強制ハーレムな世界で元囚人の彼は今日もマイペースです。

きゅりおす

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2nd フェーズ 集

No.16 捜査現場に行ってみよう

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学校にやって来た刑事のキビ・カオル。
彼女はユキチカの知り合いで、行方不明になった学校の生徒を探しているそうだ。
生徒はユキチカ達のクラスメイトでジーナの隣席のハナ、彼女は買い物帰りに突然姿を消した。

ユキチカ達はクラスメイトを探す為、キビの捜査に参加する。


「ハナさんが最後に訪れた美容品店だ。おーい、映像見えてるか?」
キビはウルルとジーナを連れて捜査ハナが最後に訪れた化粧品店に来ていた。

ウルルの前で手を振るキビ。

「バッチリ!」
ユキチカはウルルのアイカメラを通して映像を観ていた。

「それじゃあ行くか」
店の中に入って行く現場組の三人。

「連絡していたキビ・カオルです、少しばかり捜査にご協力いただければと」

「ああ、刑事さん、どうぞいらっしゃいませ」
店内に入ると一人の女性が対応してくれた。

彼女がこの店のオーナーのようだ。

「普段はアンドロイドに店を任せているのですが、こちらが監視カメラの映像です」
オーナーは奥の部屋に案内して映像を見せた。

「私はこっち担当しますね、シャロ、今からそっちに映像送るねー」
ジーナはモニターの前に座る。

「ああ、それじゃあ私達は店の中を改めて見て回るか」

「はい、ではユキチカ様、シャロ様、これより店内を見て回りますので」

「では店内の案内は私が、どうぞこちらに」
オーナーは二人に店内を案内する。

「当店は老舗のものから最新気鋭のブランドまで幅広く揃えています。ご要望があれば新たに商品を導入する事もありますね。普段は業務の殆どをアンドロイドに任せているので、彼女らの方が情報は知っていそうですが、色々と手続きが必要になるのでそちらは後程」

店内には様々なブランドの化粧品がブランドごとのコーナーに区切られ陳列されている。これらの商品の配置などは全てアンドロイドが行っていた。

大抵の店のオーナーは人だが、やる仕事と言えばアンドロイドの状態チェックの報告や収益などの報告を確認するだけ。その他は新商品の入荷の有無や入荷量などをAIがお勧めしてきた品や数値を参照して決めるのが主な仕事内容だ。


「ん?その瓶なに?」
店内を歩いていると化粧品が並ぶ一つのエリアにユキチカが興味をしめす。

「あの、すみません、こちらの商品は」
ウルルがオーナーに質問する。

「こちらですか?こちらは先月出たばかりの商品で、かなり人気なんですよー。評価レビューも★5つ中の★4.5!おひとついかがですか?そのステキなお肌がもっと素敵になるかと」

「いいえ、私はアンドロイドですので」
商品を進められるがそれを断るウルル。

「ハナちゃんが持ってたのと同じ、んぐんぐ」

「ほぉー。ところでユキチカ、お前いま何食ってんだ」
耳に付けている無線でユキチカの発言を聞く吉備、ユキチカが何かを食べている事に気付く。

「ん?ドーナツ」
ユキチカとシャーロットはドーナツを頬張っていた。

「すみません、ドーナツパーティーしたいと言われたので……」
通話越しに頭を下げる。

頭に手を当てながら吉備はため息をつく。
「はぁ、ったく、いくつ買ったんだ?」

「えっと……6箱ほど」
横目にテーブルの上をみるコウノ、ドーナツが12個入ったものが6箱もあった。

「きっちり人数分買いやがって。後で払うわ」

「精製された小麦を安い脂で揚げて、精製されたお砂糖かけたドーナツ!かじょーな脂質と糖質で脳ミソが中毒になるんだよねー」
そう言いながらドーナツを食べるユキチカ。

「よくもまぁそんな事話しながら食えるなお前」
呆れた様子で吉備はそう言った。


「ねぇ!ちょっと見て欲しいものがあるんだけど、大丈夫かな?キビさんも」
そんな会話をしているとジーナが奥の事務室から出て来る。

ジーナに呼ばれ監視映像が流れるモニターの前に来るキビとウルル。

「過去の映像を遡ってみたんだけど、ほら、この人!」
映像は今日から10日間前に記録されたものだ、その中に映る一人の人物にじーなが指を差した。

「その人がどうしたんだ?」

「この人服装が毎回違うし、顔もハッキリ見えないんだけど。ほら、これも、これも、全部おんなじ人だと思うんです!」
ジーナは他にも複数の映像にその人物がいると言った。

「そう思ったのはどうしてだ?」

「はい、服装や姿勢とかを変えていますが、取る動作の癖が同じなんです。バッグの持ち方だと右手では腕にかけていますが、左手ではバッグの持ち手を掴む。商品を手に取る時も同じです。それと時折周囲を見渡す様子がありますね」

ジーナは続けて説明する。

「それとシャロに調べて貰ったら、ここで扱われてる監視カメラの性能的に店内全てを映せる訳じゃないみたいです。この人が来始めた頃は手元とか映っていますが、後半になると彼女が足を止めるのは殆どカメラの死角に体の一部が入る場所なんですよ。たぶんこれ監視カメラが捉えている範囲を確認してるんじゃないかなと」

「よくこれだけで分かったな、将来はうちで働かないか?」
この短時間でジーナが発見した事に関心するキビ。


「10日間前に来たこの客、何か購入したりは?」

「当店で購入されたかどうかですか、それぐらいならすぐに」
事務室から出て、オーナーに質問する。オーナーは従業員のアンドロイドに女の事を聞く。

「すみません、その方の購入歴はありませんでした」

「分かりました、ありがとうございます。痕跡を残さないため?それとも購入してIDが記録されるのがマズイのか……」
オーナーからの話をきいて考えを巡らせるキビ。

すると彼女にコウノから連絡が入る。

「先輩!先程連絡があって、ハナさんではありませんが、行方不明者が保護されたと。現在のところ命に別条はないみたいですが、意識がまだ戻らないみたいで」

「分かった、とりあえず向かう」
「じゃあ私はシャロとここで監視の映像分析しておきます。今オーナーさんに頼んで他店舗の映像も頂けるよう準備して貰ってるので。シャロの映像解析があれば色々と分かるだろうし」

「待っててねー、これの解析が終われば映像から音声を作成できるから。そうすれば女の人が何か話していたら分かるかも!」
シャーロットはそう言って届いた映像を自身が作成したソフトで解析にかけていた。

「わかった、それじゃあここはよろしく頼む。何かあればすぐに連絡してくれ。ウルルさんは私と来るかい?」

「はい、ではわたくしはキビ様と共に行動させて頂きます」

ジーナはシャーロットと共に他店舗の監視映像の確認をする為に店に残る事に。
キビとウルルが連絡であった、保護された行方不明者の元へ向かう事になった。


キビとウルルは病院に到着。

「おつかれさま、容態は?」
「未だ意識は戻らない状態で、こちらです」
到着すると他の警察官のものが保護された者の場所へと案内する。

「それよりも……」
病室に入ると、一人の女性がベットの上で寝ていた。

「全て剥ぎ取られているんです……」

その女性の顔は包帯で覆われていた。

「顔面の皮膚すべてがッ!なんてむごい事を……」

「なんという……!!」
ウルルが驚き、口を手で覆う。

「発見当時、彼女には既に適切な処理がされてたんじゃないか?」
女性をみたキビは強く拳を握りしめて言った。

「え!?ええ、そのとおりです。なぜ?」
キビの発言に驚く警官。

「間違いない……」
徐々に険しい表情になる

「メンハギだ」

キビが言うメンハギとは一体何者なのか?
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