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16話 関係性 その1
しおりを挟む「フラック王子殿下……まさか、この屋敷内にいらっしゃるとは思いませんでしたわ。うふふふ、人が悪いのですね」
「おいおい、変なことを言わないでくれ。私がこの屋敷に居たのは偶然だよ」
「それは先ほどの会話内容からも、分かっておりますわ。うふふふふふ」
フラック王子殿下とリシア様はなんだか親しそうに話している。二人はどういう関係なのかしら……?
「あの、大変失礼なのですが……お二人は親しいご関係なのでしょうか?」
「あら? 気になりますの? うふふふふふふ」
リシア様は妖艶に笑っている……そのしぐさは、女性の私から見てもドキッとしてしまうのだから卑怯だ。
「フラック王子殿下、ご説明差し上げた方がよろしいかもしれませんわよ? 誤解を招くことになりかねないので」
「ああ、そうだな。リシア嬢とはパーティーなどで話をする関係性ではあったな。今回、偶然にもルドルフ殿と婚約が決まったということなので、スパイ的なことを依頼してみたのだ」
「え? ええと……ということは……」
私が婚約破棄をされた後に、そういう依頼があったということよね? ということは、宮殿内での仕事をしている時に連絡を取り合ったということかしら? まあ、そうとしか考えられないわよね。
「最初に言っておきますけど、私はルドルフ様の婚約者で間違いないのですよ? フラック王子殿下とはそういう関係ではないので、エメリ様は安心して大丈夫だと思いますわ」
「あ……左様でございますか……はい」
私が心配していた点を先に言われてしまった。リシア様は相当に頭の回転が早いようね……状況を察知して、私の心情も読んだのだろうし。
「なっ……! リシア……私を裏切ったというのか!?」
そんな時、ルドルフ様が激昂していた。フラック王子殿下との会話内容を聞いて、自分が裏切られたと思ったのでしょうね。ただ、これは私にも分かるけれど、そういう話ではないはずだ。
「ルドルフ様? そういう話ではないと思いますが……私がルドルフ様と婚約していることは間違いないでしょう?」
「た、確かにそうだが……」
「それとフラック王子殿下が言っていることは、全く別のことになりますわ。フラック王子殿下は、エメリ様をコーブル公爵家に戻すことは出来ないことを言っているだけであります。エメリ様の労力も考えますと、仕方のないことかと思われますが?」
「そ、それは……」
ルドルフ様はリシア様に反論出来ない状態になっているようだった。ラグディ様もフラック王子殿下に逆らえないようだし、勝負ありかもしれないわね。
私はそれよりも、フラック王子殿下とリシア様の関係性に注視していたけれど……本当に何もない関係なのかしら? とか思ってみたり……。
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