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11.護衛騎士の驚き(Sideカイル)
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「殿下、ミラン公爵令嬢ってあんな感じでしたっけ!?」
二時間目の授業を終えてすぐカイルに連れ出され、人気のない教室に着いてからの第一声がこれだった。
「会ったのかい?いつ?どこで?」
「さっきの休み時間、終わり掛けにたまたま遭遇したんです。殿下には悪いけど、俺はミラン公爵令嬢がマリアちゃんの事を知ってて近付いたのかと疑ってたんで、それとなく探りを入れました」
クリストファーとて、その可能性を全く考えなかったわけではない。
マリアが聖女だと言うことは公にされていないが、ミラン公爵家ほどの高位貴族なら知らされている可能性が高い。
公爵がヴィオレッタを王子妃に推すなら、マリアの存在は脅威となるはずだ。
「その疑いは晴れたのかな?」
「晴れたどころか、粉々に砕かれた気分ですよ。俺、彼女に物凄く失礼な態度を取ったんで、後で取り成してもらえると助かります。あの美女に睨まれたらゾッとする!いやそれはそれでアリかも!?」
「お前の冗談に付き合う気はないよ、カイル」
「いやー、半分本気ですよ。彼女ってキツい印象はありましたけど、どちらかというと大人しいタイプじゃないですか。あんなキリッとしてるなんて、思わなかったなぁ」
マリアと親しくすることで、何かしらの見返りがあるとヴィオレッタに匂わせたところ、そんなことのために友人を作るわけじゃないと反論され、本人が明かしていない事情を他人の口から勝手に話してはいけないと釘を刺されたという。
「俺が殿下の護衛騎士ということを知った上で、あれだけ毅然とした態度を示せるんですから、大したもんですよ。思慮深さも感じましたね」
「あぁ、そんな感じだよね。いつも黙って周囲を見下しているように見えていたけど、あれは言いたいことを飲み込んでいたのかもしれないね。今の彼女を見てると、そう思うんだ」
「殿下から聞いた話だけじゃ正直ピンときませんでしたけど、今の彼女はイイですね」
ニヤリと笑うカイルを見て嫌な予感がした。
「カイル、何を企んでいる?」
「いいえ、何も。ただ、今日の昼がちょー楽しみになったな~って」
「……くれぐれも余計なことはしてくれるなよ?」
「勿論です。殿下のお気持ちが最優先ですから」
この言葉に嘘はないけど、カイルは時に僕自身がまだ気付いていなかったり、無意識に蓋をしているような気持ちにまで切り込んでくるので、油断ならない。
だからこそ誰より信頼できるのだけど。
「それにしても、マリアちゃんに友達が出来そうでよかったですね」
「そうだね、安心した」
「しかも相手はマリアちゃんの養子先より家格が高くて、学年も上ですよ。ミラン公爵令嬢が良い手本になって、マリアちゃんを導いてくれたら文句なしですね」
「今の彼女になら、それを期待したくなるな……ただ、あまりこちらの思惑に絡ませず、二人には良き関係を築いて欲しい」
これからマリアに待ち受けているのは、いばらの道だろう。
今まで平民として生きてきた中で身に着いた常識や価値観を塗り替えられ、王命で結婚を強いられる可能性が高い。
そんなあの子に、憧れのご令嬢が親身になって寄り添ってくれたら、どんなに心強いことか。
「ところで、ミラン嬢は僕の事は、何か言っていなかったかな」
「いいえ、特になにも?」
「…………本当に?」
「勿論。嘘をつく理由なんてないですし」
「お前と話していて僕の事を全く話題にしないなんて、そんなことがあるか?」
「現にあったんですから、現実を受け入れてくださいよ」
「もしかして今の彼女は、僕に興味がないのだろうか…………」
「頭を打って目が覚めたとか?目と言うか、恋心っすかね!」
「おいお前……!」
「うわっ、目ぇ怖っ!」
カイルは魅力的な男で、常にあちこちの令嬢に言い寄られている。
ただ、その中にはカイルを足掛かりに我々と親しくなり、あわよくばと第二王子妃の座を狙う令嬢も何人かいる。そんな彼女たちは、カイルから王家の情報を引き出そうとする。よくあることだ。
が、ヴィオレッタ嬢はミラン公爵家の令嬢なのに、それを一切しなかった。
「前向きに考えましょう。ミラン公爵家は中立派だから、迂闊にご令嬢の婚約者を決められないんでしょう。派閥のバランスが崩れかねません」
「それは、そうだな。思慮深い彼女は、迂闊なことはしないだろう」
「今はまだ、婚約者探しに積極的では無いんじゃありませんか?」
「まぁ、そうだろうな。公爵家には優秀な嫡男がいるし、次男も騎士団の若手有望株だ。上二人が盤石だからこそ、大事な一人娘の嫁ぎ先はじっくり考える時間があるんだろう」
冷静に分析している間、カイルがニコニコしながらこちらを見ていたのだが、最後まで気付かなかった。
「”そういうんじゃない”って言ってましたけど、俺から見たらあと一歩なんですよねぇ」
「何か言ったか?」
「いいえ、なーんも。そろそろ次の授業に向かいましょうか」
生暖かい目でこちらを見るカイルを怪訝に思いつつ、次の授業に間に合うよう足早に教室へ向かった。
◇◇◇
(ミラン公爵家は中立派を保っているけど、前公爵夫人は元王女だ。その上、あの家は他国の血を一度も入れていないから、クリストファー殿下の婚約者にはぴったりなんだよなぁ)
だからこそヴィオレッタは生徒会入りを許されたし、本人にも少なからずその意思はあったのだろう。そのため、まだ婚約者決めを先延ばしにしたい殿下からしたら疎ましい存在だったけれど、ヴィオレッタ自身が第二王子妃に相応しい資質を持っているならば、話は変わってくる。
(殿下は王位を望んでいない。優秀で、自分に優しい第一王子と対立したくないからだ)
ハッキリと口には出さないけど、クリストファー殿下は義兄の第一王子に対して引け目がある。
病弱だけど優秀で、人を惹きつける魅力を持った第一王子に対し、何もかも人並みな自分では到底かなわないと理解しているし、それなら自分なりに出来ることをしようと前を向いている。
それなのに、侯爵家出身の才媛である側妃を母に持ち、心身共に健康というだけの理由で優しい義兄を脅かしてしまう、己の立場を憂いているのだ。
第一王子の母方の祖母は異国出身で、病弱なのはそのせいじゃないかと批判する古い考えの高位貴族も、この国にはまだ少なからず存在する。
その者たちからすれば、第二王子がミラン公爵令嬢を娶れば王位に推す理由が増えるわけだ。
クリストファーの望みを叶えるためには、彼と同じ考え方で、高位貴族を納得させられる身分で、野心を持たない妃が必要だと、カイルはずっと考えていた。そして、そんなご令嬢には簡単には出会えないと思っていたけど、ここに来てようやく見つかった。
(ただ、マリアちゃんの能力が安定したら、側妃様はそっちを押しそうなんだよなぁ。あわよくば息子を王位につけたい気持ちは、母の愛ってやつなんだろうけどね)
聖女は平民出身だが、高位以上に尊い唯一無二の存在だ。
人と神々を繋ぐ選ばれし乙女。
血で継がれるものではないが、その希少性故に王妃に迎えることが出来れば、周辺諸国にも優位を取れる。
だからこそ、王位を望まないクリストファーに聖女は合わない。
(ミラン公爵家なら側妃の実家より力があるし、殿下が王位を望まなければ、上手く立場を表明してくれるかな)
カイルはクリストファーの忠臣で、幼い頃から彼に付き従っている。その立場から様々な貴族を見てきたので、人を見る目には自信がある。
(まずは、ヴィオレッタ嬢と殿下を恋仲するところからだなぁ)
そんな期待を胸に臨んだお茶会で度肝を抜かれることになるとは、この時のカイルはまだ知らなかった。
二時間目の授業を終えてすぐカイルに連れ出され、人気のない教室に着いてからの第一声がこれだった。
「会ったのかい?いつ?どこで?」
「さっきの休み時間、終わり掛けにたまたま遭遇したんです。殿下には悪いけど、俺はミラン公爵令嬢がマリアちゃんの事を知ってて近付いたのかと疑ってたんで、それとなく探りを入れました」
クリストファーとて、その可能性を全く考えなかったわけではない。
マリアが聖女だと言うことは公にされていないが、ミラン公爵家ほどの高位貴族なら知らされている可能性が高い。
公爵がヴィオレッタを王子妃に推すなら、マリアの存在は脅威となるはずだ。
「その疑いは晴れたのかな?」
「晴れたどころか、粉々に砕かれた気分ですよ。俺、彼女に物凄く失礼な態度を取ったんで、後で取り成してもらえると助かります。あの美女に睨まれたらゾッとする!いやそれはそれでアリかも!?」
「お前の冗談に付き合う気はないよ、カイル」
「いやー、半分本気ですよ。彼女ってキツい印象はありましたけど、どちらかというと大人しいタイプじゃないですか。あんなキリッとしてるなんて、思わなかったなぁ」
マリアと親しくすることで、何かしらの見返りがあるとヴィオレッタに匂わせたところ、そんなことのために友人を作るわけじゃないと反論され、本人が明かしていない事情を他人の口から勝手に話してはいけないと釘を刺されたという。
「俺が殿下の護衛騎士ということを知った上で、あれだけ毅然とした態度を示せるんですから、大したもんですよ。思慮深さも感じましたね」
「あぁ、そんな感じだよね。いつも黙って周囲を見下しているように見えていたけど、あれは言いたいことを飲み込んでいたのかもしれないね。今の彼女を見てると、そう思うんだ」
「殿下から聞いた話だけじゃ正直ピンときませんでしたけど、今の彼女はイイですね」
ニヤリと笑うカイルを見て嫌な予感がした。
「カイル、何を企んでいる?」
「いいえ、何も。ただ、今日の昼がちょー楽しみになったな~って」
「……くれぐれも余計なことはしてくれるなよ?」
「勿論です。殿下のお気持ちが最優先ですから」
この言葉に嘘はないけど、カイルは時に僕自身がまだ気付いていなかったり、無意識に蓋をしているような気持ちにまで切り込んでくるので、油断ならない。
だからこそ誰より信頼できるのだけど。
「それにしても、マリアちゃんに友達が出来そうでよかったですね」
「そうだね、安心した」
「しかも相手はマリアちゃんの養子先より家格が高くて、学年も上ですよ。ミラン公爵令嬢が良い手本になって、マリアちゃんを導いてくれたら文句なしですね」
「今の彼女になら、それを期待したくなるな……ただ、あまりこちらの思惑に絡ませず、二人には良き関係を築いて欲しい」
これからマリアに待ち受けているのは、いばらの道だろう。
今まで平民として生きてきた中で身に着いた常識や価値観を塗り替えられ、王命で結婚を強いられる可能性が高い。
そんなあの子に、憧れのご令嬢が親身になって寄り添ってくれたら、どんなに心強いことか。
「ところで、ミラン嬢は僕の事は、何か言っていなかったかな」
「いいえ、特になにも?」
「…………本当に?」
「勿論。嘘をつく理由なんてないですし」
「お前と話していて僕の事を全く話題にしないなんて、そんなことがあるか?」
「現にあったんですから、現実を受け入れてくださいよ」
「もしかして今の彼女は、僕に興味がないのだろうか…………」
「頭を打って目が覚めたとか?目と言うか、恋心っすかね!」
「おいお前……!」
「うわっ、目ぇ怖っ!」
カイルは魅力的な男で、常にあちこちの令嬢に言い寄られている。
ただ、その中にはカイルを足掛かりに我々と親しくなり、あわよくばと第二王子妃の座を狙う令嬢も何人かいる。そんな彼女たちは、カイルから王家の情報を引き出そうとする。よくあることだ。
が、ヴィオレッタ嬢はミラン公爵家の令嬢なのに、それを一切しなかった。
「前向きに考えましょう。ミラン公爵家は中立派だから、迂闊にご令嬢の婚約者を決められないんでしょう。派閥のバランスが崩れかねません」
「それは、そうだな。思慮深い彼女は、迂闊なことはしないだろう」
「今はまだ、婚約者探しに積極的では無いんじゃありませんか?」
「まぁ、そうだろうな。公爵家には優秀な嫡男がいるし、次男も騎士団の若手有望株だ。上二人が盤石だからこそ、大事な一人娘の嫁ぎ先はじっくり考える時間があるんだろう」
冷静に分析している間、カイルがニコニコしながらこちらを見ていたのだが、最後まで気付かなかった。
「”そういうんじゃない”って言ってましたけど、俺から見たらあと一歩なんですよねぇ」
「何か言ったか?」
「いいえ、なーんも。そろそろ次の授業に向かいましょうか」
生暖かい目でこちらを見るカイルを怪訝に思いつつ、次の授業に間に合うよう足早に教室へ向かった。
◇◇◇
(ミラン公爵家は中立派を保っているけど、前公爵夫人は元王女だ。その上、あの家は他国の血を一度も入れていないから、クリストファー殿下の婚約者にはぴったりなんだよなぁ)
だからこそヴィオレッタは生徒会入りを許されたし、本人にも少なからずその意思はあったのだろう。そのため、まだ婚約者決めを先延ばしにしたい殿下からしたら疎ましい存在だったけれど、ヴィオレッタ自身が第二王子妃に相応しい資質を持っているならば、話は変わってくる。
(殿下は王位を望んでいない。優秀で、自分に優しい第一王子と対立したくないからだ)
ハッキリと口には出さないけど、クリストファー殿下は義兄の第一王子に対して引け目がある。
病弱だけど優秀で、人を惹きつける魅力を持った第一王子に対し、何もかも人並みな自分では到底かなわないと理解しているし、それなら自分なりに出来ることをしようと前を向いている。
それなのに、侯爵家出身の才媛である側妃を母に持ち、心身共に健康というだけの理由で優しい義兄を脅かしてしまう、己の立場を憂いているのだ。
第一王子の母方の祖母は異国出身で、病弱なのはそのせいじゃないかと批判する古い考えの高位貴族も、この国にはまだ少なからず存在する。
その者たちからすれば、第二王子がミラン公爵令嬢を娶れば王位に推す理由が増えるわけだ。
クリストファーの望みを叶えるためには、彼と同じ考え方で、高位貴族を納得させられる身分で、野心を持たない妃が必要だと、カイルはずっと考えていた。そして、そんなご令嬢には簡単には出会えないと思っていたけど、ここに来てようやく見つかった。
(ただ、マリアちゃんの能力が安定したら、側妃様はそっちを押しそうなんだよなぁ。あわよくば息子を王位につけたい気持ちは、母の愛ってやつなんだろうけどね)
聖女は平民出身だが、高位以上に尊い唯一無二の存在だ。
人と神々を繋ぐ選ばれし乙女。
血で継がれるものではないが、その希少性故に王妃に迎えることが出来れば、周辺諸国にも優位を取れる。
だからこそ、王位を望まないクリストファーに聖女は合わない。
(ミラン公爵家なら側妃の実家より力があるし、殿下が王位を望まなければ、上手く立場を表明してくれるかな)
カイルはクリストファーの忠臣で、幼い頃から彼に付き従っている。その立場から様々な貴族を見てきたので、人を見る目には自信がある。
(まずは、ヴィオレッタ嬢と殿下を恋仲するところからだなぁ)
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