16 / 196
ワンザブロー帝国編
第16話 三人称視点・アイの中心にいる化け物
しおりを挟む
「ああ、こりゃあ駄目だ。目にしただけでクラクラする。どうやらアイナのチャームは、見た目と声とボディタッチから発生するし、存在してるだけで広がっていくらしい」
「ひええ、どうしようもないじゃないですかあ」
「そうでもない」
ここは街の中心にある広場である。
妙な話をする男女がいるな、と思いながら、その男は部下を引き連れて目的地へ到着した。
そこはアイナシティ。
ワンザブロー帝国が召喚した、最悪の失敗作、“世界を喰らい尽くす自己愛”アイナを隔離した場所である。
この怪物を外に出さないため、定期的に使節団が訪れ、アイナとの会談や贈り物を行っていた。
ワンザブロー帝国は、この怪物を恐れていたのだ。
というのも仕方がない。
アイナは召喚されると同時に、その場にいた魔法使い全員をチャームし下僕とした。
魔道具による遮蔽を経ずに彼女と会った者は、残らずアイナに心酔した。
「化け物め、笑っているわい」
男は忌々しげに呟いた。
全身に魔法の護符を装備し、魔法のバイザーに魔法の手袋、魔法のボディスーツに魔法の耳栓。
意思の疎通は文章で行う。
こうまでしなければ、アイナに取り込まれてしまう。
彼はワンザブロー帝国の使節だった。
今朝方、街に到着した時、宿泊施設は既に使われているので相部屋してくださいと言われ、難色を示した。
なんだ相部屋って。
こんな恐ろしい街を訪れて、宿泊施設を使おうなどと考えるのはおかしい。
そもそもそいつらは、チャームされていないのか。
いや、考えるのは後だと、使節はこの街の主に向き直った。
ピンク色の髪をツーサイドアップにした女がそこにはいる。
微笑むその顔は、幼さが残るものの息を呑むほどの美貌。
「ようこそ、使節さん。あなたのお名前を聞かせて欲しいわ」
使節の男は顔をしかめる。
受け止めた音声が、バイザーに文字となって現れる。
彼はこれを読み、返答を文章として空間に表示する。
それが、アイナと対峙して取り込まれない唯一のコミュニケーション方法だ。
会話が成立してしまえば、どんな装備をしようと取り込まれる。
『贈り物を用意してきた。これを以て、今月も街の中に留まってもらいたい』
「あら、答えてもらえないのね。寂しいわ。だけど、贈り物はありがとう。私、ちゃんと約束は守るのよ」
アイナは微笑む。
その瞬間、バイザーは視界を閉ざした。
間近でこれを直視すると取り込まれるのだ。
(恐ろしい女だ……!!)
使節は震えた。
(存在するだけで、周囲の者たちを狂わせる! それに、この女のチャームは周囲の魔力を際限なく吸い上げながら実行されているというではないか! ここにあることそのものが、世界にとっての危機!)
それは、ワンザブロー帝国の地位ある者ならば、誰もが認識している危機である。
帝国はその中に、恐るべき爆弾を抱えている。
(なぜ元老院はこの女を殺さないのか! 大規模破壊魔法でも打ち込めば、街を灰燼に帰することができように! いや、試しておらぬはずはなかったか)
使節が見上げる先には、アイナの忠実な護衛となった巨人、ヘカトンケイルが二体。
アイナシティに追放……いや、辺境の都市を割譲されたアイナに向けて、早速放たれたのはワンザブロー帝国最大戦力たるヘカトンケイル。
虎の子の人造巨人二体だが、刹那の間にチャームされ、アイナを守る最強の壁となった。
初手から大規模破壊魔法を放ち、その都市の民ごと焼き払うべきだったのだ。
今となっては、絶大な威力の魔法だろうとヘカトンケイルが防ぎ、敵を認識したアイナによって帝国は様々な意味で落とされるだろう。
(一体どうすればいいというのだ、これほど強大な力を持つ相手を、どうすれば……。ええい、忌々しい。誰か、この怪物をどうにかしてくれ!)
「わあ、気付かれたぞ」
「ひええ、マナビさんが怪しい動きをして覗いてるからじゃないですかあ!」
「逃げろ逃げろ。ヘルプ機能によると、チャームは安全地帯があるぞ。俺とルミイで声を大きくしてお喋りしながら背中を向けとけば問題ないらしい!」
「そ、そんな解決策が!? じゃあ案外大したこと無いんですねえ!」
先程の男女が、大声で会話しながら駆け抜けていく。
その後ろから、アイナにチャームされた信者たちが追いかけていくのだ。
何をやっているのか、と使節は呆れた。
そしてすぐに、驚愕する。
あの二人は、まさかこの場にいて、チャームされていないのか?
魔法的な装備などしている気配も無いのに。
だとすれば……。
彼らこそが、ワンザブロー帝国にとっての希望になるのではないか……!!
使節は少しの間、走り去っていった男女に意識を奪われていた。
だから、アイナという怪物の前で無防備でいるという失態を犯してしまったのである。
耳栓が引き抜かれた。
「良かった。やっとこうして、直接声を届けられるわ」
「!?」
使節は震え上がった。
耳の穴から流れ込んでくる声。
甘く蕩けるような声色が、使節の脳を侵食していく。
「使節の皆さんったら、みんな私の姿も見ないし言葉も聞かないんだもの。私、つまらなくって。でも、あなたがよそ見をしてくれてて良かったわ。どうしてよそ見なんかしたの?」
使節は終わりを悟った。
自分はもうすぐ、チャームによってアイナの下僕と化すだろう。
そうなった自分にアイナが、あの男女のことを尋ねたならば……。
それこそ、ワンザブロー帝国の終わりだ。
「死ね、怪物め」
使節はどうにかそれだけ、喉の奥から絞り出した。
そして、纏っていた護符の一つを起動する。
爆発の護符だ。
アイナのチャームに掛けられた時、自動的に発動する。
自決のための護符。
「あら」
アイナの眼の前で、使節は爆発した。
爆風と炎がアイナを襲う。
だが、それは彼女の前で霧散した。
それは、風と炎がアイナを認識したがためだろうか?
世界を侵食するチャームは、意志を持たぬ現象すらも己の下僕とするのか。
アイナは今日も、アイの中心に立ち、何者にも侵されぬ。
誰も、彼女を脅かすことはできない。
彼女と対等にならび、言葉を送ることはできない。
故に、アイナは気付かないのだ。
すぐ間近に現れた、最悪の敵の存在に。
「ひええ、どうしようもないじゃないですかあ」
「そうでもない」
ここは街の中心にある広場である。
妙な話をする男女がいるな、と思いながら、その男は部下を引き連れて目的地へ到着した。
そこはアイナシティ。
ワンザブロー帝国が召喚した、最悪の失敗作、“世界を喰らい尽くす自己愛”アイナを隔離した場所である。
この怪物を外に出さないため、定期的に使節団が訪れ、アイナとの会談や贈り物を行っていた。
ワンザブロー帝国は、この怪物を恐れていたのだ。
というのも仕方がない。
アイナは召喚されると同時に、その場にいた魔法使い全員をチャームし下僕とした。
魔道具による遮蔽を経ずに彼女と会った者は、残らずアイナに心酔した。
「化け物め、笑っているわい」
男は忌々しげに呟いた。
全身に魔法の護符を装備し、魔法のバイザーに魔法の手袋、魔法のボディスーツに魔法の耳栓。
意思の疎通は文章で行う。
こうまでしなければ、アイナに取り込まれてしまう。
彼はワンザブロー帝国の使節だった。
今朝方、街に到着した時、宿泊施設は既に使われているので相部屋してくださいと言われ、難色を示した。
なんだ相部屋って。
こんな恐ろしい街を訪れて、宿泊施設を使おうなどと考えるのはおかしい。
そもそもそいつらは、チャームされていないのか。
いや、考えるのは後だと、使節はこの街の主に向き直った。
ピンク色の髪をツーサイドアップにした女がそこにはいる。
微笑むその顔は、幼さが残るものの息を呑むほどの美貌。
「ようこそ、使節さん。あなたのお名前を聞かせて欲しいわ」
使節の男は顔をしかめる。
受け止めた音声が、バイザーに文字となって現れる。
彼はこれを読み、返答を文章として空間に表示する。
それが、アイナと対峙して取り込まれない唯一のコミュニケーション方法だ。
会話が成立してしまえば、どんな装備をしようと取り込まれる。
『贈り物を用意してきた。これを以て、今月も街の中に留まってもらいたい』
「あら、答えてもらえないのね。寂しいわ。だけど、贈り物はありがとう。私、ちゃんと約束は守るのよ」
アイナは微笑む。
その瞬間、バイザーは視界を閉ざした。
間近でこれを直視すると取り込まれるのだ。
(恐ろしい女だ……!!)
使節は震えた。
(存在するだけで、周囲の者たちを狂わせる! それに、この女のチャームは周囲の魔力を際限なく吸い上げながら実行されているというではないか! ここにあることそのものが、世界にとっての危機!)
それは、ワンザブロー帝国の地位ある者ならば、誰もが認識している危機である。
帝国はその中に、恐るべき爆弾を抱えている。
(なぜ元老院はこの女を殺さないのか! 大規模破壊魔法でも打ち込めば、街を灰燼に帰することができように! いや、試しておらぬはずはなかったか)
使節が見上げる先には、アイナの忠実な護衛となった巨人、ヘカトンケイルが二体。
アイナシティに追放……いや、辺境の都市を割譲されたアイナに向けて、早速放たれたのはワンザブロー帝国最大戦力たるヘカトンケイル。
虎の子の人造巨人二体だが、刹那の間にチャームされ、アイナを守る最強の壁となった。
初手から大規模破壊魔法を放ち、その都市の民ごと焼き払うべきだったのだ。
今となっては、絶大な威力の魔法だろうとヘカトンケイルが防ぎ、敵を認識したアイナによって帝国は様々な意味で落とされるだろう。
(一体どうすればいいというのだ、これほど強大な力を持つ相手を、どうすれば……。ええい、忌々しい。誰か、この怪物をどうにかしてくれ!)
「わあ、気付かれたぞ」
「ひええ、マナビさんが怪しい動きをして覗いてるからじゃないですかあ!」
「逃げろ逃げろ。ヘルプ機能によると、チャームは安全地帯があるぞ。俺とルミイで声を大きくしてお喋りしながら背中を向けとけば問題ないらしい!」
「そ、そんな解決策が!? じゃあ案外大したこと無いんですねえ!」
先程の男女が、大声で会話しながら駆け抜けていく。
その後ろから、アイナにチャームされた信者たちが追いかけていくのだ。
何をやっているのか、と使節は呆れた。
そしてすぐに、驚愕する。
あの二人は、まさかこの場にいて、チャームされていないのか?
魔法的な装備などしている気配も無いのに。
だとすれば……。
彼らこそが、ワンザブロー帝国にとっての希望になるのではないか……!!
使節は少しの間、走り去っていった男女に意識を奪われていた。
だから、アイナという怪物の前で無防備でいるという失態を犯してしまったのである。
耳栓が引き抜かれた。
「良かった。やっとこうして、直接声を届けられるわ」
「!?」
使節は震え上がった。
耳の穴から流れ込んでくる声。
甘く蕩けるような声色が、使節の脳を侵食していく。
「使節の皆さんったら、みんな私の姿も見ないし言葉も聞かないんだもの。私、つまらなくって。でも、あなたがよそ見をしてくれてて良かったわ。どうしてよそ見なんかしたの?」
使節は終わりを悟った。
自分はもうすぐ、チャームによってアイナの下僕と化すだろう。
そうなった自分にアイナが、あの男女のことを尋ねたならば……。
それこそ、ワンザブロー帝国の終わりだ。
「死ね、怪物め」
使節はどうにかそれだけ、喉の奥から絞り出した。
そして、纏っていた護符の一つを起動する。
爆発の護符だ。
アイナのチャームに掛けられた時、自動的に発動する。
自決のための護符。
「あら」
アイナの眼の前で、使節は爆発した。
爆風と炎がアイナを襲う。
だが、それは彼女の前で霧散した。
それは、風と炎がアイナを認識したがためだろうか?
世界を侵食するチャームは、意志を持たぬ現象すらも己の下僕とするのか。
アイナは今日も、アイの中心に立ち、何者にも侵されぬ。
誰も、彼女を脅かすことはできない。
彼女と対等にならび、言葉を送ることはできない。
故に、アイナは気付かないのだ。
すぐ間近に現れた、最悪の敵の存在に。
32
あなたにおすすめの小説
銀眼の左遷王ケントの素人領地開拓&未踏遺跡攻略~だけど、領民はゼロで土地は死んでるし、遺跡は結界で入れない~
雪野湯
ファンタジー
王立錬金研究所の研究員であった元貴族ケントは政治家に転向するも、政争に敗れ左遷された。
左遷先は領民のいない呪われた大地を抱く廃城。
この瓦礫に埋もれた城に、世界で唯一無二の不思議な銀眼を持つ男は夢も希望も埋めて、その謎と共に朽ち果てるつもりでいた。
しかし、運命のいたずらか、彼のもとに素晴らしき仲間が集う。
彼らの力を借り、様々な種族と交流し、呪われた大地の原因である未踏遺跡の攻略を目指す。
その過程で遺跡に眠っていた世界の秘密を知った。
遺跡の力は世界を滅亡へと導くが、彼は銀眼と仲間たちの力を借りて立ち向かう。
様々な苦難を乗り越え、左遷王と揶揄された若き青年は世界に新たな道を示し、本物の王となる。
追放された最強賢者は悠々自適に暮らしたい
桐山じゃろ
ファンタジー
魔王討伐を成し遂げた魔法使いのエレルは、勇者たちに裏切られて暗殺されかけるも、さくっと逃げおおせる。魔法レベル1のエレルだが、その魔法と魔力は単独で魔王を倒せるほど強力なものだったのだ。幼い頃には親に売られ、どこへ行っても「貧民出身」「魔法レベル1」と虐げられてきたエレルは、人間という生き物に嫌気が差した。「もう人間と関わるのは面倒だ」。森で一人でひっそり暮らそうとしたエレルだったが、成り行きで狐に絆され姫を助け、更には快適な生活のために行ったことが切っ掛けで、その他色々が勝手に集まってくる。その上、国がエレルのことを探し出そうとしている。果たしてエレルは思い描いた悠々自適な生活を手に入れることができるのか。※小説家になろう、カクヨムでも掲載しています
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
私の薬華異堂薬局は異世界につくるのだ
柚木 潤
ファンタジー
薬剤師の舞は、亡くなった祖父から託された鍵で秘密の扉を開けると、不思議な薬が書いてある古びた書物を見つけた。
そしてその扉の中に届いた異世界からの手紙に導かれその世界に転移すると、そこは人間だけでなく魔人、精霊、翼人などが存在する世界であった。
舞はその世界の魔人の王に見合う女性になる為に、異世界で勉強する事を決断する。
舞は薬師大学校に聴講生として入るのだが、のんびりと学生をしている状況にはならなかった。
以前も現れた黒い影の集合体や、舞を監視する存在が見え隠れし始めたのだ・・・
「薬華異堂薬局のお仕事は異世界にもあったのだ」の続編になります。
主人公「舞」は異世界に拠点を移し、薬師大学校での学生生活が始まります。
前作で起きた話の説明も間に挟みながら書いていく予定なので、前作を読んでいなくてもわかるようにしていこうと思います。
また、意外なその異世界の秘密や、新たな敵というべき存在も現れる予定なので、前作と合わせて読んでいただけると嬉しいです。
以前の登場人物についてもプロローグのに軽く記載しましたので、よかったら参考にしてください。
転落貴族〜千年に1人の逸材と言われた男が最底辺から成り上がる〜
ぽいづん
ファンタジー
ガレオン帝国の名門貴族ノーベル家の長男にして、容姿端麗、眉目秀麗、剣術は向かうところ敵なし。
アレクシア・ノーベル、人は彼のことを千年に1人の逸材と評し、第3皇女クレアとの婚約も決まり、順風満帆な日々だった
騎士学校の最後の剣術大会、彼は賭けに負け、1年間の期限付きで、辺境の国、ザナビル王国の最底辺ギルドのヘブンズワークスに入らざるおえなくなる。
今までの貴族の生活と正反対の日々を過ごし1年が経った。
しかし、この賭けは罠であった。
アレクシアは、生涯をこのギルドで過ごさなければいけないということを知る。
賭けが罠であり、仕組まれたものと知ったアレクシアは黒幕が誰か確信を得る。
アレクシアは最底辺からの成り上がりを決意し、復讐を誓うのであった。
小説家になろうにも投稿しています。
なろう版改稿中です。改稿終了後こちらも改稿します。
【完結】腹ペコ貴族のスキルは「種」でした
シマセイ
ファンタジー
スキルが全てを決める世界。
下級貴族の少年アレンが授かったのは、植物の種しか生み出せない、役立たずの『種』スキルだった。
『種クズ』と周りから嘲笑されても、超がつくほど呑気で食いしん坊なアレンはどこ吹く風。
今日もスキルで出した木の実をおやつに、マイペースな学院生活を送る。
これは、誰もがクズスキルと笑うその力に、世界の常識を覆すほどの秘密が隠されているとは露ほども知らない、一人の少年が繰り広げる面白おかしい学院ファンタジー!
元皇子の寄り道だらけの逃避行 ~幽閉されたので国を捨てて辺境でゆっくりします~
下昴しん
ファンタジー
武力で領土を拡大するベギラス帝国に二人の皇子がいた。魔法研究に腐心する兄と、武力に優れ軍を指揮する弟。
二人の父である皇帝は、軍略会議を軽んじた兄のフェアを断罪する。
帝国は武力を求めていたのだ。
フェアに一方的に告げられた罪状は、敵前逃亡。皇帝の第一継承権を持つ皇子の座から一転して、罪人になってしまう。
帝都の片隅にある独房に幽閉されるフェア。
「ここから逃げて、田舎に籠るか」
給仕しか来ないような牢獄で、フェアは脱出を考えていた。
帝都においてフェアを超える魔法使いはいない。そのことを知っているのはごく限られた人物だけだった。
鍵をあけて牢を出ると、給仕に化けた義妹のマトビアが現れる。
「私も連れて行ってください、お兄様」
「いやだ」
止めるフェアに、強引なマトビア。
なんだかんだでベギラス帝国の元皇子と皇女の、ゆるすぎる逃亡劇が始まった──。
※カクヨム様、小説家になろう様でも投稿中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる