第一次世界大戦はウィルスが終わらせた・しかし第三次世界大戦はウィルスを終らせる為に始められた・bai/AI

パラレル・タイム

文字の大きさ
90 / 334
戦後編・選択の時代

戦後編・選択の時代・参・第90章・小さな希望

しおりを挟む
戦後世界中で一番支援が少ないのは北中国

北中国沿岸に多くの難民が居た

穴だらけのビニールテントに

傘を差して雨をしのいでいた

連合軍が運んで来る

配給だけでは

とても足りず

たとえ汚染されていようと

岸壁で釣竿にミミズや青虫を付け

魚を釣り

母親や妹弟に食べさせ

不足する食料の足しにしていた

港に輸送船が接岸すると

多くの難民は荷物を降ろす

人夫として働いた

少年の名はヨウ

父親は戦争で左手が不自由だが

日雇い労働者をしていたが

左手を使えない為

日当も安く

父親の収入だけでは

病弱の母親と妹や弟

一家6人は食べて行けない

配給は隣町で行なわれていた

ヨウが半日かけて歩いて受け取っていた

巡回医師が来た時は

母親を背中に担いで

何キロも歩き

医者に見せた

その日は妹と弟がお腹すいたと言うが

母親を巡回医師に見せる為に

帰ったら魚を釣りに行く約束をして

母親を数キロ先まで担いで歩いた

診察の後ヨウは一人呼ばれ

巡回医者センに言われた

「汚染されている

魚を食べ続けた結果

母親は重症で余命僅かだ」と宣告される

「家族で他に魚を食べている

者は居るのか」と聞かれ

『妹と弟に食べさせている』と答える

医師は「今直ぐ魚を食べる事を辞めないと

君の家族は死んでしまう」と忠告される

『でも父の稼ぎだけでは

家族が食べられません』

医師は一枚の紙をヨウに渡す

「今連合軍は輸送車両の運転手を募集している

給料かなりの高額だ

年齢も免許もいらない

一月の研修期間を過ぎて

認められたら

家族を呼び寄せる事も可能だ

その気が在ったら私の所に来ると良い

推薦状を書いてあげる」

ヨウは『自分には紹介状を書いて貰っても

お礼が出来ない』と言うと

医師は大笑いをして

ヨウの肩に手を置き

「金儲けをしたいなら

食料を供給されるだけで

給料が出ないボランティアなどしないよ」

帰り道母にその事を伝えると

(いつも苦労を掛けてごめんね

一月位なら何とでもなるわ

がんばって)と言ってくれた

父親は【すまん俺の左手が動いたら

お前に苦労させず学校にも行かせる事が

出来たのに】

『父さん俺がいない間

母さん達を頼む

研修期間が終ったら必ず

迎えに来る』

わが子の成長した姿に

両親は涙した

ヨウは推薦状を手に

迎えに来た連合軍のトラックの

荷台に載り旅立つ

昼間はトラックの助手として働き

夜は自動車研修所で実技と学科を学び

殆どの者が落第すると言われる

一ヶ月の研修コースを見事に合格

正式に連合軍の『軍属』として採用された

ヨウは休暇をもらい

軍用車を借りて

家族が待つ難民キャンプに戻って来た

だがテントには家族は居なかった

そこで待っていたのは

巡回医師セン

「ヨウ聞いたぞ1ヶ月で難関の

研修コースを無事合格したと」

『ありがとうございます

先生が推薦状を書いてくれたお陰です

母や妹達の姿が見えないのですが』

「今は此処には居ないんだ

案内する付いて来てくれ」

巡回医師センに付いて行くヨウ

センが立ち止まった場所には

AD2025

トウ・リー

ミャン・リー

永眠すると書かれた

墓標が・・・

セン医師は淡々と話す

「親父さんは

不発弾処理の仕事中に

爆発事故で亡くなった

そのショックで君の母親の

病状が悪化した

危篤状態の中

ヨウには知らせないでくれと

苦しい息の中で懇願された」

〈今私の病状を知れば

何もかも捨てて帰って来る

今あの子は人生で一番大事な時期

あの子には希望に満ちた未来をあげたい〉

「分かった約束する」

〈ありがとう先生・・・〉

「まもなく君の母親は

安らかな笑顔を浮かべ亡くなった」

ヨウは両親が眠る墓標の前で

泣き続けた

ヨウはハッと我に返り

『先生妹と弟は今何処に?』

「安心せい

二人は生きている

お前さんが軍属に成ったと聞いて

知り合いが居る軍病院に入院させた」

『入院?』

「お前さんの母親と同じ

汚染された魚を食べていたので

病状が進んでいたが

幸い今治療すれば治るそうだ

お前さんが軍属になれたから

軍病院にさせる事が出来た

お前さんの母親の判断は正しかった

母親の最後を見とれなかったが

この一月の努力は決して

無駄じゃ無い」

家族の僅かな荷物を積み込み

キャンプを離れようとする

ヨウの前に一人の少年が現れた

〔僕もヨウさんの様に

軍属に成り家族を助けたい

これで紹介状を書いて下さい〕

少年の手には苦労しながら

少しずつ集めたと思われる

ドルと円の小額紙幣が握られていた

ヨウも以前は少年と同じ様に

家族の為に金を集めていた

「推薦状は3ヶ月に一度しか書けない

ワシはお前さんを推薦したから

この子を今推薦出来るのは

お前さんだけじゃ」

セン医師はそう言い

ヨウの肩に手を置いた

ヨウは少年を見て話し始める

『必ず軍属に成れる訳ではない

一月で合格するのは百人に一人

殆どの者は半年は掛かる

それでも合格出来なければ

放り出される

どんなに遠くの基地に居ようとも

このキャンプまで歩いて帰る事に成る

それでも良いのか?』

少年はヨウに頷く

『分かった推薦状を書こう』

少年と家族は抱き合い喜ぶ

『その金は要らない』

〔どうして?〕

『俺も推薦状をダダで書いて貰った

受け取る事は出来ん

これから行く連合軍は

袖の下が通用しない日本軍だ

礼儀と実力だけが認められる』

呆気に取られる少年に

『半年間衣食住は保障される

その金は家族に残してやれ』

〔はい!〕

目を輝かせ少年は答える

戦争で何もかも無くしたと思われた

難民キャンプに小さな希望が生まれた
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

​『イージス艦長、インパール最前線へ。――牟田口廉也に転生した俺は、地獄の餓死作戦を「鉄壁の兵站要塞」に変える』

月神世一
SF
​【あらすじ】 ​「補給がなければ、戦場に立つ資格すらない」 ​ 坂上真一(さかがみ しんいち)、50歳。  かつてイージス艦長として鉄壁の防空網を指揮し、現在は海上自衛隊で次世代艦の兵站システムを設計する男。  背中には若き日の過ちである「仁王」の刺青を隠し持ち、北辰一刀流の達人でもある彼は、ある日、勤務中に仮眠をとる。 ​ 目が覚めると、そこは湿気と熱気に満ちた1944年のビルマだった。  鏡に映っていたのは、小太りで口髭の男――歴史の教科書で見た、あの「牟田口廉也」。 ​ しかも時期は、日本陸軍史上最悪の汚点とされる「インパール作戦」決行の直前。  部下たちは「必勝の精神論」を叫び、無謀な突撃を今か今かと待っている。 ​ (……ふざけるな。俺に、部下を餓死させろと言うのか?) ​ 現代の知識と、冷徹な計算、そして海自仕込みのロジスティクス能力。  すべてを駆使して、坂上(中身)は歴史への介入を開始する。  精神論を振りかざすふりをして上層部を欺き、現地改修で兵器を強化し、密かに撤退路を整備する。 ​ これは、「史上最も無能な指揮官」の皮を被った「現代の有能な指揮官」が、確定した敗北の運命をねじ伏せ、数万の命を救うために戦う、逆転の戦記ドラマ。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

妻に不倫され間男にクビ宣告された俺、宝くじ10億円当たって防音タワマンでバ美肉VTuberデビューしたら人生爆逆転

小林一咲
ライト文芸
不倫妻に捨てられ、会社もクビ。 人生の底に落ちたアラフォー社畜・恩塚聖士は、偶然買った宝くじで“非課税10億円”を当ててしまう。 防音タワマン、最強機材、そしてバ美肉VTuber「姫宮みこと」として新たな人生が始まる。 どん底からの逆転劇は、やがて裏切った者たちの運命も巻き込んでいく――。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...