強制ハーレムな世界で元囚人の彼は今日もマイペースです。

きゅりおす

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2nd フェーズ 集

No.15 おまわりさんと捜査にいこう

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「ふぅ、ちょっと遅くなっちゃったなー。日が落ちちゃったな」
その日、ハナは珍しく日が落ちた時間帯に外にいた。

何か買いにいった帰りだろうか、右手に小さいレジ袋を持っていた。
すたすたと足早に街を進む。いつもは気にしないがなぜか妙に街灯の下が怖く感じる。こんな年にもなって暗闇が怖いなんて、みんなに言ったらからかわれるだろうか。そんな事を思いながら彼女は早く家に着くため歩いて行く。

すると背後に何か気配を感じた彼女は振り向いた。
「……やっぱり、この時間帯は人がいないから不気味だね」

ハナはそう言ってゆっくり振り向いて歩きはじめる。

「さぁ、はやく帰らないと……ッ!!」

しかしその瞬間。街灯が照らす範囲の外から腕が伸び、彼女を掴んだ。

口をふさがれ、叫び声をあげようにもどうにもできない。
ジタバタともがいていると、首筋に一瞬だけ痛みが走った。
すると目の前がどんどん暗くなっていく、しまいには全身の力が抜けたようになりハナは意識を失った。

そんな彼女を街灯の明かりから暗闇へとひっぱる謎の腕。



ユキチカたちがいつも通り下校しようとすると、パトカーと一台の車が縦に並び正門前に来て停車していた。

「パトカー!」
「おお、なんでここに?
ユキチカとシャーロットはそのパトカーに近づいてまじまじと見つめていた。

「ダメだぞ勝手に乗ったり、改造したら。しっかり捕まるぞ」
後ろからジーナが二人に注意する。

するとパトカーの後ろに停まっていた車の扉が開き、誰かが降りて来た。
その女はグラサンをかけ、濃い茶髪でポニーテールの髪型、警官の制服ではなくスーツを着ていた。

「カオルちゃん!」
彼女をみたユキチカは嬉しそうにそう言って、その女性に駆け寄る。

「ん?おお!ユキチカ!久しぶりだな」
カオルと呼ばれる女性はそう言ってユキチカに返事をした。

「え?この警察のお姉さん、知ってるの?」
ジーナが後ろからユキチカに尋ねる。

「お姉さんとはおだて過ぎじゃない?どうも、キビ・カオルです。ユキチカのお友達?いつも世話になってるね。大変でしょ?こいつの面倒みるのは」
キビ・カオルはそう言ってニカッと快活な笑顔を見せる。

「ウルル、ジーナ、シャーロットだよ!カオルちゃんどうしたの?」
「ああ、仕事でな。そうだ、これから学園長室に向かうんだ、ちょっと案内してくれないか?」
「いいよー!こっち!」
ユキチカ達はカオルと共にフドウがいる学園長室へと向かった。

「がくえんちょー!カオルちゃん連れて来た!」
ノックをしながらそう言うと、秘書のイエナガが扉を開けた。

「鬼丸君、カオルちゃんってどなた?」
「すみません、警視庁からやってきました。刑事のキビ・カオルです」
警察手帳を見せてカオルが名乗った。

「ああ!警察の方でしたか!どうぞ、中へ」
イエナガが中へ案内する。

「お忙しいところ、ご協力ありがとうございます」
「いえいえ、これもわが校の生徒の為」
キビとフドウが挨拶をした。

「そうですね。一刻も早く解決できるよう尽力いたします」


「おまんじゅう、うまうま、ありがとーがくえんちょー!」
何故か部屋に残って学園長のまんじゅうを食べているユキチカ。

「あのー、私達はなぜここに残っているのでしょうか」
ウルルはキビとフドウに質問をする。

「そうだな、君たちにも少し話を聞きたいと思ってね。この子、君たちのクラスメイトだろ?」
キビは内ポケットから携帯端末を取り出しそれを皆に見せた。

映っていたのはジーナの隣席のハナだった。

「ハナちゃん?彼女は私の隣の席で、友達ですけど……」

「そうか……彼女は行方不明になったんだ」
キビがそう言うとジーナは固まる。

「ジーナさん、少し座ったら良いんじゃないか?」
フドウはジーナをキビの正面に座らせる。

「それで最近の彼女の様子を聞きに来たんだ。隣席だったんだよね?何か変わった様子とかはなかったかな?」
キビはジーナの様子を見ながら話しかけた。

「特にこれといって、いつも通り話したり笑ったり」
「なるほどね。これに見覚えは?」
彼女はビニールの袋に入った、一つの小瓶を取り出してテーブルに置く。

「それは?化粧品の瓶ですか?」

保湿用のクリ―ム乳液が入った瓶だった。

「街のカメラを確認した所、彼女がこの商品を購入し帰路についた所までは確認できている」

「確かにハナちゃん最近化粧品にハマってるって……でもごめんなさいそれ以外事は今は思い出せません」
ジーナは頭を下げてそう言った。

「ふうん……ありがとう、それじゃあこれ名刺、何かあれば連絡してくれ。それでは学園長」

キビは立ち上がり学園長に軽く会釈して学園長室を出た。


その後を追い、ユキチカ達は学園長室を出てキビの後ろにピッタリついて行った。

「おい、わざわざ車の所までついて来てどうした?なんだその目は、ダメだぞ。ユキチカ、お前が私に言おうとしてる事に対して前もって言うぞ、ダメだ」

キビは振り返って警告した。

「そうさ手伝う!」

「ダメだ!迷子の子犬探すんじゃないんだぞ?この件は人攫いだ、そんな危険なことに巻き込めるか!」
「えー」
ユキチカにそう強く言いつけるキビ。

「私からもお願いします!」
ジーナが頭を下げる。

「ジーナさん、気持ちはわかるが……」
「……」

「よーし!しゅっぱーつ!」
「おー!」
「お、おー!」
いつの間にかユキチカとシャーロットそしてウルルが車の後部座席に乗り込んでいた。

「おいこら!だからダメだって……」
そう言って、再度ジーナを見るキビ、彼女はまだ頭を下げていた。

「すぅーはぁ、まったく……」
キビは大きなため息をして運転席に座りエンジンをかける。

「その代わり私の言う事ちゃんと聞くんだぞ。特にユキチカ!」

「ありがとうございます!」
ジーナは喜んだ様子で助手席に乗り込んだ。

「わーい!そうさ、そうさ!」
「つーかユキチカ、次私の車の鍵を勝手に開けたらグーだからな」
「いやー、こわーい」
車を発進させて吉備は握り拳を後部座席に座るユキチカに見せる。


警察署のオフィスに到着したユキチカ達はキビのオフィスへと向かった。

「というわけでそいつらをよろしくな」
「畏まりましたッ!って、え?!誰ですかこの男性は!?それとこの美しい少女は!?というか男性!?なんでここに!?軽くパニックなんですが?!」

敬礼をしたキビの部下かと思われる女性はユキチカとシャーロットを見て混乱していた。
ユキチカとシャーロットはこのオフィスに残り、捜査現場で収集した情報を整理したり分析したりをここで行う役目のようだ。

「そいつはユキチカとシャーロットさんだ、捜査に協力してもらう。特にユキチカからは目を離すなよ、急にどっか行くから」

「よろしくおねがいしまーす」
「よ、よろしくお願いします」
ユキチカとシャーロットは挨拶して頭を下げた。

「それじゃあユキチカ、それとシャーロットさん、このコウノってネェちゃんと一緒にモニター越しで協力してくれ。何か欲しかったらコウノに言うんだぞ」

「装着!探偵さんスコープ!」
「よいしょ」
特製のゴーグルをユキチカとシャーロットは装着した。

「それじゃあウルルさんとジーナさんはついてきてくれ」
ウルルとジーナは現場に向かうようだ。

「ではユキチカ様、シャロ様、コウノ様にご迷惑をおかけしないように」

「はーい!」
「うん」
ユキチカとシャーロットはウルルに元気に返事をした。しかしその目は何故かウルルから逸らされていた。

「……まあいっか、よし!それじゃあ捜査開始だ!」
キビはウルルとジーナを連れてオフィスを出て行く。

「ま、まだ状況が飲み込めてないのですが……」
置いてきぼりなコウノはただ茫然と立っている。

こうしてハナを探す為にユキチカ達は捜査に身を投じるのだった。
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