6 / 31
第六話 提案:無愛契約婚。条件:愛さない、嘘はつけない
しおりを挟む
アシュ・ヴァレンシュタイン宰相が嵐のように去った後、私の屋敷のリビングには、奇妙な静寂が漂っていた。
「……プロポーズ、でしたよね? 今の」
聖女ミレイユ様が、ぽかんと口を開けたまま呟いた。 私はこめかみを指で押さえ、大きく息を吐き出した。
「いいえ。あれはプロポーズという名の『業務提携の打診』よ。色気もへったくれもない、ただの人材確保ね」
「でも、お嬢様を守るっておっしゃいましたよ!」
メイドのニナが目を輝かせている。 彼女は昔から恋愛小説の読みすぎなのだ。
「『政治的な盾』と言ったのよ。つまり、私は彼にとって使い勝手のいい防具というわけ。……まったく、人が婚約破棄されて清々しているところに、次は契約結婚だなんて」
私はソファに深々と体を沈めた。 普通なら「愛のない結婚なんて!」と憤慨するところかもしれない。 あるいは、「あの氷の宰相様の妻に?」と恐れおののくところだろう。
けれど、私の胸の内で計算機が高速で弾き出した答えは――『悪くない』だった。
レオンハルト殿下と教会は、今後なりふり構わず私を潰しにかかるだろう。 今日のように捏造証拠でっち上げや、不法侵入も辞さない構えだ。 私一人でも戦える自信はあるけれど、正直なところ『面倒くさい』。 いちいち火の粉を払う手間を考えれば、国一番の権力者である宰相という防火壁(ファイアウォール)を手に入れるのは、極めて合理的だ。
「……明日、宰相府に行くわ。条件次第では、乗ってあげてもよろしくてよ」
翌日。 私は再び、宰相執務室のドアを叩いた。
「入れ。鍵は開いている」
中に入ると、アシュ様は昨日と同じように書類の山に埋もれていた。 私がソファに座ると、彼は待っていたとばかりに分厚い羊皮紙の束をドンとテーブルに置いた。
「早い回答だ。君ならそうすると思っていた」
アシュ様は無表情のまま、その束を私の前に押しやった。
「これが契約書の草案だ。目を通してくれ」
「……仕事が早すぎませんか?」
一晩で作った量ではない。 パラパラとめくると、『婚姻に伴う相互不可侵条約』『財産分与に関する特記事項』『社交業務における役割分担』など、まるで国家間の条約のような項目が並んでいる。
「私は無駄を嫌う。君との利害一致を確認した時点で、並行して作成を進めていた」
アシュ様は組んだ両手の上に顎を乗せ、淡々と説明を始めた。
「この結婚の目的は二つ。一つは君を王太子派および教会の不当な攻撃から守り、君の『名誉回復』を完遂すること。もう一つは、私が君という『他者に付け入る隙を与えない妻』を得ることで、貴族院からの縁談攻撃を無効化し、国政に集中することだ」
「なるほど。Win-Winというわけですね」
「そうだ。そこで、この契約婚における最重要条項を提示する」
彼は長い指で、契約書の第五条を指し示した。 そこには、太く力強い文字でこう書かれていた。
『甲(アシュ)と乙(リディア)は、互いに恋愛感情を持たないものとする』
私はその一行を見つめ、思わず顔を上げた。
「……恋愛感情の、禁止?」
「その通りだ」
アシュ様は真剣な眼差しで頷いた。
「今回の騒動の原因は何か? 王太子が『真実の愛』などという不確定かつ非論理的な感情に溺れ、判断力を失ったことだ。愛は人を盲目にするバグだ。政治的パートナーシップにおいて、最も不要なノイズと言える」
彼は冷徹に言い切る。
「私は君を、有能なビジネスパートナーとして評価している。だからこそ、そこに恋愛感情を持ち込みたくない。感情のもつれは判断を鈍らせ、契約の遂行を妨げる。……君も、もうあのような馬鹿げた恋愛遊戯には懲りているだろう?」
その言葉は、私の胸にストンと落ちた。 確かにその通りだ。 「愛している」と言われて尽くした結果が、あの断罪劇だ。 愛だの恋だのは、もうお腹いっぱい。 今の私が求めているのは、ときめきではなく『安心』と『確実性』だ。
「ええ、おっしゃる通りですわ、閣下」
私はニッコリと微笑んだ。
「愛さない結婚。なんと素晴らしい響きでしょう! それなら嫉妬に狂うことも、心変わりを心配する必要もありませんものね。最高に気が楽です」
「合意とみなす。では、次の条項だ」
アシュ様は満足げに頷き、次のページをめくった。
「この契約を担保するために、我々は『真実の誓約印(ヴェリタス・シジル)』を結ぶ」
「ヴェリタス・シジル……? あの、嘘をつくと激痛が走るという高等魔術ですか?」
「いや、激痛は業務に支障が出るので採用しない。私が開発した改良版を使う。効果は単純だ。『互いに対して嘘がつけなくなる』。これだけだ」
アシュ様はこともなげに言う。
「我々は夫婦として振る舞う以上、情報の共有は不可欠だ。そこに虚偽が混ざれば共倒れになる。だから、強制的に嘘を排除する。……愛はないが、絶対的な信頼(事実)だけはある関係。それが私の提案する『無愛契約婚』だ」
愛はないが、嘘もない。 なんて衛生的で、安全な関係なのだろう。 裏切られる心配がないというのは、何よりも得難いメリットだ。
「わかりました。その条件、すべて飲みましょう」
私は羽ペンを取り、インク壺に浸した。 迷いはない。 これは私の人生を守るための、最強の盾を手に入れる儀式だ。
「リディア・エルヴァイン。契約を受諾します」
サラサラと署名をする。 書き終えた瞬間、羊皮紙がカッと光り輝き、光の粒子が私の左手の薬指に巻き付いた。 熱さを感じる。 見ると、そこには指輪のように銀色に輝く、複雑な紋様が刻まれていた。
「契約成立だ」
アシュ様も自分の左手を見つめている。彼には同じ紋様が黒色で刻まれているらしい。
「これで我々は、法的にも魔術的にも夫婦となった。……よろしく頼む、妻よ」
「こちらこそ、夫様(パートナー)」
私たちは立ち上がり、ガッチリと握手を交わした。 ロマンチックなキスも、甘い言葉もない。 あるのは書類の束と、ひんやりとした掌の感触だけ。 でも、それが心地よかった。
「さて。では早速、次の業務に移ろう」
アシュ様は手を離すと、すぐに「仕事モード」に戻った。
「来週、王宮で夜会がある。そこで我々の結婚を公式に発表する。君には『氷の宰相を溶かした(と見せかける)女性』として振る舞ってもらう必要がある」
「承知しました。演技ならお任せを」
「頼もしいな。……ところで」
アシュ様がふと、何気ない調子で尋ねてきた。
「君のそのドレスだが、昨日の深紅のものより、今日のような淡いブルーの方が知的で好ましいと思うが、どうだ?」
え? 急にファッションチェック?
私はとっさに、社交辞令で返そうとした。 『あら、ありがとうございます。でも赤も情熱的で素敵だと思いませんか?』と。
けれど。
「あら、ありがとうございます。でも本当は赤の方が、相手を威圧できて好きなんですけどね。今日はあなたに合わせて猫を被ってきただけです」
「……は?」
私の口から飛び出したのは、脳内で考えていた『本音』そのまんまの言葉だった。
時が止まる。 アシュ様が瞬きをし、私も自分の口を手で押さえて硬直した。
……あれ? 今、私、なんて言った?
「……なるほど。『嘘がつけない』効果は正常に作動しているようだな」
アシュ様が冷静に分析する。
「え、あ、いや、違いますの! 今のは言葉のアヤで……!」
「訂正は不要だ。猫を被っていたという事実確認が取れただけで十分だ」
待って。 待って待って。 『嘘がつけない』って、もしかして『社交辞令も言えない』ってこと!? オブラートに包むことすら許されないの!?
「さあ、行くぞリディア。これからは毎日、君の本音(・・・)を聞けるわけだ。効率的で楽しみだよ」
アシュ様は微かに口角を上げ――いや、あれは面白がっている顔だ――執務室の出口へと歩き出した。
私は青ざめた顔でその背中を見つめる。 愛さない契約は簡単だと思っていた。 けれど、この『嘘がつけない契約』……もしかして、とんでもない地雷を踏んでしまったのでは?
私の心の中にある、あんなことやこんなこと。 殿下への罵詈雑言や、アシュ様の顔が良いとかいうミーハーな感想まで、全部筒抜けになるってこと!?
「ちょ、ちょっと待ってくださいアシュ様! 契約の細則を確認させてください! 『黙秘権』はあるんですよね!?」
私の叫びは、分厚い扉の閉まる音にかき消された。 無愛契約婚、開始早々、前途多難の予感しかしない!
「……プロポーズ、でしたよね? 今の」
聖女ミレイユ様が、ぽかんと口を開けたまま呟いた。 私はこめかみを指で押さえ、大きく息を吐き出した。
「いいえ。あれはプロポーズという名の『業務提携の打診』よ。色気もへったくれもない、ただの人材確保ね」
「でも、お嬢様を守るっておっしゃいましたよ!」
メイドのニナが目を輝かせている。 彼女は昔から恋愛小説の読みすぎなのだ。
「『政治的な盾』と言ったのよ。つまり、私は彼にとって使い勝手のいい防具というわけ。……まったく、人が婚約破棄されて清々しているところに、次は契約結婚だなんて」
私はソファに深々と体を沈めた。 普通なら「愛のない結婚なんて!」と憤慨するところかもしれない。 あるいは、「あの氷の宰相様の妻に?」と恐れおののくところだろう。
けれど、私の胸の内で計算機が高速で弾き出した答えは――『悪くない』だった。
レオンハルト殿下と教会は、今後なりふり構わず私を潰しにかかるだろう。 今日のように捏造証拠でっち上げや、不法侵入も辞さない構えだ。 私一人でも戦える自信はあるけれど、正直なところ『面倒くさい』。 いちいち火の粉を払う手間を考えれば、国一番の権力者である宰相という防火壁(ファイアウォール)を手に入れるのは、極めて合理的だ。
「……明日、宰相府に行くわ。条件次第では、乗ってあげてもよろしくてよ」
翌日。 私は再び、宰相執務室のドアを叩いた。
「入れ。鍵は開いている」
中に入ると、アシュ様は昨日と同じように書類の山に埋もれていた。 私がソファに座ると、彼は待っていたとばかりに分厚い羊皮紙の束をドンとテーブルに置いた。
「早い回答だ。君ならそうすると思っていた」
アシュ様は無表情のまま、その束を私の前に押しやった。
「これが契約書の草案だ。目を通してくれ」
「……仕事が早すぎませんか?」
一晩で作った量ではない。 パラパラとめくると、『婚姻に伴う相互不可侵条約』『財産分与に関する特記事項』『社交業務における役割分担』など、まるで国家間の条約のような項目が並んでいる。
「私は無駄を嫌う。君との利害一致を確認した時点で、並行して作成を進めていた」
アシュ様は組んだ両手の上に顎を乗せ、淡々と説明を始めた。
「この結婚の目的は二つ。一つは君を王太子派および教会の不当な攻撃から守り、君の『名誉回復』を完遂すること。もう一つは、私が君という『他者に付け入る隙を与えない妻』を得ることで、貴族院からの縁談攻撃を無効化し、国政に集中することだ」
「なるほど。Win-Winというわけですね」
「そうだ。そこで、この契約婚における最重要条項を提示する」
彼は長い指で、契約書の第五条を指し示した。 そこには、太く力強い文字でこう書かれていた。
『甲(アシュ)と乙(リディア)は、互いに恋愛感情を持たないものとする』
私はその一行を見つめ、思わず顔を上げた。
「……恋愛感情の、禁止?」
「その通りだ」
アシュ様は真剣な眼差しで頷いた。
「今回の騒動の原因は何か? 王太子が『真実の愛』などという不確定かつ非論理的な感情に溺れ、判断力を失ったことだ。愛は人を盲目にするバグだ。政治的パートナーシップにおいて、最も不要なノイズと言える」
彼は冷徹に言い切る。
「私は君を、有能なビジネスパートナーとして評価している。だからこそ、そこに恋愛感情を持ち込みたくない。感情のもつれは判断を鈍らせ、契約の遂行を妨げる。……君も、もうあのような馬鹿げた恋愛遊戯には懲りているだろう?」
その言葉は、私の胸にストンと落ちた。 確かにその通りだ。 「愛している」と言われて尽くした結果が、あの断罪劇だ。 愛だの恋だのは、もうお腹いっぱい。 今の私が求めているのは、ときめきではなく『安心』と『確実性』だ。
「ええ、おっしゃる通りですわ、閣下」
私はニッコリと微笑んだ。
「愛さない結婚。なんと素晴らしい響きでしょう! それなら嫉妬に狂うことも、心変わりを心配する必要もありませんものね。最高に気が楽です」
「合意とみなす。では、次の条項だ」
アシュ様は満足げに頷き、次のページをめくった。
「この契約を担保するために、我々は『真実の誓約印(ヴェリタス・シジル)』を結ぶ」
「ヴェリタス・シジル……? あの、嘘をつくと激痛が走るという高等魔術ですか?」
「いや、激痛は業務に支障が出るので採用しない。私が開発した改良版を使う。効果は単純だ。『互いに対して嘘がつけなくなる』。これだけだ」
アシュ様はこともなげに言う。
「我々は夫婦として振る舞う以上、情報の共有は不可欠だ。そこに虚偽が混ざれば共倒れになる。だから、強制的に嘘を排除する。……愛はないが、絶対的な信頼(事実)だけはある関係。それが私の提案する『無愛契約婚』だ」
愛はないが、嘘もない。 なんて衛生的で、安全な関係なのだろう。 裏切られる心配がないというのは、何よりも得難いメリットだ。
「わかりました。その条件、すべて飲みましょう」
私は羽ペンを取り、インク壺に浸した。 迷いはない。 これは私の人生を守るための、最強の盾を手に入れる儀式だ。
「リディア・エルヴァイン。契約を受諾します」
サラサラと署名をする。 書き終えた瞬間、羊皮紙がカッと光り輝き、光の粒子が私の左手の薬指に巻き付いた。 熱さを感じる。 見ると、そこには指輪のように銀色に輝く、複雑な紋様が刻まれていた。
「契約成立だ」
アシュ様も自分の左手を見つめている。彼には同じ紋様が黒色で刻まれているらしい。
「これで我々は、法的にも魔術的にも夫婦となった。……よろしく頼む、妻よ」
「こちらこそ、夫様(パートナー)」
私たちは立ち上がり、ガッチリと握手を交わした。 ロマンチックなキスも、甘い言葉もない。 あるのは書類の束と、ひんやりとした掌の感触だけ。 でも、それが心地よかった。
「さて。では早速、次の業務に移ろう」
アシュ様は手を離すと、すぐに「仕事モード」に戻った。
「来週、王宮で夜会がある。そこで我々の結婚を公式に発表する。君には『氷の宰相を溶かした(と見せかける)女性』として振る舞ってもらう必要がある」
「承知しました。演技ならお任せを」
「頼もしいな。……ところで」
アシュ様がふと、何気ない調子で尋ねてきた。
「君のそのドレスだが、昨日の深紅のものより、今日のような淡いブルーの方が知的で好ましいと思うが、どうだ?」
え? 急にファッションチェック?
私はとっさに、社交辞令で返そうとした。 『あら、ありがとうございます。でも赤も情熱的で素敵だと思いませんか?』と。
けれど。
「あら、ありがとうございます。でも本当は赤の方が、相手を威圧できて好きなんですけどね。今日はあなたに合わせて猫を被ってきただけです」
「……は?」
私の口から飛び出したのは、脳内で考えていた『本音』そのまんまの言葉だった。
時が止まる。 アシュ様が瞬きをし、私も自分の口を手で押さえて硬直した。
……あれ? 今、私、なんて言った?
「……なるほど。『嘘がつけない』効果は正常に作動しているようだな」
アシュ様が冷静に分析する。
「え、あ、いや、違いますの! 今のは言葉のアヤで……!」
「訂正は不要だ。猫を被っていたという事実確認が取れただけで十分だ」
待って。 待って待って。 『嘘がつけない』って、もしかして『社交辞令も言えない』ってこと!? オブラートに包むことすら許されないの!?
「さあ、行くぞリディア。これからは毎日、君の本音(・・・)を聞けるわけだ。効率的で楽しみだよ」
アシュ様は微かに口角を上げ――いや、あれは面白がっている顔だ――執務室の出口へと歩き出した。
私は青ざめた顔でその背中を見つめる。 愛さない契約は簡単だと思っていた。 けれど、この『嘘がつけない契約』……もしかして、とんでもない地雷を踏んでしまったのでは?
私の心の中にある、あんなことやこんなこと。 殿下への罵詈雑言や、アシュ様の顔が良いとかいうミーハーな感想まで、全部筒抜けになるってこと!?
「ちょ、ちょっと待ってくださいアシュ様! 契約の細則を確認させてください! 『黙秘権』はあるんですよね!?」
私の叫びは、分厚い扉の閉まる音にかき消された。 無愛契約婚、開始早々、前途多難の予感しかしない!
23
あなたにおすすめの小説
家が没落した時私を見放した幼馴染が今更すり寄ってきた
今川幸乃
恋愛
名門貴族ターナー公爵家のベティには、アレクという幼馴染がいた。
二人は互いに「将来結婚したい」と言うほどの仲良しだったが、ある時ターナー家は陰謀により潰されてしまう。
ベティはアレクに助けを求めたが「罪人とは仲良く出来ない」とあしらわれてしまった。
その後大貴族スコット家の養女になったベティはようやく幸せな暮らしを手に入れた。
が、彼女の前に再びアレクが現れる。
どうやらアレクには困りごとがあるらしかったが…
嫌われたと思って離れたのに
ラム猫
恋愛
私は、婚約者のカイルに嫌われたと思った。冷たくそっけなく、近づくたびに避けられる日々。
距離を置くことを選び、留学の準備も進めて心を落ち着かせようとするけれど——。
皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。
おかしくなったのは、彼女が我が家にやってきてからでした。
ましゅぺちーの
恋愛
公爵家の令嬢であるリリスは家族と婚約者に愛されて幸せの中にいた。
そんな時、リリスの父の弟夫婦が不慮の事故で亡くなり、その娘を我が家で引き取ることになった。
娘の名前はシルビア。天使のように可愛らしく愛嬌のある彼女はすぐに一家に馴染んでいった。
それに対してリリスは次第に家で孤立していき、シルビアに嫌がらせをしているとの噂までたち始めた。
婚約者もシルビアに奪われ、父からは勘当を言い渡される。
リリスは平民として第二の人生を歩み始める。
全8話。完結まで執筆済みです。
この作品は小説家になろう様にも掲載しています。
【完結】貴方が好きなのはあくまでも私のお姉様
すだもみぢ
恋愛
伯爵令嬢であるカリンは、隣の辺境伯の息子であるデュークが苦手だった。
彼の悪戯にひどく泣かされたことがあったから。
そんな彼が成長し、年の離れたカリンの姉、ヨーランダと付き合い始めてから彼は変わっていく。
ヨーランダは世紀の淑女と呼ばれた女性。
彼女の元でどんどんと洗練され、魅力に満ちていくデュークをカリンは傍らから見ていることしかできなかった。
しかしヨーランダはデュークではなく他の人を選び、結婚してしまう。
それからしばらくして、カリンの元にデュークから結婚の申し込みが届く。
私はお姉さまの代わりでしょうか。
貴方が私に優しくすればするほど悲しくなるし、みじめな気持ちになるのに……。
そう思いつつも、彼を思う気持ちは抑えられなくなっていく。
8/21 MAGI様より表紙イラストを、9/24にはMAGI様の作曲された
この小説のイメージソング「意味のない空」をいただきました。
https://www.youtube.com/watch?v=L6C92gMQ_gE
MAGI様、ありがとうございます!
イメージが広がりますので聞きながらお話を読んでくださると嬉しいです。
婚約者が選んだのは私から魔力を盗んだ妹でした
今川幸乃
恋愛
バートン伯爵家のミアの婚約者、パーシーはいつも「魔法が使える人がいい」とばかり言っていた。
実はミアは幼いころに水の精霊と親しくなり、魔法も得意だった。
妹のリリーが怪我した時に母親に「リリーが可哀想だから魔法ぐらい譲ってあげなさい」と言われ、精霊を譲っていたのだった。
リリーはとっくに怪我が治っているというのにずっと仮病を使っていて一向に精霊を返すつもりはない。
それでもミアはずっと我慢していたが、ある日パーシーとリリーが仲良くしているのを見かける。
パーシーによると「怪我しているのに頑張っていてすごい」ということらしく、リリーも満更ではなさそうだった。
そのためミアはついに彼女から精霊を取り戻すことを決意する。
〈完結〉姉と母の本当の思いを知った時、私達は父を捨てて旅に出ることを決めました。
江戸川ばた散歩
恋愛
「私」男爵令嬢ベリンダには三人のきょうだいがいる。だが母は年の離れた一番上の姉ローズにだけ冷たい。
幼いながらもそれに気付いていた私は、誕生日の晩、両親の言い争いを聞く。
しばらくして、ローズは誕生日によばれた菓子職人と駆け落ちしてしまう。
それから全寮制の学校に通うこともあり、家族はあまり集わなくなる。
母は離れで暮らす様になり、気鬱にもなる。
そしてローズが出ていった歳にベリンダがなった頃、突然ローズから手紙が来る。
そこにはベリンダがずっと持っていた疑問の答えがあった。
【完結】ドアマットに気付かない系夫の謝罪は死んだ妻には届かない
堀 和三盆
恋愛
一年にわたる長期出張から戻ると、愛する妻のシェルタが帰らぬ人になっていた。流行病に罹ったらしく、感染を避けるためにと火葬をされて骨になった妻は墓の下。
信じられなかった。
母を責め使用人を責めて暴れ回って、僕は自らの身に降りかかった突然の不幸を嘆いた。まだ、結婚して3年もたっていないというのに……。
そんな中。僕は遺品の整理中に隠すようにして仕舞われていた妻の日記帳を見つけてしまう。愛する妻が最後に何を考えていたのかを知る手段になるかもしれない。そんな軽い気持ちで日記を開いて戦慄した。
日記には妻がこの家に嫁いでから病に倒れるまでの――母や使用人からの壮絶な嫌がらせの数々が綴られていたのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる