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16.たぶん、この辺りのゲーム!
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帰宅してすぐ、今日のお茶会で得た情報を、忘れないうちにノートにまとめた。
(なんたって記憶力に自信がない。昨日の夕飯だってうろ覚え!そもそも、この家の食卓って品数多すぎるんだよ……ってそれは今どうでもいい!)
前世の記憶を手繰り寄せて、思い出したことや気付いたことを箇条書きにして読み返す。
(白金やなぎ先生がイラストレーターとして独立する前に所属してたゲームメーカーが、一時期聖女ヒロインの乙女ゲームをシリーズ展開してたんだよね)
ゲーム制作会社ローズベルベットの専属イラストレーター、白金やなぎ先生。
先生がキャラクターデザインした乙女ゲームが大ヒットしたことをキッカケに、何本も乙女ゲームをリリースしていた。たしか聖女シリーズだけでも5本はあった。全部持っているし、お気に入りキャラのルートは複数回プレイした。
だけど、ここでまた私の記憶力のポンコツっぷりが浮き彫りになる。
「うぅ~~~ん……ヒロインの名前がぜーんぶ似た感じだよなぁ……?マリアもいたと思うけど、マリエルとかイリアとか、マリエッタとかもいた気がする。貴族学園や生徒会の設定も、いくつかあったような?」
第一作目は、たしかタイトルが「聖なる乙女のDestiny」だった。
クーデターで国を追われたお姫様が正体を隠して隣国で成長し、攻略対象と恋に落ちて聖なる力を覚醒。自身の運命に立ち向かっていく……みたいな話だった。これのヒロインがマリエルだったような気がする。
「側室が生んだ第二王子のレヴィ様がカッコよかったんだよなぁ。もしこの世界にいるなら拝みに行きたい……」
「何に拝むんですか?」
「ぎゃっ!!!!」
好みどストレートだったキャラのことを考えていたら、リラが部屋に入ってきたことに気付かなかった。
どれだけ質問されても何1つ答えられないので「生徒会メンバーが仕事をしてくれるよう女神像に拝みに行くか考えてた」と適当な返事をして誤魔化した。
これで誤魔化せてしまうくらい、リラは生徒会メンバーに思うところがあるようだ。ちょっと怖い。
◇◇◇
王都のミラン公爵邸には、両親と私の3人が暮らしている。
領地のお屋敷には先代公爵夫妻こと私の祖父母が住み、父に代わって領地経営に励んでいる。
上の兄は外交官として隣国に滞在中で、下の兄は城に仕える文官として忙しく働いているため、この屋敷には滅多に帰らない。
兄たちは話を聞いた感じだと社畜まっしぐらなので、周囲はよく気遣ってあげて欲しい。
「ヴィオレッタ、学園は楽しいかい?」
「リラからも報告を受けていますけど、やはりあなたの口から聞かなくてはね。今日のお茶会はどうだったの?」
登校を再開して以来、顔を合わせるたびに心配そうに話し掛けてくる両親。
足を捻ったことや第二王子と謎に距離が縮まったこと、どうもマリアが聖女っぽいぞということは伏せて、お茶会での出来事を話す。
「あら、クリストファー殿下もご一緒だったのね。殿下の護衛騎士はサルティス侯爵家の次男だったかしら」
「マリアさんはクラウト伯爵家が最近迎え入れた養女だね。遠縁の男爵家の子を引き取ったと聞いているよ」
さすが公爵夫妻、情報がどんどん増えていく。
てっきり元平民だと思っていたけど、マリアは男爵家の出身なのか。それとも、本当は元平民だということが隠されているのかもしれない。
「ヴィオレッタはあまりお友達の話をしないから、こうして楽しく過ごしている様子を聞けて嬉しいよ。お友達はいつでも我が家に招待して構わないからね」
「えぇ。特にマリアさんには、是非お会いしたいわ」
「お父様、お母様、ありがとうございます。まだ記憶が曖昧なところもあるのですが、幸い学園生活に支障はございません。どうか安心なさってくださいね」
和やかに晩餐を終えて、部屋に戻って明日の登校準備を済ませて早めに眠りについた。
◇◇◇
「リラから見て、クリストファー殿下はあの子を妃に望んでいるように見えたかな?」
「まだそこまでは、という印象です。ようやくお嬢様の聡明さに気付いて興味を持ち始めた……ように見えます。とはいえ、殿下が直々に名前で呼ぶことを許しておられたので、陥落するのは時間の問題かと」
「でもあなた、殿下は伯爵家の養女と懇意にしているのでしょう?」
王家の血を引くミラン公爵令嬢と、王の忠臣クラウト伯爵家が養女に迎え入れた訳アリの少女。
どちらも第二王子と親しくしているという話が広まれば、噂好きの貴族たちはあることないことを吹聴するだろう。
「マリア様は男爵家のご出身ではありますが、恐らく田舎の領地なのでしょう。あまり貴族社会に馴染みがないようです。貴族令嬢の鑑と言っても過言ではないお嬢様に憧れているようでした」
「それはよかった。ただ、本人の好意は本物でも、周囲の大人たちがどういう思惑なのかは、まだわからないからね。遠ざける必要はないけれど、ある程度警戒しておいてくれるかい?」
「かしこまりました」
「それにしても、第二王子とお茶の席を共にしたと言うのに、あの子は落ち着いていたね。てっきり殿下を慕っているのかと思っていたけど……」
どうやら殿下へのほのかな想いも、頭を打った際に消え去ってしまったようだ。
特に困ったことはない、と言うのは本心からか、恋心も含めた色々なことを思い出せない不安を隠しているのか。
どちらにしても愛娘が不憫でならないが、悪いことばかりではないと思いたい。
「元々あの子は、あまり学園生活を楽しんでいないようだったからね……。一部の記憶を手放したことでこれから楽しく過ごせるのなら、悪いことばかりではないだろう」
「旦那様。これは私の勝手な意見ですが、お嬢様は忘れたいことを忘れたままにしているように見えるのです」
「……敢えて思い出さないようにしている、ということかい?」
「無意識下のことでしょう。以前は休み時間を共に過ごせる学友が居ないことを苦痛に思っている様子が見受けられましたが、今は調べものや学内の散策をして楽しそうに過ごしておられます」
「まぁ、思ったよりも活動的なのね。あの子って」
「今後はマリア様と過ごすこともあるでしょう。生徒会の活動も、今までと違い無理のない範囲で行っておりますし、殿下と会話するときも、以前より肩の力を抜いてお話されているように見えます」
王子妃候補として、上位貴族の令嬢として、優秀な兄たちの妹として、生徒会役員として。
優秀な兄たちが自由に生きる様を見て育った割には、真面目で責任感の強い性格に育ったヴィオレッタ。二人の王子とも年齢が近く、当たり前のように妃候補だと周囲に見做されていたあの子は、色々な想いを抱えていたのだろう。
学内での出来事に父兄が干渉することは難しく、言葉を掛けることくらいしか出来ずにいたら、疲労が原因の大怪我を負った。貴族の令嬢だというのに、そこまで根を詰めるまで誰にも止められなかった。
それほどまでに、娘は思い詰めていたのだ。
(マリア・クラウト嬢が、あの子に影を落とす存在じゃないことを祈るばかりだ)
慕っている第二王子が特定の女生徒を気に掛けていることを、あの子はどう思っていたのだろう。今でこそ当の本人であるクラウト伯爵令嬢と親しくなったようだけど、記憶を失う前は、深く傷ついていたかもしれない。
「ヴィオレッタ自身が困っていないようなら、今のままでも構わないだろう。また何かあれば報告してくれ」
この先娘にどんな困難が待ち受けていても、親として共に立ち向かうまでだ。
(なんたって記憶力に自信がない。昨日の夕飯だってうろ覚え!そもそも、この家の食卓って品数多すぎるんだよ……ってそれは今どうでもいい!)
前世の記憶を手繰り寄せて、思い出したことや気付いたことを箇条書きにして読み返す。
(白金やなぎ先生がイラストレーターとして独立する前に所属してたゲームメーカーが、一時期聖女ヒロインの乙女ゲームをシリーズ展開してたんだよね)
ゲーム制作会社ローズベルベットの専属イラストレーター、白金やなぎ先生。
先生がキャラクターデザインした乙女ゲームが大ヒットしたことをキッカケに、何本も乙女ゲームをリリースしていた。たしか聖女シリーズだけでも5本はあった。全部持っているし、お気に入りキャラのルートは複数回プレイした。
だけど、ここでまた私の記憶力のポンコツっぷりが浮き彫りになる。
「うぅ~~~ん……ヒロインの名前がぜーんぶ似た感じだよなぁ……?マリアもいたと思うけど、マリエルとかイリアとか、マリエッタとかもいた気がする。貴族学園や生徒会の設定も、いくつかあったような?」
第一作目は、たしかタイトルが「聖なる乙女のDestiny」だった。
クーデターで国を追われたお姫様が正体を隠して隣国で成長し、攻略対象と恋に落ちて聖なる力を覚醒。自身の運命に立ち向かっていく……みたいな話だった。これのヒロインがマリエルだったような気がする。
「側室が生んだ第二王子のレヴィ様がカッコよかったんだよなぁ。もしこの世界にいるなら拝みに行きたい……」
「何に拝むんですか?」
「ぎゃっ!!!!」
好みどストレートだったキャラのことを考えていたら、リラが部屋に入ってきたことに気付かなかった。
どれだけ質問されても何1つ答えられないので「生徒会メンバーが仕事をしてくれるよう女神像に拝みに行くか考えてた」と適当な返事をして誤魔化した。
これで誤魔化せてしまうくらい、リラは生徒会メンバーに思うところがあるようだ。ちょっと怖い。
◇◇◇
王都のミラン公爵邸には、両親と私の3人が暮らしている。
領地のお屋敷には先代公爵夫妻こと私の祖父母が住み、父に代わって領地経営に励んでいる。
上の兄は外交官として隣国に滞在中で、下の兄は城に仕える文官として忙しく働いているため、この屋敷には滅多に帰らない。
兄たちは話を聞いた感じだと社畜まっしぐらなので、周囲はよく気遣ってあげて欲しい。
「ヴィオレッタ、学園は楽しいかい?」
「リラからも報告を受けていますけど、やはりあなたの口から聞かなくてはね。今日のお茶会はどうだったの?」
登校を再開して以来、顔を合わせるたびに心配そうに話し掛けてくる両親。
足を捻ったことや第二王子と謎に距離が縮まったこと、どうもマリアが聖女っぽいぞということは伏せて、お茶会での出来事を話す。
「あら、クリストファー殿下もご一緒だったのね。殿下の護衛騎士はサルティス侯爵家の次男だったかしら」
「マリアさんはクラウト伯爵家が最近迎え入れた養女だね。遠縁の男爵家の子を引き取ったと聞いているよ」
さすが公爵夫妻、情報がどんどん増えていく。
てっきり元平民だと思っていたけど、マリアは男爵家の出身なのか。それとも、本当は元平民だということが隠されているのかもしれない。
「ヴィオレッタはあまりお友達の話をしないから、こうして楽しく過ごしている様子を聞けて嬉しいよ。お友達はいつでも我が家に招待して構わないからね」
「えぇ。特にマリアさんには、是非お会いしたいわ」
「お父様、お母様、ありがとうございます。まだ記憶が曖昧なところもあるのですが、幸い学園生活に支障はございません。どうか安心なさってくださいね」
和やかに晩餐を終えて、部屋に戻って明日の登校準備を済ませて早めに眠りについた。
◇◇◇
「リラから見て、クリストファー殿下はあの子を妃に望んでいるように見えたかな?」
「まだそこまでは、という印象です。ようやくお嬢様の聡明さに気付いて興味を持ち始めた……ように見えます。とはいえ、殿下が直々に名前で呼ぶことを許しておられたので、陥落するのは時間の問題かと」
「でもあなた、殿下は伯爵家の養女と懇意にしているのでしょう?」
王家の血を引くミラン公爵令嬢と、王の忠臣クラウト伯爵家が養女に迎え入れた訳アリの少女。
どちらも第二王子と親しくしているという話が広まれば、噂好きの貴族たちはあることないことを吹聴するだろう。
「マリア様は男爵家のご出身ではありますが、恐らく田舎の領地なのでしょう。あまり貴族社会に馴染みがないようです。貴族令嬢の鑑と言っても過言ではないお嬢様に憧れているようでした」
「それはよかった。ただ、本人の好意は本物でも、周囲の大人たちがどういう思惑なのかは、まだわからないからね。遠ざける必要はないけれど、ある程度警戒しておいてくれるかい?」
「かしこまりました」
「それにしても、第二王子とお茶の席を共にしたと言うのに、あの子は落ち着いていたね。てっきり殿下を慕っているのかと思っていたけど……」
どうやら殿下へのほのかな想いも、頭を打った際に消え去ってしまったようだ。
特に困ったことはない、と言うのは本心からか、恋心も含めた色々なことを思い出せない不安を隠しているのか。
どちらにしても愛娘が不憫でならないが、悪いことばかりではないと思いたい。
「元々あの子は、あまり学園生活を楽しんでいないようだったからね……。一部の記憶を手放したことでこれから楽しく過ごせるのなら、悪いことばかりではないだろう」
「旦那様。これは私の勝手な意見ですが、お嬢様は忘れたいことを忘れたままにしているように見えるのです」
「……敢えて思い出さないようにしている、ということかい?」
「無意識下のことでしょう。以前は休み時間を共に過ごせる学友が居ないことを苦痛に思っている様子が見受けられましたが、今は調べものや学内の散策をして楽しそうに過ごしておられます」
「まぁ、思ったよりも活動的なのね。あの子って」
「今後はマリア様と過ごすこともあるでしょう。生徒会の活動も、今までと違い無理のない範囲で行っておりますし、殿下と会話するときも、以前より肩の力を抜いてお話されているように見えます」
王子妃候補として、上位貴族の令嬢として、優秀な兄たちの妹として、生徒会役員として。
優秀な兄たちが自由に生きる様を見て育った割には、真面目で責任感の強い性格に育ったヴィオレッタ。二人の王子とも年齢が近く、当たり前のように妃候補だと周囲に見做されていたあの子は、色々な想いを抱えていたのだろう。
学内での出来事に父兄が干渉することは難しく、言葉を掛けることくらいしか出来ずにいたら、疲労が原因の大怪我を負った。貴族の令嬢だというのに、そこまで根を詰めるまで誰にも止められなかった。
それほどまでに、娘は思い詰めていたのだ。
(マリア・クラウト嬢が、あの子に影を落とす存在じゃないことを祈るばかりだ)
慕っている第二王子が特定の女生徒を気に掛けていることを、あの子はどう思っていたのだろう。今でこそ当の本人であるクラウト伯爵令嬢と親しくなったようだけど、記憶を失う前は、深く傷ついていたかもしれない。
「ヴィオレッタ自身が困っていないようなら、今のままでも構わないだろう。また何かあれば報告してくれ」
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