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義理の兄弟とため口で話すことになりました その③ ~匠side~
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カチャリ
聡が首にバスタオルをかけて部屋に入ってきた。聡は何も言わずに、冷蔵庫から炭酸水を出し、ゴクゴク飲み、コップを洗った。
「じゃあ、そろそろ電話切るな。戸締り気を付けろよ。明日はなるべく早く帰るから。」
ピッ
新が奈央子との電話を終えた。
「やっぱり悪かったね。小さい子もいるのに。」
ー奈央子さんも心細いだろう。
「大丈夫だ。何というか相談役にもいいことあるらしいから。」
「そうなんだ。」
「ああ。具体的に何があるかは教えてもらえなかったけどな。」
「そっか。早く起きるといいね。」
匠は本心からそう言った。
「おう!兄さん、そろそろいいか?」
新が時計を見上げ時間を見てから、聡に聞いた。
今の時刻は、23時27分だ。
「ああそうだね。ーーー。よっと。」
ドン
そういうと、玄関で気になった箱をソファーと布団の間のスペースに置いた。
簡単な包装がしてあって何か分からない。
「これは僕と朱音からのプレゼントだよ。仮婚約の儀の課題をする時にストレスがたまるからね。それを解消できるようにと思って選んだんだ。」
「開けてみてもいいですか?」
「もちろん。」
ピリッ
ガサガサ
包装紙を剥がすと中には、電動のシュレッダーが入っていて、しかも細かくカットできるタイプだ。
ーシュレッダーは持ってないから貰えて嬉しいけど、どうしてこれをくれたんだろう。
不思議に思う匠に今度は新がプレゼントをくれた。
「俺からは、カラオケ券。一緒に歌って嫌なことは忘れようぜ。」
新が、手作りの「カラオケ無料券」をくれた。注意書きが裏にあった。
【この券を使う時は、予約は2週間前にお願いします。出来れば、お互いに仕事が忙しくない時に予約してもらえると助かります。飲食代は、1500円まで出します。】
新さん・奈央子さん・陽太君の写真付きだ。
「フッ。これ奈央子さんが作ったんですね。」
「そうなんだ。奈央子、こういうの好きだから。まあ、いつか俺たち3人で行こうぜ。」
「そうですね。」「そうだね。」
匠へのプレゼントなのだが、いつの間にか新を温かい目で見守る匠と聡。
新のカラオケ好きは、この1年でよく知っている。
ー課題があるから僕からは遊びに誘いにくいと思っていた。こういう形で遊びの約束が出来て、ラッキーだな。
「シュレッダーは割とストレス発散になるんだぜ。」
そう言うと、新は箱からシュレッダーを取り出し、コンセントに繋いだ。
「使うんなら、新、ほら。」
聡さんが、コピー用紙の束とマジックを渡した。
「ありがと。」
紙にマジックで、
「会議、多すぎだろ!睡眠時間を返せ!」とでかでかと書いた。
スイッチを入れ、シュレッダーにかける。
バリバリバリバリ
「そんなに会議多いんですか?」
「ああ。綿密な打ち合わせらしいんだけどな、会議がなかったらあと1時間は早く帰れる。」
「それはキツイな。」
新はもう1枚、紙に不満を書いた。
【起きてる陽太に合わせろ。】
さっきよりも大雑把に書かれた字が、シュレッダーに吸い込まれていく。
バリバリバリバリ
「新、元気出せ。」
聡が新の肩にポンと手を置いて励ました。
「あ~!早く課長戻って来てくんないかな。」
「病気?それとも出張?」
「出張。課長代理が張り切って会議が多くてみんなイライラしてる。」
「「あー」」
失敗して評価が下がらないためだろう。課長本人にとってはいいだろうが、付き合わされる部下としては仕事が増えて大変なのだ。
「じゃあ、次は僕だね。」
【この仕事は自分で出来るって豪語してただろ。ぎりぎりになってこっちに回すなあ!】
最初は丁寧に書いていた字がだんだん怒りで乱れて行く。それをシュレッダーにかける。
バリバリバリバリ
紙がシュレッダーに吸い込まれ、細かく刻まれていくのが小窓から見える。
「それは大変でしたね。」
「聡兄の担当なのか?その人。」
「いや。同期。まあ、今日じゃないんだけど、イライラが残ってたから書いてみた。」
「仕事は間に合ったのか?」
「周りが助けてくれたからね。」
「その人は今も一緒の課なんですか?」
「うちの部署は合わないって本人が希望を出して、他の課に移った。評判はよくないね。」
そういうと聡さんはもう1枚、ペンで書きなぐった。
【自分に合う所を探すんじゃなくて、少しは、いる場所で成長することも考えろ】
バリバリバリバリ
ー聡さんは人を批判したり駄目だししたりする性格ではない。聡さんをイラつかせるなんて、その人は相当難しい性格なのだろう。うちの会社にいなくてよかった。
「あーすっきりした。」
「匠もやってみろよ。」
「う、うん。」
課題の愚痴が結構溜まってるけれど、2人の前で書くのは恥ずかしい。今回は、会社の愚痴にしよう。
【パソコンで仕事してる時に、お茶出しするってないよ。勘弁してよ。うちの会社の基本でしょ!】
バリバリバリバリ
「データが消えたら大変だよね。」
ーわあ。かなり怒ってるな。字に現れてる。
「新入社員なのかその人。」
ー言葉遣いは丁寧なままだけど、あの字を書くぐらい内心怒ってるんだな。
「いえ、3年目なんですけど、お茶やお菓子をみんなに配るのが趣味なんだそうです。」
(「そんな趣味は、会社には持ち込まないだろう普通。」)
(「なんだろうそのやってあげてます感。ぞわっとする・・・。」)
新と聡は心の中でツッコミを入れた。
「その人の性別は?」
聡が聞いた。
「女性ですけど。」
「「え・・・。」」
「匠君、義理チョコにその人から何をもらった?」
「ああ、自分用に何個もチョコレートを買ったけど食べきれないからってこの前、はおすそ分けをもらいましたね。」
「メーカー覚えている?」
「パリスチョコだったかな。」
パリスチョコは、1粒400~500円する高級チョコメーカーだ。
それをおすそ分けでバレンタインデーの日に、あげることはまず無い。
(「匠、それは本命チョコだ。」)
(「楓の知らない所で大変なことに・・・。」)
新と聡は顔を見合わせた。これは詳しく聞くべきだろうか。
「ああいう方法で気を引こうとするの僕、駄目なんですよね。」
匠が思い出して肩をすくめた。
「そ、そうなのか。」
ー気がついてたんだな。
「告白はその女性からされてはいないのかな?」
ーここは大事だ聞いておかないと。
「されましたけど、【彼女がいるって断ったら】まあ、パソコンで仕事をしている時に机に、ドンっとお茶を出されたんですよね。」
匠が思い出しながらぼやいた。
「そうなんだね。」
ーその人、僕も無理だな。
「そうだったのか。」
ー変わった人に好かれて匠も苦労したんだな。
「そっか。この気持ちを紙にぶつければいいんですね。」
匠は、腑に落ちたようで、もう1枚紙に書いた。
【○○さん。公私混同しないで働いて欲しいです。】
匠の個性的な字がシュレッダーに吸い込まれて行く。
バリバリバリバリ
「意外とすっきりしますね。」
匠は、明るくそう言った。
「匠君の役に立って嬉しいよ。」
ー思ったより色々あるんだな匠君も。楓が心配しないでいいように、言わないでいてくれてるみたいだし。
「お前はやっぱりいい奴だよ。」
ー楓の方を選んだってことだよな。楓、よかったなあ。
シュレッダーを通して、匠が楓を選んでくれたことが分かってほっとした楓の兄たちなのだった。
ピピピピ
聡の携帯が鳴った。
「0時ですね。じゃあ、今度は匠君の課題の話を聞こうかな。」
聡が首にバスタオルをかけて部屋に入ってきた。聡は何も言わずに、冷蔵庫から炭酸水を出し、ゴクゴク飲み、コップを洗った。
「じゃあ、そろそろ電話切るな。戸締り気を付けろよ。明日はなるべく早く帰るから。」
ピッ
新が奈央子との電話を終えた。
「やっぱり悪かったね。小さい子もいるのに。」
ー奈央子さんも心細いだろう。
「大丈夫だ。何というか相談役にもいいことあるらしいから。」
「そうなんだ。」
「ああ。具体的に何があるかは教えてもらえなかったけどな。」
「そっか。早く起きるといいね。」
匠は本心からそう言った。
「おう!兄さん、そろそろいいか?」
新が時計を見上げ時間を見てから、聡に聞いた。
今の時刻は、23時27分だ。
「ああそうだね。ーーー。よっと。」
ドン
そういうと、玄関で気になった箱をソファーと布団の間のスペースに置いた。
簡単な包装がしてあって何か分からない。
「これは僕と朱音からのプレゼントだよ。仮婚約の儀の課題をする時にストレスがたまるからね。それを解消できるようにと思って選んだんだ。」
「開けてみてもいいですか?」
「もちろん。」
ピリッ
ガサガサ
包装紙を剥がすと中には、電動のシュレッダーが入っていて、しかも細かくカットできるタイプだ。
ーシュレッダーは持ってないから貰えて嬉しいけど、どうしてこれをくれたんだろう。
不思議に思う匠に今度は新がプレゼントをくれた。
「俺からは、カラオケ券。一緒に歌って嫌なことは忘れようぜ。」
新が、手作りの「カラオケ無料券」をくれた。注意書きが裏にあった。
【この券を使う時は、予約は2週間前にお願いします。出来れば、お互いに仕事が忙しくない時に予約してもらえると助かります。飲食代は、1500円まで出します。】
新さん・奈央子さん・陽太君の写真付きだ。
「フッ。これ奈央子さんが作ったんですね。」
「そうなんだ。奈央子、こういうの好きだから。まあ、いつか俺たち3人で行こうぜ。」
「そうですね。」「そうだね。」
匠へのプレゼントなのだが、いつの間にか新を温かい目で見守る匠と聡。
新のカラオケ好きは、この1年でよく知っている。
ー課題があるから僕からは遊びに誘いにくいと思っていた。こういう形で遊びの約束が出来て、ラッキーだな。
「シュレッダーは割とストレス発散になるんだぜ。」
そう言うと、新は箱からシュレッダーを取り出し、コンセントに繋いだ。
「使うんなら、新、ほら。」
聡さんが、コピー用紙の束とマジックを渡した。
「ありがと。」
紙にマジックで、
「会議、多すぎだろ!睡眠時間を返せ!」とでかでかと書いた。
スイッチを入れ、シュレッダーにかける。
バリバリバリバリ
「そんなに会議多いんですか?」
「ああ。綿密な打ち合わせらしいんだけどな、会議がなかったらあと1時間は早く帰れる。」
「それはキツイな。」
新はもう1枚、紙に不満を書いた。
【起きてる陽太に合わせろ。】
さっきよりも大雑把に書かれた字が、シュレッダーに吸い込まれていく。
バリバリバリバリ
「新、元気出せ。」
聡が新の肩にポンと手を置いて励ました。
「あ~!早く課長戻って来てくんないかな。」
「病気?それとも出張?」
「出張。課長代理が張り切って会議が多くてみんなイライラしてる。」
「「あー」」
失敗して評価が下がらないためだろう。課長本人にとってはいいだろうが、付き合わされる部下としては仕事が増えて大変なのだ。
「じゃあ、次は僕だね。」
【この仕事は自分で出来るって豪語してただろ。ぎりぎりになってこっちに回すなあ!】
最初は丁寧に書いていた字がだんだん怒りで乱れて行く。それをシュレッダーにかける。
バリバリバリバリ
紙がシュレッダーに吸い込まれ、細かく刻まれていくのが小窓から見える。
「それは大変でしたね。」
「聡兄の担当なのか?その人。」
「いや。同期。まあ、今日じゃないんだけど、イライラが残ってたから書いてみた。」
「仕事は間に合ったのか?」
「周りが助けてくれたからね。」
「その人は今も一緒の課なんですか?」
「うちの部署は合わないって本人が希望を出して、他の課に移った。評判はよくないね。」
そういうと聡さんはもう1枚、ペンで書きなぐった。
【自分に合う所を探すんじゃなくて、少しは、いる場所で成長することも考えろ】
バリバリバリバリ
ー聡さんは人を批判したり駄目だししたりする性格ではない。聡さんをイラつかせるなんて、その人は相当難しい性格なのだろう。うちの会社にいなくてよかった。
「あーすっきりした。」
「匠もやってみろよ。」
「う、うん。」
課題の愚痴が結構溜まってるけれど、2人の前で書くのは恥ずかしい。今回は、会社の愚痴にしよう。
【パソコンで仕事してる時に、お茶出しするってないよ。勘弁してよ。うちの会社の基本でしょ!】
バリバリバリバリ
「データが消えたら大変だよね。」
ーわあ。かなり怒ってるな。字に現れてる。
「新入社員なのかその人。」
ー言葉遣いは丁寧なままだけど、あの字を書くぐらい内心怒ってるんだな。
「いえ、3年目なんですけど、お茶やお菓子をみんなに配るのが趣味なんだそうです。」
(「そんな趣味は、会社には持ち込まないだろう普通。」)
(「なんだろうそのやってあげてます感。ぞわっとする・・・。」)
新と聡は心の中でツッコミを入れた。
「その人の性別は?」
聡が聞いた。
「女性ですけど。」
「「え・・・。」」
「匠君、義理チョコにその人から何をもらった?」
「ああ、自分用に何個もチョコレートを買ったけど食べきれないからってこの前、はおすそ分けをもらいましたね。」
「メーカー覚えている?」
「パリスチョコだったかな。」
パリスチョコは、1粒400~500円する高級チョコメーカーだ。
それをおすそ分けでバレンタインデーの日に、あげることはまず無い。
(「匠、それは本命チョコだ。」)
(「楓の知らない所で大変なことに・・・。」)
新と聡は顔を見合わせた。これは詳しく聞くべきだろうか。
「ああいう方法で気を引こうとするの僕、駄目なんですよね。」
匠が思い出して肩をすくめた。
「そ、そうなのか。」
ー気がついてたんだな。
「告白はその女性からされてはいないのかな?」
ーここは大事だ聞いておかないと。
「されましたけど、【彼女がいるって断ったら】まあ、パソコンで仕事をしている時に机に、ドンっとお茶を出されたんですよね。」
匠が思い出しながらぼやいた。
「そうなんだね。」
ーその人、僕も無理だな。
「そうだったのか。」
ー変わった人に好かれて匠も苦労したんだな。
「そっか。この気持ちを紙にぶつければいいんですね。」
匠は、腑に落ちたようで、もう1枚紙に書いた。
【○○さん。公私混同しないで働いて欲しいです。】
匠の個性的な字がシュレッダーに吸い込まれて行く。
バリバリバリバリ
「意外とすっきりしますね。」
匠は、明るくそう言った。
「匠君の役に立って嬉しいよ。」
ー思ったより色々あるんだな匠君も。楓が心配しないでいいように、言わないでいてくれてるみたいだし。
「お前はやっぱりいい奴だよ。」
ー楓の方を選んだってことだよな。楓、よかったなあ。
シュレッダーを通して、匠が楓を選んでくれたことが分かってほっとした楓の兄たちなのだった。
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