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20 サランガ転移ゲート
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家を確保したとなれば家具が必要になるのは自明の理、商業ギルドで教えてもらった家具屋さんにルンルンで向かっていると、不審者に絡まれた。
「ユーヤ御機嫌だな。お顔もツヤツヤのテカテカで羨ましい限りだぜ」
肩をがっしりと組んでくるが、まるで893かチンピラです。
「ドルーザさん、不機嫌そうな顔をしてどうしたの? 悪い物でも食べたのかな」
「美味しい蜥蜴を一人で食べる奴がいると思うと、臓が煮え繰り返るっていうか、羨ましくてよー」
「やだなー、皆さんにおすそ分けくらいしますよ。食べるのならギルドの食堂でステーキを焼いてもらえば・・・」
「行くぞ!」
即行でギルドに向かい、荒々しく料理長を呼び付けるギルマス。
「ドルーザさん落ち着きなよ、一人で食べる気なのかな。沢山有るので職員のお昼に、蜥蜴のお肉を提供しますよ。交代で食べれば良いでしょ。但し蜥蜴のお肉であってアース何ちゃらでは在りません! 判ってますね。職員の皆さんにもよーく念を押しておいてね。蜥蜴ですよ」
ドルーザさん、首がもげそうなくらいブンブン振って頷いている。
職員にこそこそと教えて回りながら蜥蜴と念を押しているし、他言無用と脅している。
料理長にはドルーザさんの胴体くらいのお肉を提供し、皆さんも食べてねと薦めておく。
俺も小振りな所を一枚焼いてもらい、エールを一杯やりながらつまむ。
俺の目の前に座り、ドルーザさんが満面の笑みでステーキを食べているが、職員より先に食べるのかよ。
エールを一杯差し出すと、片手拝みで受け取った。
この世界には、日本人が関与しているのは間違いないと確信した。
ごっちゃんですって、言わなかっただけましかな。
最後の一口をエールで流し込み、ドルーザさんが俺にコソッと問い掛けてきた。
「ユーヤよー、十日程前には王都に居たよな」
〈ブッー〉ってエールを吹いた。
「オッサン達はストーカーですか」
「すとーかが何か知らないが、お前はこの国では超危険人物だからな。居場所の確認くらいしているさ。十日前には王都に居て今はサランガに居る。その間に蜥蜴を2,3匹狩り、お肉にしてくれと俺の所に来る。お前、空でも飛べるのか?」
「お答え出来ません。冒険者には手の内を晒さない権利がありまーす」
棒読みになったが、教えてやんない。
「やれやれ判って無いな、お前は王都とサランガの間を4~6日の間で移動している事になる。これが何を意味するか、王侯貴族は言うに及ばず冒険者や商人達、他国からも狙われるぞ」
「お前はどうする? 手を出すのなら、その覚悟は出来ているんだろうな」
「よせよせ、王都の騒ぎを知っていて、お前に関わる程馬鹿ではないぞ」
「俺も、美味しいお肉を解体してくれる所を無くしたくない。俺に関する騒ぎには手を出さないでね」
「心配するな。サランガの冒険者ギルドは、お前と敵対する気は更々無い。それよりカードを出せ、プラチナランクに格上げだ」
「えー要らない。ゴールドで満足だよ」
「お前なぁ、蜥蜴をお肉と言ってホイホイ狩って来る奴を、ゴールド如きにして置けるか。出せ!」
「プラチナになったからって面倒事は御免だぞ」
「プラチナランクになるとな、王侯貴族と言えども、迂闊に手が出せない相手の証明になるんだよ。王都のギルドが、お前をプラチナランクに昇格させたがっていたがヘマをしたからな。お前がサランガでプラチナランクになると、サランガギルドの格も上がるってものだ」
「そうだ、俺この街で家を借りたんだ。でも尋ねて来ても居ないよ、居ても返事をする気も無いからね」
ドルーザさん、首を振りながら舌打ちをする器用な芸当を披露してくれた。
「それじゃー、俺達がお前に用が有る時はどうすれば良いんだ」
「俺は人生を気楽に生きる為に冒険者になったので、人様の都合で右往左往したくない。今迄俺が居なくても何とかしてたでしょ。これからもそうしてね」
「お前ってそんなに冷たい奴だったのか、失望したよ」
「うん、他人の事なんか知った事じゃない」
ドルーザさん、ステーキとエールのお代わりを怒鳴っている。
嫌だねー、酔っ払いって。
俺の転移魔法陣の事がばれるのも時間の問題か、知られても他人が使えるのかどうか知らないんだよな。
一度誰かに協力してもらい、転移魔法陣を他人が使えるか否か確かめる必要がある。
クルフとシャイニーに頼むか、それに転移魔法陣の大きさとか他人にも見える様に設置出来るのかどうかも問題だ。
1、俺以外の者も使えるか否か。
使えるのなら何が必要か。
2、物だけでも送れるか否か。
3,魔法陣の大きさの自由度はどうか。
4、魔法陣が人に見えるか否か。
5、魔法陣の上に土魔法でコーティングしても使えるのか確認。
6、魔法陣の一部を損壊しても使用可能か否か。
魔法の神様って居るのかな?
武闘神や商業神が居るのなら、魔法神が居ても可笑しくない。
クルフやシャイニーに聞いた方が早いと思い、受付のお姐様に尋ねる。
最近は近場で狩りをしていて、夕方には現れると聞いたので夕方に出直して来る事にした。
食堂からカウンターの見える位置に陣取り、クルフ達の帰りを待つが、俺の周囲は椅子一つ開けて人が座る。
たまに隣に座っても、俺の顔を見た途端にそそくさと移動していくのは何故だ?
クルフとシャイニーに手を振り、エールと蜥蜴のお肉を提供して頼みがあるとお願いする。
二人とも満面の笑みでステーキを食べ、エールを煽る。
サランガの街と色々な教会の案内を頼む。
近道の都合で他人には頼めないと言うと、感づいて承知してくれた。
「ユーヤ御機嫌だな。お顔もツヤツヤのテカテカで羨ましい限りだぜ」
肩をがっしりと組んでくるが、まるで893かチンピラです。
「ドルーザさん、不機嫌そうな顔をしてどうしたの? 悪い物でも食べたのかな」
「美味しい蜥蜴を一人で食べる奴がいると思うと、臓が煮え繰り返るっていうか、羨ましくてよー」
「やだなー、皆さんにおすそ分けくらいしますよ。食べるのならギルドの食堂でステーキを焼いてもらえば・・・」
「行くぞ!」
即行でギルドに向かい、荒々しく料理長を呼び付けるギルマス。
「ドルーザさん落ち着きなよ、一人で食べる気なのかな。沢山有るので職員のお昼に、蜥蜴のお肉を提供しますよ。交代で食べれば良いでしょ。但し蜥蜴のお肉であってアース何ちゃらでは在りません! 判ってますね。職員の皆さんにもよーく念を押しておいてね。蜥蜴ですよ」
ドルーザさん、首がもげそうなくらいブンブン振って頷いている。
職員にこそこそと教えて回りながら蜥蜴と念を押しているし、他言無用と脅している。
料理長にはドルーザさんの胴体くらいのお肉を提供し、皆さんも食べてねと薦めておく。
俺も小振りな所を一枚焼いてもらい、エールを一杯やりながらつまむ。
俺の目の前に座り、ドルーザさんが満面の笑みでステーキを食べているが、職員より先に食べるのかよ。
エールを一杯差し出すと、片手拝みで受け取った。
この世界には、日本人が関与しているのは間違いないと確信した。
ごっちゃんですって、言わなかっただけましかな。
最後の一口をエールで流し込み、ドルーザさんが俺にコソッと問い掛けてきた。
「ユーヤよー、十日程前には王都に居たよな」
〈ブッー〉ってエールを吹いた。
「オッサン達はストーカーですか」
「すとーかが何か知らないが、お前はこの国では超危険人物だからな。居場所の確認くらいしているさ。十日前には王都に居て今はサランガに居る。その間に蜥蜴を2,3匹狩り、お肉にしてくれと俺の所に来る。お前、空でも飛べるのか?」
「お答え出来ません。冒険者には手の内を晒さない権利がありまーす」
棒読みになったが、教えてやんない。
「やれやれ判って無いな、お前は王都とサランガの間を4~6日の間で移動している事になる。これが何を意味するか、王侯貴族は言うに及ばず冒険者や商人達、他国からも狙われるぞ」
「お前はどうする? 手を出すのなら、その覚悟は出来ているんだろうな」
「よせよせ、王都の騒ぎを知っていて、お前に関わる程馬鹿ではないぞ」
「俺も、美味しいお肉を解体してくれる所を無くしたくない。俺に関する騒ぎには手を出さないでね」
「心配するな。サランガの冒険者ギルドは、お前と敵対する気は更々無い。それよりカードを出せ、プラチナランクに格上げだ」
「えー要らない。ゴールドで満足だよ」
「お前なぁ、蜥蜴をお肉と言ってホイホイ狩って来る奴を、ゴールド如きにして置けるか。出せ!」
「プラチナになったからって面倒事は御免だぞ」
「プラチナランクになるとな、王侯貴族と言えども、迂闊に手が出せない相手の証明になるんだよ。王都のギルドが、お前をプラチナランクに昇格させたがっていたがヘマをしたからな。お前がサランガでプラチナランクになると、サランガギルドの格も上がるってものだ」
「そうだ、俺この街で家を借りたんだ。でも尋ねて来ても居ないよ、居ても返事をする気も無いからね」
ドルーザさん、首を振りながら舌打ちをする器用な芸当を披露してくれた。
「それじゃー、俺達がお前に用が有る時はどうすれば良いんだ」
「俺は人生を気楽に生きる為に冒険者になったので、人様の都合で右往左往したくない。今迄俺が居なくても何とかしてたでしょ。これからもそうしてね」
「お前ってそんなに冷たい奴だったのか、失望したよ」
「うん、他人の事なんか知った事じゃない」
ドルーザさん、ステーキとエールのお代わりを怒鳴っている。
嫌だねー、酔っ払いって。
俺の転移魔法陣の事がばれるのも時間の問題か、知られても他人が使えるのかどうか知らないんだよな。
一度誰かに協力してもらい、転移魔法陣を他人が使えるか否か確かめる必要がある。
クルフとシャイニーに頼むか、それに転移魔法陣の大きさとか他人にも見える様に設置出来るのかどうかも問題だ。
1、俺以外の者も使えるか否か。
使えるのなら何が必要か。
2、物だけでも送れるか否か。
3,魔法陣の大きさの自由度はどうか。
4、魔法陣が人に見えるか否か。
5、魔法陣の上に土魔法でコーティングしても使えるのか確認。
6、魔法陣の一部を損壊しても使用可能か否か。
魔法の神様って居るのかな?
武闘神や商業神が居るのなら、魔法神が居ても可笑しくない。
クルフやシャイニーに聞いた方が早いと思い、受付のお姐様に尋ねる。
最近は近場で狩りをしていて、夕方には現れると聞いたので夕方に出直して来る事にした。
食堂からカウンターの見える位置に陣取り、クルフ達の帰りを待つが、俺の周囲は椅子一つ開けて人が座る。
たまに隣に座っても、俺の顔を見た途端にそそくさと移動していくのは何故だ?
クルフとシャイニーに手を振り、エールと蜥蜴のお肉を提供して頼みがあるとお願いする。
二人とも満面の笑みでステーキを食べ、エールを煽る。
サランガの街と色々な教会の案内を頼む。
近道の都合で他人には頼めないと言うと、感づいて承知してくれた。
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