務めを果たし、またある時は、少年宦官(子墨)として庭園管理の仕事をする、忙しくも楽しい二重生活が始まった。
仕事中に秘密の能力を活かし活躍したことで、子墨は女嫌いの峰風の助手に抜擢される。女であること・巫女であることを隠しつつ助手の仕事に邁進するが、これがきっかけとなり、宮廷内の様々な騒動に巻き込まれていく。
あやかしが家族になりました
山いい奈
キャラ文芸
★お知らせ
いつもありがとうございます。
当作品、3月末にて非公開にさせていただきます。再公開の日時は未定です。
ご迷惑をお掛けいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。
母親に結婚をせっつかれている主人公、真琴。
一人前の料理人になるべく、天王寺の割烹で修行している。
ある日また母親にうるさく言われ、たわむれに観音さまに良縁を願うと、それがきっかけとなり、白狐のあやかしである雅玖と結婚することになってしまう。
そして5体のあやかしの子を預かり、5つ子として育てることになる。
真琴の夢を知った雅玖は、真琴のために和カフェを建ててくれた。真琴は昼は人間相手に、夜には子どもたちに会いに来るあやかし相手に切り盛りする。
しかし、子どもたちには、ある秘密があるのだった。
家族の行く末は、一体どこにたどり着くのだろうか。
芙蓉は後宮で花開く
速見 沙弥
キャラ文芸
下級貴族の親をもつ5人姉弟の長女 蓮花《リェンファ》。
借金返済で苦しむ家計を助けるために後宮へと働きに出る。忙しくも穏やかな暮らしの中、出会ったのは翡翠の色の目をした青年。さらに思いもよらぬ思惑に巻き込まれてゆくーーー
カクヨムでも連載しております。
【純愛百合】檸檬色に染まる泉【純愛GL】
里見 亮和
キャラ文芸
”世界で一番美しいと思ってしまった憧れの女性”
女子高生の私が、生まれてはじめて我を忘れて好きになったひと。
雑誌で見つけたたった一枚の写真しか手掛かりがないその女性が……
手なんか届かくはずがなかった憧れの女性が……
いま……私の目の前ににいる。
奇跡的な出会いを果たしてしまった私の人生は、大きく動き出す……
公主の嫁入り
マチバリ
キャラ文芸
宗国の公主である雪花は、後宮の最奥にある月花宮で息をひそめて生きていた。母の身分が低かったことを理由に他の妃たちから冷遇されていたからだ。
17歳になったある日、皇帝となった兄の命により龍の血を継ぐという道士の元へ降嫁する事が決まる。政略結婚の道具として役に立ちたいと願いつつも怯えていた雪花だったが、顔を合わせた道士の焔蓮は優しい人で……ぎこちなくも心を通わせ、夫婦となっていく二人の物語。
中華習作かつ色々ふんわりなファンタジー設定です。
月華後宮伝
織部ソマリ
キャラ文芸
★10/30よりコミカライズが始まりました!どうぞよろしくお願いします!
◆神託により後宮に入ることになった『跳ねっ返りの薬草姫』と呼ばれている凛花。冷徹で女嫌いとの噂がある皇帝・紫曄の妃となるのは気が進まないが、ある目的のために月華宮へ行くと心に決めていた。凛花の秘めた目的とは、皇帝の寵を得ることではなく『虎に変化してしまう』という特殊すぎる体質の秘密を解き明かすこと! だが後宮入り早々、凛花は紫曄に秘密を知られてしまう。しかし同じく秘密を抱えている紫曄は、凛花に「抱き枕になれ」と予想外なことを言い出して――?
◆第14回恋愛小説大賞【中華後宮ラブ賞】受賞。ありがとうございます!
◆旧題:月華宮の虎猫の妃は眠れぬ皇帝の膝の上 ~不本意ながらモフモフ抱き枕を拝命いたします~
後宮なりきり夫婦録
石田空
キャラ文芸
「月鈴、ちょっと嫁に来るか?」
「はあ……?」
雲仙国では、皇帝が三代続いて謎の昏睡状態に陥る事態が続いていた。
あまりにも不可解なために、新しい皇帝を立てる訳にもいかない国は、急遽皇帝の「影武者」として跡継ぎ騒動を防ぐために寺院に入れられていた皇子の空燕を呼び戻すことに決める。
空燕の国の声に応える条件は、同じく寺院で方士修行をしていた方士の月鈴を妃として後宮に入れること。
かくしてふたりは片や皇帝の影武者として、片や皇帝の偽りの愛妃として、後宮と言う名の魔窟に潜入捜査をすることとなった。
影武者夫婦は、後宮内で起こる事件の謎を解けるのか。そしてふたりの想いの行方はいったい。
サイトより転載になります。
視える宮廷女官 ―霊能力で後宮の事件を解決します!―
島崎 紗都子
キャラ文芸
父の手伝いで薬を売るかたわら 生まれ持った霊能力で占いをしながら日々の生活費を稼ぐ蓮花。ある日 突然襲ってきた賊に両親を殺され 自分も命を狙われそうになったところを 景安国の将軍 一颯に助けられ成り行きで後宮の女官に! 持ち前の明るさと霊能力で 後宮の事件を解決していくうちに 蓮花は母の秘密を知ることに――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる