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3章 依存国ツィーシャ
ツィーシャのご飯
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2人は賑やかな中でひとつの屋台の前にいた。
「はい、これ」
「…………ありがとう……?」
クレアはリュークから手渡された食べ物を困惑しながら受け取った。
今まで見たことがない形──薄い皮のような生地に野菜が包まれていて、手で持てるように紙が巻かれている──でどう食べればいいのかわからないようだった。
クレアが受け取った食べ物をいろんな角度から見ていると、リュークは手本を見せるように先に食べた。
リュークは野菜と生地を上手い具合に一緒に食べている。少しだけ生地からパリッという音がするのが特徴的で、クレアも気になってリュークに倣い食べてみる。
同じようにパリッと音を立てて野菜と生地を食べてみると、生地が薄くかつ少し香ばしい味で焼けていて、皿としての役割もさることながら、野菜との組み合わせが非常にいい効果を生み出していた。
クレアがその美味しさに驚いてリュークを見ると、リュークは少しだけ自慢げな顔をしていた。
「この国ではクレープ、っていうこのパリッとした皮で包んだ料理が有名なんだ。今食べてるのはサラダクレープ。
もともとは貴族が食べていたから、フルーツを包むものが多かったみたいだけど、さすがにフルーツは高いから、庶民に広がる頃にはこうして工夫されたものが普及したみたい」
「へぇ……いつかフルーツが包まれたものも食べてみたいな」
クレアが食べかけの自分のクレープを眺めながらそう呟くと、リュークはまた得意げに笑った。
「じゃあ、叶えてあげるよ」
「え?」
そう言ってクレアの手を取って、屋台を離れてまた違う屋台へ渡った。
クレアがまだ食べ終わっていないクレープを食べて待っていると、リュークが屋台から買ってきたものを持って帰ってきた。
近くにあったベンチに腰掛けてリュークが買ってきたものを見る。
今クレアが食べているクレープとは形が違って、とても小さい。
生地は同じようだが、サラダクレープのように下が閉まっていて、上が開いているような形ではなく、どちらも均等に開いている。
小さな筒のような感じで、生地が何度か重ねられていて、その中にジャムが詰まっている。
「フルーツはちゃんとしたものは全部貴族に行くか、輸出で出ていくんだけど、規格外品っていう傷んでいる場所があって出荷できないようなものは庶民の方に卸されるんだ。
それを使ったジャムがクレープ生地に包まれているんだ」
「規格外品?を捨てずにこうやって使ってるのはすごい新鮮かも………。
グラントにいたときは食べられないものは捨てるか、家畜の餌だったから」
クレアは新しい出会いにまた物珍しそうにジャムのクレープを眺めて食べる。
パリッというよりはサクッというほうに近い、そんな食感の生地にジャムの濃い味がよく混ざっている。
新たな食感に驚きの連続だ。
「これ、すごく美味しい………!!傷んだものって言っていたからすこし心配だったけど、全然食べられるね」
「ジャムの利点はそこにあるからね。気に入ってもらえて何よりだよ」
リュークもそう言って、ジャムのクレープをつまんで食べた。
手ごろな感覚で食べられるところもいい点だ。
ゆっくり食べていると、ベンチに座るリュークを見つけて声をかけてきた人がいた。
「おう、リューク!この前はありがとうな!今度また食べに来いよ!タダにしてやる」
「本当?言質取ったよ?」
「ははは!いくらでも食わせてやるさ!」
その人だけでは終わらなかった。
それを皮切りにして度々リュークに話しかける人がやってきた。
「リュークさん!おかげで彼女と上手くいきました!今度紹介させてください!」
「リューク!父さんがまた頼みたいって!いつもありがとう!」
「リュークさん、また子供たちと遊んであげて?あの子たちも喜ぶから」
その人々を、リュークは全員覚えているようで、相手もリュークの内面を理解しているようで、初対面では怖いと印象を持たれやすいリュークがこの国に馴染んでいるのがわかる。
クレアはそのことに少し嬉しいと思いつつ、あの遠く離れた場所にぽつんと建つリュークの家を考えて、寂しさも覚えた。
やっと人の波がおさまって、リュークが少し疲れをみせると、隣でずっと黙々と食べていたクレアはやっと口を開いた。
「人気者だね」
「………人助けしてるだけだよ。あっちじゃできなかったから」
リュークは肩をすくめてそれだけ言うと、大きく伸びをして立ち上がった。
クレアも食べ終わったのでつられて立ち上がると、リュークはまたクレアの手を取った。
「食後の運動をしようか」
「…………え?」
そうしてクレアはまたリュークに手を引かれて連れられていった。
「はい、これ」
「…………ありがとう……?」
クレアはリュークから手渡された食べ物を困惑しながら受け取った。
今まで見たことがない形──薄い皮のような生地に野菜が包まれていて、手で持てるように紙が巻かれている──でどう食べればいいのかわからないようだった。
クレアが受け取った食べ物をいろんな角度から見ていると、リュークは手本を見せるように先に食べた。
リュークは野菜と生地を上手い具合に一緒に食べている。少しだけ生地からパリッという音がするのが特徴的で、クレアも気になってリュークに倣い食べてみる。
同じようにパリッと音を立てて野菜と生地を食べてみると、生地が薄くかつ少し香ばしい味で焼けていて、皿としての役割もさることながら、野菜との組み合わせが非常にいい効果を生み出していた。
クレアがその美味しさに驚いてリュークを見ると、リュークは少しだけ自慢げな顔をしていた。
「この国ではクレープ、っていうこのパリッとした皮で包んだ料理が有名なんだ。今食べてるのはサラダクレープ。
もともとは貴族が食べていたから、フルーツを包むものが多かったみたいだけど、さすがにフルーツは高いから、庶民に広がる頃にはこうして工夫されたものが普及したみたい」
「へぇ……いつかフルーツが包まれたものも食べてみたいな」
クレアが食べかけの自分のクレープを眺めながらそう呟くと、リュークはまた得意げに笑った。
「じゃあ、叶えてあげるよ」
「え?」
そう言ってクレアの手を取って、屋台を離れてまた違う屋台へ渡った。
クレアがまだ食べ終わっていないクレープを食べて待っていると、リュークが屋台から買ってきたものを持って帰ってきた。
近くにあったベンチに腰掛けてリュークが買ってきたものを見る。
今クレアが食べているクレープとは形が違って、とても小さい。
生地は同じようだが、サラダクレープのように下が閉まっていて、上が開いているような形ではなく、どちらも均等に開いている。
小さな筒のような感じで、生地が何度か重ねられていて、その中にジャムが詰まっている。
「フルーツはちゃんとしたものは全部貴族に行くか、輸出で出ていくんだけど、規格外品っていう傷んでいる場所があって出荷できないようなものは庶民の方に卸されるんだ。
それを使ったジャムがクレープ生地に包まれているんだ」
「規格外品?を捨てずにこうやって使ってるのはすごい新鮮かも………。
グラントにいたときは食べられないものは捨てるか、家畜の餌だったから」
クレアは新しい出会いにまた物珍しそうにジャムのクレープを眺めて食べる。
パリッというよりはサクッというほうに近い、そんな食感の生地にジャムの濃い味がよく混ざっている。
新たな食感に驚きの連続だ。
「これ、すごく美味しい………!!傷んだものって言っていたからすこし心配だったけど、全然食べられるね」
「ジャムの利点はそこにあるからね。気に入ってもらえて何よりだよ」
リュークもそう言って、ジャムのクレープをつまんで食べた。
手ごろな感覚で食べられるところもいい点だ。
ゆっくり食べていると、ベンチに座るリュークを見つけて声をかけてきた人がいた。
「おう、リューク!この前はありがとうな!今度また食べに来いよ!タダにしてやる」
「本当?言質取ったよ?」
「ははは!いくらでも食わせてやるさ!」
その人だけでは終わらなかった。
それを皮切りにして度々リュークに話しかける人がやってきた。
「リュークさん!おかげで彼女と上手くいきました!今度紹介させてください!」
「リューク!父さんがまた頼みたいって!いつもありがとう!」
「リュークさん、また子供たちと遊んであげて?あの子たちも喜ぶから」
その人々を、リュークは全員覚えているようで、相手もリュークの内面を理解しているようで、初対面では怖いと印象を持たれやすいリュークがこの国に馴染んでいるのがわかる。
クレアはそのことに少し嬉しいと思いつつ、あの遠く離れた場所にぽつんと建つリュークの家を考えて、寂しさも覚えた。
やっと人の波がおさまって、リュークが少し疲れをみせると、隣でずっと黙々と食べていたクレアはやっと口を開いた。
「人気者だね」
「………人助けしてるだけだよ。あっちじゃできなかったから」
リュークは肩をすくめてそれだけ言うと、大きく伸びをして立ち上がった。
クレアも食べ終わったのでつられて立ち上がると、リュークはまたクレアの手を取った。
「食後の運動をしようか」
「…………え?」
そうしてクレアはまたリュークに手を引かれて連れられていった。
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