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アデライト編
懐妊
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結婚式が終わると私とローフェルは初夜を迎えた。
しかし、既に処女喪失をしている私は、誤魔化しようがなかった。ローフェルは何事もない風を装っていたが、きっと勘付いている。
私は震える体と心を無理に抑え込もうとしていた。ローフェルは行為が終わると何か考え込むように深いため息を落として、部屋から出て行った。
部屋の外にいる乳母のベラと何か話している声が、ベッドの方まで聞こえてくる。争うような声に私はそっと扉の向こうの様子を伺った。ベラとローフェルはローフェルの自室に入ったようだ。私がいるのは当然、夫婦の寝室。貴族の寝室は続き扉になっていて寝室からローフェルの部屋の様子を聞き取ろうとした。
二人が何か話をしていたが、急に大きな声でローフェルが叫んだ。
「あいつを殺してやる!なんという事をしでかしたのだ。あの愚か者は」
その言葉でベラがオーウェンと私との間に何があったのかを話してしまったことに気が付いた。
なんてことを……。よりにもよって一番知られたくなかった夫に話すなんて……。
私が混乱している内に、今にもローフェルは、オーウェンを殺しに行きそうな様子が伝わってきた。
乳母のベラが何とか説得をしようとしているが、それよりもローフェルの怒りは収まりそうになかった。
「やめて下さい!ローフェル!!全てお話しますから、これ以上事を大きくして、私や公爵家の矜持を傷つけないで」
私が登場したことで二人は驚愕した目でこちらを見ていた。ローフェルは私が眠っていると思っていたのだろう。
私はローフェルにあの悍ましい日の出来事を全て話した。
震えて涙を流している私にローフェルは
「大丈夫だ。私は聞かなかったことにするし、君にも何も起こっていない。全て忘れなさい。オーウェンの子供を身籠ることはないのだから、安心するといい」
その言葉には違和感があった。オーウェンがかかった病気は大人になってかからなければ生殖機能は失われないと聞いていたのに……
ローフェルは続けて言ったのだ。
「弟は数多くの女と関係を持っていたが、誰ひとり妊娠していない。それはね。3年ほど前に風邪を拗らせたのだが、どうやらその風邪はあの流行性耳下炎で症状が軽かったのは、幼い頃にかかっていたからなんだ」
「どうして、その病気だと判ったんですか?」
「あいつが当時付き合っていた、伯爵家の未亡人の子供がかかっていて、そこからうつされたようだ。後で医師に確認したら、その病気に効く薬を調合したと告げられた。だから、両親はオーウェンが子供を作れない体だと義父上に伝えたんだ」
「そうなんですか」
「だから、安心して、もうこの話は終わりにしよう。二度と公爵家に君に近づかない様に言い聞かせるから、さあ、夜明けまではまだ早い。体に良くないから寝よう」
そう言って私の額にキスを落とすと震えている私を守る様に優しく抱きしめて眠った。
そうして、私は身籠った。
アリスティアを……
しかし、既に処女喪失をしている私は、誤魔化しようがなかった。ローフェルは何事もない風を装っていたが、きっと勘付いている。
私は震える体と心を無理に抑え込もうとしていた。ローフェルは行為が終わると何か考え込むように深いため息を落として、部屋から出て行った。
部屋の外にいる乳母のベラと何か話している声が、ベッドの方まで聞こえてくる。争うような声に私はそっと扉の向こうの様子を伺った。ベラとローフェルはローフェルの自室に入ったようだ。私がいるのは当然、夫婦の寝室。貴族の寝室は続き扉になっていて寝室からローフェルの部屋の様子を聞き取ろうとした。
二人が何か話をしていたが、急に大きな声でローフェルが叫んだ。
「あいつを殺してやる!なんという事をしでかしたのだ。あの愚か者は」
その言葉でベラがオーウェンと私との間に何があったのかを話してしまったことに気が付いた。
なんてことを……。よりにもよって一番知られたくなかった夫に話すなんて……。
私が混乱している内に、今にもローフェルは、オーウェンを殺しに行きそうな様子が伝わってきた。
乳母のベラが何とか説得をしようとしているが、それよりもローフェルの怒りは収まりそうになかった。
「やめて下さい!ローフェル!!全てお話しますから、これ以上事を大きくして、私や公爵家の矜持を傷つけないで」
私が登場したことで二人は驚愕した目でこちらを見ていた。ローフェルは私が眠っていると思っていたのだろう。
私はローフェルにあの悍ましい日の出来事を全て話した。
震えて涙を流している私にローフェルは
「大丈夫だ。私は聞かなかったことにするし、君にも何も起こっていない。全て忘れなさい。オーウェンの子供を身籠ることはないのだから、安心するといい」
その言葉には違和感があった。オーウェンがかかった病気は大人になってかからなければ生殖機能は失われないと聞いていたのに……
ローフェルは続けて言ったのだ。
「弟は数多くの女と関係を持っていたが、誰ひとり妊娠していない。それはね。3年ほど前に風邪を拗らせたのだが、どうやらその風邪はあの流行性耳下炎で症状が軽かったのは、幼い頃にかかっていたからなんだ」
「どうして、その病気だと判ったんですか?」
「あいつが当時付き合っていた、伯爵家の未亡人の子供がかかっていて、そこからうつされたようだ。後で医師に確認したら、その病気に効く薬を調合したと告げられた。だから、両親はオーウェンが子供を作れない体だと義父上に伝えたんだ」
「そうなんですか」
「だから、安心して、もうこの話は終わりにしよう。二度と公爵家に君に近づかない様に言い聞かせるから、さあ、夜明けまではまだ早い。体に良くないから寝よう」
そう言って私の額にキスを落とすと震えている私を守る様に優しく抱きしめて眠った。
そうして、私は身籠った。
アリスティアを……
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