異世界日帰りごはん 料理で王国の胃袋を掴みます!

ちっき

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産まれる前から大騒ぎ!

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「アヤネせんせー!」
「あら、いらっしゃいチハルちゃん。」
「・・・へ?破水したんですよね?」
「したわね。」
「落ち着いてますね。」
「そうね・・・だって、ほら。」
 すでに侍女達は出産の準備を始めていた、前もってママさんズからの指導が入り、さらにジブラロール王都での出産を手伝いに行き実践まで行っていた。

「手際よい・・・」
「でしょう?日本で破水したら急いで病院に行くんでしょうけれど・・・ねぇ。」
 その場で準備が行われ、座って待つだけの綾音は落ち着いていた。

「陣痛はまだですか?」
「ええ、話じゃ数時間から数日来ない人もいるそうよ。」
「・・・マ?」
「早ければ数時間くらいって言ってたから、もう少し時間かかるでしょうね。」
「石田せんせーは?」
「呼びに行ってもらってるわ、チハルちゃんたちの箒貰った子が学園に向かってるの。」
「役に立てて良かったです♪」
 2人が話している間にも、外では沢山の人が動き回る、そして。

「アヤネさーん♪」
 元気に声を掛けて来たのはママさんズだ。

「来てくれたんですか?」
「勿論♪」
 返事を返したのは頼子の母、智美だ、そしてその後ろから現れたのは花音の両親、宮沢拓哉と麻衣だ。

「おじゃましますね。」
「こんにちは♪」
「わざわざすみません。」
 まだ日本に住んでいる2人は手際よく綾音に機械を付けて行く。

「破水した水は?」
「こちらです。」
 拓哉はそれを受け取ると、検査紙を付ける。

「羊水だな。」
「血圧は問題無いわ。」
「陣痛は?」
 綾音に問いかける拓哉。

「まだです。」
「こればかりはいつ始まるか分からないからな、様子を見るとしよう。」
「あの・・・」
「ん?」
 申し訳なさそうに綾音が問いかける。

「宮沢さんはまだ日本にいらっしゃるのですよね?」
「ああ、ええ、まだ病院に勤めていますよ。」
 微笑み答える拓哉、妻の麻衣も微笑み頷く。

「お仕事大丈夫なのですか?」
「問題無いですよ、代わりの者を頼みましたから、数日は空けれます。」
「私もですよ、心配しなくて大丈夫よ♪」
 安心させるためか、麻衣も微笑み優しく答える。

「カノンパパさん、チート使って良いですか?」
「ん?チート?・・・あー、良いよ。」
 千春はニパッと微笑むと名前を呼ぶ。

「アイトネ様~♪」
『は~い♪』
「いつ生まれそう?」
『・・・わからないわよ?』
「え?わかんないの?」
『ええ、もうすぐ産まれるでしょ?』
「うん、だからあと何時間くらいで出て来るかなって。」
『さぁ?』
「つかえねぇー!呼び損じゃーん!」
 思わず突っ込む千春にアイトネは大きな胸を張りながら答える。

『痛みを抑えて生まれた後も一瞬で回復出来るわよ♪』
「それアイトネやったら対価いるヤツじゃん。」
『今回は私が魂を入れた子だもの♪それくらいはセーフ!』
「意味わからん・・・まぁお礼はするけどね♪」
 2人の会話を聞きながら綾音が答える。

「チハルちゃん、アイトネ様、この子は自力で頑張りますから大丈夫です。」
『あら、そう?メグと一緒ね。』
「はい。」
 綾音はそう言うとお腹を優しく擦る、すると廊下から声が聞こえる、綾音の名前を呼んでいるようだ、そしてだんだんと近づく声、皆は声の主が入って来るのを待ちながら扉を見つめる、扉が開くと石田健太が勢いよく入って来た。

「アヤネさん!!!」
「落ち着いてね?」
「大丈夫なんですかっ!?」
「大丈夫ですよ、カヒレアに聞かなかったの?」
 健太の連絡に行った侍女カヒレアが後ろからのんびり入って来る。

「お伝えしたのですが・・・」
「言ったっけ?」
 健太はカヒレアに振り向き問いかけると、カヒレアは無表情で頷く。

「はい、お伝えしましたが、走って行かれました。」
「・・・」
「ちゃんと話しを聞く、学園長がそんな事も出来ないの?」
「・・・申し訳ない。」
 あっさりと綾音に言われ、しょんぼりする健太、皆はそれを見てクスクス笑う。

「まぁまぁ、アヤネせんせーもそれくらいで♪」
「わかってるわよ、冗談よ、ありがとうケンタさん。」
 微笑む綾音に健太もほっとしたのか椅子に座る。

「さて、今のところは問題無いな。」
 拓哉は一通りの検査をすると、麻衣も頷く、それを見てママさんズもてきぱきと準備を始める。

「清潔なタオルはそこ、お湯はそっちで沸かして頂戴。」
「マイさん、日本の出生届の方は?」
「私が出生証明書は準備するからそれを提出したら大丈夫よ。」
「こういう時病院関係者いるのは助かるわね。」
「こっちだけで生活するわけじゃ無いからね。」
 ママさんズの話しを聞きながら千春もウンウンと頷く、遠くない未来、自分も同じ様に色々と手続きをして貰う必要があると思い、話をしっかりと頭に叩き込んでいた。

「アイトネ。」
『何?』
「スティカって祝福貰ってたよね?」
『あげたわよ♪』
「聖女なの?」
『違うわよ?聖女が良い?』
「・・・アヤネせんせー、スティカを聖女にします?」
 当たり前の様に問いかける千春に綾音は首を振る。

「やめてあげて。」
「えーなんでー?ナカーマ増えるのに。」
「聖女は沢山いるでしょう?」
「うん、だからナカーマ。」
「いりません、祝福だけでも凄い事なのに。」
 呆れたように答える綾音、しかし顔は笑っている、千春の思いは伝わっているようだ。

「えー、ざんねん。」
 残念と言いながらも微笑む千春、綾音はそれを見て答える。

「聖女にすれば、産まれる時、そしてこれからもアイトネ様の加護が貰えるから安心って事なんでしょう?」
「あ、バレてた?」
「ふふっ、チハルちゃん見てたら分かるわよ、ありがとう、でも大丈夫、この子は私達がしっかり守っていくわ。」
 綾音の言葉に健太も頷く。

『聖女にならなくても加護あげちゃうけど?』
「ありがとうございます、アイトネ様、でも過剰な加護はいりませんよ?」
『そう?』
「アイトネどんな加護あげるつもりなの?」
『スティカに敵意を見せたら石になるとか?』
「それはやめてあげて、メドゥーサじゃないんだから。」
 冗談交じりな会話をしつつ、暫く様子を見ていた一行、指示が終わりママさんズも一度戻る、そして入れ替わりに聖女軍団が現れた。

「アヤネちゃーん!産まれたー?」
 開口一番に叫ぶ美桜、後ろからぞろぞろと聖女達が入ってくる。

「まだよ~、さっき陣痛が来たから、朝には産まれてるかもね。」
「あ、そんなに長いんだ。」
「えー、それじゃ朝にまた来る?」
 美桜が言うと、青空も話す、すると花音がキョロキョロと部屋を見渡す。

「あれ?うちの両親は?来てるって聞いたんだけど。」
 花音に千春が答える。

「長丁場になるかもだから、別室で休んでもらってるよ。」
「あ、そっか。」
「カノンちゃんありがとう、お二人が来てくれて安心したわ。」
「いえいえ~♪」
「カヒレア、カノンちゃんの両親の部屋教えてあげて。」
「はい、奥様。」
 侍女はそう言うと、カノンを両親の所へ案内する、その間に聖女達は楽し気に綾音と話す、暫く話をし、聖女達も家に帰る事にした。

「それじゃウチらも一回帰りま~す♪」
「アヤネちゃんがんばー♪」
「スティカ、頑張って産まれて来るんだぞぉ~♪」
 皆はそれぞれ声を掛けると部屋を出て行く、そして千春はテーブルに置かれた安産祈願のお守りを手に取る。

「コノハナサクヤヒメ様!よろしくお願いします!」
「チハルちゃん、これ木花咲耶姫様じゃないわよ?でも・・・ありがとう。」
「頑張ってください♪アイトネ、帰るよ~♪」
『アヤネちゃん、ちゃんと見てるから安心してね♪』
 千春は手を振り部屋を出る、皆を見送った綾音はお腹を擦りながら微笑む、胎の奥で感じる小さな命のぬくもりに、綾音はそっと息を吐いた。





◆◇あとがきてきななにか!◇◆

えー、今日私の誕生日です!
寿司だー今日は寿司なのだー!

で、明日の更新が休みってわけ。

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