婚約破棄したくせに、聖女の能力だけは貸して欲しいとか……馬鹿ですか?

マルローネ

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17話 関係性 その2

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「え、エメリ嬢……本当に戻って来てはくれないのか? これ程、頼んでも……」

「ら、ラグディ様……?」


 今度は泣き落とし作戦だろうか? ラグディ様の態度が明らかに変化している。私に対して柔らかくなったというかなんというか……。

「ラグディ様、先ほども話が出ておりましたが、私はフラック王子殿下より10万ルベールのお給料をいただいております。お給料が全て、ということを申し上げることはないですが、あなた様のところへ戻ったことによるメリットをお教えいただけますか?」

「エメリ嬢……それは……」

「金銭的な面でもまったく及んでいないように見えるのですが? それともラグディ様やルドルフ様は月の給料を20万ルベールにしていただけるのですか?」


 20万ルベールを出してくれるのならば、考えていたかもしれない。あくまでも、宮殿での仕事の合間に行くことについては、だけど。ただ、現実的に20万ルベールをラグディ様が出すことは厳しいだろう。それだけの額になるし、元が取れるとは思えないから。


「に、20万ルベールは流石に……無理だ……!」

「なら、この話はなかったことにしていただけますか?」


 私はハッキリとラグディ様とルドルフ様に伝えた。もう、彼らの元に戻る気はないことをね。



--------------------------



 その後、ラグディ様達は馬車で帰宅することになった。私達はそれを見送るが、彼らの顔色は暗かった。リシア様以外は。


「エメリ様、感心致しましたわ。ラグディ様達を前にあそこまで否定出来るなんて……尊敬いたします」

「い、いえ……フラック王子殿下やリシア様の援護があったからでございます。私は何もしていませんよ」

「そこは謙虚に振舞わなくても、自信を持ってよろしいかと思われますわ。今度、お食事など如何でしょうか? なんだか、楽しいお話が出来そうですし……」

「リシア様とですか?」

「はい」


 リシア様はルドルフ様の婚約者であって、私とはその……微妙な関係になるはずだ。でも、今の彼女はそれを感じさせなかった。


「そうですね、私でよろしければご一緒させていただけますか?」

「まあ! ありがとうございます! それでは楽しみにしておきますね」

「は、はい」


 リシア様ってこういう性格だったのか……なんだか、最初に思っていた性格とかなり違うけれど。まあ、フラック王子殿下との関係性も気になるし、一緒に食事をするくらいは良いのかもしれないわね。色々と聞けるかもしれないし。

「それでは、ごきげんよう」

「あ、はい……リシア様もお気をつけて」


 リシア様はラグディ様達と一緒に馬車で去って行った。なんというか……とても不思議な1日だったわ。


「さて、私も今日は帰る必要が出て来たな。元々はエメリ嬢へのサプライズ訪問ということだったのだが……はは、まさかラグディ殿達への叱責になるとは思わなかったよ」

「フラック王子殿下、本日はなんとお礼を申し上げたら良いのか。本当にありがとうございました!」

「いやいや、大切な従業員の為だ。当然のことをしたまでだよ。それに……」

「……? フラック様?」


 途中でフラック王子殿下は言葉を止めていた。どうかしたのかしら?


「いや……なんでもないよ。とにかく、今日は無事に済んで良かった」

「はい、ありがとうございます!」


 私はフラック王子殿下に満面の笑みを返していた。王子殿下の顔が赤くなっていたのと、遠くからお母様とお父様が笑っていたのが、気になったけれど……。

 まあでも、ラグディ様とルドルフ様の件についてはこれで解決よね。解決してくれないと困るけれど……また、言って来たりしないわよね?
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