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3章 依存国ツィーシャ
かくしごと (リュカオンside)
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「本当は言うつもりがなかったけど………『ちびっ子』には聞いておいてもらおうと思って」
僕は上半身の服を脱いだ。
『ちびっ子』は僕の体を見て目を見張った。
全身にたくさんの傷を負った痕があるけど、多分1番注目してるのは鳩尾から左の脇腹にわたる大きな切り傷と変色した皮膚だろう。
傷に困惑している『ちびっ子』に僕はが話し始めた。
「僕は、クーデターが起きてすぐに国を脱出したって言ったね。そのあと、指名手配されてからは髪や瞳をしょっちゅう魔法で変えてあちこちを彷徨っていたんだ。
それでも、数ヶ月で見つかった。
────大魔協に裏切られて」
確かに「最後まで見届けろ」とは言っていたけど、あそこにいたらきっと報告する前に死んでいた。
そもそも僕は捨て駒扱いされたはずだから、どうなろうが向こうは関係ないと思っていた。
あの命令は僕に早く死んでくれって意味だったんだろうと、今ならわかる。
僕が少し思い返していると、『ちびっ子』は頭を強く殴られたように衝撃を受けていた。
「大魔協が……どうしてここで」
必死に振り絞った言葉が耳に届いて、目を見開いた。
『ちびっ子』は何も知らない。
何も知らないまま、追われていたんだ。
「……そっか、『ちびっ子』は僕と『クレア』のことも、そしてあの国がどんな国かあまり知らないんだ」
「え………?」
困惑する『ちびっ子』をよそに、僕は服を着て魔法で地図を取り出した。
机に置いて、アナスタシアとトランスヴァール、そしてイェルガの領土を囲み、大魔協を丸で囲んだ。
大魔協はイェルガの内部にある。
「話の前に少し必要な知識を教えるよ。
アナスタシアは先王の時代から二つの大国に狙われていた。それが、トランスヴァールとイェルガ。
トランスヴァールは西方で軍事的に領土を拡大している大国で、当時中央へ行くには船で南部を渡って行くしかなかったことを不便に思っていた。そこでアナスタシアを支配領土に入れようと躍起になっていた。
対するイェルガは、グラントの次に強大な北方の国。領土自体はすごく広いけど、そのほとんどが山や魔物の棲家で、大抵の人は首都で暮らしていて、国民のためにも領地を広げる必要があったし、魔法関連の貿易で稼ごうにもグラントの存在があって難しくて、新たな土地での作物を必要としていた。そこでアナスタシアに目をつけた。
先王はこの状況を重く受け止めていた。なんとかして二国からアナスタシアを守らないといけないと。
そんなときに接近してきたのが、大魔協だった。
大魔協はイェルガの内部にあるけど、独立した機関として立っていて、そんな大魔協から取引を持ちかけられるとともに解決策をもらった」
「解決策って、まさか……」
青ざめた表情の『ちびっ子』に僕は頷いた。
「魔力をもつ人で結界をつくること。それが解決策だった。取引内容はこの策で利用された人の情報をすべて明け渡し、いかなる実験にも協力すること。
先王はこれに許可してしまった。国に大魔協が入りやすいようにしてしまった。まんまと嵌められたんだ。
………おかげで、『ちびっ子』たちが巻き込まれた。君は大魔協のせいであんな場所にいることを強いられたってわけ」
あえて軽い調子で言ってみせると、『ちびっ子』はひどく失望した顔になっていた。
やっぱり、衝撃的すぎたかな。
この調子じゃあ、このあとの話で倒れてしまいそうだ。
でも、話すためにここに呼んだのだから、話さないといけない。
「………僕と『クレア』はそんな君たちを監視して、大魔協に報告する監視員の役割でアナスタシアにいた」
『ちびっ子』は虚ろな瞳で僕を睨んだ。
僕は上半身の服を脱いだ。
『ちびっ子』は僕の体を見て目を見張った。
全身にたくさんの傷を負った痕があるけど、多分1番注目してるのは鳩尾から左の脇腹にわたる大きな切り傷と変色した皮膚だろう。
傷に困惑している『ちびっ子』に僕はが話し始めた。
「僕は、クーデターが起きてすぐに国を脱出したって言ったね。そのあと、指名手配されてからは髪や瞳をしょっちゅう魔法で変えてあちこちを彷徨っていたんだ。
それでも、数ヶ月で見つかった。
────大魔協に裏切られて」
確かに「最後まで見届けろ」とは言っていたけど、あそこにいたらきっと報告する前に死んでいた。
そもそも僕は捨て駒扱いされたはずだから、どうなろうが向こうは関係ないと思っていた。
あの命令は僕に早く死んでくれって意味だったんだろうと、今ならわかる。
僕が少し思い返していると、『ちびっ子』は頭を強く殴られたように衝撃を受けていた。
「大魔協が……どうしてここで」
必死に振り絞った言葉が耳に届いて、目を見開いた。
『ちびっ子』は何も知らない。
何も知らないまま、追われていたんだ。
「……そっか、『ちびっ子』は僕と『クレア』のことも、そしてあの国がどんな国かあまり知らないんだ」
「え………?」
困惑する『ちびっ子』をよそに、僕は服を着て魔法で地図を取り出した。
机に置いて、アナスタシアとトランスヴァール、そしてイェルガの領土を囲み、大魔協を丸で囲んだ。
大魔協はイェルガの内部にある。
「話の前に少し必要な知識を教えるよ。
アナスタシアは先王の時代から二つの大国に狙われていた。それが、トランスヴァールとイェルガ。
トランスヴァールは西方で軍事的に領土を拡大している大国で、当時中央へ行くには船で南部を渡って行くしかなかったことを不便に思っていた。そこでアナスタシアを支配領土に入れようと躍起になっていた。
対するイェルガは、グラントの次に強大な北方の国。領土自体はすごく広いけど、そのほとんどが山や魔物の棲家で、大抵の人は首都で暮らしていて、国民のためにも領地を広げる必要があったし、魔法関連の貿易で稼ごうにもグラントの存在があって難しくて、新たな土地での作物を必要としていた。そこでアナスタシアに目をつけた。
先王はこの状況を重く受け止めていた。なんとかして二国からアナスタシアを守らないといけないと。
そんなときに接近してきたのが、大魔協だった。
大魔協はイェルガの内部にあるけど、独立した機関として立っていて、そんな大魔協から取引を持ちかけられるとともに解決策をもらった」
「解決策って、まさか……」
青ざめた表情の『ちびっ子』に僕は頷いた。
「魔力をもつ人で結界をつくること。それが解決策だった。取引内容はこの策で利用された人の情報をすべて明け渡し、いかなる実験にも協力すること。
先王はこれに許可してしまった。国に大魔協が入りやすいようにしてしまった。まんまと嵌められたんだ。
………おかげで、『ちびっ子』たちが巻き込まれた。君は大魔協のせいであんな場所にいることを強いられたってわけ」
あえて軽い調子で言ってみせると、『ちびっ子』はひどく失望した顔になっていた。
やっぱり、衝撃的すぎたかな。
この調子じゃあ、このあとの話で倒れてしまいそうだ。
でも、話すためにここに呼んだのだから、話さないといけない。
「………僕と『クレア』はそんな君たちを監視して、大魔協に報告する監視員の役割でアナスタシアにいた」
『ちびっ子』は虚ろな瞳で僕を睨んだ。
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