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高等部 一年目 皐月→水無月 体育祭
閑話 吾輩はネロである
しおりを挟む**タキシード柄猫視点**
産みゃれた時から前世の記憶がある吾輩。
前世では由緒正しい高貴にゃ血統の黒柴獣人だったのにゃ。
今世は雑種の猫にゃが、人化できにゃい。
紛れも無いただの猫にゃのにゃ。
長い旅路の果てに、若人が集う学園に住み着いたのは、質の良い貢物を貢ぐ猫好きにゃ人間が多いからにゃ。
カリカリ、猫缶、煮干し、時々マグロの刺身を貢いでくれる者もいるにゃ。
しかしここ数日、タイミングが合わず、貢物にありつけていにゃい。
誰かの食べ残しでもいいから何かにゃいかとゴミ箱を漁ったら、甘くて濃ゆい玉子の匂いがしたのにゃ。
吾輩はついついそれを食してしみゃったのにゃ。
変な匂いと味も混ざっていたが、ゴミ箱だから仕方にゃい。
兎に角、甘い甘い玉子を堪能して、吾輩はねぐらに戻ろうとしたのにゃ。
しかし、悠々と人間の子供らが整備する道を歩いている時に、急に腹が痛んだのにゃ。
茂みに隠れて用を足すも下痢が止まらにゃいし、吐き気もするにゃ。
フラフラとねぐらを目指すも上手く歩くことができにゃい。
ああ、吾輩は、ここで死ぬのにゃ・・・
今世では愛しい番に逢うことは叶わにゃかったにゃ。
記憶があるのにゃから、再び番に逢えると思っていたのに、前世と世界が違うせいか、ついぞ再会はできにゃかったのにゃ。
「ネロ?」
時々美味な貢物をくれる小僧の声がするにゃ。
人間は様々にゃ名前を勝手に吾輩に付けて呼ぶのにゃ。
「クロ」
「ハチ」
「タマ」
「タキシード」
「マロ眉」
にゃどにゃど・・・
吾輩を「ネロ」と呼ぶのは銀色の髪の小僧だけにゃ。
時々、吾輩に〇ュールとかいう美味な食べ物を貢いでくれる奴にゃ。
「ネロ」という名前は、前世で高貴にゃ身の上だった吾輩に相応しい響きがあるので、気に入っているのにゃ。
小僧は吾輩を抱き上げると、学園へ向かって走ったのにゃ。
小僧は医務室に吾輩を運んだのにゃった。
医務室には年配の女医が一人いたのにゃ。
「玲子先生、ネロを助けて!」
「猫は専門じゃないのだけど・・・」
そう言いつつ女医は吾輩の体を隅々みゃで診て「食あたり」と判断して、ロクに動けず抵抗できにゃい弱った吾輩に注射を打ちにゃがったのにゃ!!
「ふんぎゃー!!」
「これだけ元気な反応なら大丈夫そうね。」
「ありがとう、玲子先生!」
「どういたしまして。でも、神月君、寄宿舎はペット禁止よ?」
「でも、ほっとけないよ・・・」
銀髪小僧はそう言って優しく吾輩の背を撫でたのにゃ。
苦しゅうにゃい。
もっとにゃでるが良いにゃ。
「ご実家は?」
「ああ、うち、ケン兄が猫キライだし、楓太兄ちゃん、猫アレルギーなんだよね。」
「楓太君、アメリカの病院でしょ?」
「6月で研修終わるから、帰国するみたい。」
「あらあら、困ったわね。いいわ、理事権限で期間限定で許可出してあげる。」
「いいの?」
「新しい飼い主を見つけるまでね。」
「ありがとう!」
にゃんだかんにゃで銀髪小僧の所で世話ににゃったあと、理事長室で吾輩は飼われることににゃったのにゃ。
理事長は時々、高級にゃカリカリを吾輩に貢いでいた男にゃ。
つまり、この学園のトップが吾輩の配下に下ったのにゃ。
この学園は全て吾輩の縄張りとにゃったのにゃ!
吾輩の下僕とにゃった理事長が付けてくれた高級にゃ紅い首輪をつけて、吾輩は今日も自由に学園を闊歩するのにゃ。
そんにゃある日、下僕が吾輩を小さにゃ蓋つきの籠に入れて病院へ・・・
みゃさか注射にゃ?
吾輩はどこも悪くにゃい!
暴れる吾輩の目の前に、マタタビの誘惑にゃ!
その誘惑に負けた吾輩は注射を打たれ、意識を失ったのにゃ。
「無事に去勢手術、終わりましたよ。」
意識が戻った時、吾輩の自慢の玉が消えていたのにゃ!
これでは番に再会した時に交尾ができにゃいではにゃいか!
にゃんという事をしてくれたのにゃ!!
人間とは今世もにゃんと卑怯にゃ生き物にゃ!!!
吾輩が屈辱に奮えていると
「ネロ、いい子でがんばりましたね。」
と笑顔で言うのんきな下僕・・・
「シャアアアア!!!」
思いっきり威嚇して吾輩のアイアンクローを下僕の顔面にお見舞いしてやったのにゃ。
そして、股間の傷が癒えた頃に家出をしたのにゃ。
にゃが、にゃん度家出してもすぐに見つかって捕獲されるにゃ。
「ネロ、また家出?」
銀髪小僧がにゃぜか吾輩の隠れ場所を見つけるのが上手いのにゃ。
そして、チュー〇に誘われてうっかり捕獲されるのにゃ。
「颯? 何してんだ?」
小僧が茂みから吾輩を引っ張りだしているところ、通りががった二人組に声をかけられたのにゃ。
「ネロがまた家出したから、捕獲中。」
そう言って小僧が吾輩の首根っこをつみゃみ上げた状態で二人組に向けたのにゃ。
「うわぁ・・・」
二人組のうち、黒髪の小僧には嫌悪の眼差しを向けられたにゃ。
前世の愛娘が思春期の時に吾輩に向けた視線と同じで凹むにゃ・・・
そして、もう一人と目が合ったのにゃ。
番にゃ!
見た目も体型もにゃにもかも違ってしまっているにゃが、間違いなく吾輩の前世の番にゃ!
「んにゃっ、にゃにゃっ!」
前世の番の名前を呼んで、懸命に手を伸ばすにゃが、
「ごめん、俺、猫は苦手!」
番はそう言って黒髪の小僧の後ろに隠れたのにゃ。
「ネロ、残念だったね。理事長先生のとこ、帰ろう。」
せっかく、前世の番に逢えたのに、吾輩は下僕の待つ部屋に強制的に戻されたのにゃ。
「ネロ、お帰り~♡」
「シャアアアア!!!」
出迎えた下僕に八つ当たりのアイアンクローをお見舞いしたのにゃ。
そして下僕の配下が用意してくれた高級猫缶を食して高級猫ちぐらの中に籠って就寝したのにゃ。
愛しき我が番が学園内にいるのは僥倖にゃ。
英気を養って番のねぐらを特定せねばにゃ。
今世は種族が違う故、契るのは難しいにゃろうが、吾輩のこのキュートにゃ姿形に心奪われる筈にゃ!
翌朝、吾輩は早速脱走して番の匂いを辿ってねぐらを特定したのにゃ。
ベランダから中を覗くと、番と黒髪の小僧が裸でニャンニャン。
悪夢にゃ・・・!
今世の番は完全完璧にゃ雄にゃった!
前世の吾輩のイチモツに勝るとも劣らにゃいイチモツの主ににゃっていたのにゃ!
しかも、間男との浮気交尾を目撃するにゃんて!
前世で番の他に側室を作った罰かにゃ?
「浮気者のクズとは今世限り。来世こそは僕の運命と添い遂げられますように。」
前世の番が密かに神に祈っていた言葉を盗み聞きして凹んにゃ日の事を思い出したにゃぁ・・・
にゃんて日にゃ!!
─────────
ネロ目線の登場人物
ネロ
タキシード柄黒白猫
顔はハチワレで麻呂眉な黒柴っぽい柄
名前の由来
イタリア語で黒色
ローマ皇帝の暴君ネロ
颯的にはパトラッシュの飼い主の名前
銀髪小僧 颯
ネロのお気に入り
女医 玲子先生
注射怖い
下僕 理事長
過保護でウザイ飼い主
下僕の配下 向井さん
高級猫缶をくれる気の利くいい奴
黒髪の小僧 健太
番の間男
ネロは前世の愛娘だと気づいてない
番 城山
ネロの前世の番 大好き
裏設定
前世の記憶持ちは、前世で肉体関係のあった相手と前世で産んだ子どものみ前世の関係者だと認識できる
前世のネロの子供は6男4女
αは末娘のみで他はβで赤柴
末娘はレアな白柴で、末っ子だったので、前世のネロは溺愛していた
番と末娘が「運命の番」であったことには全く気付いていなかった
8
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